中原区版【4月4日(金)号】
※『生成AI』とは、テキスト、画像、音声などを自律的に生成できるAI技術の総称

県内市町村 生成AI 約6割が利用 本紙調査 「業務の時短に効果」

 人工知能(AI)を用いて文章や画像を作成する生成AIが世界的に普及する中、業務に導入する自治体も増えてきている。神奈川県内33市町村のうち、導入済が12市町村で実証実験中を合わせ6割近い19市町村が生成AIを利用していることが、タウンニュース社の独自アンケート調査で明らかになった。

 同調査では1月1日現在の生成AIの導入状況や活用事例、効果、課題などについて県内の33市町村に聞いた。導入済と回答したのは36・3%にあたる12市町村。実証実験中を合わせると19市町村(57・5%)が生成AIを利用していた。

議事録要約などに活用

 利用するすべての自治体が「効果があった」と回答。具体的には「業務の時間短縮」をほぼすべての自治体があげた。

 活用事例として多かったのは「あいさつ文案の作成」「議事録の要約」「企画文書の作成」「アイデア出し」など。さらに、「市長の動画・音声生成AIを使い『市長アバター』を作成し、英語で行政情報や観光情報を発信する」(横須賀市)、「ビッグデータを使った数値予測や行動最適化」(横浜市)、「Excel関数、VBAなどのコードの生成」(平塚市)などもあった。

 課題は、セキュリティー面や生成AIが作成した内容の正確性などに対する懸念のほか、生成AIを使いこなす人材育成や技術習得など、「使う側」の問題が多くあがった。

 川崎市は昨年7月10日に実証実験を開始。多くの自治体と同様の活用事例をあげ、「業務効率化などの効果が一定程度確認された」と回答した。今後は庁内アンケートで改めて効果を確認し、課題の把握も図る。利用拡大に向けては「検討を進める予定」としている。

 未導入の自治体で「検討中」と回答したのは8自治体で、うち3自治体は導入を予定していた。実証実験はしたものの導入には至らなかったのは2自治体。そのうちの1つ大磯町は、「有効なものだとは思っているが、一般的なリスクを鑑みた。事業者の提案をもらいつつ、検討は継続していく」とした。

4自治体「予定なし」

 残る4自治体が検討も導入予定もなかった。

 未導入の自治体はいずれも「業務効率があがる便利な技術」という認識はある一方で、「導入費用」「セキュリティー」「技術面」「利用規約の策定」「専門知識を持つ職員がいない」などをハードルと捉えていた。

カードを引いて対話を行う参加者

武蔵小杉支援団体 不登校の子ら企業と交流 社会とのつながり創出

 「学校に行けない」「集団になじめない」などの理由で不登校になった子どもたちが企業と交流する初の試みが、3月28日に富士通(株)(上小田中)で行われた。主催した地域の支援団体は「課題を抱えた子どもたちが社会とつながる機会にできれば」と思いを込める。

 参加したのは小学2年から大学生までの10人。子どもたちは富士通について説明を受けた後、12階の見晴らしのよいカフェテリアで休憩し、社員による「自分らしさとの向き合い方」をテーマにした講話を聞いた。最後は、3つのグループに分かれて15分単位で3人の社員と対話会を実施。名刺交換や自己紹介をしてから、用意されたカードを引き、そこに書かれた「行ってみたいところ」や「魔法が使えたら」などの子どもたちからの質問に対し社員が答えながら交流を深めた。

 今回中心になって企画をまとめたのは、子育て支援や心のケアに取り組む(一社)実りの森(小杉町)。代表理事の西野薫さんは「地域の企業が歩みよることで、取り残されたように感じている子どもたちが自分の将来像を明るく描けるようになってほしい」と話す。きっかけは、不登校の子らから聞いた「社会科見学に行ったことがない」という声。区内の諸団体が集まる場でそのことを伝えるといくつかの企業が関心を示し、初回は富士通に決まった。打ち合わせを重ね、子どもたちの発達年齢に合わせた内容にしようと知恵を絞った。

 同社・総務本部の坂下大さんは「企業にはいろいろな個性を持った人たちが集まっている。一人ではできないことでも、協力し合って成し遂げていることを伝えたかった」と話した。参加した男子大学生は「勉強も大事だけど、さまざまなことを経験することが大切なんだとわかった」と語り、高校2年の女子生徒は「3度も転職したという話を聞いて、人生の道は一つじゃないと思えた。進路に悩みもあったけど世界が広がった」と笑顔を見せた。西野さんは今後、こうした取り組みを行政等に働き掛けていきたいという。

