さがみはら中央区版【8月14日(木)号】

相模原市学力調査 全国平均超え多数 「書くこと」重視 一定の成果

 小学6年生と中学3年生(義務教育学校の当該学年含む)を対象に国が4月14日〜17日に実施した「全国学力・学習状況調査」の結果が7月31日に公表された。相模原市の平均正答率は小学生の算数を除いて小中学生ともに全国平均を上回っており、特に国語については2020年から市が進めてきた「書くこと」を重視する取り組みの成果が見られた。

 同調査は子どもの学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題の検証・改善を目的に、文部科学省が07年から毎年実施しているもの。

 相模原市では、小中学生ともに国語の正答率が全国平均を上回る結果となった。昨年度は小学生の国語が全国平均より0・7ポイント低かった。市教育委員会の担当者は、今回の結果には市が進めている「3つのじ」などの取り組みが起因していると推測する。

 「3つのじ」とは、問題を解く際に「時間」(回答時間)、「字数」(指定字数)、「条件」(指導内容や各学年の実態に応じて設定される回答条件)を意識づけるための合言葉。相模原市では国語の「書くこと」の区分の正答率が全国平均を下回る傾向が続いていたことから、自分の考えを分かりやすく整理して書く力をつけるため、市が20年から実施している。その取り組みが功を奏してか、「書くこと」の分野では今回2年連続で全国平均を上回る結果となった。担当者は「課題を見据え、集中して呼びかけたことによって結果に反映されたのではないか」と分析している。

 一方で、小学生の算数は全国平均を1・0ポイント下回っており、図形やグラフの読み取りで課題が見られた。担当者はこれを受け「子どもたちと対話を進め、理解度を図りながら授業をしていく」と方針を話した。

主体的な学習を

 同時に実施された「児童生徒質問調査」では、授業への取り組みや学習習慣に関する質問も問われた。授業内での発表で「自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発表していたか」という質問では、肯定的に回答した中学生の割合が全国平均より9・6ポイント高い結果となった。これに対し担当者は「総合的な学習の時間を多く確保しているため、調べ学習などアウトプット中心の授業が活発にできている」と見解を示した。

 授業外での1日当たりの勉強時間を答える質問では、中学生は全国平均を上回っているものの、小学生はやや下回っており、学習習慣のコーディネートが課題として挙げられた。市は引き続き、主体的な学習を進め学習習慣を定着化させていく方針。

左から伊藤さん、渡邊さん、小川さん。チーム名の「マッソ」とは「あとひと踏ん張り」の時に発する掛け声

光明学園 ゴミ拾いで全国へ メンタル強化「1位目指す」

 全国の高校生がゴミ拾いを競い合う「スポGOMI甲子園2025神奈川県大会」(一般財団法人日本財団スポGOMI連盟主催)が7月に横浜公園で開催され、光明学園相模原高等学校(南区)が連覇を達成。12月に行われる全国大会へ出場する。チームのメンバーは「躊躇なくゴミを拾う精神が鍛えられた。全国1位を狙う」と語る。

 スポGOMI甲子園とは世界的に深刻な海洋ごみ問題の解決を目指した高校生のスポーツイベント。2019年に始まり、今年で7大会目を迎える。3人1組で競技時間内に決められたエリア内でゴミを拾い、量と質を競う。県大会には31チームが出場した。

 光明学園から出場したのは4チーム。優勝したのは渡邊佑晟さん(2年)、伊藤聖來さん(同)、小川裕成さん(同)のバレー部員3人で組んだ「マッソー!光明バレーボール部」。3人は競技時間45分間で重量10・33kg(30㍑ゴミ袋8袋分)、ゴミの種類別に設定されるポイントの合計2118ポイントを獲得。2位に500ポイント以上の大差をつけて優勝した。

