八王子版【9月4日(木)号】
9月からの保育料を表した表

八王子市 第1子の保育料無償化 9月から 対象1700人

 八王子市が9月から、0〜2歳児の第1子に対する保育料無償化を始めた。東京都の子育て支援策を活用し、これまで0〜2歳児の第2子以降を対象に実施していたものを拡大した。市保育幼稚園課によると、この事業で新たに市内の子ども約1700人が、無償化の対象になるという。

 第1子の保育料は、国が3〜5歳児は全世帯、0〜2歳児は所得制限を設けて無償化している。そのため、今回都の独自支援策により、子どもの年齢や人数、保護者の所得にかかわらず、市内在住のすべての子の保育料が無償となった。

 無償化の対象となるのは、八王子市に在住し、市が認可する保育園、認定こども園、地域型保育(家庭的保育、小規模保育、事業者内保育)に在園している子ども。保育料の無償化にあたり保護者による手続きは不要だが、「延長保育料」や「副食費(3〜5歳児クラス)」「教材費」などの実費は引き続き保護者が負担する。

「安くはない額、ありがたい」

 今回新たに無償化の対象となった、保育園に通う1歳4カ月の第1子を育てる30代の母親は、「(無償化すると聞いた時は)ありがたいと思った。今まで安くはない額を払っていたので、少子化対策の一つとして子どもを育てるハードルが下がるのでは」と同支援策を評価した。浮いた保育料分は「子どもに関することや生活のために貯蓄したい」と話している。

 一方で、自治体による格差を嘆く声も聞かれる。神奈川県相模原市在住で1歳2カ月の第2子を保育園に預ける30代の母親は、「時短勤務で働いているが、給料の多くが保育料に消えている状態。誰もが都内で暮らせるわけではないので、神奈川県でも同様の支援策を実施してほしい」と切実に訴えた。

 同課は、「無償化を受けるための申請などは不要。既に第1子無償化に関するチラシと一緒に、通知を各世帯に送付している」という。

 同事業についての問い合わせは同課【電話】042・620・7369。

手づくりの紙芝居やポスターを手にする担当課職員

八王子市 市税納付率 多摩26市でトップ 電子化など活用し2年連続

 八王子市は8月26日、2024年度現年課税分の市税納付率が過去最高の99・9%(前年度比0・1ポイント増)となり、多摩26市の中で2年連続で1位になったと発表した。電子化により業務効率化が進み、職員が市民と直接向き合う時間を増やせたことや、税に対する市民意識の向上などを要因に挙げている。

 学校教育や社会福祉、ごみの処理から道路・公共施設の整備など、市民が安心して快適な生活を送るための行政サービスを維持するための財源の一つになっているのが市税。八王子市の24年度一般会計歳入予算では、市税が収入全体の約4割を占めており、その約8割を個人市民税と固定資産税が占めるなど市の基幹的な税収となっている。

 八王子市の市税納付率は10年前(15年度)時点では99・1%で、多摩26市中16位だった。その後は微増を続け、23年度に納付率99・8%で1位に。24年度には過去最高値の99・9%になり、2年連続で1位となった。この結果を市は「市職員の税への想いと市民の皆様の意識がひとつになったことで達成できたもの」とし、「市民の皆さまの税に対する深いご理解とご協力のたまものであり、八王子市の財政の健全性は市民力の高さによって支えられている」と感謝する。

3つの想い

 高い納付率はどのように生まれたのか。納税に関する相談対応などを担当している市財務部収納課によれば「根本にあるのは市民との信頼関係の構築。職員は『(税の大切さを)伝える』『(滞納など納税に不安を抱える人に)寄り添う』『(税に対する期待と信頼を)裏切らない』の3つの想いを持って、市民に向き合ってきた」と説明する。近年の業務デジタル化もプラスに働き、電子データの活用などにより内部事務を効率化したことで未納者への個別訪問や電話による納付案内、生活状況に応じた丁寧な相談対応などに、より多くの時間を充てることが可能になったという。