プロバスケットボール、Bリーグ1部の川崎ブレイブサンダースに所属する 飯田 遼さん 市内在住 29歳

心動かす存在目指して

 ○…さまざまな事情で試合会場に来ることが難しい人のために、観戦の機会を作りたい--。そんな思いから、ひとり親家庭をホームゲームに招待する「飯田遼シート」企画を始めて約4カ月が過ぎ、招待者が100人を超えた。「お土産」には一枚ずつ手書きした手紙も同封する。子どもたちと観戦を終え、手紙を見た親たちから届く感謝の言葉にも目を通し、「たくさんの家族に楽しんでもらえてうれしい」と目を輝かせる。

 ○…2023年に川崎に移籍する以前から、観戦が容易ではない人々に心を寄せていた。「バスケットボールの迫力に触れて何かを感じてくれたら、ささやかでもその人の力になるかもしれないと思って」。大好きな「劇団四季」の舞台に感動し、何度も心を動かされたことからも着想を得た。「僕たちも、誰かの『劇団四季』のような存在になれると思うので」

 ○…長野県富士見町出身。拓殖大学外国語学部に進学し、バスケに打ち込みつつ勉学にも堅実に向き合い、ネイティブ並みの英語力を身に付けた。卒業後はB2所属の長野のクラブに加入し、山形、香川と移籍を経てB1クラブの川崎へ。移籍のたび新たなチームで関係性を築いた経験と、語学力も相まって、柔軟なコミュニケーション力への期待値も高い。

 ○…川崎市の印象を問うと「すっごい都会」と即答し、「田舎育ちなので」と謙遜する。昨年9月に開かれたラゾーナ川崎(幸区)での出陣式では、会場を埋め尽くしたファンの熱量に圧倒された。その一方で、不遇の時代を知るベテラン選手から「昔は違った」とも聞き、考えた。「支えてくれるファンの方々が、『応援してよかった』と思えるプレーをしなくては」という決意を胸に、日々コートに立つ。

飯田遼選手(写真提供・川崎ブレイブサンダース)

川崎BT・飯田選手が語る 重み増すファンの存在 「ひとり親家庭招待」で交流

 さまざまな事情で試合会場に来ることが難しい人にも、川崎ブレイブサンダースの試合を会場で観て欲しい--。そんな思いから、ひとり親家庭を川崎市とどろきアリーナ(中原区)でのホームゲームに招待する企画を続ける飯田遼選手(29)。開始から約4カ月が過ぎ、招待者の累計が30組100人を超えた。企画の手ごたえとチームへの思いを、自身の言葉で語った。

 ひとり親家庭を試合に招待する「飯田遼シート」を始めたのは昨年11月だった。当初は1試合1組から始めたが、応募が急増したため、1試合25人まで枠を広げた。それでも各回とも抽選という人気ぶりだ。 

 招待家族には、選手名入りタオルやメガホンなどの「お土産」も贈られる。そしてこの「お土産」に、飯田選手が手書きする手紙を同封する。「本当はゲームの後にご家族と記念写真でも撮れたらいいけれど、時間的に厳しいので」。一枚一枚、丁寧に書き綴る。

親子の会話時間にも

 両親のいる家庭で育った飯田選手が、企画の対象を「ひとり親家庭」にした理由は、「プロスポーツに触れることが難しい人のために、特別な機会を作りたかったから」。プロ野球やJリーグでも様々な招待企画があるが、「ひとり親家庭」を対象にした企画はほとんどなかった。

 招待された家族からは、さまざまな感想が寄せられる。「思春期で難しくなっている息子」と観戦した母親からは、親子の会話が生まれ、「家族の楽しい時間となった。本当にありがたい」。飯田選手は「この企画で親子の関係が少し良くなったなんて、嬉しい」と目を輝かせる。

大学では文武両道

 長野県富士見町出身。大学進学時、スポーツ推薦も選択肢にあったが、「教員になりたい」という思いを貫き、拓殖大学の外国語学部に進学した。入試の面接で「体育会との両立は難しい」と指摘されたが、「全部の時間をバスケと勉強に使えばいい」という親の助言の通り、真摯に文武両道に取り組んだ。

 バスケの実力も「全国トップレベル」ではなかったが、高校の恩師の「上の選手は山ほどいる。コツコツ頑張れ」という言葉を胸に刻んだ。インカレ3位の成績を残し、卒業後はプロの道へ。「あの4年間で、地道に努力し続けることの大事さを、身をもって実感した」と振り返る。

