伊勢原版【10月17日(金)号】

県内小中体育館の空調設置率 全国平均を下回る 本紙調査 今年度末までに2割超に

 近年の猛暑日の増加による児童、生徒の活動環境の悪化、災害時の避難場所の機能強化の観点から急務となっている公立小中学校の体育館等の空調設置。本紙は設置状況について県内の各自治体にアンケート調査を実施した。今年度末までに設置率が21・9%になる見込みである一方で、依然として全国平均を下回ることが分かった。

 文科省では学校体育館の空調設置に国の支援制度を周知するなど導入を推進している。

 県内小中学校の普通教室の設置率が99・9%に対して、文科省が今年6月に発表した「公立学校の体育館等(小学校は体育館、中学校は体育館・武道場)における空調(冷房)設備の設置状況調査」(2025年5月1日現在)によると、体育館等の設置率は14・6%で全国平均の22・7%を下回っている。

 県内の自治体別に見ると、設置率100%は神奈川県を含む34自治体のうち綾瀬市、寒川町、大磯町、大井町。一方で0%が17自治体あり、27の自治体で50%を下回っている。

 アンケートによると、今年度中に空調設備の設置を行う(もしくは行った)と回答したのは12自治体で、来年度以降に設置を予定していると答えたのは16自治体。すでに設置完了の4自治体を除き、23の自治体で検討が進んでいる。「今のところ設置の予定はない」と答えた自治体でも、具体的な予定はないが、おおむね設置に向けて「検討している」と回答した。今年度末までに設置率が100%となるのは神奈川県、茅ヶ崎市、海老名市の見込み。

 また、設置予定がないと答えた自治体の中には、「気化式冷風機を導入して空調対策を行っている」と回答した自治体もあった。

伊勢原市では

 伊勢原市は、今のところ設置の予定はないが、早期の空調設備設置に向けて検討中だという。なお、「災害時等には市の所有するスポットクーラーの活用等により対応する」としている。

 アンケートは9月に神奈川県を含む県内34の市町村に送付。文科省の資料を示した上で、「今年度、来年度以降の空調設備の設置予定」などについて聞いた。

大山とうふをPRする道端カレンさん

伊勢原市商工会 「大山とうふ」認知向上へ 道灌まつりでPR

 伊勢原市商工会と伊勢原うまいもの遺産創造委員会が、日本遺産「大山詣り」の構成文化財でもある「大山とうふ」の地域団体商標登録をめざし6月に特許庁に出願。歴史ある「大山とうふ」の名称を守るため、両組織が中心になり商標登録に向けさまざまな活動を続けている。

 地域団体商標制度は「地域ブランド」を適切に保護することにより、信用力の維持による競争力の強化と、地域経済の活性化を支援することが目的。

 「地域ブランド」として用いられることが多い地域の名称や商品(サービス)名などからなる文字商標について登録要件を緩和する措置で、主な要件は【1】登録主体が商工会など【2】地域の名称と商品名などの組み合わせ【3】生産地など、地域の名称と商品名の関連性があること【4】商標として知られていることの4つ。登録例として「小田原のかまぼこ」や「小田原蒲鉾」などが知られている。

 現在伊勢原市内の豆腐店は3つで、大山の宿坊ではとうふ料理を提供している。商標の登録のために4つめの「認知度」がカギとなる。そのため両団体は周知活動の一環で、10月4日、5日に行われた道灌まつりに参加。登山マラソンをはじめ、交通安全パレードへの参加など、伊勢原市とゆかりのある道端カレンさんがおまつり広場のステージにあがり、大勢の来場者を前に大山とうふの魅力をアピール。とうふがダイエットや健康食として優れている点などに触れ、商標登録に向け、市や市民と共に一丸となって活動に協力することを誓っていた。

 大山地域で豆腐づくりが盛んになったのは、江戸時代に流行した「大山詣り」の際に、訪れた人(大山講など)から宿坊への供え物として多くの大豆があったことや、大山の清流が豆腐づくりに適した良質な水であったことからだと言われている。

 同委員会の柏木貞俊会長は「歴史ある大山とうふの名称が、伊勢原以外の地域の製品や質の低い製品に不正に利用されることを防ぐことができる。将来にわたって『伊勢原のもの』であり続けるために必要な措置であることを知ってほしい」と訴える。

