宮前区版【6月27日(金)号】
246号線から見える富士山(アレンさん提供)

ロシア人の写真愛好家 撮り続ける宮前の魅力 ネットギャラリー開設

 宮前区在住のロシア人写真愛好家、アレン・スミルノフさん(47)が、宮前区で撮り続けた写真を集めたネットギャラリー「みやまえ日和」を開設した。地元愛に満ちた写真を通し、地域の魅力を発信していくという。

 東高根森林公園から見える富士山。平瀬川のほとりではためくこいのぼり。6月初めに開設したネットギャラリー「みやまえ日和」には、アレンさんが4年ほど前から宮前区で撮り続けてきた写真が並び、街がもつ多彩な表情を伝えてくれる。

 青空へとのびる雲間の光や夕日に輝く坂道など、アレンさんがカメラで捉えたひとこまは、異国の街の風景のようでもある。しかし「自分はただ出合った風景にカメラを向け、その瞬間を撮るだけ。宮前の魅力を伝える写真が撮れれば、それで十分」と語る。

 当初はSNSのコミュニティー「ふらっと宮前区」へ投稿していたが、6月8日に生田緑地(多摩区)で開かれたイベントの主催者に「写真を展示しないか」と打診され快諾。初のイベント出展にあわせ、ネットギャラリーも開設した。

違う輝きに気づいた

 アレンさんは旧ソ連時代のサンクトペテルブルク近郊の出身。幼い頃、父が旅行先から持ち帰った日本の雑誌に魅了され、15歳の時に父と初来日した。新潟と京都を訪れ、「歴史、文化、食べ物、街の人たちの優しさ。いっぺんで日本のとりこになった」という。

 独学で日本語を学び、2000年に北海道の大学に留学。修士課程を修了後、東京都の会社に就職して日本人女性と結婚し、11年から宮前区に暮らす。「自然が多く人も温かい。この町が一番」という。

 学生時代から趣味だった写真に本格的に打ち込み始めたのは、コロナ禍の21年。息詰まる日々の中、気分を変えるため、お気に入りスポットの東高根森林公園にカメラを手に通い始めた。するとこれまで気づかなかった風景に「出合える」感覚があったという。「普通に歩いても素敵な街だけれど、ファインダーを通すと違う輝きに気づく。その一瞬が写真の面白さだと思う」

 日本での暮らしが四半世紀を超え、改めてこう感じているという。「もっともっと宮前の魅力を発見し、写真で伝えていきたい」

出荷間近のメロンと井上さん

幻の「宮前メロン」出荷間近 上品な香りと甘さが特徴

 その稀少性から「幻のメロン」として知られる宮前メロンの出荷が、いよいよ間近に迫ってきた。生産者の一人、井上國夫さん(71)のハウスでは、直径25cmほどまでに実ったメロンが、収穫の時を待っている。

 井上農園では、ビニールハウス4棟でメロンを栽培している。一つの株から一つの果実だけを実らせる栽培方法で、丹精込めて育てたメロンは、平均2kgを超える大玉に育つ。美しい網目や上品な香りが特徴で、しっとりとした甘さも自慢だ。

 今年は、害虫を捕食する天敵を放つ方法で、減農薬栽培にも挑戦。より安全で高品質なメロン作りに取り組んだ。収穫は糖度が15度以上になる7月から。井上さんの農園では約2000個の出荷を予定している。

 同園では、ガラス温室を設置した1977年にトマトの裏作としてメロン栽培をはじめ、10年後の87年に出荷時期を秋から7月に移行。お中元としてのニーズが大きく、人気となったという。

 宮前メロンは、最盛期には7軒の農家が生産していたが、現在は、2軒の農家のみとなった。大半が予約販売で売り切れてしまうため、店頭に並ぶ機会が少なく、「幻のメロン」と称される。

 井上さんは「今年もおいしいメロンができた。喜んでくれるお客様のためにできるだけ続けていきたい」と話した。

「推し活!MIYAMAE」の会長として情報誌の発行準備に取り組む 能崎 純郎さん 有馬在住 68歳

「推し活」で地域還元

 ○…「サッカーの三笘選手と田中選手が『鷺沼兄弟』って呼ばれて、無性にうれしかった。そんな感覚を味わってもらいたくて」。宮前区民をつなぐソーシャルデザインセンター(SDC)「みやまえBASE」で知り合った6人で宮前を「推す」、その名も「推し活!MIYAMAE」を結成した。会長としてメンバーをけん引し、来年1月の情報誌発行に向けて活動中だ。