 川崎で2季目を迎えたばかりだが、飯田選手の英語力と持ち前のコミュニケーション能力が、チームに欠かせないものになっている。

 今季の川崎は3月末時点で勝率3割、中地区で最下位という厳しい状況だ。主力選手が抜け、新たな指揮官にチーム初の外国人ヘッドコーチ(HC)を迎えるなど、大きな変化が影響したとの指摘もある。

「ファンのために」

 そんな状況にあって、自分の責務を問うと、「プレー面はディフェンスと3ポイントで貢献すること。あとは自分なりのコミュニケーション」と即答。HCが英語で話す指示を理解できなかった選手たちから、「何て言った?」と聞かれることも多く、自分からも問い直すことで、「お互いの考えが整理されている」と感じるそうだ。

 厳しい戦いの中で、ファンの重みも増した。

 昨秋の「出陣式」では、ラゾーナ川崎の広場をファンが埋め尽くした。しかしベテランの篠山竜青選手(36)から「昔は違った」と聞いて驚いた。2011年に前身の「東芝ブレイブサンダース」に加入した篠山選手は、閑散とした会場で戦った時代を知る。「イベントに数人でも来てくれたら嬉しかった」という話を、身の引き締まる思いで聞いた。

 「今までの自分は、ただ一生懸命プレーするだけだったけれど、この状況でもファンの方々が『今日こそ勝利を』と思って応援に来てくれる。僕たち選手はもっと強い思いを持って、ファンの心に何か一つでも残るプレーを、しなくてはいけないと思う」

抹茶を楽しむ住民ら

茶で住民をおもてなし 緑を守る会が企画

 約20人のメンバーで中丸子南緑道の花の手入れなどを行う「緑を守る会」(竹田好夫会長)は、3月29日に地域住民らを招いて抹茶でもてなす茶会を開催した。

 緑道で見頃を迎えた桜の鑑賞会として野点を行うことを計画していたが、鑑賞会は雨天のため中止に。当日、急きょ茶会のみを実施することになった。会場は、茶会を中心となって企画した同会の野口四郎さんが会社事務所を提供。メンバーらが朝早くから会場を手づくりし、紅白の横断幕や花、野点傘なども設置し、即席の茶席が用意された。同会メンバーが抹茶をたて、11時からの初回には雨の中を来場した地域住民ら10人に、茶菓子とともにふるまった。場所を移した特設会場では豚汁も用意し、参加者をもてなした。

 今年は2月に発生した岩手県大船渡市の大規模森林火災の被災者を支援しようと、チャリティーとして行った。

 竹田会長は「災害時など、何かあったときに助け合えるためには地域のコミュニケーションが大切。顔の見える付き合いができるように、これからも続けていきたい」と思いを込めた。

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扇乃会
市民館で日舞発表会
4月13日「古典芸術楽しんで」
創立から60年近くなる日舞扇乃会(花柳錦右会主)による2年ぶりの勉強発表会が4月13日(日)、中原市民館(新丸子東3の1100の12)で開かれる。正午開演(開場... (続きを読む)

扇乃会 市民館で日舞発表会 4月13日「古典芸術楽しんで」

 創立から60年近くなる日舞扇乃会(花柳錦右会主)による2年ぶりの勉強発表会が4月13日(日)、中原市民館(新丸子東3の1100の12)で開かれる。正午開演(開場は午前11時)、午後3時50分頃に終演する予定。入場無料。

練習の成果披露

 当日の演目は常磐津『粟餅』から始まり、一中節『都若衆万歳』までの全15番で、小学4年生から80代までの門弟一同が舞台で踊りを披露する。日舞扇乃会は、日本文化の伝承と地域文化の向上を目的に活動を続け、福祉施設への慰問や地域の文化行事にも参加している。

 花柳会主は「お弟子さんたちによる手作りのささやかな発表会です。日頃の練習の成果を皆様にご高覧いただきたく、どうぞお気軽にいらしてください」と来場を呼び掛けている。

 問合せは花柳会主(藤嶋とみ子さん)【電話】044・422・5012。

地域の名所を案内するガイド

まち歩きの達人を目指す 5月26日から養成講座

 まち歩きをしながら中原区内の名所や歴史などを紹介する、まち歩きボランティアガイドの養成講座が5月26日から6月23日の月曜(全4回)に開催される。主催は区、なかはら散策ガイドの会(清水正美会長)。