 地域経済への発展にもつながるこの活動。登録後は、市内の豆腐が「大山とうふ」の名称で販売する際の保護が強化されることで、ブランド価値がさらに高まることが期待される。

産業能率大学湘南キャンパスの学園祭「瑞木祭」で実行委員長を務める 林 遙人さん 産業能率大学3年生 20歳

皆が笑ってほしい

 ○…「綴〜つづる〜」をテーマに11月8日(土)、9日(日)に上粕屋の湘南キャンパスで開催する第47回瑞木祭。昨年のテーマは「つなぐ」で、「地域の方たちと関係を築いた1年だった。今年はもっと深めたい、その先は何があるだろうと考え、物語を綴る、ひとつにまとめるという意味を込めた」。今年度、大学が創立100周年にあたり、節目の年の大役に気合とともに、責任感も感じている。

 ○…町田市出身。小学校入学前から高校まで野球一筋。高校ではキャプテンも務めた。「野球を通じて忍耐力や一生懸命になる力が身についた。今まで文化祭などの行事に参加出来なかったので、大学では何か大きなことがしたかった」。1年から実行委員会に所属。2年目で役職に就いたことでイベント運営の大変さや難しさを経験。視野が広がり、全体を見渡せるようになった。

 ○…160人の大所帯をまとめることは決して容易なことではない。「人と話すことが好きなので積極的にコミュニケーションをとるようにしている」。距離を縮めて仲良くなり過ぎて馴れ合いにならないよう、委員会の仕事の話をする時は後輩にも敬語を使うことを徹底している。「良い緊張感を持ってメンバーそれぞれが役割を果たせるようにしている」と語る。

 ○…大学生になり興味の幅が広がった。「服や音楽、映画やライブなど『好き』が増えた。先輩や後輩との出会いも刺激になっている」。スポーツに関わる仕事に就きたいと入学したが、エンタメなどコンテンツビジネスに興味が変わってきた。「人が幸せなのが自分の喜び。だから皆が笑ってほしい。『楽しかった』と満足してもらえる楽しい学園祭にしたい」と笑顔で語る。

日本キリスト改革派厚木教会でチャペルコンサート 10月19日(日) クラリネット奏者・柳瀬洋氏とピアニスト・柳瀬佐和子氏が出演

 日本キリスト改革派厚木教会は10月19日(日)、チャペルコンサートを開催する。

 クラリネット奏者・柳瀬洋氏とピアニスト・柳瀬佐和子氏が出演。開場は午後2時、開演は午後2時30分。入場無料。

 演奏されるのは、メンデルスゾーン「歌のつばさに」、クライスラー「シンコペーション」、モリコーネ「ガブリエルのオーボエ」など。また、柳瀬洋氏はクラリネットについて「人の声に一番近い音色を持った楽器。心安らぐ時間とし、心の励ましとしていただければ」とのメッセージを寄せた。

 会場は日本キリスト改革派厚木教会(伊勢原市石田254-3)。小田急線愛甲石田駅北口から徒歩10分。駐車場はない。来場希望者は、電話【電話】0463・91・6629、またはメール(atsugikyoukai@gmail.com)で予約を。

#iseharathings 伊勢原に息づく、本物の和のぬくもり 花呉装岩本千壽子さん

 伊勢原の本町商店会にある呉服店「花呉装」は1992年にオープン。玄関を覆う「千本格子」を「グッ」と押して中に入ると、そこはまるで京都の町家を思わせる別世界。

 この温かな空間を築いた店長・岩本千壽子さんの心には、着物への揺るぎない愛がある。以前、着物チェーン店に勤めた際、安価な着物が原因で「着物嫌い」が増える現実に直面。「本物のぬくもりを知らずに、着物を遠ざけてほしくない」と、京都の染元が営む「花呉装」を伊勢原で開く原動力となったという。だからこそ、店に並ぶのは確かな品ばかり。仕立てや加工も、京都の職人技にこだわり抜くことで、着る人の心を豊かにする「本物」の着心地を届けている。

 「花呉装」の最大の魅力は、岩本さんをはじめ、スタッフたちの人柄が織りなす「寄り添う心」。希望者に開く着付け教室では、「苦しくなく、気崩れず、美しく」をモットーに一対一で優しく指導。また、和のテイストを取り入れたオリジナルデザインのパンツや和装に合う靴など、「和を日常に取り入れるための工夫」が満載。「品格は保ちつつも、着物をずっと身近に感じてほしい」という、親身な思いが伝わる。