 小川さんは「あらかじめコインパーキングと喫煙所に狙いを定めた」と作戦を話す。吸い殻はポイント数が高く、ビンや缶は重量を稼ぎやすい。

 ゴミ箱から溢れた、または放置されているゴミが対象となる。小川さんと渡邊さんがゴミを探し、伊藤さんがゴミ袋を持ち二人をサポートした。小川さんは「勝負は重量を稼げる瓶に出会えるかどうか。宝物を探している気分」と話す。

ゲーム性でやる気に

 きっかけはバレー部顧問で生徒会担当の武田大輔教諭からの誘い。

 渡邊さんと小川さんは当初「全く乗り気でなかった」と話す。練習として生徒会と一緒に学校周辺のゴミ拾いに参加するとそのゲーム性にはまったという。小川さんは「ゴミを探すのが楽しくなった。やるならちゃんとやりたい」と負けん気を発揮。渡邊さんも「人のためになる」と実感し意識が変わった。

 趣旨に共感したという伊藤さんは「人の目につかないところ、暗い場所にゴミは捨てられている。ゴミ拾いをはじめてから通学路のゴミが目に付くようになった」と自身の変化を語る。武田教諭は「吸い殻や酒瓶など、大人が捨てたゴミを高校生が拾うことに考えさせられる」とし、「生徒たちには視野を広げ、気づける人間になってほしい」と願いを込めた。

 全国大会は12月、東京都墨田区で開催される。

神奈川県行政書士会相模原支部の支部長に就任した 岡 光栄さん 62歳

個でなく「つながり」を

 ○…6年間副支部長を務め、退会も考えていた矢先に支部長の話が舞い込んできた。迷いはあったが、「今までの経験が生かせる」と前向きに考えた。コロナ禍で、集まる機会がなくなるなど、支部の活動が止まった時間、顔を見て横のつながりを持つ大切さを実感した。「行政書士は個人での業務だからこそ、会員同士の関わりが大切。やりがいや問題解決になるような支部を運営していきたい」と意気込む。

 ○…横浜市港北区出身。父は司法書士であり土地家屋調査士でもあった。自宅と事務所は別だったが、学生時代、家の電話にも仕事依頼が来ているのを見て、「自営業はしたくない」と思っていた。結婚し、子育てが落ち着いてきたころ、リタイアを考えていた父の事務所を手伝うように。士業の面白みにも気づき、「一緒に仕事をしたい」と考え、資格取得を決意。「まさか自分が目指すなんて」と思ったが、食べる、寝る以外の時間は勉強で、座ることが苦痛になるほど。50歳で行政書士となった。

 ○…休む間もないほど忙しい日々。2カ月に一度は訪れる箱根や伊豆の温泉に癒されている。ここ2年間は「元気でいられる時間が少ないかもしれないからなんでもやってみたい」とファミレスで食べたことがないメニューを頼んだり、サウナの水風呂に挑戦したり、新しい楽しみを見出している。ちなみに初めて食べるメニューは「美味しかった率」が高いそう。

 ○…行政書士は個人から企業、ときには外国籍の人とまで幅広い層に対応する。「身近な存在としてなんでも相談できることを知ってほしい」。「まさか」の心変わりで歩み始めた士業の道。つながりを大切に社会の円滑な制度運用に貢献していく。

廣田静香理事長候補者と理事候補者たち

次年度理事候補者決まる 相模原青年会議所

 相模原青年会議所(JC/八木貴弘理事長)は8月1日、杜のホールはしもと(緑区)で2026年度の理事候補者選挙を開催した。

 次年度理事に立候補したメンバーは15人。一人ずつスピーチを行い、実現したい委員会運営や立候補事由を語った。出席メンバーによる投票を経て、立候補者全員に指名理事10人を加えた25人が来年度理事候補者となった。

 立候補者の中で最も得票数が多かった前田俊之さんは「立候補したメンバーと一緒に来年、理事長を支え、相模原青年会議所を今よりもっと良くし、一人でも多くの人、まちを巻き込んで相模原をもっと良いまちにしていきたい」と決意を示した。

