川崎区・幸区版【8月29日(金)号】
かき氷をほおばる子どもたち

市場規模1千億円 かき氷が酷暑で大人気 街の氷屋は縮小傾向

 酷暑でかき氷の需要が増している。市場調査会社によると、全国のかき氷の市場規模は2024年に過去最高の964億円を記録し、今年は1千億円超えも予測されるという。一方で街の「氷屋」は減少し、高齢化や零細化が進む。市内の「氷事情」を取材した。

 「グレープひとつ、お願い」「私はイチゴ!」

 8月末の週末。35度を超える猛暑日となったが、小田急向ヶ丘遊園駅近くの住宅地に止まるかき氷のキッチンカー「登戸パーラー」には常時人が集まり、かき氷をほおばっていた。

 同店では、多い日には150〜200食近くを販売してきた。事業主の堀尾佑記さんはコロナ禍にこの事業を始めたが、この数年の「変化」をこう語る。「猛暑日は客足が鈍く、常連客が『夕方に来る』と声をかけていく。実際、暑さが収まってから客が集中する」

 市場調査会社「インテージ」の調査によると、かき氷の市場規模は、23年度には前年比121%、24年度は前年比114・8%と、年々拡大傾向にある。世間ではかき氷好きを「ゴーラー」と呼ぶ人気ぶりで、 JR川崎駅近くの「ホテルメトロポリタン川崎」(幸区)内のレストランでは、これまでビュッフェメニューの一つだったかき氷を、今年からティータイムのアラカルトメニューとして提供。純度の高い「天然水氷」を売りに、一杯980円〜1480円という価格設定だが、人気を集めているという。

コンビニの余波

 県内の氷販売店が加盟する「神奈川県氷雪販売業生活衛生同業組合」(氷雪組合)の幹部によると、コロナ禍が明け、飲食店の営業再開やインバウンド需要により「氷の売り上げは全体的に1割以上伸びた」という。特に夏場は伸び幅が大きく、氷の在庫が底をついたため県外から調達して販売店に卸す氷雪製造メーカーもあるそうだ。

 好調にみえる氷業界だが、街の「氷屋」の状況は厳しい。

 厚生労働省の調査によると、全国の氷雪販売施設数は08年度に2384施設だったが、17年度には1581施設まで減った。店の規模では、16年の時点で従業員数「2人」の店が約3割で、「1人」も全体の約25%と、零細化が著しい。さらに経営者の年齢別では「60歳以上」が全体の4分の3を占め、「70歳以上」も4割以上だった。

 川崎市内の氷屋の店主は「この数年で知り合いの氷屋がいくつも店をたたんだ。今ではどこにでもコンビニがある。仕方がない」と苦笑いを見せる。氷雪組合の幹部も「夏の祭りを秋以降にスライドさせる主催者が増え、気象が不安定で急なイベント中止も少なくない。天気に振り回され、疲弊する氷屋も増えている」と話していた。

ワンマン運転を行っている南武線

JR東日本 南武線遅延、対策へ本腰 発車メロディー音量調整など

 3月15日からワンマン運転が実施されている南武線の朝の通勤時間帯で遅延が増加していることが分かった。JR東日本横浜支社は今秋を目途に、車両システムの改修や発車メロディーの音量調整で遅延対策を行うとしている。

 運転士がドアの開閉や発車メロディーの操作、車内放送等をすべて一人で担当するワンマン運転開始後、利用者から遅延に関する意見が同社に多数寄せられている。こうしたことから、同社は今年4月から6月の遅延発生状況を調査。前年同時期比で遅延が増加していることを確認した。

 同社はその要因として、車両とホームドアの連携仕様を挙げた。列車が駅に到着してからドアが開くまで、ワンマン運転開始前より数秒長くなったことが乗降時間に影響を与えているとしている。

 また、発車メロディーが空調設備や周辺環境の影響で聞こえにくくなっている点も指摘。ドアが閉まり、列車が発車するタイミングがわかりづらいことも乗降時間拡大に影響しているとの見方を示した。

 混雑率についても前年度比で上昇している。武蔵小杉、武蔵溝ノ口、登戸といった他社の路線に乗り換えができる駅では出発までに時間がかかる状況が発生し、改札口や乗り換え階段などに近い車両に混雑が集中する傾向もみられるとした。

