八王子版【10月23日(木)号】
「恩方老人憩の家」の前で文化祭で展示する作品の一部を披露する絵手紙創作サークル「里の会」のメンバー

恩方老人憩(いこい)の家 最後の文化祭 今日から 来年3月に閉館

 下恩方町にある恩方老人憩の家で、10月23日(木)から最後の文化祭が開催される。同施設は社会環境の変化などを理由に2026年3月31日で閉館が決定。1974年の開設以来、50年にわたり地域の高齢者の交流やレクリエーションの場として機能してきた。同施設を20年以上利用してきた絵手紙サークルの一人は、「閉館は寂しいけれど、丹精込めてつくった作品を最後に多くの人に見てもらいたい」と話している。

 同施設は、進む高齢化に伴う高齢者サービスの一環として開設。市内在住の60歳以上を対象に無料で会議室や娯楽室を貸し出すなどし、日常的にさまざまな団体が活用している。2階のフロアが「憩の家」で、1階部分には市役所恩方事務所などが使用している。八王子市社会福祉協議会が市から委託を受け運営しており、市内では他に長房ふれあい館(長房町)内に同様の施設が併設されている。

 開設から半世紀が経過することを受け、今後の施設の在り方について24年度から検討に入った。市から諮問を受けた八王子市社会福祉審議会は資料調査や利用者などへのアンケート調査を実施。アンケートでは「高齢者の居場所・交流の場の確保や、孤独・閉じこもり防止のため、施設を継続すべき」などの意見が挙がったが、民間サービスの台頭などによる憩いの家の役割の変化や、運営費の持続可能性、利用者の少数化・固定化などをまとめた答申を提出。今年3月に施設運営終了の方針を決定した。市では、7月に利用者を対象に説明会などを実施。閉館後の利用者の活動を支援するため、類似の公共・民間サービスに関する情報周知などを行い、今後も「随時情報提供をしていく」とコメントしている。

日頃の成果を披露

 同館では閉館前に、館内イベントとしてひなまつりも行うが、きょう10月23日とあす24日に文化祭を開催する。カラオケ・大道芸・ウクレレなど11の演芸発表と、編み物・手芸・絵手紙など11団体(個人含む)の作品展示が行われる。社協の担当者によると、1998年に市から運営を受託して以降、2001年から本格的に文化祭を実施しており、利用者たちが日頃の活動の成果を発表する場となっている。

 カラオケ部門で出演予定の木下加代子さんは、「(最後の文化祭は)『わくわく』と『さみしい』が半分ずつ。自分にとって憩の家は、人と会えて輪が広がる、元気の源だった」と肩を落とす。20年以上同施設で集まり、作品をしたためてきた絵手紙創作サークル「里の会」の野崎昭子代表は、「閉館は寂しいが、丹精込めてつくった作品を多くの人に見てもらいたい」と話している。憩の家の閉館後は、近隣にある恩方農村環境改善センター(下恩方町)の1室を利用する予定だという。

 閉館後の同フロアの活用について、市は「未定」としている。建物は築50年以上で老朽化が進むが、建物を取り壊す予定はないという。

 文化祭への問い合わせは、同施設【電話】042・651・3961。

加住町・宮下町土地区画整理事業 市が組合設立を認可 産業用地創出へ

 八王子市が10月7日、加住町・宮下町土地区画整理組合の設立を認可した。これにより同地区における製造業や流通・物流、業務などの産業用地創出と環境共生型のまちづくりの実現を目指す土地区画整理事業が施行される。事業期間は2032年度まで。

 対象区域は、市内北部で加住町と宮下町にまたがる新滝山街道沿いの約9・8ヘクタール。区域内の都有地約4・7ヘクタールを活用して、公共施設の整備改善や宅地の利用増進を図る。4月2日に加住町・宮下町土地区画整理組合設立準備会(田上勝也代表)から提出された組合設立認可申請に対し、認可権者である八王子市が手続きを経て認可した。総事業費は市助成金の約6・21億円を含む約34・8億円を予定している。

 7日に市役所で催された認可書受領式には田上代表や業務代行者(予定)であるエム・ケー株式会社の渡辺雄一郎副社長、八王子市拠点整備部の石井正光都市整備担当部長らが出席。田上代表が認可書を受け取った。市区画整理課は「円滑な事業進捗が図れるよう、適宜適切に技術的な支援援助を行って参ります」と話している。