 ○…「生まれ故郷の金沢には、歴史的な背景から芸術文化が息づいている」。帰省の際に見た、町が一体となった美術展に大きな衝撃を受け、SDCのスピンオフ企画「さぎぬまアート展」を発案した。「宮前にはパフォーマンスの高い人がたくさん住んでいるが、地域と無縁の人も多い。少しでも地域へ目を向けてもらえれば、もっと町がにぎやかになる」と期待を寄せる。

 ○…宮前区には約20年前から住んでいる。社宅から一戸建てへ引っ越す際も、教育環境が気に入り区内を離れなかった。地域活動は、53歳の時に出向した劇場での経験が生きる。観客のほとんどが女性だけだったことに違和感を覚え、リタイヤ後に、丸の内のサラリーマンを狙ってオペラ講座を始めた。6年前に起業し、現在は、川崎市文化芸術振興会議の委員としても活動。「自分もきっかけがなければ、ここまでアートに触れることはなかった」と振り返る。

 ○…息子2人はすでに成人、妻は区内の情報に詳しく、「感覚が違うので感心する」という。大分に転勤したときに始めた自転車が趣味で、しまなみ海道を走ったこともある。「体重が13年で25kg減った」と笑う。「せっかく住んでいるのだから宮前に還元したい」。この地が一人ひとりにとって「ふるさと」になることが目標だ。

選手宣誓を引き当てた田中さん

高校野球 172チームの組み合わせ決定 川崎北高は7月11日初戦

 「第107回全国高等学校野球選手権神奈川大会」の組み合わせ抽選会が6月14日、関東学院大学関内キャンパスで開かれた。開会式は7月7日の午後4時から横浜スタジアムで実施され、1回戦は9日から行われる。

 区内唯一の高校である川崎北高校は、7月11日にサーティーフォー相模原球場で逗子開成高校と初戦を戦う。

 県内188校から、今年は連合6チームを含めて172チームが出場する。県内12会場で熱戦が繰り広げられ、決勝戦は7月27日に同スタジアムで予定されている。

 希望した107人の中から抽選で決めた選手宣誓は、慶應義塾高(港北区)が引き当てた。主将の代理でくじを引いた主務の田中良汰さん(3年)は「まさか当たるとは思わず、すごくうれしかった。(主将には)最後の大会にかける想いを全球児を代表して横浜スタジアムに轟かせてほしい」と話した。

苗を植える園児

交通安全の願い込め 園児がヒマワリ苗植え

 国道246号線「鷺沼一丁目」交差点そばの花壇で6月20日、鷺沼町会ガーデニングクラブのメンバーと明日葉保育園の園児がヒマワリの苗を植えた。

 2011年に京都府内の交通事故で亡くなった4歳の男児が育てていたヒマワリを、全国各地で継承することで交通事故防止のシンボルとする「ひまわりの絆プロジェクト」の一環。宮前区では3年前から宮前警察署が取り組んでいる。

 同町会のガーデニングクラブの手ほどきを受けた5歳児クラスの園児12人は、前宮前交通安全協会会長の鮫島隆さんが育てた26株の苗を植えていった。

 参加した園児は「楽しかった。早く咲いてほしい」と感想。同町会の持田和夫会長は「ヒマワリを通じて交通安全の意識を向上させていきたい」と話した。

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着物をリメイクした洋服を着るあきやまさん

着物リメイクで新たな命 犬蔵のあきやま幾代さん

 犬蔵在住のあきやま幾代さん(77)は、古い着物を再利用して新たな洋服に仕立てる「着物リメイクデザイナー」として活動している。川崎市内では市民講座の講師を長年務め、生徒たちに着物の文化・伝統やデザインを生かしたリメイクの技術を伝えている。

 あきやまさんは、専門学校で装飾デザインを学び、アパレルブランドにデザイナーとして入社。2年目にはパリ支店のオープニングスタッフを任され、ファッションの本場パリでその感性を磨いた。

 その後、出産を機に10年勤めた会社を退職。主婦業に専念するが、子育てが一段落した頃、ファッションへの情熱が再び湧きあがってきたという。そんな時に思い出したのが、タンスに仕舞われた母の着物。「捨てるのはもったいない」と、着物の魅力を生かした洋服を作りあげると、その独自のデザインが雑誌などで取り上げられ注目を浴びた。