 南武線のワンマン運転をめぐっては、市民団体が中止を求める運動を展開する。同社によると、ワンマン運転は近年の人手不足などを背景に、効率的な輸送を図るため導入していると説明する。遅延対策として現状、川崎駅南武線ホームでは一部エスカレーターを上り専用に変更するといった対応を実施している。ポスターやウェブサイトなどでオフピーク通勤の推進などの啓発にも注力する。同社は対策効果を見極めたうえで、必要によりダイヤの一部見直しを検討するとしている。

施設や里親の養育で育った経験を語り、里親制度推進に協力する 池田 累さん 南足柄市在住 34歳

川崎の里親が人生を変えた

 ○…7歳のころ、母が自分と兄、そして再婚相手の男性を残して家を出た。9歳の時に神奈川県内の児童養護施設へ入所。14歳から18歳まで川崎市内の里親のもとで育った。現在は3児の父となり、不動産業を営む傍ら、里親制度を推進するこども家庭庁などの依頼を受け、「語り部」として自身の経験を語る。

 ○…幼い頃から野球に夢中になり、1998年の横浜高校の「春夏連覇」に刺激を受け「野球選手になる」と決意。施設から通う中学の野球部で力をつけると、野球に打ち込める環境を求めて中学3年で川崎市内の里親家庭へ。市大会3位の成績を収め、10校以上の高校から推薦の誘いを受けたが、「養育」を受ける立場では選択肢が限られていた。すべて断り、地元の公立である市立橘高校へ進学を決めた。

 ○…1番目の里親は「1年間」の条件だったため、高校進学直前に2番目の里親家庭へ。明るい女性看護師と無口な自動車整備士の里親夫婦は、野球に打ち込むことを歓迎してくれた。野球三昧の日々で「ろくに言葉を交わさなかった」というが、「2人が毎日仕事に出かけ、暮らしを回す姿を見ていたことは大きかった」と振り返る。

 ○…18歳で自立すると、何でも相談できる「人生の先輩」として里親の存在感が増した。交際相手との結婚を考え始めた20代半ばには、家庭を持つイメージが湧かず、「先輩」にあれこれ尋ねた。「母は『この女性なら間違いない』、父は『嫁の言うとおりにしとけ』と。そうか、この2人のように暮らせばいいのかと思えた」。結婚式では泣きじゃくりながら、2人に「ありがとう」を連呼した。「確実に自分の人生を変えてくれた。里親のおかげで、『この生き方で大丈夫なんだ』と思えている」

講演会を案内するチラシ

グリーフケア 死別の悲しみ考える 10月11日 小杉で講演会

 大切な人との死別などにより心身に苦痛が生じる状態を指す「グリーフ」。そんな悲しみや苦しみを抱えながら生きる人を支える「グリーフケア」の存在や意義への理解を深める講演会が、10月11日(土)に川崎市総合自治会館(中原区小杉町3の600)のホールで開催される。

 地元でボランティア活動を行う「グリーフケアカフェあかりmāmā」が行うグリーフケア講演会。講師には臨床心理学・死生学の専門家で、人の心と「いのち」の問題に長年取り組む東京福祉大学心理学部教授・鈴木康明氏を招き、これまでの研究と経験に基づいて話をする。午後1時30分(1時開場)から4時。対象はグリーフ当事者や支援者。事前予約制で、定員60人。申込みは9月1日(月)から受け付け開始する。参加費千円。

 看護師の國富多香子さんと傾聴カウンセラーの伊藤礼子さんが立ち上げたグリーフケアカフェあかりmāmā。多くの人と向き合ってきた経験をいかし、思いや悩みに寄り添う「分かち合いの場」を開催している。問合せは【メール】grief.mama.event@gmail.comで。

(左から)大久保選手、福田市長、山本HC、近田選手

富士通フロンティアーズ 目指すは「日本一奪還」 福田市長に決意語る

 社会人アメリカンフットボール・Xリーグ「富士通フロンティアーズ」のキャプテン・大久保壮哉選手、副キャプテン・近田優貴選手らチーム関係者が8月22日、川崎市役所を訪れ、福田紀彦市長に今シーズンの日本一奪還を誓った。

 Xリーグは、8月29日(金)に秩父宮ラグビー場(港区)で今シーズンが開幕。昨シーズン、リーグ1位で臨んだ日本一を決めるライスボウルで「パナソニック インパルス」と対戦し、惜しくも4連覇を逃したフロンティアーズ。山田厳英部長は「来年1月3日のライスボウルで日本一のタイトルを目指してやっていきたい。101年目の川崎市に新しい歴史を刻んでいきたい」と抱負を語った。

