鶴見大学・鶴見大学短期大学部の学長に4月から就任した 高田 信敬さん 鶴見在勤 75歳
大学の”知”を地域に還元
○…「大学の魅力は『発明と発見』。研究での新たな発見はもちろん、学生自身が秘めたる能力に気づくこと、そして大学そのものが持つまだ見ぬ魅力を発見し、創造していくことが大切」。鶴見大学・鶴見大学短期大学部の新学長として、熱く思いを語る。「そして、大学の”知”を地域に還元することも大切な役割。もっと開かれた大学にしていきたい」と話す。
○…歯学部に文学部、そして短大では保育科に歯科衛生科と、理系と文系が共存するユニークな同大。自身は文学部で長く教授を務め、大本山總持寺の貴重な絵画、古文書などを所蔵する宝蔵館の館長も務めた。「文学部からこの大学を見てきたからこそ、歯学部を持つ強みや魅力も分かる。それを伝えていくのも私の重要な役目」と語る。
○…地域との連携については、図書館が保有する古典の柄を和菓子の包装紙に使ったり、知的財産を地域振興や新たなビジネス創出に活用するなど、「アイデア次第で無数の可能性がある。地域に支えられている大学だからこそ、地域社会へのより一層の貢献を模索していきたい」と話す。
○…岐阜県生まれ。中学生の頃から言葉、特に日本語の規則性などへの関心が高かった。文学などを思想的に読み解くのではなく、「数学や自然科学のように証拠を集め、論理的に証明することができないかと。今まで誰もやっていないことに挑戦するのが面白かった。小さい頃から変わっているんです」と笑う。今も精力的に学び、考え続ける姿勢には亡き母の言葉が刻まれている。「お前は人柄が悪く、頭も特別良くない。そんな人間が世間に捨てられないためには、『人のために働け』」。母親だからこそ言える厳しくも愛情深いメッセージだ。