 「産着から晴れ着、仏衣まで、着物のことなら何でも相談してほしい」。この言葉の通り、お客様一人ひとりの人生に、そっと着物を通して寄り添うぬくもりこそが、「花呉装」を伊勢原の街の特別な和の文化の発信拠点にしている。

三井住友海上 ヘルメットの装着を 自転車事故防止に

 三井住友海上火災保険(株)神奈川中央第一支社と代理店のエス保険が共同の取り組みとして9月28日、ふれあいマーケットの会場(総合運動公園)で伊勢原警察署と合同で「自転車ヘルメット装着率向上取組キャンペーン」を行った=写真。

 2025年4月から全ての自転車利用者にヘルメット着用が努力義務化。神奈川県が全国の中でもヘルメット装着が低いことなどから、自転車事故防止を目的に横浜ベイスターズと共同で自転車ヘルメットを制作。カタログを配布しながら、自転車に乗る際のヘルメット装着を呼び掛けていた。

利用者カードをスキャンする様子

伊勢原駅に図書貸出ロッカー 24時間受取で利便性向上

 伊勢原市は、伊勢原駅自由通路内に「伊勢原市立図書館予約本貸出ロッカー」を設置し、10月1日から運用を開始した。図書館の閉館時間や休館日に関わらず、予約図書を24時間受け取ることが可能となる。図書館以外への貸出ロッカー設置・運用は、神奈川県内で茅ヶ崎市に続いて2例目。

 ロッカーは伊勢原駅自由通路付近に設置される。サイズは幅710mm×高さ1600mm×奥行490mmで、2列14間口を備える。

 利用者は、図書館資料検索システムなどで本を予約する際、受取窓口として「ロッカー」を選択できる。予約図書の準備が完了したことを確認した後、予約本貸出ロッカーに利用者カードのバーコードをかざし、開いた間口から予約図書を受け取る。取置期限は7日間で、ロッカーから取り出した日が貸出日となり、2週間後の期限までに、市役所駅窓口センター内ブックポスト、図書館玄関横ブックポスト、図書館窓口のいずれかへ返却する。

 問い合わせは、図書館・子ども科学館 事業運営係【電話】0463・92・3600。

百年の歴史刻む伊勢原の柿 昭和天皇即位を記念して植樹

 伊勢原市田中にある成田賢徳さん(88)の柿畑。ここに立つ柿の木は、およそ樹齢100年。幾多の困難を乗り越えながら今なお実りを届けている。

 この柿は、1927(昭和2)年、昭和天皇の即位を記念する事業の一環として、当時の農会の技術員であった多田梁助さんの指導のもと、新しい農業の形として伊勢原に導入されたものだ。

 賢徳さんの祖父・成田賢治さんを含む5人ほどが、柿の苗木を植樹。成田家では、100本の苗木が植えられたと伝わる。しかし、太平洋戦争のさなか、柿は「贅沢品」と見なされ、木は腰の高さで切り落とされる運命にあった。代わりに小麦やサツマイモなどが植えられたという。

 終戦を迎え、切り株から新たな芽が吹き出す。それを大切に育てた結果、昭和30年代前半頃には、甘くて美味しい伊勢原の柿として、東京の神田市場に出荷されるまでに。当時、食べるものが少ない時代に、甘くて腹持ちの良い柿は大変な人気を博した。当時中学生だった賢徳さんは「買い付けや連絡のためにオートバイで担当者が訪れ、村中の子どもたちが珍しがって集まった」という記憶が残る。

 現在、成田家の畑には当時の柿の木が50〜60本ほど残る。品種は、今も人気の「富有」と「次郎」。土の栄養分が高く、甘みが強いのが特徴だ。近隣には多田梁助さんの孫・美枝子さん(75)も住んでおり、「祖父が面倒を見た柿だ」という誇りを胸に、今もその手入れを見守り続ける。

 百年にわたり継承されてきた柿は、農家の努力が生み出した「勲章もの」の産物。11月の収穫を目前に控え、「今年も美味しく実っている。早く皆さんに届けたい」とふたりは微笑んだ。