待望の船出

 同地区については「第3次八王子市都市計画マスタープラン」で、大規模公有地と新滝山街道沿道の活用による地域経済の活性化を図る地域として方針が示されていた。また21年に認定された同地区周辺のまちづくり計画を踏まえ22年に策定された「加住町・宮下町地区土地利用方針」では、産業系の土地利用を主体としつつ、緑や水辺と調和した環境共生型のまちづくりを目指すとしている。同地区の土地区画整理事業は、これらの方針に基づき地権者らが中心となって準備を進めてきた経緯がある。認可時の組合員数は49人。今後は関係機関との協議・権利者調整などを進めて26年度から造成工事を開始、32年度に組合解散を予定。

ミス・ワールド・ジャパン2024のファイナリストとして1年間の活動を終えた 塚本 結さん 高尾町在住 23歳

挑戦が自分を変える

 ○…「Beauty with a Purpose(目的ある美)」をスローガンに掲げ、内面の美しさの基準を設ける「ミス・ワールド」コンテスト。昨夏、約7000人が応募した日本大会でファイナリスト32人に選出された。代表を決めるため2カ月間の審査期間を戦い抜き、スポーツ審査で3位に、新設されたフォトジェニック賞を受賞。「挑戦したことで多くの支えを実感できた」と振り返る。

 ○…大学在学中、4年生の時に他薦を受けた。当初は「美しさを競うなんて自信がなかった」が、小学校の教員を務める母の後押しもあり出場を決意。コンテストのスローガンには「自分に集まる注目をどう生かすか」という意味が込められていると聞き、「教育の大切さを発信したい」という思いを胸に走り切った。大会後約1年間、ファイナリストとして、コンテスト出場予定の後輩指導や市内小学校で講話などを行った。

 ○…船田小、長房中出身。体を動かすことが大好きで活発な少女時代を過ごした。中学生になるとバドミントン部で汗を流し、担任に勧められ生徒会に立候補。中3で生徒会長を務めたことで「ふさわしい自分にならなくては」と勉学にも励んだ。「今思えば人生の転機だった。いい学校になるにはどうすればいいか、いろんなことに当事者意識を持てるようになった」

 ○…コンテストで発信する側を経験したことで、「今度は誰かを支える側でいたい」と、今年4月から市内で就職をサポートする企業に勤務している。コロナ禍だった大学時代は将来を前向きに考えられなかったが、現在は「社会人が楽しい」と意欲的だ。「挑戦したことで価値観や生き方が違う人に会えた。失敗しても、全てが糧になる」

セレオでSDGs 開業13周年イベント開始

 セレオ八王子が10月25日(土)、開業13周年を迎える。前日の24日から11月9日(日)まで、誕生祭記念キャンペーンと市民団体らとともに「たのしく学べるSDGsフェア」を同時開催する。

 NPO法人フードバンク八王子えがおの協力で北館地下1階セレオ市場集中レジ内にてセレオフードドライブを実施。食べきれない、買いすぎてしまった食品の提供を呼びかける。11月1日(土)・2日(日)は「福祉まつり」と題し、八王子市社会福祉協議会の協力で市内福祉施設利用者が心を込めて作ったかわいい雑貨や焼き菓子を販売。北館屋上エキソラガーデンで午前10時〜午後4時。

 このほか、ハロウィンワークショップ(26日)やダンボールコンポスト講習会(11月8・9日)、古着回収ボックス設置など期間中、多くの催しが行われる。詳細はセレオ八王子のホームページ(https://www.jrccd.co.jp/celeo/hachioji/)へ。

家族で楽しく遊ぼう 八王子駅周辺で催し

 「楽しい子育てを応援したい」「地域とファミリーを楽しくつなげたい」。そんな想いで始まった「ファミリーフェスin八王子 みんなのキャンバス」が10月25日(土)、JR線八王子駅周辺を会場に行われる。

 南口サザンスカイタワー八王子1階東側広場には、おしゃれな雑貨や焼き菓子、キャンドルワークショップなど手作り作家らがブースを出展。セレオ八王子北館9階では、日本工学院八王子専門学校によるSDGsを考えるワークショップを開催。とちの木デッキではりゅうだい先生による「ぼくらの八王子を踊ろう」やNHKの子供番組「にこにこ・ぷんショー」などのステージが楽しめる。じゃじゃまる・ぴっころ・ぽろりとの撮影会は整理券が必要。また、総合受付では贈答品の余剰などのフードドライブを受け付ける(要賞味期限2カ月以上)。