 区民に中原区の魅力を伝える活動をすることが目的。二ヶ領用水と中原街道をテーマに、日本地名研究所事務局長の菊地恒雄さんの座学と、同会と5Km程度のまち歩きを行う。清水会長は「夏休みの小学生向け講座や市内外のガイド協会との連携など、活動の幅が広がっている」と話す。

 午前10時から正午。会場は中原区役所5階。参加費100円(保険料)。定員20人(応募者多数の場合は抽選で、区内在住者を優先)。申込みは区ウェブサイトか往復はがき。5月7日(水)必着。問い合わせは区役所地域振興課【電話】044・744・3324。

地元農産物が並ぶ会場

旬の地元青果が街頭に 4月11日、JAセレサと共催

 小杉町3丁目の複合施設コスギサードアヴェニュー主催で、4月11日(金)に新鮮な地域野菜や旬の果物が並ぶマルシェが開催される。午前10時から正午、会場はサウスパーク。JAセレサ川崎との共催。

 施設や住民らが一体となり、駅前のにぎわいをつくることが目的。朝採れ野菜や季節のフルーツなどが特設ブースで販売される。同施設管理組合の安藤均理事長は「地産地消をテーマに、地元の農産物を知ってもらうことで地域貢献にもなれば。武蔵小杉駅から近い場所なので、気軽にご来場ください」と呼び掛けている。少雨決行。

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満州の学校で撮影した写真を手にする大塚さん

中原区上平間在住 大塚ミネさん(93) 「亡くなった人の無念伝えたい」 満州から逃避行、一人故郷へ

 「生き抜いて80年 生かされて80年 まだ生きる」――。戦後80年の今年、そんな句を詠んだ。

 新潟県刈束郡高柳村生まれ。教員や議員を務めていた父親が、中国東北部にあった「満州国」の開拓団に手を挙げ、家族で海を渡った。当時8歳。現地の学校に通い、家では放牧、家畜の飼育を手伝った。

 1945年8月9日。ソ連が侵攻してくると聞き、避難するため、畑に行っていた父親、長兄以外の家族で神社へ。団長から青酸カリを渡された。駅に向かうも列車は出た後だった。迫るソ連軍。待ち受ける満人。列の間が開き、後方は満州軍に襲われ、多くの人が亡くなった。「乗るはずの列車は爆破され、前列だったから助かった。運が良かった」

 8月21日、集落に着くとソ連軍機から「日本は負けた。降伏して出てきなさい」とチラシがまかれた。信じられず出発するも、満人に襲撃され、集落に戻った。そこで言い渡された団の解散。絶望し、家族で青酸カリを飲んだ。意識を失うも数時間後に目を覚ました。「一人で行動できる者で脱出する」と団から言われた。残ると決めたが、母親らに「生きて国のために働きなさい」と背中を押され、家族でただ一人、涙ながらに団を後にした。集落はソ連軍に囲まれて全滅。家族との最期の別れとなった。

 9月半ば、渡河中にソ連軍に囲まれ降参。収容所に送られ、日本が負けたことを知った。「わかっていれば、みんな死ななくて良かった。悔しくて涙が止まらなかった」。収容所で満人に売られかけ、発疹チフスにかかり命を落としかけたこともあった。

 1年後、引き揚げが始まった。満人から「日本に帰っても大変。ここに残れ」と誘われたが、忘れるはずのない故郷。博多港から一人、新潟に戻った。「孤独に慣れすぎてしまった」と、故郷の地を踏んでも悲しさが募った。

 父と長兄は帰ってこなかった。大阪で就職し、結婚後、川崎に転居。食料品店などを営んできた。満州での出来事を知る人は数少ない。「時代だから仕方ない。亡くなった人の無念さを伝え、戦争のことを若い人に知ってもらいたい」。次世代へ言葉を紡ぐ。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

神奈川復興応援隊 輪島で復興支援活動 メンバー「まだ心の傷深い」

 川崎中原工場協会の会員らで構成される神奈川復興応援隊が3月15日、16日の2日間、能登半島地震で被災した石川県輪島市を訪れ、復興支援のボランティア活動を行った。

 同応援隊は、同協会会員のほか、神奈川県中小企業家同友会、下野毛工業協同組合、タカツクラフト、学生らがメンバーとして参加。昨年、元日に発生した能登半島地震後の1月中旬に、同友会の知人を通じて定期的に被災地を訪れ、支援活動を行ってきた。