 洋服のデザインや販売も行っていたが、約10年前から教えることに専念。その頃に、川崎市民プラザから声がかかり、今では宮前市民館でも教室を開いている。元の布のデザインを生かし無駄なく布を使い切るのが「あきやま流」。「最近では廃棄される着物が多いと聞きます。着物は何度でも縫い直しができる。無駄の無い、とても素晴らしい日本文化。多くの方に伝えることができたらうれしい」

菅生分館で新講座

 あきやまさんが講師を務める着物リメイク講座が、9月11日から11月27日まで全7回の日程で、菅生分館で初開催される。着物を再利用しチュニックやスカート作りを行い、王禅寺エコ暮らし環境館の見学も行う。

 申し込みは8月15日(金)午前10時から。問い合わせは菅生分館【電話】044・977・4781。

佐久間吾一氏

参院選 日本改革党 佐久間氏を擁立 59歳、米軍人 叙勲剥奪訴える

 夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に、政治団体「日本改革党」は会社員の佐久間吾一氏(59)の擁立を決めた。

 佐久間氏は川崎市幸区出身で中央大学卒。2015、19年には川崎市議選に立候補し落選した。

 6月12日の本紙の取材に、佐久間氏は「消費税廃止、新型コロナワクチン接種後の超過死亡の責任追及、日本本土空襲を指揮した米軍司令官カーチス・ルメイ氏の勲章剥奪を訴えたい」とした。

内海聡氏

参院選 無所属連合内海氏、出馬へ 50歳、医師で作家

 夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に、政治団体「無所属連合」代表で、医師で作家の内海聡氏(50)が16日、出馬を表明した。

 内海氏は筑波大学医学専門学群卒業後、病院勤務を経て2013年に医院を開院。昨年、都知事選、衆院選(神奈川15区)に出馬し、落選。

 17日の会見で内海氏はワクチン・医療行政の見直しのほか「移民、外国人優遇、中小企業冷遇の反対」などを掲げた。

北部市場 小・中生向けの花育教室 花の模擬せり体験も

 川崎市の北部市場(水沢1の1の1)で7月26日(土)、「小・中学生向け おやこ花育教室」が開かれる。主催する川崎市が参加者を募集している。

 子どもの頃から花に対する関心を深めてもらうことが目的。教室では、数種類の多肉植物を使って、直径約11cmの鉢に自分だけの寄せ植え作りを行う。また、普段は入れない花のせり場で模擬せり体験も行う。

 午前の部が午前9時から11時30分、午後の部が午後1時から3時30分の2部制(内容は同じ)。対象は市内在住・在学の小・中学生と保護者。各部20組で応募多数の場合は抽選。材料費(1作品文)2000円が必要となる。申し込みは、市ホームページのフォームか、往復はがきで。6月30日(月)締切。抽選結果は応募者全員にメールまたは郵送で送られる。

 問い合わせは、同市場業務課【電話】044・975・2219。

河合道雄氏

参院選 チームみらい 河合氏擁立 教育改革など訴える

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)で、政治団体「チームみらい」は会社員の河合道雄氏(34)を擁立した。河合氏は東大卒業後、京大大学院で教育学を研究。教育系企業に勤める傍ら、新たな学びや機会を提供する民間団体「HLAB」に携わり、教育改革や格差是正などの課題と向き合う。河合氏は「デジタルや対面を通じ、一人ひとりの声を国に届ける政治が必要。透明性も高めたい」と訴える。

参院選神奈川選挙区 16人が立候補の意向 アンケート ウェブで公開

 7月3日公示、20日投開票の参議院議員選挙(改選定数4)で、本紙調べで6月20日現在、神奈川県選挙区には16人が立候補の意向を表明している。現職2人に、新人は14人。現時点で激しい選挙戦になることが予想される。

 本紙では立候補予定者を対象に全14問の独自アンケートを実施。回答を当社政治情報サイト「政治の村」で公開している(二次元コードから)。

 県内の6月2日時点の選挙人名簿登録者数は769万7043人。22年の前回選挙は補欠1を含む定数5で行われ22人が立候補。投票率は54・51%だった。

(6月20日起稿)

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あそびランド サポーター養成講座

 子どもやシニアなどさまざまな地域住民と交流を図る恒例イベント「夏休み子どもあそびランド2025」のサポーター養成講座が、7月30日(水)、31日(木)に宮前市民館で開催される。午前10時から正午まで。

 8月16日(土)と17日(日)に開催される同イベントに、サポーターとして活動できる中学・高校・大学生など20人。申し込みは同館へ直接、または【電話】044・888・3911、ウェブサイトから。