 主催者は「地元で子育てを応援する企業・商店・行政のみなさんが駅前に集結するイベントです。ぜひ楽しんで」と呼びかける。当日スケジュールや整理券・注意事項などはホームページ(https://minnanocanvas.com/)で確認を。

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顕彰碑の前に立つ志野大使(左)と塚本代表

在ドイツ日本大使、来王 肥沼医師を称える活動で

 「Dr.肥沼の偉業を後世に伝える会」(塚本回子代表)の活動がドイツの日本大使に届いた。在ドイツ日本国大使館で特命全権大使を務める志野光子さんが10月10日、八王子市を訪れた。

 志野大使は初宿和夫市長を訪ねた後、中町公園にある顕彰碑を訪れ、まちなか休憩所で上映されている紹介動画などを同会メンバーらの案内で見学した。

 肥沼信次医師は八王子市中町出身。第二次大戦後のドイツで自らの命を顧みず感染症治療に尽力。多くの命を救ったが自らも感染し「日本の桜を見たい」と言い残し、37歳で亡くなった。その功績を称え、ヴリーツェン市の名誉市民として現地で語り継がれている。

 志野大使は「市民の方々が大切にしていることが伝わった。ドイツでも外国人排斥の雰囲気が強くなってきているが、命を助けた日本人がいたということが信頼関係の礎になっている部分があるように感じる。今後も、両市で大切にしていければ」と話した。また、塚本代表は「大使が来てくださるなんてなかなかない。とても光栄。市民活動に関心を持ってくれてありがたい」と来訪に感謝を示した。

当事者の大学生が街頭に立った

奨学金大学生が呼びかけ あしなが学生募金

 親に障害があったり亡くなっているなどの理由から経済的に困窮している高校生に奨学金を届ける「第110回あしなが学生募金」が、10月18日と19日にJR八王子駅など全国136カ所で行われた。一般財団法人あしなが育英会の奨学金を受けている大学生でつくる「あしなが学生募金事務局」により、1970年から続けられてきた活動。10月25日(土)、26日(日)の正午から午後5時にも同じ場所で実施される。

 奨学金を必要とする高校生が増える一方で、その資金は不足している。申請に対する2025年度の採用率は58・4%で、今なお4割の高校生が支援を受けられない状況になっている。

夢をつなぐ

 JR八王子駅南口で18日に行われた募金活動に参加した大学生らは「経済的な事情で進学をあきらめようと思っていたが、皆様のご支援で大学に通い、募金に立つこともできている。別の誰かの夢が叶い、夢がつながっていく社会にしていきたい」と当事者の生の言葉で駅利用者らに支援を呼びかけた。

 東京造形大学3年生の坂木朔太郎さんも当事者の一人。「『あしながさん』のおかげで大学に通うことができている。同じような環境で悩む高校生が後に続けるようにしたい」と思いを語った。

 募金の全額があしなが育英会に寄付され、日本とアフリカの遺児の支援に活用される。寄付の詳細は同会HPで。あしなが育英会【電話】03・3221・0888。

富田さん(左)と担当者の根岸さん

事業承継セミナー 「譲受」で経営者めざす 実例や支援策を学ぶ

 東京たま未来メッセで10月9日、事業の譲り受けを希望する経営者や個人を対象とした事業承継セミナーが行われ、11人が参加。具体的な事例や事業を円滑に譲り受けるための支援施策などについて学んだ。

 これは八王子市、八王子商工会議所、日本政策金融公庫、東京都多摩地域事業承継・引継ぎ支援センターの共催事業として行われたもの。

 冒頭、同支援センターの大木俊之さんが登壇し、事業承継を取り巻く現状を説明。全国で休廃業・解散する事業者数は増加傾向にあり、2024年は6万2695件と過去最多を更新。多摩エリアでも1924件と前年比で16・32%増加したという。

