逗子・葉山版【3月7日(金)号】
新造営された遥拝所。奥に赤い鳥居も見える。

森戸大明神 龍神宮遥拝所を新造営 神木のビャクシン鳥居に

 葉山町堀内の森戸大明神は、神社裏手の磯辺から沖合い700メートルに浮かぶ名島の祠に祭られる龍神を拝むための遥拝所(ようはいじょ)を新たに造営した。2基の鳥居の奥に、海の中に立つ赤い鳥居や富士山を望むことができる。

 遥拝所の完成は昨年末。同神社禰宜の守屋隆広さんによれば、昨年は辰年ということもあり「(名島の)龍神様にお参りできないか」という声が多くあったという。龍神信仰の始まりは定かではないが古くからあり、海の神で『潮の満ち引き』を司ることから『導きの神様』という考え方がある。名島にはかつて桟橋があり10年ほど前までは渡し舟も出ていたが、今はそれもなくなり、竜神宮に行けないため、参拝できる場所を造営することにした。

 守屋さんは「遥拝所というのは遥かにあるものを拝む場所のこと。お社ではないですが、ここを通して龍神様を拝んでくださいという、その場所を示す意味で鳥居を造営した。両脇には狛犬ではなく、一対の龍の像を置きました」と話した。

 鳥居に使われた木は、10年以上前に台風で倒れた同神社の神木だったビャクシン。倒れたとはいえ、神木のためぞんざいな扱いはできず保管していたもの。守屋さんは「折れても奇跡的にどの建物にもかからないという、神様のご支援をいただいた木を使わせていただくというのはありがたいこと」と語った。

 その鳥居の前には石の鳥居も新設された。これは近隣の医療機関から奉納されたものだ。

 同神社では参拝しやすくするために1989年に社の移設を行ったが、新しく造営した建造物は「しばらくは記憶にない」ほど久しぶりのことだという。

 同神社は鎌倉幕府を開いた源頼朝により1180年に創建された。

考案した上野さん

逗子市飲食店 地元の未利用魚を佃煮に 県なでしこブランド認定

 女性が開発に貢献した優れた商品やサービスを神奈川県が認定する「神奈川なでしこブランド」事業。今年度は、逗子市の魚レストランBar「凪」(逗子5丁目)で販売している佃煮「ぎぃちゃん」など10件が認定された。

 10回目の今年度は応募のあった100件のうち、10件を認定。逗子市からは「凪」のオーナー、上野ひとみさん(55)=人物風土記で紹介=が考案した、未利用魚ヒイラギの佃煮「ぎぃちゃん」が認定された。

 モクセイ科の常緑低木・ヒイラギの葉に似た小魚のヒイラギは、粘液をまとい、とげもある。釣り好きにはよく知られるが、スーパーなどには流通しない未利用魚だ。

 上野さんは、20代の頃から元祖釣りアイドルとして活動し、現在も釣り師、料理研究家、飲食店経営など魚にまつわる仕事を続ける。

 上野さんが住む鎌倉市材木座には網元も多く、ヒイラギの干物を売っているところもあるが、「煎って酒のあてに食べるくらいで、何かできないかと考えていた。ご飯のお供として楽しめるように、ご近所さんや漁師さんにも味見をしてもらいながら、種類も増やしていきました」

 「ギィギィ鳴くから」と親しみを込めて商品名は「ぎぃちゃん」に。旨口・辛口・山椒・ガーリックオイルの4種で、各120g入り800〜1250円で販売中。「手土産としても好評です。釣り好きには『ヒイラギ食べられるんだ』と驚かれますよ」

 今月中には第2弾商品で、「卵かけご飯にかけると美味」だというヒイラギの出汁の粉の販売も始める予定だという。

 午後4時〜10時半。ネットショップも準備中。(問)【携帯電話】050・8888・3069

佃煮「ぎいちゃん」の開発者で神奈川なでしこブランドの認定を受けた 上野 ひとみさん 逗子市在勤 55歳

魚とともに歩む人生

 ○…「逗子は海のあるまちなのに魚の土産物がほぼなかった」ことから、神奈川なでしこブランドに認定されたヒイラギの佃煮「ぎいちゃん」を開発した。「おいしいものを食べたい」との思いで22歳から始めた釣りが、今回の認定をはじめ、人生を大きく変えるきっかけになった。