川崎市が補正予算案 マイナカード交付拡充へ

 川崎市は、2025年度の一般会計を43億9084万4000円増額する6月補正予算案を、6月2日に開会した市議会第2回定例会に提出した。国の制度に基づいて実施するマイナンバーカード交付体制の拡充や介護人材確保に向けた事業費などを計上。補正項目は7つで、補正総額のうち、約41億7000万円は国からの財源を活用する。

 急増するマイナンバーカードの更新に対応するため、約21億8300万円を計上。現在、川崎市役所北庁舎(旧第4庁舎)にあるマイナンバーカードセンターを武蔵小杉駅周辺に移設し、2023年末に終了した交付窓口を再開させる。加えて、サテライトの交付窓口を川崎駅、溝の口駅、宮前平駅、新百合ヶ丘駅の周辺に設置。人員配備にも約7100万円を計上し、交付体制の充実を図る。市では、いずれの窓口も10月の開設を見込んでいる。

生活支援に18億円

 価格が高騰する電力・ガス・食料品などの支援給付金事業費として、17億9846万円を計上。昨年度、定額減税補足給付金(不足額給付)の支給額に不足が生じた人に対し不足額を給付する。

 生活保護実施事業費には3457万9000円をあて、国の調査項目の変更などにかかるシステムを改修する。

 福祉人材確保支援事業費として8522万3000円を計上。訪問介護などのサービスを提供する事業所に対し、研修体制の構築や、経営状況の改善などの支援を行う。

 運転手不足の影響などによるバス減便などの交通課題対策として、自動運転バスの実装を進めるため、地域公共交通事業費には一般財源5900万円を含めて1億2000万円を充当。今まで使用していた中型バスに加えて、大型バスによる実証実験も実施する。

一般財源は2億円超

 補正額のうち約2億1000万円が一般財源で、市の貯金に当たる財政調整基金から繰り入れる。全額を一般財源で負担するのは次の2項目。

 公設民営障害者施設運営費には4429万円を充当。麻生区五力田にある障害者支援施設「柿生学園」の指定管理者が2026年度から変更されるのに伴い、業務の引き継ぎのための経費を盛り込んだ。

 川崎市内の民有地に設置されている貯水槽を地権者の求めに応じて撤去する費用として、5328万3000円を計上する。この撤去により、市内の民有地にある貯水槽は全部で85カ所となる。

 補正後の一般会計の総額は8990億909万9000円。

 補正予算案は、総務常任委員会に付託されて審議され、6月19日に開かれる市議会本会議で議決される。

(写真上)「しっぽとり」で芝生を走り回る参加者たち(写真下)ヘナアートのブースで顧客対応する林さん(右)

異文化交流フェス開催 言葉の壁超え笑い合った

 言語を超えたリアルな交流を作りたい--。一人の英語講師の思いから生まれた異文化交流イベント「生田緑地国際スポーツ&カルチャーフェスティバル ウィズTAROマルシェ」(スポカルフェス)が、6月8日に生田緑地で開催された。主催者の願い通り、さまざまな国にルーツを持つ人々が共に汗を流し、笑い合った。

 「スポカルフェス」は、多くの外国人が暮らす川崎の地に新たな異文化交流の場を作ろうと、多摩区で英会話教室を営む高部真生さんと、スリランカ出身で川崎市外国人市民代表者会議の元委員長、ペレーラ・ラヒルサンケータさんが立ち上げたイベントだ。

 高部さんの「外国の人々と実際に触れ合える場が欲しい」という思いから始まり、協力者のペレーラさんと「リアルな触れ合い」にこだわってイベントを考えた。多国籍チームで力を合わせる綱引きや玉入れなどの「グローバル運動会」や、子どもたちが会場内の外国人を探して声をかける「地球まるごとサインラリー」など、「言葉に関係なくコミュニケーションを交わせる仕掛けを考えた」という。

 東京都狛江市から父親と参加した小学1年生の女の子は、外国ルーツの大人や子どもたちと追いかけっこの「しっぽ取り」を力いっぱい楽しんだ。父親は「娘がこの運動会を楽しみにしていた。実際に外国人と触れ合える、いい機会だと思う」と笑顔で話した。

外国人が当たり前に 

 会場には、タイマッサージの体験コーナーやロシア人写真家のギャラリーなど、多国籍の文化に触れるブースが並んだ。「ヘナアート」のブースを出店した林リダさん(29)は、父がパキスタン、母が台湾にルーツを持ち、自身は生まれも育ちも川崎市。日本語が母国語だが、イスラム教徒の女性が着用するヒジャーブをまとう外見から、幼いころ電車の中で「自分の国に帰れ」と言われた経験もある。「でも今は川崎に外国人がいて当然という感じ。すっかり変わった」