 続いて、山本洋ヘッドコーチは「チームの総合力を高める練習をしてきた。1戦1戦勝ち上がっていきたい」と意気込みを語った。大久保選手は「今季は『NO EXCUSES』をスローガンに掲げ、何事にも言い訳せずに、自分たちと戦ってやり切ろうと3月からスタートした。日本一という目標がぶれることなく、8月29日から1戦1戦全力で戦っていきたい」と話し、近田選手は「日本一奪還が使命。目の前の試合、日々の練習、一瞬一瞬を全力を出し切ることをチーム全員でやっていきたい」と誓った。福田市長は「悔しさをばねに、さらに強くなるシーズンになると思うので、期待している」とエールを送った。

決意表明する大河原監督=川崎商工会議所提供

都市対抗野球 東芝野球部、優勝誓う 川崎市役所で壮行会

 「第96回都市対抗野球大会」に出場する川崎市代表・東芝野球部の壮行会が8月20日、川崎市役所本庁舎で開催された。チームは西関東予選を勝ち抜き、2年ぶり45回目の本大会出場を決めた。

 壮行会には福田紀彦川崎市長や草壁悟朗川崎商工会議所会頭、東芝野球部の選手、スタッフらが参加。福田市長は本社機能が川崎市に移転したことに触れ、「名実ともにこの川崎のチーム」として、これまで以上に力を入れて応援すると述べた。また、初戦の応援に駆けつける意向も表明した。草壁会頭は、優勝候補に名前が挙がっていない現状に触れつつ、優勝旗を持ち帰ることに期待を寄せた。

 激励を受け、投手陣から野手まで多くの選手が意気込みを語った。岡部祐太内野手は、2年前に果たせなかった優勝の約束を今年は必ず守ると力強く宣言。小山忍選手は「市長を狙っている」と発言し、会場を和ませた。

 決意表明に立った大河原監督は、昨年予選敗退したことを市民に謝罪。今年は創立150周年の節目に優勝という花を添えたいと述べた。中村主将は、昨年の悔しさをバネにして戦ってきたと話し、「必ず都市対抗優勝」と宣言した。三橋部長は、川崎市に住み、働く選手たちが地域の代表として戦う喜びを語り、市民からの絶大な応援を求めた。

 大会は8月28日に開幕し、東芝の初戦は29日午後6時から東京ドームでJR東日本と対戦する。

市長を囲む飯岡さん(左)と堀川さん

女子高生ソフト選手 優勝を市長に報告

 厚木王子高校の女子ソフトボール部に所属する、川崎区出身の堀川麗杏(れこ)さんと飯岡杏奈さんが8月20日、市長を表敬訪問し、第77回全日本高等学校女子ソフトボール選手権大会での優勝を報告した。

 同大会は高校生年代のソフトボールにおける最高峰で、各都道府県の代表と、開催地枠の1チームを加えた全48チームで争う。同校は決勝で岡山県代表の創志学園高校と対戦。7回で決着がつかず、タイブレークの末に接戦を制した。同校の優勝は3年振り9回目。

 二人はこれまでの戦いを振り返り、飯岡さんは「チームの力を示せた」、堀川さんは「優勝できてほっとした」とそれぞれコメント。福田紀彦市長は「川崎在住の選手が日本一を獲って誇らしい」と選手たちの活躍を称えた。

楽器を演奏するメンバーら

幸区役所と連携 高校生が防災広める 「音楽でもっと身近に」

 高校生による防災と音楽を掛け合わせたイベントが8月18日、新川崎タウンカフェ(幸区鹿島田)で開催された。主催は幸高校の2年生4人による「四丁目のタマリバ」のメンバー。

 当日は13人が参加。はじめにメンバーと参加者でSEKAI NO OWARIの楽曲「Dragon Night」を演奏し、和やかな雰囲気でイベントが始まった。音楽を取り入れたことについて、同団体のリーダー役を務める武田風香さん(16)は「防災だけだとハードルが高い。間口を広げ、参加者に楽しみながら学んでもらおうと思った」と理由を語る。