 ○…高校卒業後、芸能事務所に所属。アイドルとして活動したが鳴かず飛ばず。25歳の時、「釣りアイドル」として活路を見出し、テレビ、ラジオ、雑誌など活躍の場を広げていった。ちゃらちゃらしたイメージを払拭しようと「おさかなマイスター」の資格を取得。後に水産庁から「おさかな語り部」にも認定された。当時まだ少なかった女性の釣り人口を増やそうと考え、ウェアのプロデュースや、釣り船への女性用トイレ設置もすすめた。

 ○…埼玉県所沢市で過ごした少女時代。裏山で蛇を捕まえたりするなど活発な子どもだった。中学ではクラシックギター部に入り全国大会へも出場。音楽系の高校に進学し、学校の取材を通じ、TVに出演したこともあった。釣りをきっかけに海の近くに住みたいと思い、結婚を機に逗子へ移住。今は材木座在住で、もう海からは離れられない。

 ○…川でのニジマス釣りから始まり、大物では100kg超えのカジキマグロまで釣り上げた。最近は店の経営もあり、かつてほど海に出られないが、8月から11月は「マグロのシーズンでそれしか見えなくなる」ほど釣り師の血が騒ぐという。ヒイラギのような未利用魚をどう活用するかといった社会的課題の解決への模索が「ぎいちゃん」の開発にもつながった。「この魚はあの食べ方がおいしいはず」など、頭の中は常に魚とともにある。

昨年のステージ=実行委員会提供

音楽でインクルーシブ体感 3月23日 なぎさホール

 「誰もが楽しめる音楽ライブ」をコンセプトにする逗子ライブインクルーシブ実行委員会は、3月23日(日)、逗子文化プラザなぎさホールで「逗子ライブインクルーシブ2025」を開催する。第一線で活躍するアーティストと障害を乗り越えたアーティストが共演。音楽の包容力を体感できるステージを提供する。

 出演者はミュージカル俳優・声優の麻生かほ里、俳優・シンガーソングライターの石井一孝、バンドネオン奏者の小松亮太など(敬称略)。障害を乗り越えたアーティストでは、脳性麻痺と戦うバイオリニスト式町水晶、難病・発達障害を乗り越えたチェロ奏者松本晋、全盲・車椅子のハーモニカ奏者・ボーカリスト山下純一、視覚障害者ミュージシャンわたなべちひろなどが参加する(敬称略)。司会はラジオDJのMITSUMIと手話通訳コンビのケーマトーマが務める。

 同企画は聴覚障害者も楽しめるように手話通訳や手話パフォーマーを用意。また、車いす席や介助犬対応席も設置し、すべての人が快適に過ごせる環境を整えている。収益の一部は、逗子市社会福祉協議会に寄付され、社会福祉活動に役立てられる。

 時間は昼の部が午後1時、夜の部は4時30分開演。チケット料金(全席指定・税込)は、前売一般4500円、中高生3000円、障害者2500円、小学生2000円。逗子文化プラザホール窓口のほかチケットぴあ、イープラスなどで購入できる。

 詳細は公式ホームページ(逗子ライブインクルーシブで検索)で。

 (問)同実行委員会【携帯電話】050・3578・2929

講演する石川氏

防災セミナー 学校と地域の関係密に 避難所運営を指南

 東日本大震災の際に2000人以上が避難した茨城県日立市立久慈中学校の当時の校長、石川善憲氏が2月22日、逗子市主催の市民防災セミナーで登壇した。

 石川氏は避難所運営の初動は駐車場作りが重要だったと解説。車がきちんと出入りできることで、安心して避難所にいることができたと語った。また、学校と地域の日頃からの関係が非常に大切だと強調した。祭りが盛んな同地域では顔見知りが多く、中学生も避難所での炊き出しやトイレ掃除などを積極的に行っていたという。さらに、本やおむつを準備するなど女性目線が大切だと話した。