展示される漫画や本

仙客亭柏琳の展示会 8月19日から市立図書館で

 南区磯部生まれの戯作者で江戸時代に「鶴屋」から3作品を出版した仙客亭柏琳の展示が8月19日(火)から市立図書館(鹿沼台)で行われる。柏琳の子孫である、株式會社日相印刷(南区)の荒井慶太さんが市のシティプロモーション戦略課より依頼を受け開催に至った。

 作品の挿絵や葛飾北斎が描いた「相模原の鮎」の絵などのパネル、3作品をまとめた「仙客亭柏琳翻刻全集」、柏琳の人生を描いたオリジナル漫画「仙客亭柏琳ものがたり」が展示される。柏琳のキャラクターデザインは荒井さんにより作られ、その特徴はちょんまげと筆。親しみやすさをこだわりとしたという。荒井さんは「子どもから大人まで楽しんでほしい。柏琳をきっかけとして相模原市を好きになってもらえたら。柏琳の墓にも毎月お参りしているので、PRは喜んでいると思う」と話した。

 オリジナル漫画は無料配布。展示期間は29日(金)まで。その後、相模大野図書館(南区)で9月3日(水)から12日(金)、橋本図書館(緑区)で10月28日(火)から11月3日(月)まで順次開催される。

認知症サポ養成講座 ユニコムプラザで9月

 認知症に関する正しい知識を持ち、地域や職域で認知症の人とその家族をできる範囲で手助けする「認知症サポーター」の「養成講座・ステップアップ講座」が9月12日(金)にユニコムプラザさがみはらで開かれる。午後7時から8時30分まで。

 市内在住・在学・在勤者が対象で定員は15人(申込順)。希望者は9月8日(月)までにメール(sagami-mate.network@link-npo.com)で住所、氏名(ふりがな)、電話番号、「認知症サポーター養成講座・ステップアップ講座」と記し市キャラバン・メイト連絡会事務局(Link・マネジメント内)へ送信。電話は【電話】042・707・1603へ。

26年度までにあと1万人

 相模原市における養成者数は、昨年度末時点で約6万5千人。「第9期相模原市高齢者保健福祉計画」(2024年度〜26年度)の中では、計画最終年度までに7万5千人のサポーター養成をめざしている。

人気の童謡・唱歌企画 8月は休止

 童謡や唱歌を歌い継ぐイベントとして定期的に開催されている「みんなで歌おうイン相模原」。8月16日(土)に開催が予定されていたが、主催する童謡唱歌を歌う会レモンの都合で休会する。

 玉川大学芸術学科ピアノ専攻卒の大沢洋子さんが指導し、武蔵野音楽大学ピアノ科卒の大貫眞里さんのピアノ伴奏に合わせ懐かしの歌を楽しむ人気企画。次回は10月4日(土)、JR橋本駅北口の「杜のホールはしもと」8階多目的室で午後2時から開催予定。

株式会社Seibiiの千村代表取締役社長

自動車の出張整備 一部解禁 矢部の工場運営会社がきっかけ

 自動車整備士がユーザーの自宅などに訪問して特定整備を行うことが可能となる「訪問特定整備制度」が6月30日に施行された。法律に基づいた確認が必要ではあるが、この制度が広まることで、自宅で車のエンジンがかからない時に整備士に来てもらい修理を受けるなど「出張整備」サービスの利用ができるようになる見通し。国交省に働きかけ、規制緩和が進むきっかけを作ったのが、矢部に工場を有する「株式会社Seibii」(東京都港区)の代表取締役社長・千村真希さんである。

 千村さんは「規制はまだまだ厳しいが、社会インフラとして段階的にチューニングしていくべき」と語る。

 同社は業界にとっての大課題である整備士不足を仕組みで解決すべく、「出張整備」の会社として2019年に設立された。「整備工場で働く整備士が30万人いるのに対し、有資格者は100万人。出張整備はそうした労働力を生かせる仕組み」。現在では法人向け車両管理システムやディーラー・工場への人材支援なども展開し、業界課題の解決に挑んでいる。矢部の同社相模原工場も廃業となった工場を承継したもの。