 その後は防災シミュレーションゲームを開始。参加者は3〜4人の班に分かれて、被災場所や地震による被害の状況、備蓄品のストック数などが書かれたカードをランダムに引いた。これによってそれぞれの被災状況が明らかになり、班の中で情報を共有。断水で困っている人がいれば、水を豊富に備蓄している人が援助したり、逆に非常食は備えていたものの浸水したため食べられるかわからない、といった被害想定を行った。参加した本江志織さん(22)は「ゲームとはいえ、真剣に話し合うことができた。考えるきっかけになったので、もっといろんな人といろんな状況を想定してやってみたい」と感想を話した。

 ゲームの後には、耐熱シートやようかんなどが入った、防災ボトルを紹介。百均でそろえられるグッズのリストも配布し、啓発に努めた。武田さんは「自分たちで作ったゲームで楽しんでもらえてよかった。これからも音楽を絡めながらイベントを開催していきたい」と意欲を見せた。

 同団体は幸区役所と連携して、「若年層の参画による地域防災力の強化」をテーマに活動。今回もその一環で開催されることとなった。

幸区で総合防災訓練 8月31日

 川崎市と幸区役所は8月31日(日)、川崎総合科学高校と多摩川緑地で川崎市総合防災訓練を開催する。開催時間は午前9時から正午まで。

 訓練では、自主防災組織が実施する避難所開設・運営訓練や消防、警察、自衛隊等が参加する救出救護訓練が行われる。災害に関する啓発ブースの設置や降雨体験車の体験、ヘリコプター訓練の見学もできる。自由参加で室内履きが必要。詳細は幸区役所のウェブサイトを参照。

ポスター作りに勤しむ子どもたち

川崎臨港署管内 二重鍵の大切さ絵で訴え こ文、わくわく児童が作成

 自転車盗難注意を訴えるポスター作りが川崎臨港警察署管内のこども文化センターで夏休み期間中に行われた。同署の呼びかけに応じた殿町、田島のこども文化センターや東門前小学校と殿町小学校わくわくプラザに通う児童ら80人が参加し、思い思いの作品を作り上げた。

 殿町子ども文化センターでは8月5日にポスター作りが行われ、同署署員が自転車盗難被害が多発していることを説明し、鍵を2つかけるダブルロックの必要性などを訴えた。子どもたちは話を基に、マーカーや色鉛筆などを使い自転車のイラストなどを画用紙に描いた。

 完成した作品はイトーヨーカドー川崎店(川崎区小田栄)に10月に掲出される予定。

 同署によると、管内での7月末日時点での暫定値で自転車盗難が121件発生。昨年同月比で14件減という。

新たに導入する防災ラジオ

川崎市 防災ラジオを導入 1000台を無償貸与、500台を有償配布

 川崎市は、災害発生時に自動で起動し情報を届ける「防災ラジオ」を新たに導入し、市民に無償貸与・有償配布を行う。申込受付は、9月16日(火)から(有償配布は10月15日(水)まで受付)。

 この防災ラジオは、緊急地震速報や国民保護に関する情報、避難指示、河川洪水・土砂災害等の気象に関する情報などを受信すると、自動で起動し最大音量で放送する仕組み。コミュニティ放送「かわさきFM(79.1MHz)」の電波を活用し、情報が得づらい高齢者や障害者らにも、命を守るための災害情報を届けたい考えだ。

 今年度は、高齢者や障害者、町内会自治会らを対象に1000台を無償貸与するほか、500台を抽選(申込多数の場合)で有償配布する(詳細は下記リンクより)。

 市危機管理本部は「災害情報はいち早く入手することが重要。インターネットなどから情報を収集できない人でも命を守る行動がとれるよう、この防災ラジオを活用してほしい」と話している。

 申込みは下記リンクから、問合せは、川崎市危機管理本部災害システム担当【電話】044・200・1906。
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8月2日現在の工事現場

堤防かさ上げ工事進行中 市民団体の声受け

 幸区堀川町付近にある、多摩川の堤防をかさ上げする工事が進行している。

 洪水被害を防ぐために、国土交通省京浜河川事務所が実施するもの。堤防にはこれまで、越水を防ぐためのせき板工が設置されていたが、同省が定めた基準の高さを満たしていなかった。これを1・5m余裕のある高さまで引き上げたうえで、コンクリート擁壁に変更。さらに堤防の背後に袋詰めの土のうを1トン設置し、対策を強化する予定だ。