SEから肉屋に

 続いて、実例紹介として登壇したのは24年に個人精肉店を事業承継した富田勇斗さん。富田さんはシステムエンジニアやITベンチャーでのEC事業グロース・コンサル経験を経て現在、(株)石富で代表取締役として経営に従事している。33歳ごろから「経営者になりたいが、やりたいことは特にない」というところから承継できる会社探しをスタート。支援センターの根岸秀樹さんと二人三脚で多数の会社社長と面談を繰り返した結果、「やりたいことはなくても、会社規模や利益性などの条件が固まっていった」と振り返る。最終的に「地元に愛されるお肉屋さんだったことや、従業員がいる事業規模などが決め手だった」と富田さん。承継1年目は「何も変えない」と基盤固めに注力。今後は自身の強みであるマーケティングやデジタル化を取り入れていく予定だという。

 参加した会社員の男性(44)は「今の働き方に疑問を感じて参加してみた。やりたいことがなくても事業を承継できる事例を知れてよかったが、ハードルの高さや大変さも感じた。参加してよかった」と話していた。

30周年を迎えた医療法人社団KNIの北原茂実理事長=同法人提供

北原グループ 未来へ、医療を越えて 30周年 革新の歩み

 北原国際病院(大和田町)などを運営する医療法人社団KNI(Kitahara Neurosurgical Institute:北原脳神経科研究機関)が、今年で設立30周年を迎えた。

 同法人の北原茂実理事長に同法人の「位置」を数直線で問うと、「(目標完遂を100としたら)今は50、といったところ」という返答が。歩みの起点は1995年、大和田町に開設した北原脳神経外科病院。2010年の法人化で現在の「北原国際病院」と改称。現在は北原リハビリテーション病院(左入町)のほか、市内外、海外に6施設を運営する。

地産地消の医療とは

 個人病院としては、革新的な取り組みで道を切り開いてきた。16年、カンボジアに救命救急機能を持つサンライズジャパンホスピタルを開設。現地のスタッフを養成しつつ、現地に地産地消の医療を作ることを目指し、以前なら亡くなるか重い後遺症を残していた大勢の人々を救ってきた。

 また18年には、止まらない少子高齢化に対応するため、医療の枠を超え、生活上必要なあらゆるサービスを提供する「北原トータルライフサポート倶楽部」を開始。サービスの一例として、AIと会話するだけで生活や健康の相談、見守り、家族への状況共有などが可能となる倶楽部独自のアプリの開発に成功するなど、「未来の日常」を第一線で担う準備を着々と進めている。

記念イベントも

 10月25日(土)・26日(日)には、東京たま未来メッセ(明神町)で一般参加歓迎の30周年記念イベント「八王子ミライフェス2025」を開催する。食や農業、不動産、金融、ITなど、医療に限らない「ウェルビーイング」に関わるさまざまな企業が一堂に集結。北原グループの目指す「ミライ」を来場者に体感してもらう仕立てだ。「掲げた理想を夢に終わらせない」。この強い信念が、今日の革新的な取り組みを支えているのだろう。

 イベントに関する問い合わせは八王子ミライフェス事務局【電話】042・645・1356。

帝京大ラグビー部員に激励の言葉を贈る初宿市長(右)

帝京ラグビーにエール 初宿市長、施設を見学

 5年連続の全国大学選手権制覇に挑む帝京大学ラグビー部を激励するため、10月14日に初宿和夫市長が同大の練習場・百草グラウンド(日野市)を訪問した。

 昨年、全国大学ラグビーフットボール選手権大会で4連覇を果たした同部。来月始まる同大会に出場すべく現在、出場条件である関東大学対抗戦Aグループで戦っている。初宿市長は集まった部員らに向け、同部の全国的な活躍が八王子の知名度向上に繋がることに感謝を述べつつ、「今が大事な時期。実力以上のものが出せるよう頑張ってほしい」と部員らを激励した。相馬朋和監督らは歓迎し、大町佳生キャプテン(4年)からは部員のサイン入りユニホームが初宿市長に手渡された。

関連施設も視察

 初宿市長はその後、大塚にある「帝京大学スポーツ医科学センター」に移動。同大独自の医療と科学を掛け合わせた最先端研究施設で、高気圧酸素治療室や酸素濃度を調整できる環境制御室などを見学し、同部の強さの背景に触れた。

ゴール下で奮闘する高岡圭汰朗選手

トレインズ 1位を「進行中」 山口に1勝1敗

 プロバスケB3・東京八王子ビートレインズは10月18・19日、エスフォルタアリーナ八王子(狭間町)で山口パッツファイブと対戦し1勝1敗。第4節を終えて戦績は7勝1敗となり、15チーム中1位を「進行中」だ。