 千村さんは「今後もシステムやDXの提供を通じ、なくてはならない会社になりたい」と話す。

左から本村市長、本山会長、柿島幹事

相模原けやきLC 青少年の育成支援 桜まつりの売り上げ寄付

 奉仕団体「相模原けやきライオンズクラブ」の本山知博会長と柿島輝明幹事が8月1日に相模原市役所を訪れ、市の「子ども・若者未来基金」に市民桜まつりの売り上げ10万円を寄付した。出迎えた本村賢太郎市長は、2人から目録を受け取ると感謝状を手渡した。

 同基金は子どもの貧困対策や学力保障のほか、子育て支援や若者の自立支援などを目的として2017年に創設された。本村市長は「基金として活用させていただき、支援をより充実させていきたい」と話した。

戦時中の様子を振り返った原さん

戦争はやるべきではない 橋本在住 原照司さん(88)

 「1日も早く世界の戦争を終わらせ、平和に暮らせる世の中になってほしいね」。そう話すのは橋本在住の原照司さん(88)。原さんは1937年生まれ。4歳の時に太平洋戦争が始まった。「八王子の大空襲の事は覚えている。B29が富士山を目標に飛んできて、東京方面に向きを変えた。この日は晴れていてB29が頭上を群れで飛んで行った」と話す。続けて「橋本に爆撃は無かったけど、夜に八王子の方を見ると真っ赤に染まっているのが見えた」と子どもの時の記憶を呼び起こす。

 当時、橋本には鉄製の火の見やぐらがあったそうで、空襲警報が出されるとそこで半鐘を叩いて人々に知らせた。橋本には山が無かったので人々は庭などを掘り、自分たちで作った防空壕に身を潜めた。しかし、戦争が進むにつれ、その火の見やぐらも金属供出で無くなってしまったという。それ以降は柿の木に半鐘をつるし、警報が出るとそこで鐘を鳴らした。「あのまま終戦を迎えなければ、自分も兵隊になるんだろうなという雰囲気はあったと思う。兵隊になっていく皆さんを見ていたから。どこかに勤めにいくのと同じような感じかな」と思い返す。

 原さんが子どもの頃の橋本については、「この辺は養蚕が盛んだった。水田がないから酒まんじゅうやサツマイモ、うどんなんかを食べていたね」と振り返る。戦時中は家が農家だったこともあり、食料は何とか維持できたという。終戦を迎えたのは8歳の時だった。旭小に通っていた原さんは旭中、相原高校を卒業。その後、教師を経て建設会社に勤めた。

 戦争について振り返ると「直接被害を受けた事は無かったし、食べるものもなんとか維持できた。そばに交番もあったから治安も悪くなかった。ただ、戦時中は子どもだったけど遊びには行けなかった。とにかく勤労奉仕。農業を一生懸命にやったね」と振り返る。

 「戦争はやるべきではない。生活が大変だったというのは感じてきている。近頃の空爆のニュースを見てもすぐに復興できるものではなく、生活もできなくなる。我々がどうこう言うことでは無いかもしれないけれども、1日も早く終わらせて平和に暮らせるような世の中になってほしい」

東淵野辺の特別養護老人ホーム・大野北誠心園に暮らす野田さん

もらえなかった卒業証書 名古屋市出身 野田眞子さん

 「私ね、小学校の卒業証書もないの」--。相模原市内の特別養護老人ホームに暮らす野田眞子さん(92)は、1932年(昭和7年)、現在の名古屋市千種区今池に生まれた。