 「多摩川洪水危険箇所の早期改善を求める会」の坂内亮さんは、これまで同堤防の改善を求めて活動してきた一人。2019年の台風19号の際には、堤防を越えて付近の国道409号線に水が流れ込んできたと主張する。同事務所は「越水は確認できていない」と回答してきたが、7月から同工事を開始した。坂内さんは「2回にわたる住民集会など、これまでのさまざまな活動が成果を結んだ」とコメント。今後も市が管理する排水樋管の改善などを求めて、活動を続けるという。

 工事期間は9月末までの予定。期間中は橋梁下の通り抜けができないため、同事務所は国道409号線の歩道を通行するよう求めている。

同社が掲げるBCPの方針について語る竹之内社長

BCP 「経営計画との連動で浸透」 フジクス(株)竹之内社長

 自然災害や感染症などのリスクに備える「BCP」(事業継続活動)が企業などで注目されている中、「経営計画との連動なしではBCPは浸透しない」と川崎区貝塚に本社を構えるフジクス(株)の竹之内英社長は語る。

 ビルや施設などの排水管洗浄を手掛ける同社。竹之内社長がBCPを意識したのは、東日本大震災とコロナ禍だ。東日本大震災では、道路・交通機関がマヒし、現場作業が中止になったほか、燃料調達ができない事態にも陥った。一方、コロナではマンションの入室ができなくなり、事業が停止。さらには社内感染者による人員のやりくりにも苦慮したと竹之内社長は振り返る。

 「受注がゼロになっても、どのくらい会社が保つことができるのか、会社を健全に経営していくためのバランスシート(貸借対照表)のあるべき状態とは、キャッシュをいつまでに貯めればよいのか、そのための利益目標は……」。こうした点を一つ一つ見直しを図ったという。その結果、「何をすべきか明確になった」。燃料調達先の変更や一人で複数の業務をこなせる人材を育成する「多能工化」を図ることへの成功はその一例だ。BCPの観点から、災害対策用の小型洗浄機も開発。能登半島地震の被災地支援にも役立てられた。

 近年は、北海道に事業所を設け、大阪にも進出し始めた同社。業務拡大もまた、「経営計画とBCPの連動によるもの」だと竹之内社長は力を込めた。

山田議員が自民離団 川崎市議会

 川崎市議会は8月20日、川崎区選出の山田瑛理議員が最大会派「自民党」を離団し、無所属になったことを発表した。これに伴い、自民党は同氏が担っていた副団長を交代。本間賢次郎議員(川崎区選出)と矢沢孝雄議員(宮前区選出)が新たに就任した。

 山田氏の所属委員会については、引き続き環境常任委員会となった一方、会派選出の議会運営委員会は本間議員に交代し、港湾審議会委員の後任については現在調整している。

 市議会の勢力は次の通り。自民=16人、みらい=14人、公明=11人、共産=8人、川崎・維新=5人、無所属=6人 

   (8月25日起稿)

多様な立場から考える防災 9月13日 川崎区田島町で

 「自分にあった防災と避難にであおう」をテーマにした「防災マルシェ」が、9月13日(土)午後1時から4時、川崎区田島町のかわさき地域生活支援拠点たじまで開催される。小さな子ども・外国人・高齢者・障がい者・女性・ペットと暮らす家族など、多様な立場に応じた防災を考えるブースが設けられる。ワークショップでは女性の視点から備えを学ぶほか、ペットとの同行避難を考える。起震車体験、ちびっこ防火服撮影、スタンプラリーなど、参加型の企画が催される。

 申込みは不要で、問い合わせは、いきがい工房さらら【電話】044・200・4273、メールikigaikoubou.sarara@gmail.com。

川崎市民交響楽団 14日に定期演奏会 カルッツかわさき

 川崎市民交響楽団が9月14日(日)、カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)で「第202回川響定期演奏会」を開催する。午後1時30分開場、2時開演。入場料は大人千円、小中高生500円(全席自由)。

 当日は、吉田行地氏が指揮を務め、オール・チャイコフスキー・プログラムや歌劇「エフゲニー・オネーギン」からポロネーズ、バイオリン協奏曲、交響曲第2番などを披露する。

