逗子・葉山 人物風土記
公開日:2025.03.07
佃煮「ぎいちゃん」の開発者で神奈川なでしこブランドの認定を受けた
上野 ひとみさん
逗子市在勤 55歳
魚とともに歩む人生
○…「逗子は海のあるまちなのに魚の土産物がほぼなかった」ことから、神奈川なでしこブランドに認定されたヒイラギの佃煮「ぎいちゃん」を開発した。「おいしいものを食べたい」との思いで22歳から始めた釣りが、今回の認定をはじめ、人生を大きく変えるきっかけになった。
○…高校卒業後、芸能事務所に所属。アイドルとして活動したが鳴かず飛ばず。25歳の時、「釣りアイドル」として活路を見出し、テレビ、ラジオ、雑誌など活躍の場を広げていった。ちゃらちゃらしたイメージを払拭しようと「おさかなマイスター」の資格を取得。後に水産庁から「おさかな語り部」にも認定された。当時まだ少なかった女性の釣り人口を増やそうと考え、ウェアのプロデュースや、釣り船への女性用トイレ設置もすすめた。
○…埼玉県所沢市で過ごした少女時代。裏山で蛇を捕まえたりするなど活発な子どもだった。中学ではクラシックギター部に入り全国大会へも出場。音楽系の高校に進学し、学校の取材を通じ、TVに出演したこともあった。釣りをきっかけに海の近くに住みたいと思い、結婚を機に逗子へ移住。今は材木座在住で、もう海からは離れられない。
○…川でのニジマス釣りから始まり、大物では100kg超えのカジキマグロまで釣り上げた。最近は店の経営もあり、かつてほど海に出られないが、8月から11月は「マグロのシーズンでそれしか見えなくなる」ほど釣り師の血が騒ぐという。ヒイラギのような未利用魚をどう活用するかといった社会的課題の解決への模索が「ぎいちゃん」の開発にもつながった。「この魚はあの食べ方がおいしいはず」など、頭の中は常に魚とともにある。
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