 クラブ初の開幕6連勝を飾ったトレインズは第4節の初日、65―7と1敗したものの2日目は72―60と巻き返し勝利を収めた。

 亀崎ヘッドコーチは試合後、「必ずホームコートを守ろうという呼びかけに、選手がしっかりコート上で応えてくれた2日目だった。いろいろ課題はあるが、序盤で自分たちのペースを掴めたのが勝因だった。皆さんの声援が選手の背中を押してなんとか勝ち切れた」と振り返った。

次戦は町田市で

 次戦は10月24日(金)・25日(土)、ホーム戦として初となる町田市立総合体育館(町田市南成瀬5の12)で、しながわシティバスケットボールクラブと対戦する。24日は午後6時20分から、25日は2時からオープニング開始。自由席無料招待企画などチケットの詳細はクラブホームページまたはSNSへ。

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待望 収穫の時が到来 上川口小児童が稲刈り

 上川町にある上川の里特別緑地保全地区の田んぼで10月8日、市立上川口小学校(市川利幸校長)の全校児童が秋空の下で稲刈り体験学習を行った=写真。

 黄金色に実った稲穂は、今年6月に児童らが植えた苗が育ったもの。同校では食育や地域に根差した総合学習の一環として、米作り体験の授業を毎年実施している。同地区の保全活動などを手がけるNPO法人街づくり上川(高野誠三理事長)が、子どもたちへの稲作指導や畔の草刈りなど田んぼの手入れに協力。高野理事長は「雨が少なく猛暑続きだった今夏は、とくに水田の管理に苦労した」と振り返る。

応援に中学生も

 稲刈りには同法人や学校運営協議会に加えて、同校近くにある帝京八王子中学校の1〜2年生も総合的学習の時間を利用して応援に駆け付けた。児童・生徒らは鎌を使って稲を刈り、根本で束ねて稲架に掛ける場所まで運ぶ作業に励んだ。中学2年生の最上虎ノ介さんは「想像していた以上に力が必要で、協力することが大切だとわかった」と話し、小学6年生の高鳥由葵さんは「(田んぼがある地域は限られているので)学校でこうした体験ができて、うれしい」と喜んだ。

 この日刈り取った稲は脱穀、精米作業を経て、学校給食で食べる予定。

人気の「はちナポ」を手にする惣菜バイヤーの佐藤さん

ご当地グルメ、お家でも 八王子ナポリタン アルプスで

 地域密着型スーパーマーケットのスーパーアルプス(本社:滝山町)で現在、八王子発祥のご当地グルメ「八王子ナポリタン」(通称はちナポ)を販売している。

 惣菜バイヤーで同メニューの開発に携わった佐藤栄美さんによると、同社は今年75周年を迎えることを背景に、「八王子のスーパーらしく地域の名物を販売したい」と、八王子ラーメンに次ぐご当地グルメである「はちナポ」に注目した。

 同社では、はちナポの周知活動を行っている市内の有志団体「八王子ナポリタン倶楽部」の中野太郎会長(キッチンロッコ)に監修を依頼。同倶楽部では、はちナポの定義として、八王子ラーメンへのリスペクトを込め、八王子ラーメン同様たっぷりの「刻みタマネギ」をトッピングすることなどを挙げている。

惣菜としての難しさ

 試作品づくりや試食など、同社が本格的に動き出したのは今年に入ってから。その場で出来立てを提供できる飲食店などとは異なり、持ち帰りが前提となる惣菜の特性上、「家庭で温め直すことを加味した上で、できるだけ本家の味の再現を目指した」と佐藤さん。刻みタマネギの甘みとトマトの酸味とのバランスを重視し、試行錯誤の末に完成。テスト販売まで漕ぎつけた。

試行販売、その結果は

 同メニューはより安定的に全店販売できるよう、店内調理ではなく店舗外で加工・包装するアウトパック式を採用。9月22日から10月末まで「お試し販売」を開始した。積極的に店内で試食販売を実施し、客の感想をその場で聞き取り改善点として反映するなど主力惣菜として猛プッシュ。まだ試行販売期間中ではあるが、「(アウトパック式の惣菜の中では)群を抜いてお客様人気が高い」と佐藤さんは話している。好調な売れ行きも鑑み、11月からも販売を継続する見込みだという。