 演奏会について詳しくは同楽団専用ダイヤル【携帯電話】080・1275・1056へ。

福田市長(中央)に要望書を手渡す4会派の団長

川崎市議会4会派 「小児医療費助成制度拡充を」 福田市長に要望書手交

 川崎市議会の自民、みらい、公明、川崎・維新の4会派が8月18日、小児医療費助成制度の拡充を求めた要望書を福田紀彦市長に手渡した。

 小児医療費助成制度を巡っては、県内31市町村が高校3年生相当までを対象にしている。川崎、横浜2市のみ中学3年生までだが、横浜市は山中竹春市長が8月の市長選で18歳までの拡大を掲げ再選した経緯がある。

 要望書では「物価高騰や教育費・医療費の家計負担増加が子育て世帯に影響を及ぼし、支援拡充が急務」と指摘。自民市議団の野田雅之団長によると要望書を受け取った福田市長は「主要4会派の要請を重く受け止める」と述べたという。市長は25日の定例会見で小児医療費助成を18歳まで拡大する考えを示した。

受付をデモンストレーションする参加者

幸社協 災害時を地域で想定 ボラセンスタッフを養成

地域で助け合う未来を

 地震などの災害時に、狭い地域で活動するボランティアを受け入れる役割を果たす、災害ボランティアセンターの運営スタッフを養成する講座が7月5日、幸区社会福祉協議会(幸区戸手本町)で行われた。5日は2回ある同講座の2回目。

 災害が発生した場合、現在は市や区単位で同様のセンターを立ち上げる手続きとなっているが、狭い地域単位における仕組みは整っていない。同講座はこうした背景をもとに、同協議会の主催によって、地域の人が地域を助ける未来図を描いて開講された。

流れをロールプレイ

 当日は36人が参加。はじめに参加者をボランティア役と運営スタッフ役に分け、受付のやり方をデモンストレーション。スタッフ役は胸に付けるワッペンに、誰の目にもわかるようフルネームかつ平仮名で記名するよう、ボランティア役に指示した。

 その後は参加者全員がボランティア役となり、4〜6人の班に分かれて災害現場とのマッチングをスタート。活動先の住所や、泥のかき出し、冷蔵庫の処分などの具体的な依頼内容が書かれた指示書を確認した。参加者は自己紹介ののち、業務の分担を行った。

 続く必要資材の受け取りでは、実物の代わりにスコップやヘルメット、軍手などと書かれたカードを選択。約40近い資材の中から現場に合わせて必要なものを厳選した。

 講座の終わりには、実際に東日本大震災などで災害ボランティアを経験したことがある参加者から「軍手ではガラスの破片などで手を切ってしまう恐れがあるので、ゴム手袋がマスト」といった声も上がり、さまざまな知識が共有された。参加者からは「ロールプレイが多かったので実際の場面を想定することができた。経験者の話を聞けたのも貴重だった」といった感想が聞かれた。

ダンスに励む子どもたち

富士通スタで運動教室 キッズダンスとリンパ柔軟

 富士通スタジアム川崎は、同スタジアムに隣接する「かわQホール」で、2つの新たな運動教室を開講する。現在参加者を募集している。

 「基礎から学べるキッズダンス教室」は、小学1年生から6年生が対象。9月11日から12月4日までの毎週木曜日、午後5時から6時まで、全13回で行われる。費用は8450円。初心者でも楽しめる内容で、保護者向けの発表会も予定。最終日には川崎フロンターレのマスコットキャラクター「ふろん太」からお菓子がもらえるかもしれないという。

 「リンパストレッチ教室」は毎週木曜日、午前9時30分から10時30分まで開催。15歳以上(中学生除く)が対象で費用は1回500円。事前申し込みは不要で、当日会場で受け付けを行う。筋肉をほぐし、むくみや疲れの改善を目指す。

 問い合わせは同スタジアム(富士見公園パークセンター)【電話】044・276・9133。

(上)「科学館」の解説台で準備するオレナさんと田中さん(下)7月のイベント後に記念撮影=「科学館」提供

ウクライナの避難女性 宙と緑の科学館 プラネタリウムで支える 解説員の田中さんも伴走

 プラネタリウムの仕事を通じ、ウクライナから東京都内に避難中のオレナ・ゼムリヤチェンコさんの生活を支えよう――。日本国内のプラネタリウム関係者の間で、そんな活動が続いている。その名も「One Sky for All」。発起人の一人である「かわさき宙と緑の科学館」(以下科学館、多摩区)職員の田中里佳さんも、プラネタリウム解説員の仲間としてオレナさんに伴走している。