卒業前夜の大空襲

 「今でも思い出すと寒気がする」。あの夜、野田さんは小学校の卒業式を翌日に控えていた。1945年3月19日、一夜にして826人が亡くなった「名古屋大空襲」だ。負傷者は2728人、罹災者は14万人以上に及んだ。

 多くの工場が立地する工業都市であり、航空機産業のメッカでもあった名古屋。航空機生産の最大拠点である三菱重工業名古屋発動機が米軍による日本本土空襲の第一目標の一つとなっており、繰り返し目標爆撃の対象になった。その上、中小工場が散在する密集した住宅街の住居はほとんどが木造で、致命的ともいえる防空上の弱点を持っていたとされる。

 「B29っていうのはね、ものすごい音。重い音なの。それから照明弾で昼間みたいに明るくなって、六角形の50センチくらいの焼夷爆弾が、束になって落ちてくるんです」。野田さんは二人の弟と母と共に防空壕へ逃げ、ビール会社に勤めていた父は会社へ向かった。「音がしたと思ったら火が防空壕の中へ入ってきてしまい、出るしかなかった。外は一面の火の海」。父親が迎えに来て会社へ避難できたが、「気がつくと母に背負われていた下の弟は顔をやられ、血だらけだった」

 名古屋市街は一夜にして焼け野原となった。「なんにもないの。ここ(東淵野辺)から大野や橋本くらいの距離がまるっきり見えていた」

つないだ命

 一家は避難した群馬県で終戦を迎えた。父の転勤で九州へ引っ越すも数年後に父が亡くなってしまい、親戚を頼って各地を点々とした。野田さんは母を手伝い、働き始める。「父が死んで母も苦労していて自分も働いていて精一杯。学校のことなんて考えなかった」

 横浜に落ち着き、慣れない土地でなんとか暮らしていたある日、新聞配達をしていた上の弟の働きぶりがある屋敷の主人の目に留まり、「電電公社」に就職が決まった。「弟が家族を助けてくれた。本当にそれから命をつないで、ここまで来たんです」

 「おかげさまと」、結婚して子どもに恵まれ、夫とはたくさん旅行にも行った。今の暮らしも「幸せ」だ。ただ、報道で目にする昨今の情勢には顔を曇らせる。「怖いような気がするの。戦争の前はね、食料もいっぱいあって何一つ不自由のない生活だった。それが、全滅」。大空襲を生き延び、家族と命をつないできた野田さん。伝えたいことは、「戦争だけは絶対に起こしちゃだめ」それだけだ。

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戦争語り部と原爆の絵展 相模大野で8月17日

 戦争の記憶が風化される中、8月17日(日)に戦争体験者の生の声を聞くことができる企画がユニコムプラザさがみはら(相模大野)で開かれる。神奈川土建相模原支部・厚木支部パートナーの会が主催。

 午前10時から午後3時まで。語り部は11時頃からの予定。新潟県生まれで現在100歳の西倉勝さんが登壇する。

 西倉さんは1945年1月に旧日本軍に入隊し朝鮮半島へ。終戦を迎えると旧ソ連軍に武装解除され200キロ行軍の末、ロシア東部で強制労働をさせられ、3年後に帰国した。90歳になってから語り部として活動している。当日は被爆体験を描いた「原爆の絵」パネル展も開催される。

 問合せは同会【電話】042・754・8023へ。

市長に要望する各団体の代表者ら

「バレエのまち」へ支援求める 市内経済団体らが市に要望書

 相模原市内の経済団体などの代表者らが7月23日、相模原市役所を訪れ本村賢太郎市長に「相模湖周辺地域におけるバレエ等による『芸術・文化のまちづくり』に関する要望書」を提出し、支援を求めた。

 要望したのは相模原市観光協会、相模原法人会、相模原商工会議所、津久井青年会議所、神奈川県商工会連合会、城山・津久井・相模湖・藤野の各商工会と各観光協会の13団体。