 昨年9月、日本に暮らすムスリムの人々を応援する一般社団法人「清真の木」を立ち上げた。「モスクに通う子どもの中にはいじめにあい、不登校になる子もいる。社会の懸け橋になりたい」と林さん。ブースにはパキスタンやスリランカのスタッフが並び、続々と訪れるゲストの手に手際よくヘナアートを描いた。林さんは「ヘナがこんなに人気だなんて。スタッフも楽しそうでうれしい」と喜んでいた。
川崎市役所

社会的養護の現場 「人材確保に向け支援を」 福田市長が国に要請

 川崎市の福田紀彦市長は6月13日、指定都市市長会を代表し、児童福祉人材の確保に必要な支援についてこども家庭庁に要請した。川崎市として要請を続けてきたが、今回初めて、指定都市市長会の総意として要請した形だ。

 福田市長は三原じゅん子・内閣府特命担当大臣と面会し、児童養護施設の職員の処遇改善や、体制強化に向けた人材確保のための「配置基準」の見直しなどを盛り込んだ要請文を提出。「社会的養護の現場にも光をあてて頂きたい」と訴えた。三原大臣は「限られた財源の中で精いっぱい取り組んでいきたい」と回答した。

 親からの虐待などで家庭での養育が難しい子どもが暮らす児童養護施設では、夜勤や長期間労働が常態化している上に子どものケアが欠かせないなど、困難な業務が多い。にも関わらず給与水準が低いため、全国的にも人材確保が難しくなっており、市内でも、職員不足から子どもの受け入れを抑制せざるを得ない施設もあるという。

 加えて国が社会的養護の基本理念を里親などの「家庭養育優先」へと転換したことに伴い、児童養護施設にも家庭的な環境整備と、自立支援のためのショートステイや里親支援などの「多機能化」も求められるなど、施設職員の負荷が増す一方だ。

 こうしたことから川崎市では2022年度から、施設が職員のために宿舎を借り上げる際の補助金を支給している。その結果、23年度に宿舎を利用した職員は全体の約3割にあたるのべ1131人(実数約94人)に達し、補助金は約7千万円だった。

 一方、国は保育人材確保のために「宿舎借り上げ支援制度」を実施しているが、補助基準額の減額や補助期間の短縮など、制度が縮小されている。要請文にはこの点でも要望が盛り込まれた。

今期のクラブメンバーたち(上)とはしご車搭乗体験

少年消防クラブ結成 16人で活動スタート

 地域の小学生が防災や防火の知識を学び、体験する「宮前地区少年消防クラブ」の結成式が6月21日、川崎市消防訓練センター(犬蔵)で行われた。

 今期は、宮前区内の各子ども会からの選出と、各小学校への呼びかけで集まった小学4年生から6年生の16人が参加。任期の来年3月まで、市消防航空隊の見学や防災DAYキャンプなど年5回の活動に取り組む。  

 結成式では、同クラブの野村美千代運営委員長が、今期リーダーを務める村田弥春さん(宮崎小6年)へクラブ旗を授与した。野村運営委員長は「一日ひとつのことを持ち帰って伝えてほしい」とエール。村田さんは「正しい防火知識を学び、火の用心に努める」と宣誓した。

 メンバーは式の後、第1回目の活動として、高層ビルなどの火災や救助活動に出動するはしご車への搭乗と、放水体験を行った。

高校野球 172チームの組み合わせ決定 川崎北高は7月11日初戦

 「第107回全国高等学校野球選手権神奈川大会」の組み合わせ抽選会が6月14日、関東学院大学関内キャンパス=中区=で開かれた。開会式は7月7日の午後4時から横浜スタジアムで実施され、1回戦は9日から行われる。

 区内唯一の高校である川崎北高校は、7月11日にサーティーフォー相模原球場で逗子開成高校と初戦を戦う。

 県内188校から、今年は連合6チームを含めて172チームが出場する。県内12会場で熱戦が繰り広げられ、決勝戦は7月27日に同スタジアムで予定されている。

 希望した107人の中から抽選で決めた選手宣誓は、慶應義塾高=港北区=が引き当てた。主将の代理でくじを引いた主務の田中良汰さん(3年)は「まさか当たるとは思わず、すごくうれしかった。(主将には)最後の大会にかける想いを全球児を代表して横浜スタジアムに轟かせてほしい」と話した。