 今年7月19日、「科学館」で、オレナさんによるプラネタリウム特別投影「ウクライナの星空の下で」が開かれた。オレナさんが「科学館」で投影会を開くのは、昨年2月に続き2回目。来場者に向け、オレナさんはウクライナの夏至の行事「イワナ・クパラ」など故郷の文化に関する説明を交えながら、星たちの物語を解説。最後に客席にこう呼びかけた。「生きる場所や文化が異なる私たちにできることは、星空の下に集まること。またここでお会いしましょう」

「川崎にも」と声掛け

 オレナさんはウクライナ北東部のハルキウに家族と暮らし、プラネタリウム解説員として働いていたが、2022年2月からロシアによる侵攻を受け、同年4月末に夫と日本へ避難。戦禍が収まらず、日本で仕事を得たいと、宇宙航空研究開発機構にプラネタリウム解説員の経歴をメールで送った。ここから首都圏のプラネタリウム関係者の間に情報が広がり、複数の施設がオレナさんを招待し始めた。

 情報は「科学館」でプラネタリウム解説員を務める田中さんにも届き、22年の夏ごろ、都内でオレナさんと対面。田中さんが「ぜひ川崎にも来てください」と声をかけたところ、秋には夫婦で「科学館」へ。解説台へ案内すると、「オレナさんの表情が明るくなった」と田中さんは言う。

 そして23年6月、岡山県で開催された「全国プラネタリウム大会」の場で、田中さんのほか東京、千葉などの解説員ら7人が発起人となり、全国の施設で協力してオレナさんの解説員としての活動を支える「One Sky for All」が始まった。すると各地から「うちもぜひ」という手が上がり、今年7月末の時点で、オレナさんは全国約25カ所の施設で計60回、ウクライナの星空について解説してきた。

 田中さんは、長野県伊那市や長崎県佐世保市など地方での活動に同行し、施設案内や補助解説も務める。オレナさんは今では簡単な日本語を話すが、単独での地方出張は困難が多いからだ。

 田中さんは「オレナさんの苦しみに寄り添う気持ちを言葉で伝えるのは難しいが、避難生活の中でも彼女らしく生きられるために、母国に戻る日まで支えたい」と語る。「科学館」の久保愼太郎館長も「星空に国境はないということを、オレナさんとの交流を通して改めて痛感した。ウクライナに平和が戻りオレナさんが帰国しても交流を続けたい」と話していた。

動物と触れ合う親子

マリエンで遊び尽くそう 9月7日

 子ども向けのイベント「あそびの日」が9月7日(日)、川崎マリエンで開催される。午前10時〜午後3時。雨天決行。主催は公益社団法人 川崎港振興協会と一般社団法人 川崎市子ども会連盟。

 計13のブースと、キッチンカーが出店し、子どもたちに運動や遊びの場を提供。プロ選手が練習するコートでプレーできるビーチバレーや、動物園たちに触れ合える移動動物園、チャンバラやわりばし鉄砲などが体験できる昔遊びなど、楽しいイベントが目白押し。

 参加費は無料。上履き持参。詳細は同協会会館事業係【電話】044・287・6009、または同連盟【電話】044・811・2125。

広い人工芝の上で楽しくプレー

GO!GO!!フロンターレ

スタジアムでグラウンド・ゴルフ大会

 富士通スタジアム川崎で9月26日(金)、多くのシニアが参加する「第113回 富士通スタジアム川崎グラウンド・ゴルフ大会」が開催される。小雨決行。

 50歳以上であれば誰でも参加でき、緑の人工芝の上で、8ホール2ラウンドを2回、計32ホールの個人戦を行う。参加者全員に参加賞が用意されているほか、男女別の上位5位までの入賞者には景品が贈られる。さらに、ホールインワン賞や、誰にでもチャンスがあるお楽しみ抽選会もある。

 午前9時から午後3時。参加費は保険料込みで1600円(税込み)。先着100人。申し込みは氏名、郵便番号、住所、電話番号、生年月日、グラウンド・ゴルフ歴を記載し、電話、FAX、メールのほか、スタジアム事務所への直接持参でも受け付ける。9月21日(日)締切。

 スタジアムの担当者は「初心者からベテランまで、皆様のエントリーをお待ちしています。気持ちの良いグラウンドで一緒に楽しみましょう」と参加を呼び掛けている。

 (問)同スタジアム【電話】044・276・9133。

画像はいずれも川崎フロンターレ