 同課では今年度も職員が手製のポスターや紙芝居、動画などを制作して、地道に税の大切さの周知に取り組んでいる。初宿和夫市長は「市民の皆様の力強い支えに心から感謝申し上げます。(多摩26市で納付率1位となったが)次年度も1位を目指すということではなく、職員が日々、真摯に業務に取り組んでいくことで結果が付いてくるものと考えている」と述べた。

放課後等デイサービス合同運動会を企画した(一社)チャイルドライフの代表理事を務める 庄司 孝さん 七国在住 70歳

垣根なく過ごせる社会を

 ○…8月に開催した放課後等デイサービス合同運動会の2回目が、市内を中心に19施設から約370人が参加して大盛況のうちに無事終了した。「手探りで開催した第1回より『もっと楽しく』を目指して運営委員会のメンバーが準備や当日の運営に奔走してくれた。子どもたちが運動会を楽しんでくれたことが一番だが、施設間の横のつながりが生まれたことが今後の業界にとって大きな一歩になったのでは」と手応えを感じている。

 ○…学童保育や放課後デイ、少年・障害者サッカーチームの運営などを展開する一般社団法人チャイルドライフの代表理事。ユニバーサルツーリズムに取り組む旅行事業や障害者の自立に向けた生活訓練施設の運営なども行っており、子どもたちが障害の有無に関わらずのびのびと過ごせる地域社会を目指す。業界の発展を支える協同組合を立ち上げ、今年3月には全国でも数少ない事業協同組合等算定特例の認可を取得。障害者雇用の推進にも力を注ぐ。

 ○…大学を卒業後、非破壊検査の企業などを経て八王子で臨床試験の会社を創業。会社は後に上場するほど成長を遂げたが、自身の4人の子育て時期と重なったことで「児童福祉の大切さに気が付いた」という。学童保育を運営すると保護者から「障害のある子どもを預かってくれる場所がない」という相談を受け、「ならば」と障害児施設を開設したことが現在につながっている。近年は障害児が成長した後の勤め先まで支援の手を伸ばし、インクルーシブ社会の実現に取り組む。

 ○…魚好きの孫の影響で、近年は金魚に夢中。世話が楽しくなり、いつしか水槽が予備を含め7個、金魚は20匹近くまで増えた。休みの日には孫と自転車で散歩に出かけることも。

大学生と楽しくスポーツ 小学生対象で先着順 

 小学生対象の参加無料スポーツ教室「TEIKYOマルチスポーツカーニバル」が帝京大学八王子キャンパス(大塚)で行われる。

 帝京大学の学生たちと交流し、運動の苦手な子どもにもスポーツの楽しさを体験してもらうイベント。今年は全7種目あり、10月・11月は3種目。10月12日(日)は「芝生deふれあいサッカー」(先着40人)、10月26日(日)はチアダンス(先着50人)=写真はイメージ、11月1日(土)はソフトテニス(先着30人)。いずれも初心者歓迎で、午前10時から午後0時。

 問い合わせは同大学スポーツ局【電話】042・678・3403。

能登の生徒に夏の笑顔 東京サマーランドに招待

 能登半島地震で被災した日本航空高等学校石川(石川県)の留学生たちが8月19日、東京サマーランド(あきる野市)に招待され、プールで楽しいひとときを過ごした=写真。この招待は、地域の人々の温かい心遣いがつながって実現した。

 日本航空高等学校石川の生徒らは現在、青梅市にある明星学苑青梅校を臨時キャンパスとして避難生活を送っている。招待されたのは夏休みでも帰国が難しいタイ、モンゴル、トンガ、ハンガリーなどからの留学生22人。同校を運営する学校法人日本航空学園の根岸健一理事が、生徒たちに夏の思い出をつくってもらおうと、友人でもある八王子市商店会連合会の加藤一詞副会長に相談。夏にぴったりな東京サマーランドに話をしたところ、サマーランド側が無料招待を提案した。

