川崎市は、2025年度の一般会計を43億9084万4000円増額する6月補正予算案を、6月2日に開会した市議会第2回定例会に提出した。国の制度に基づいて実施するマイナンバーカード交付体制の拡充や介護人材確保に向けた事業費などを計上。補正項目は7つで、補正総額のうち、約41億7000万円は国からの財源を活用する。
急増するマイナンバーカードの更新に対応するため、約21億8300万円を計上。現在、川崎市役所北庁舎(旧第4庁舎)にあるマイナンバーカードセンターを武蔵小杉駅周辺に移設し、2023年末に終了した交付窓口を再開させる。加えて、サテライトの交付窓口を川崎駅、溝の口駅、宮前平駅、新百合ヶ丘駅の周辺に設置。人員配備にも約7100万円を計上し、交付体制の充実を図る。市では、いずれの窓口も10月の開設を見込んでいる。
生活支援に18億円
価格が高騰する電力・ガス・食料品などの支援給付金事業費として、17億9846万円を計上。昨年度、定額減税補足給付金(不足額給付)の支給額に不足が生じた人に対し不足額を給付する。
生活保護実施事業費には3457万9000円をあて、国の調査項目の変更などにかかるシステムを改修する。
福祉人材確保支援事業費として8522万3000円を計上。訪問介護などのサービスを提供する事業所に対し、研修体制の構築や、経営状況の改善などの支援を行う。
運転手不足の影響などによるバス減便などの交通課題対策として、自動運転バスの実装を進めるため、地域公共交通事業費には一般財源5900万円を含めて1億2000万円を充当。今まで使用していた中型バスに加えて、大型バスによる実証実験も実施する。
一般財源は2億円超
補正額のうち約2億1000万円が一般財源で、市の貯金に当たる財政調整基金から繰り入れる。全額を一般財源で負担するのは次の2項目。
公設民営障害者施設運営費には4429万円を充当。麻生区五力田にある障害者支援施設「柿生学園」の指定管理者が2026年度から変更されるのに伴い、業務の引き継ぎのための経費を盛り込んだ。
川崎市内の民有地に設置されている貯水槽を地権者の求めに応じて撤去する費用として、5328万3000円を計上する。この撤去により、市内の民有地にある貯水槽は全部で85カ所となる。
補正後の一般会計の総額は8990億909万9000円。
補正予算案は、総務常任委員会に付託されて審議され、6月19日に開かれる市議会本会議で議決される。
宮前区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|