 この日は同連合会の関戸昌邦会長が要望書を本村市長に手渡した。関戸会長は水源環境を守りつつ先端産業や地域の文化が共存した活力ある地域を創造する「水源文化都市構想」に触れ、新しい文化を発信する取り組みが必要と言及。「相模湖は湖畔を中心に観光客でにぎわったが、現在は当時の活力を失いつつある。そんな中で相模湖に常設の野外ステージを建設することを目標に『相模湖芸術・文化のまちづくり実行委員会』が発足した。かつてのにぎわいを取り戻すために、より一層のお力添えを」と要望。民間主導のまちづくりとともに、行政主体のインフラ整備について理解を求めた。

「相模湖の活性は市全体の飛躍」

 要望書を受け取った本村市長は「相模湖の活性化はとても大事で、相模原市でも名があるのが相模湖だと思っている。相模湖の活性化は市全体の飛躍にもつながる。庁内で議論を進めていきたい」と応えるとともに、地域の発展には「地元が一枚岩になることが大事」と助言した。

 その後は、10月に開催されるバレエフェスティバル、野外ステージ常設による地域経済への波及効果、JR相模湖駅から県立相模湖公園までの動線などについても意見交換が行われた。

森を探検しよう 9月6日、木もれびの森で

 ここももの森(木もれびの森の一部・南区大野台8の8)で「森さんぽ」が9月6日(土)に開催される。森を探検しながらその歴史や木々、花などを観察する。主催は木もれびの森の花と木々を守る会。

 午前9時30分から。参加費は小学4年生以上が300円。小学3年生以下は無料(保護者同伴)。持ち物は筆記用具と飲み物、スマートフォン。事前にアプリのダウンロードが必要。

 申し込みは公式ホームページから。8月15日(金)より受付。定員20人。(問)杉山さん【携帯電話】090・9954・0190。

宇宙の作文・絵画募集 小中学生対象

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本宇宙少年団(YAC)は9月12日の「宇宙の日」に合わせて小・中学生を対象に作文・絵画コンテストを開催する。現在、作品を募集している。今年のテーマは「月面都市〜みんなが想像する自由な未来〜」。締め切りは9月12日(金)。

 作文の部は題名自由で手書き400字詰め原稿用紙2〜5枚以内。絵画の部はA2サイズ以下の手描き作品で画材は自由。応募は一人1作品。

 グランプリの受賞者には種子島宇宙センターで行われる特別な体験ツアーへの招待が予定されている。

 応募は必要事項を明記し最寄りの応募科学館へ郵送。相模原市内の対象施設は市立博物館(高根)とカナコーこども天文台(南区麻溝台)。

ダイナボアーズフェスタ 8月30日 アリオ橋本

 相模原をホームタウンとするラグビーチーム「三菱重工相模原ダイナボアーズ」が8月30日(土)、アリオ橋本でラグビー体験など盛り沢山のイベントを開催する。新シーズン最初の公式イベントとして注力しており、新加入選手含め全選手が参加する予定。午前10時から午後4時まで。

 1階グランドガーデンではステージイベントを予定している。午前11時から選手によるトークショーとサイン会、正午からパス・スクラムの体験会、午後2時からダイナスターズ(チーム専属チア)・地元高校生による「全緑パフォーマンス」、午後3時からエンディングトークを企画。

巨大ふわふわ遊具も

 午前11時から午後3時までは豪華景品が当たるスタンプラリーを行う。数量限定の襟付きゲームシャツなどのグッズ販売と、試合の際に毎回子どもたちから好評のふわふわ遊具「ウリボアランド」は午前10時から午後4時まで実施予定。

緑区ほか こびとを探しにスポットを巡れ デジタルスタンプラリー

 デジタルスタンプラリー「魔法使いミウル〜ミウルの森が霧に覆われた!?」が10月15日(水)まで開催されている。

 緑区が企画するデジタルスタンプラリーの第4弾。今回は緑区のイメージキャラクター「ミウル」の森が霧に覆われてしまい、霧を取り払うために魔法の石を持ったARこびとを探しに行くというもの。緑区内のスポット15カ所のほかに中央区、南区を含んだ限定スポットが数カ所設定され、巡ったスポットのポイントに応じてプレゼントに応募できる。