米作り体験を企画 県神道青年会 農家の苦労と努力に感謝

 神奈川県神道青年会が10月11日、伊勢原市三ノ宮のご神田で稲刈り体験を行った=写真。

 田植えから稲刈りまでの農作業を体験してもらうことで、普段口にしているお米ができるまでの農家の苦労を学ぶとともに、遥か神話の時代から、お米が無事に実るように神様に祈りを捧げてきた米作りの伝統を知ってもらおうというもの。

 この日は朝から雨が降るあいにくの天気となったが、同青年会のメンバーとその家族や一般の参加者、神職を目指す國學院大學の学生らが参加。三之宮比々多神社に参拝後、神社そばのご神田で神職による抜穂祭が執り行われ、祝詞が奏上された。

 6月に田植えを行い、たわわに実った「イセヒカリ」の稲穂を、鎌を片手に刈り取った児童からは「すごい、いっぱいなってる」「観て、かえるがいた」などの元気な声があがり、笑顔で稲刈りを行っていた。

 2004年に同青年会メンバーとして米作り体験会を企画した比々多神社の永井武義宮司は「農家さんの重労働を改めて感じることができる体験会になっている。食品ロス問題など、実際に米作りに携わると、いろいろ考えさせられる」と話していた。

 収穫されたお米は伊勢神宮と県内神社に奉納される。

世界陸上などの結果を報告する飯澤選手

飯澤千翔選手陸上1,500m 北京大会での雪辱誓う 萩原市長を表敬訪問

 伊勢原市出身で、このほど行われた東京2025世界陸上競技選手権大会に1500mの日本代表として出場した飯澤千翔選手(住友電気工業株式会社陸上競技部所属)が10月8日、伊勢原市役所を訪れ、萩原鉄也市長を表敬訪問した。

 第26回アジア陸上競技選手権大会の1500mで優勝し、第109回日本陸上競技選手権大会の1500mでは2連覇を果たした飯澤選手。世界陸上では残念ながら準決勝に進めなかった。大会を振り返り「まったく歯が立たなかった。現実を思い知らされた」と語り、直後2、3日間はどうしたら勝てるのかを自問自答していたという。

 現在は2年後の北京で行われる世界大会に向けて準備中で、「日本歴代記録を更新したい、さらなる高みを目指して、多くの人に注目してもらえるように頑張る」と意気込みを語った。

 萩原市長からは「まだ若いので記録は伸びると思う。今回の経験が次に活躍する原動力になるはず。また良い知らせを期待している」とエールを送った。

「今を楽しんでほしい」

 大田小学校から伊勢原中学校、その後山梨学院高等学校を経て東海大学へ進んだ飯澤選手。中学で800mや1500m、高校では1500mをメインに5000mを走ってきた。大学では箱根駅伝への出場も憧れていたが、コロナ禍の影響などもあり、1500mを本格的に始めた。

 伊勢原の子どもたちに向けて「自分は地元大田の田んぼ道を走っていた。何事も楽しむことが大切で、今を楽しんでほしい。そして将来どんな道に進むにしても初心を忘れないでいることが大事」と語った。また6日に入籍したことも報告、萩原市長から祝福の言葉が贈られていた。

鏡開きを行う丹野代表取締役(中央)と丹野会長(一番左)

未来へ決意新たに 丹野設備工業所 創業50周年

 (株)丹野設備工業所(伊勢原市上粕屋、丹野徳人代表取締役)は9月26日、レンブラントホテル厚木で創業50周年記念式典を開催した。1975年の創業から半世紀の節目を迎え、地域の生活インフラを支えてきた歩みを振り返るとともに、未来へのさらなる飛躍を誓った。

 式典には来賓、社員、協力会社関係者などが出席し、盛大かつ和やかな雰囲気の中で行われた。

丹野代表はあいさつで、創業者の丹野猛会長が伊勢原の地で水道設備工事業として一人立ち上げ、第一次オイルショック直後の困難な時代を乗り越えてきた歴史を強調。誠実に地域の人々に支えられながら一歩ずつ成長してきた道のりを紹介した。

 丹野代表は「景気が良い時には守りに入り、悪い時には攻めの気持ちで事業を行い、安定した経営を心掛けてきた」と述べ、社員と築いてきた会社の歴史と高い技術、信頼を誇りに思うと語った。また、今後の展望にも触れ、従来の考え方にとらわれず、これまでの知見を活用したより柔軟な発想で大きな価値を創出する姿勢を表明。伊勢原の地を基盤として、今後さらに飛躍したいという強い思いを語った。

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