 参加したアリヤバドラさん(18)は「元気な姿を写真に撮って家族に送りたい」と話し、ラグビー部のエドウィンさん(18)は「トレーニングのリフレッシュになれば」とプールを心待ちに。マハサムットさん(17)は「青梅に来たときは苦労もあったけど、皆さんがサポートしてくれた」と関係者に感謝を述べた。

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写真コーナーを紹介する樋口さん(右)と高尾登山電鉄の町田部長

南大沢在住 樋口徹さん 高尾山の見どころ伝える 清滝駅で写真展示5年目

 高尾山ケーブルカー清滝駅構内の柱の一つに、写真コーナーがあることをご存じだろうか。柱の4面のうち一つが高尾山のコースマップやパンフレットなどの配架スペースになっており、残り3面を使って高尾山でこの時期に見ることができる風景や植物、昆虫、野鳥などが写真で紹介されている。今年9月に展示5年目を迎えたこのコーナーに写真を提供しているのが、南大沢在住の樋口徹さん(79)だ。

担当と二人三脚

 定年後のライフワークとして高尾山や京王沿線の四季を撮影し続けている樋口さん。高尾山にも年間を通じて足しげく通い、季節ごとの魅力を捉えてきた。4年前、撮りためてきた写真を使って何かの役に立てないかと駅を管理する高尾登山電鉄(株)に相談したことが展示のきっかけとなった。

 展示は毎月貼り替え、当月・翌月・翌々月の見どころを6〜8点の写真で紹介している。写真は樋口さんが月ごとに10点ほど提供したものの中から、同社の担当者が選出するなど、二人三脚で続けてきた。同社鉄道部の町田慎也部長も「展示を楽しみにしているお客様も多い」と絶賛する。

 樋口さんは「これから山を登る人の参考になり、また目的のものが見られず帰る人にも『写真に写っているものを見にまた来よう』と思ってもらえれば。今後も高尾山を撮り続けて、許される限り展示していきたい」と意欲を示した。
約370人が運動会に参加した

「誰でも競技」 増やし盛況 第2回放デイ合同運動会

 八王子市内を中心とした放課後等デイサービス19施設が参加する「第2回放課後等デイサービス合同運動会in八王子」が、8月18日にエスフォルタアリーナ八王子(狭間町)のサブアリーナで開催された。

 障害や発達に特性のある子どもたちに運動会を楽しむ機会を提供しようと、参加事業所でつくる運営委員会が企画して昨年から始まった合同イベント。施設に通う子どもや保護者、職員間の交流も目的の一つとし、ルールなどを工夫することで誰もが参加できる「アダプテッド(適応)スポーツ」を目指し行われた。

充実と継続目指す

 当日は放課後デイに通う児童約250人と、保護者や施設職員ら約120人が参加。紅白のチームに分かれて、玉入れなどの競技に挑んだ。今年は新たな競技として大玉送りと綱引きも行われ、競技の参加者はもちろん応援席も一体となって盛り上がりを見せた。合同運動会の開催を呼びかけた一般社団法人チャイルドライフの庄司孝代表理事=人物風土記で紹介=は「一般的に特性のある子どもは運動会を嫌う傾向があるので、子どもたちが心から運動会を楽しんでいる姿を見ることができて良かった」と振り返り、「今年は協賛企業の協力でビートレインズによる体験会やキッチンカー、熱中症対策として参加者に飲み物を配ることができた。この取り組みをより多くの人に知ってもらい、内容を充実させながら続けていきたい」と展望を語った。

中本賢さん(左)が子どもたちに川の魅力を伝えた

中央LC 夏の思い出を一緒に 児童養護施設の子と川遊び

 児童養護施設で暮らす子どもたちに夏の思い出を作ってもらおうと、奉仕団体の東京八王子中央ライオンズクラブ(林伸彦会長)が8月11日、川遊びイベント「ガサガサ探検隊」を浅川の鶴巻橋近くで開催した。

 同クラブが青少年育成事業の一環として企画し、昨年の夏に初めて実施したアクティビティの2年目。今回も館町にある児童養護施設「こどものうち八栄寮」の小学生から中学生までの子どもたち15人が参加して、クラブの会員らと一緒に水遊びや浅川に住む生き物探しを楽しんだ。