 中央区のスポットは横山公園(横山5の11の50)と相模原市立博物館(高根3の1の15)。

 イベントの詳細、参加登録は緑区特設サイト「すもうよ緑区(https://midori.city.sagamihara.kanagawa.jp/)」などから。問い合わせは緑区役所地域振興課【電話】042・775・8801。

美味しく楽しく夕涼み 23日 淵野辺公園でイベント

 アウトドアテーブルやイスを公園に持ち込み、キッチンカーやフードトラックのグルメを楽しめるイベント「銀河の夜・小さな夕涼み会」が8月23日(土)、淵野辺公園で開催される。

 午後5時から8時30分まで。会場は同公園銀河アリーナ前。主催は相模原市まち・みどり公社ほか。雨天順延。

トゥクトゥク乗車体験も

 タイなどで普及している三輪タクシー・トゥクトゥクに乗ることができる(先着人数限定)ほか、ハワイアンダンスショーやけん玉ワークショップなどもある。

 詳細は相模原フードトラック協会もしくは同公園のInstagramで。

保護者に対して服薬指導をする様子

オレンジ薬局 「薬局を身近に」 児童・保護者を招待

 オレンジ薬局鹿沼台店(佐藤克哉代表)が7月26日、小学生10人と保護者を招待し、「こども薬剤師体験会」を開催した。薬局を身近に感じたり、薬剤師に興味を持ったりしてほしいとの思いで5年以上続けている。

 この日子どもたちは、薬に見立てた菓子を袋にまとめる「一包化」や、軟膏の混合、服薬指導を体験。参加した山田琉翔さん(小4)・夕結さん(小1)は「前から行きたかった。薬を作るのが楽しかったけど大変だなと思った」と感想を話していた。

 同店に在籍する管理栄養士が、夏の栄養摂取に関する保護者の悩みに答える場面もあった。「子どもが夏休みに入り、お昼ご飯が麺類になりがち」という相談を受けると、「栄養が偏らないように果物やサラダなどの手間のかからないものでいいのでプラス1品してみてください」とオリジナルのチラシを見せながらアドバイスしていた。

 佐藤代表は「今後、管理栄養士ならではの情報発信を考えている。今回はニーズを掴むために保護者に聞き取りした」と話し、栄養相談ができる薬局への展望を示した。

 次回のこども薬剤師体験会は年内に開催する予定。詳細は同店ホームページへ。

星が丘公民館 太陽熱ケーキ調理 夏休み中の児童15人

 反射板などを使い太陽の光を一点に集めることで食材を温める、燃料を必要としない調理道具「ソーラークッカー」を工作し調理体験する講座が8月1日、星が丘公民館で開かれた。

 講座には夏休み中の小学生15人が参加した。児童たちはガスレンジ用シートでソーラークッカーを作り、屋外でカップケーキを調理。台風の接近で雲が立ち込める中での開催だったが、太陽のエネルギーを集めた熱でケーキを焼き上げ、「太陽熱ケーキ」に舌鼓を打った。

災害時にも役立つ

 この日、講師を務めたのは、再生可能エネルギー利用の普及に取り組む市民団体「太陽光発電所ネットワークPVさがみはら」のスタッフ。ケーキが焼き上がるまでの間、室内で行われた座学の中で、人間の営みにより増えた二酸化炭素が地球温暖化の原因になっていることや、再生可能エネルギーの有用性、そのひとつが太陽光発電であることなどを指南。電気やガスが止まっても太陽が出ていれば機能するソーラークッカーについて講師は「災害時にも役立つ」などと話した。