ハンドルに触れず左折を行う自動運転バス

湘南国際村 ハンドル触れずバス運行 自動運転を実証

 葉山町と横須賀市にまたがる「湘南国際村」で自動運転バスの実証運行が2月23日から26日まで行われた。運転手が乗車し一部の操作を行う「レベル2」の位置付けで事前に設定したルートを通り、アクセルやハンドル操作、ブレーキなどはシステムが担った。同地区のPRと交通課題解決を視野に県が京浜急行バスに委託して行われた。

 「ファミリーマートM・Y湘南国際村店」を出発点に約2・6Kmの住宅街を7カ所の乗降地を経由しながら、時速10Km前後で運行。前方に障害物があると、運転席側に設置されたボタンを押し回避行動を取っていた。

 今回使用された車両はゴルフカートを改良したもので東急バスが所有。乗務員含めて8人乗りの車体に取り付けられた11台のカメラを通して湘南国際村センターにあるコントロールセンターがバスを遠隔監視。

 26日に乗車した横浜市在住の30代男性は「安全面を考慮してか思ったよりも速度は出ていなかったが、快適だった。今後の改善に期待したい」と感想を話した。

 県は今後の運行などにについて、検討中としている。

イベント告知のポスター

音楽・食・運動で春満喫 逗子さくらまつり初開催

 逗子ゆかりのアーティストらによるライブや地元飲食店のキッチンカー、モルックなどのニュースポーツが楽しめる「逗子さくらまつり」が3月30日(日)、第一運動公園(逗子市池子)で初開催される。主催は逗子キッチンカー連絡協議会、逗子市商工会(NEXT10ビジョン推進委員会)、花咲計画推進協議会からなる実行委員会。

 逗子には桜の名所があるにもかかわらず、「さくらまつり」と言われるものがなかったことから企画された。

 ステージ出演は逗子出身のシンガーソングライター・NAOYUKIさん、逗子開成高和太鼓部、瑛人さんら7組。

 キッチンカーはホットドッグ、タコ焼き、稲荷ずし、クレープなど12台が出店する。

 スポーツエリアではモルック、コーンホール、サッカーボーリングなど、年齢性別に関係なく楽しめるニュースポーツが体験できる。

 池子の米軍住宅の人たちにも「花見」を楽しんでもらおうと野点も実施する。

 時間は午前10時から午後4時。少雨決行、荒天中止。先着300人に花見団子1本プレゼント(10時から引換券配布)。

 問い合わせは同実行委員会(逗子市商工会内)【電話】046・873・2774。

原発被災地の今を知る 3月29日 交流センターで

 東日本大震災の福島第一原発事故後に復興作業にあたるボランティアとして参加したメンバーを中心に組織した「平和で安心な社会を@逗子・葉山の会」は3月29日(土)、「3・11をわすれない 福島原発事故から14年!『被災地の今』」と題した講演会を開催する。

 講師は福島県いわき市で被災し、「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」(福島県双葉郡楢葉町)の事務局長を務める丹治杉江さん=写真。丹治さんは「メディアでは報道されない、福島原発事故被災地とフクイチ(福島第一原発)収束現場の絶望的な実態を知ってください」とメッセージを送る。

 主催者は「被災地の今をお話しいただき、原発再稼働の是非を今一度考えたいと思います」と参加を呼び掛けている。

 会場は逗子文化プラザ市民交流センター2階会議室。時間は午前9時45分(9時30分開場)から11時30分。参加費500円(資料代)。

 問い合わせ・申し込みは【メール】ta.kikkawa@gmail.com(吉川さん)。

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歴史を語る松本さん

池子の森運動で絆強く 元市議松本さん語る

 逗子市の池子米軍住宅建設にまつわる1982年から始まった反対運動の記録をまとめた資料集「戦後日本住民運動資料集成13『逗子市池子米軍住宅建設反対運動資料』」の第2弾が完成し2月24日、逗子市に寄贈された。