笑顔のために

 川遊びの魅力を伝える先生役は、昨年に引き続き俳優の中本賢さんが担当。中本さんは「八王子浅川水辺の楽校 ガサガサ探検隊」の隊長として20年にわたり、川遊びや川の生き物観察を通じた環境学習支援に取り組んでいる。今年は同クラブから18人が参加し、市民ボランティア5人も運営に協力した。

 中本さんから溺れてしまった際の対処法などの説明を受けた後、子どもたちは魚や川辺に住む生き物探しに出発。水の冷たさに大はしゃぎしながらタモ網などを使って川底や草むらをガサガサと探り、発見した小魚や昆虫などに目を輝かせた。

 中本さんは子どもたちが見つけた生き物について解説するとともに、手製の紙芝居を使って浅川の魅力を伝えた。お昼にはバーベキューが行われて、子どもたちも大満足。「また来たい」と満面の笑みを浮かべていた。中心となって企画を進めた同クラブ青少年育成委員会は「子どもたちの笑顔を見て、心からこの事業をやって良かったと思った。またこの笑顔を見るために、来年もこの事業を継続していきます」と思いを語った。

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過去の開会式の様子=同協会提供

運動の秋 35団体が勢揃い 9月7日に総合開会式

 市が主催する市民向けのスポーツ大会「第79回 八王子市民スポーツ大会」の総合開会式が9月7日(日)、台町の富士森体育館で行われる。共催はNPO法人八王子市スポーツ協会(澤本則男会長)など。

 来年80回目の節目を迎える同大会。キックオフとなるこの総合開会式は、市スポーツ協会所属の35団体が各競技のユニホーム姿で一堂に会す。ユニホーム姿で揃う勇姿は、「まさに市民スポーツの祭典にふさわしく、一つの見どころでもある」と澤本会長は話している。

競技力の高さに定評

 八王子市のスポーツ団体は競技力の高さに定評がある。今夏に行われた都内の市町村対抗の「第57回東京都市町村総合スポーツ大会」では総合優勝を17回連続で達成しており、連覇の記録更新を続けている。

 開幕を前に澤本会長は「これから始まる各競技の大会の応援を通じ、スポーツの醍醐味を感じてください」と呼びかけている。

渾身のパフォーマンスを披露

商店街で舞い踊る 6日・7日 西八夏まつり

 総勢750人を超える踊り手が商店街を流し踊る「第24回 踊れ西八夏まつり」が、9月6日(土)・7日(日)にJR西八王子駅北口周辺を会場に催される。午後4時から8時30分まで。渾身のパフォーマンスが晩夏の西八王子を熱狂させる。

 地域活性化などを目的に地元の西八商栄会(磯間光夫会長)が主催。阿波踊りとYOSAKOIソーランに加えて、昨年から沖縄の伝統芸能「エイサー」のチームが参加したことで、さらに見応えが増している。

オープニングも必見

 今年は6日に阿波踊り9連とエイサー3チーム、7日にYOSAKOIソーラン21チームが出演。4時からのオープニングでは和太鼓やチア・ダンス、7日の午後5時10分には駅前会場でフラチナリズムのモリナオフミさんによるライブパフォーマンスも。模擬店やキッチンカーの出店も予定されている。

 磯間会長は「会場で旧友に再会するなど、同窓会のように楽しんでもらえれば。多くの皆さんに楽しんでいただいて、西八全体を盛り上げていきたい」と展望。また「実行委員会でも対策を講じるが、暑さが予想されるので熱中症に気をつけてご参加ください」と注意を呼びかける。イベントの詳細は、西八商栄会のウェブサイト(https://248shop.net)で確認を。