知名度、ぐんと

 同倶楽部の中野会長は、今回のコラボ商品化について、「店舗数の多いアルプスに陳列されることで、はちナポを知ってもらえる機会がぐんと増える」とご当地グルメとしての知名度アップに期待を寄せる。同倶楽部の認証店(提供店)はキッチンロッコ(子安町)を始め、市内を中心とするレストランやカフェなどの飲食店が多いため、「中食へのアプローチの難しさ」が課題だったという。今回のコラボ企画は、同倶楽部としても手が届きにくいところにアプローチできる、絶好の取り組みだったようだ。

 この「はちナポ」は、現在アルプス全29店で試行販売中。あきる野市(あきる野店)や町田市(多摩境店)など、市外の店舗でも販売されている。

協定書を手にする葛西局長(左)と秋間会長

地域安全に手を携え J:COMと町自連が協定

 ケーブルテレビなどの情報・通信サービスを提供する株式会社ジェイコム東京 八王子・日野局(葛西昭人局長)と、八王子市町会自治会連合会(秋間利久会長)が、10月14日に「地域安全に関する協定」を締結した。

 協定は両者の相互連携と協働により、安全で安心して暮らせる地域社会の実現を目指すことを目的としたもの。ジェイコムが空き巣やごみの不法投棄、特殊詐欺ををはじめとする各種犯罪の未然防止につながる啓発活動に協力するほか、外回りの社員が「ながら見守り」を行うことによる不審者対策、犯罪・事故の発生を認知した際の早期通報、交通安全や地域防災意識向上のための広報啓発活動に協力することなどが盛り込まれている。

 またジェイコムが展開する防犯カメラサービスを同会に加盟している町会・自治会の施設や会員が導入した際に特典が受けられることや、各町会・自治会が取り組んでいる地域安全に関する防犯・防災活動の好事例をジェイコムが取材してコミュニティチャンネルなどで紹介することも記載されている。

地域のために

 締結式では、連合会の役員らが見守るなかで葛西局長と秋間会長が署名した協定書を交わした。葛西局長は「企業理念に『社会の期待に応える』を掲げている。地域の安全のため精いっぱいに尽くし、役立つことで皆様に感謝される企業を目指したい」と話し、秋間会長は「ジェイコムとの地域安全に関する協定締結は、連合会としてとても心強い。これから連携を密にして、安全安心なまちづくりに努め、会員の暮らしに役立つ情報提供にも取り組んでいきたい」と期待した。

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各分野の専門家が相談に応じた

34組が相談 不動産協会の地域貢献

 (公社)全日本不動産協会東京都本部多摩南支部(谷合ひろよ支部長)が毎年開催している地域貢献活動「不動産無料相談会」が、10月11日に明神町の東京たま未来メッセ3階の第5会議室を会場に開かれ、住まいや相続などの悩みを抱えた34組が相談に訪れた。

二次相続の相談増加

 この日は午前10時から午後4時まで弁護士や税理士、宅建士などの各種専門家が会場に常駐し4つの窓口を設けて来場者の相談に応じた。税金や登記、空き家などさまざまな相談が寄せられたが、同支部によれば「二次相続についての相談が目立った」という。二次相続は、最初の相続(一次相続)で相続人となった配偶者が亡くなることで発生する相続のこと。たとえば父が死亡し母と子が遺産を相続した後、母が亡くなった際に発生する。一次相続より税負担が増える傾向がある。

 谷合支部長は「法律が変わり相続登記が義務化されます。今お住まいや所有している不動産について現在困っていること、将来不安なことなど、些細なことでも遠慮なさらずにご連絡ください」と呼びかける。問合せは多摩南支部【電話】042・623・7357。

支援金、締切迫る 市が物価高騰対策で

 八王子市は現在、物価高騰に直面する市内中小企業や個人事業主などの事業者を対象に「エネルギー・物価高騰対策事業者支援金」の申請を受付けている。締切は2025年11月7日(金)。

 1事業者あたり10万円が上限。主な交付要件は25年4月から9月の1カ月間の内、電気またはガス料金が前年同月比1万円以上、または10%以上増加している、などがある。申請はWEBまたは郵送。要件の詳細などは専用コールセンター【フリーダイヤル】0120・802・055(平日9時から17時)。