 当日、贈呈式に合わせ「池子」について語り合い交流を深めるイベント「池子の森の深い〜い話」も開催され、74年から4期16年間、市議会議員を務めた松本みどりさんが、当時の市民運動を振り返った。

 松本さんが議員になる直前に市は「青い海と みどり豊かな 平和都市」という都市宣言をした。松本さんは「平和があってこそ青い海と豊かな緑は維持できるんだ」という思いが、池子の森を守る運動を行う上での支えになったと振り返った。一方で、「今の時代の方が『戦争』が近くなっていて『平和都市』が必要だと思う」とも語った。逗子を二分したといわれる池子の問題については「賛成にしろ反対にしろ、多くの市民が関わり、市政についての関心が高くなった。問題を通して人と人が近しくなった。運動そのものは成功したとは言えないが、いろいろ市民に与えた影響は大きかったと思う」と総括した。

自然守った反対運動

 講演後には参加者同士が席替えをしながら対話をするワールドカフェを実施。「長期にわたる反対運動があったことで池子の森に自然が手つかずで残った」「弾薬庫が置かれた戦争の歴史を伝える平和教育の場としての活用を」といった意見が出された。

パワーポイントを使って発表する生徒

逗子中 地元探究をプレゼン 新たな魅力発見

 逗子中学校(関忠子校長)は2月28日、1年生の総合的な学習の時間で、「よりよい社会の実現のため、逗子で地域と関わっている人やもの、こと」について、地域の人にプレゼンする「探究Zushi」の発表会を行った。

 生徒たちは昨年7月からチーム(3・4人)ごとに、テーマ決め、企画書づくり、取材先への電話連絡、取材、パワーポイントを使った資料作りと準備を進めてきた。当日は5教室に分かれ、各部屋で5〜6チームが発表を行った。

 逗子市の観光についてのプレゼンでは、観光協会の役割、花火大会、ナイトウェーブ、市民まつりといったイベントを紹介。市民まつりでは、池子米軍住宅の住民などに向け英語版のチラシを作っていることなどを発表。最後には「みんなも積極的に観光に参加しよう」と呼びかけた。

 発表を行った山崎絢菜さんは「チームはいろいろな意見を持つ人がいて、バランスをとってうまくまとめることが大変だった」と振り返った。

 中久保柑奈さんは「取材インタビューの台本作りが一番大変だった。プレゼンも楽しくしようと、クイズを途中で盛り込むなどの工夫をこらした」と語った。

 プレゼンを聞いた地域の人からは「新しい発見もあった」との声も聞かれた。

昨年の環境会議の様子

中高生が環境問題を発信 3月29日 逗子開成中高で

 神奈川県内の中高生が環境問題についての活動や意見発表を行う「湘南青少年環境会議in逗子2025」(主催・逗子ロータリークラブ/RC)が3月29日(土)、逗子開成中学高校(逗子市新宿)の徳間ホールで開催される。

 同企画は4年前に同RCが子どもたちと新江ノ島水族館で海の「磯やけ」について学んだ際に、子どもたちと行政や地域の大人たちの意見交換の場が重要だと考えたことから実施し、今回で3回目。

 未来を担う中高生が環境に関心を持ち、持続可能な活動について議論し、実現に向けて行動を起こすことが重要であるとして環境省の職員も参加する予定。

 当日はみずほ証券グローバル投資銀行部門サステナビリティ推進部の清水大吾氏が基調講演を行う。

 参加校が日頃の活動発表を行ったのち、生徒と環境省職員が意見交換を実施する。

 参加予定校は久木中、逗子開成、聖和学院、三浦学苑、湘南白百合学園など13校。

 同RCは「少しでも環境に関心のある方はぜひご参加ください」と聴講を呼び掛ける。

 時間は午前10時から午後4時30分。

 問い合わせは同RC【メール】zushirotaryclub@gmail.com

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逗子市スポーツ人の集い 功労者、優秀選手を表彰

 逗子市スポーツ協会(山口勝会長)は3月1日、逗子市立体育館サブアリーナで「第51回逗子市スポーツ人の集い」を開催し、2024年度のスポーツ協会功労者やスポーツ協会優秀選手、逗子市競技連盟(小林壽志会長)優秀選手・団体の表彰を行った=写真。