八王子国際協会 医療通訳を学ぶ 21日、ボランティア講座

 八王子市学園都市センター(オクトーレ12階)で9月21日(日)、第24回医療通訳ボランティア講座が開催される。主催はNPO法人八王子国際協会。

 講座では、医療現場における外国人への対応や、医療通訳者が安定して活動を続けるための知識を学ぶ。講師は、日本医療通訳協会認定医療通訳士で、順天堂大学大学院の非常勤教員も務める大熊令羽さん。大熊さんは国内の病院や国立国際医療研究センターなどでの勤務経験に基づき、医療現場での事例を紹介しながら欧米の医療通訳事情との比較を行う。

 午後2時から4時まで。定員は40人(申込多数の場合は抽選)。費用は500円(協会会員は無料)。メールに▽医療通訳▽住所▽氏名▽連絡先(電話・メールアドレス)▽通訳言語を明記し【メール】event@hia855.comへ送信する。9月11日(木)必着。問い合わせは同協会【電話】042・642・7091。

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東京純心大学 解説付きコンサート ピアノとオルガンの調べ

 東京純心大学内にある江角記念講堂(滝山町2の600)で10月11日(土)、「レクチャーコンサート〜ピアノとオルガンが織りなす祈りの調べ〜」が行われる。同大が誇る2030本のパイプを有するパイプオルガンの荘厳な音色を味わうチャンスだ。

 前半は、同じ鍵盤楽器でも弦を弾くピアノと笛に風を送り込むオルガンの構造や音色の違いについて学び、後半はC.フランクの『前奏曲、フーガと変奏曲Op.18』などを演奏する予定。

 解説は、オルガン奏者で同大客員教授の米沢(鏑木)陽子さんが担当し、若手ピアニストで音楽研究者でもある橋本創太郎さんが出演する。

 開演は午後2時(1時30分開場)。入場無料。対象は18歳以上の人。定員は先着800人。申込み不要。希望者は当日直接会場へ。なお、駐車スペースに限りがあるため、車で来場予定の人は先着50台の駐車場の予約を推奨している。

 詳細・駐車場予約・問い合わせは同大キリスト教文化研究センター【電話】042・692・0326。

―連載小説・八王子空襲―キミ達の青い空 第24回〈最終回〉 作者/前野 博

 (前回からのつづき)

 「恵介、行儀良くしているんだぞ」

 「はい!」

 「キミさん、お願いします」

 村上は、運んで来た椅子に恵介を座らせ、言った。

 「はっ、はい!」

 キミは、村上に見つめられて、顔が火照るような感じがした。キミは作業を始めた。村上が、まだキミの方を見ている。何か不審そうな顔だった。

 突然、

 「お姉ちゃん、何も見えないよ。どうするつもり?」

 恵介が叫んだ。キミは、恵介の体を覆う白い刈布を、頭にすっぽり被せ、そのままにしていた。村上の怪訝そうな顔は、そのせいであったのだ。キミは思わず、恥ずかしくて、手で顔を覆った。

 「いやだあ、ごめん、ごめん、恵介くん」

 キミは、慌てて、恵介の頭から白布を取り、体に被せた。

 「キミちゃん、どうしたのよ。しっかりしてよ」

 由江の手は休まず動いて、前に座った子どもの頭を半分ほど刈り上げていた。由江は、ちらっと村上を見て、微笑んだ。村上もくすりと笑っていた。

 「僕は相即寺へ行って、散髪の済んでいない子どもを呼んできます」

 村上は背を向け、駆け出した。

 「恵介くんの家は酒屋さんなの?」

 キミのバリカンは、恵介の頭をきれいに刈り上げていた。

 「そうなんだけれどね。今は、開店休業みたいなものなんだ。母ちゃんが留守番して、父ちゃんは徴用で近所の軍需工場で働いている。売る物がないからね。月三回の配給の仕事だけらしいよ」

 品川も八王子も同じようなものだった。食料、衣料の生活必需品は配給制となり、充分な暮らしはできなかった。いつも腹を空かせているし、衣服も質素で、継ぎを当ててボロになるまで着ている状態であった。

◇連載は今号で終了となりますが、続きは揺籃社(追分町)から出版されている前野博著「キミ達の青い空」でご覧になれます。(問)【電話】042・620・2626