柱サボテンの花 堂々開花 中央5丁目 植木さん宅の庭で

 中央5丁目の植木瑞代さん(81)・克彦さん(84)夫婦が暮らす自宅の庭に植わっているサボテンが花を咲かせた。

直径20センチ一夜限りの花

 直径20センチほどの花を咲かせているのは柱のような形をした「柱サボテン」。夜の間に咲き、朝には萎んでしまう「一夜限りの花」として知られる。

 30年ほど前に鉢植えのサボテンを譲り受けた。庭でさまざまな樹木を育てる瑞代さんだが「面倒が見切れない」と地植えにした。するとサボテンはグングン育ち、今では5メートルほどにまで成長。「肥料もやることなく自然任せ。手がかからず強いですよね」と瑞代さんは立派に育った柱サボテンに目を向ける。

 数年前から花が咲くようになった。夜8時過ぎに蕾が開き、純白の花びらとピンクのグラデーションがかった萼が特徴的な花を咲かせる。翌朝6時前には萎んでしまうという。

 「良くぞ咲いてくれた。放っておいてごめんね――という感じ」と克彦さん。「サボテンといったら荒野の暑い地域に育つイメージ。温暖化の影響なのかな」と話した。

 蕾はまだ100個近くある。毎日咲くわけではないが、蕾の膨らみ具合でその夜の開花が分かるようになってきた。

6年ぶりに復活した手筒花火

復活の花火に歓声 銀河まつり10万人来場

 鹿沼公園で8月2日・3日の2日間、「大野北銀河まつり」が開催された。猛暑を避け、午後3時からの開催となった今年は、両日合わせて約10万人が来場し、大盛況で幕を閉じた。

 地域住民の交流の場づくりを目的に1989年に始まった夏祭り。今年で37回目を迎えた。地元商店の飲食ブースをはじめ、例年以上にフェス要素を加えたステージでのパフォーマンスも熱気に包まれた。

 2日に鹿沼公園野球場で開催されたイベント「手筒花火と星空観望会」では、2019年以来6年ぶりに手筒花火が夜空を彩った。花火師により抱えられた筒に点火され空高く火柱が上がると、観客からは大きな歓声が上がった。

 山口信郎実行委員長は「今年も小さい子から年配の人まで笑顔が公園いっぱいに溢れていてよかった」と話した。

Sagamihara Business Frontier 店先彩り50年生花委託のパイオニア (株)メルシーフラワー 中央区上溝

 上溝のメタセ白雨通り沿いに本社を構える(株)メルシーフラワーは、今年で創業50周年。本社の目の前には社員自らが管理する花壇が広がっており、季節の花々が地域に彩りを与えている。

 同社は1975年、東京都八王子市で「大間花店」として創業。肉屋や総菜屋の軒先で花の委託販売をしていたところ、とあるスーパーの関係者から品質を評価されたことをきっかけに、当時珍しかったスーパーでの花の委託販売を始める。「スーパーなどの生花コーナーを担うことで集客や人件費にかかる予算が抑えられ、プロである自社社員が毎日店舗を回るため、品質の高い花をリーズナブルに提供できる」と話すのは代表取締役の大間岩夫さん=写真(同社提供)。花好きから「専門店より安いのに品質も良い」と驚かれることも多いという。

 7年前に本社を上溝に。併設の神奈川物流センターは花き業界では最大規模だという。毎年11月には直売会を実施するなど、地域との交流も盛ん。千葉県・埼玉県にも拠点を持ち、関東全域に花を届ける。

 「市場自体は縮小しているが、スーパーでの委託販売は伸びている」。近年業務効率化などを理由に、花売り場を委託に切り替えるスーパーが増加。同社の委託先は650店舗に拡大した。一方で、若年層の獲得にも意欲的。「日常的に花を買う若い世代の方も存在しているが、彼女たちはスーパーには目を向けない。『スーパーの花も悪くない』と思ってもらえるようSNSなどでの発信も強化していきたい」と展望を語る。