 また、同会の表彰に先立ち市教育委員会(大河内誠教育長)も24年度逗子市スポーツ功労者の表彰を行った。

 来賓の桐ケ谷覚市長は「元気なまち、活力あるまちにはスポーツは欠かせない。一緒に元気なまちを作っていきましょう」と声を発した。

 受賞者は次の通り(敬称略)。

 【協会功労者】▽増田勝頼(弓道)▽圓谷真理子(ソフトボール)▽吉永佳織(ソフトボール)

 【協会優秀選手・団体】▽水泳/添田重樹▽バドミントン/羽隅弘治・小池周子・小野淑美・反田由佳理・逗子なぎさ(団体)▽卓球/牧野美月▽レスリング/石原源大・石渡惟楓・大屋礼志▽体操/石原寛大▽空手/新谷泰知・新谷英人

 【連盟優秀選手・団体】▽水泳/度会幸久・高橋祐太・小林美結・鏡島恵・岡庭広大・白田なほみ・白田せら▽レスリング/小宮拓真・淺野穂月・古賀瑞樹・奥田晴日・奥田夏生・上原ケンドリック喬吾・齋藤雄仁・石渡惟織・細金澄晴・小宮向葵・村上桔平・大屋志乃・志水陽彩・古賀瑚野・原園千尋・鳥海万尋・川崎維月▽野球/逗子リトルリーグ(団体)

 【市功労者】▽増田勝頼(弓道)▽峯尾尚子(山の根体育会)▽釜屋トモ子(フォークダンス)▽島田良子(グラウンド・ゴルフ)

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星座にまつわるエトセトラ 「水星」

 太陽に一番近い惑星、水星は昼間の表面温度は最高で約430℃、夜は最低で約マイナス170℃。その差は約600℃にもなります。水星の自転は59日でゆっくりですが、公転は88日で速度にすると秒速48Km。太陽系で一番速いのです。なのでギリシャ神話では俊足で伝令の神・ヘルメス、ローマ神話ではメルクリウス(英語でマーキュリー)の名前が付けられました。大きさは太陽系で一番小さく地球の月より少し大きいくらい。速くて過酷な環境の水星に今、日本はヨーロッパ宇宙機関(ESA)と協力して水星探査計画に加わっています。2018年に打上げられた探査機は今年12月に水星周回軌道へ投入される予定です。太陽から大きく離れない水星は日の入後、日の出前にしか見られません。それが3月8日に太陽から一番離れ(東方最大離角)、夕空に見ることができます。

「人生会議」 vol.32 人生100年時代今から始める終活のススメ

 葉山町では人生会議を土台としてリビングウィルのパンフレットを配布しています。「人生会議」とは、もしものときのためにあなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み(厚労省が進めるプラン)。その話し合ったことをリビングウィルに記入して家族と共有しておく。繰り返し話し合い変更があったら書き直す。「リビングウィルとは、どのような終末期の医療を望むかを前もって明確にしておくこと」(葉山町役場福祉課)。終活の医療バージョンで、信頼する周囲の人たちとの話し合いと捉えることもできます。例えば、がんは本人への告知は医師の裁量から、義務となっていますが、がんであることは知りたくないという患者がいることも実情です。その意思を主治医だけでなく家族やケアマネ、看護師も含めて話し合い共有し、リビングウィルに記入します。もし気持ちが変わり、病名や余命を知りたくなった時はまた話し合います。末期がんの患者が余命告知を希望する場合や自分が意思表示できないとき、代わりに誰に判断してもらうかなどです。人生会議で「最後まで自宅で暮らしたい」「在宅医療が可能か」など悩みが出れば地域包括支援センターに相談しましょう。地域包括支援センターは逗子市では3カ所、葉山町では2カ所あります。