 今年初、今回で14回目の支援活動となった今回、8人で輪島市を訪門。同市房田町の民間ボランティアをサポートするために設けられた寝泊まりができる「房田BASE」を拠点に、輪島市民の生活再建に向けた活動を実施。初日は、3チームに分かれ、神戸市から同じく支援活動に訪れた建築職人の指示のもと、パン店の内壁塗装や金物店で仮壁作りのための壁の撤去などを滋賀県のボランティアチームと共同で行った。団地での炊き出し、一人暮らしの高齢者の話し相手、解体予定の漆器店の倉庫の引っ越しなどもサポートした。2日目は、別の漆器店で不用品整理と災害ゴミの廃棄作業にあたった。

今後も継続

 同隊のメンバーとして参加した、工場協会会員で(有)トワダ(高津区下野毛)の阿部早苗代表取締役は「今までボランティアに参加したことがなかったが、令和元年の台風の際に会社が被災して多くの人に救ってもらったこともあり、参加している。地震から1年が経ち、都市部は復興できているところもある一方で、少し離れたところはまだまだ」と現地の状況を説明する。続けて「心の傷が深く、多くの人がストレスを抱えている。特に高齢者の話し相手になることも大切だと感じた」と話す。

 4月中旬、5月の連休にも現地でボランティア活動を行う予定。「今後は時間があれば観光もして現地の経済復興にも役立ちたい。地元の名産品を預かって川崎で販売することも相談したい」と今後の展望を語る。「1人でも多くの人の笑顔が戻ることができたら」と今後も継続して支援活動を行っていく意向だ。

力を合わせてカブを抜いた、にじ組の園児

ちびっこランド新城園 保護者の前で堂々と 発表の場「拍手を送って」

 川崎認定保育園の「ちびっこランド新城園」で3月22日、生活発表会と卒園式が行われ、園児と保護者が参加した。

 色とりどりの衣装に身を包み、保護者の前に登場したにじ組の園児たち。この日のために練習してきた「大きなカブ」の演劇では、音楽とナレーションにあわせて、「うんとこしょ、どっこいしょ」と、全員で掛け声をあわせて元気よく綱を引く姿を見せた。人前でも堂々と発表する成長したわが子を、保護者らは温かい目で見守り、スマホやカメラを向けて撮影していた。

 代表の野辺武夫さん(83)は、「開園して22年、今も健康で子どもを見守ることができている。取り組んできたことの発表の場を見てあげることが大切。拍手を送ってあげてほしい」と保護者に呼び掛けた。

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「昔の関係者が覚えていてくれて嬉しかった」と菅署長

中原署長 警察人生、集大成の1年に 3月21日就任 菅健司さん

 中原警察署の署長に、3月21日付で菅健司さん(59)が就任した。署長職は前任の多摩警察署をはじめ3度目。川崎市内での勤務は5カ所目になり、中原区は10年前に地域担当次長として赴任した思い出の地だ。

 「10年前は小杉にタワーマンションが建ち始めたころだった。随分と街が変わって驚いた。人口も増えているし、懐かしさよりもこの街をしっかり守らなければという思いが強くなった」と気を引き締める。

 高校時代に見た刑事ドラマに憧れて、警察官の道へ。県警に入ると、交番勤務でキャリアをスタートした。その後、機動隊や刑事課などの厳しい現場で鍛えられた。

 プロレスラー・アントニオ猪木の言葉「元気があれば何でもできる」が信条。182cmの大きな体で豪快に笑い、趣味は「筋トレ」と即答する。昨年に肩を痛め、しばらくジムには通えなかったが、中原区に来て、すぐにジム探しをしたほど現在は体調も万全に保つ。

地域にほれ込む

 訓示で署員らを前に話したのが、地域にほれ込むことの大切さだ。「この土地にほれ、仕事にほれ、家族にほれる。その思いが、自分たちの力で区民の安全を守るという強い意識に関わってくる」と語り掛けた。

 中原区の印象は、「都心に近く、ベッドタウン的な要素もありながら、昔からの住民と新しく暮らし始めた人たちが混在する街。地域の警察関連団体が協力的なところも特筆すべき点ですね」

 自転車の交通事故や盗難が多いところは、10年前と変わらないが「かつては高級なスポーツ車の盗難が多かったが、今は電動自転車のバッテリーも狙われる。鍵のツーロックやバッテリーの自宅保管などを繰り返し呼び掛けていく」。警察、消防、区役所の連携した取り組みをPRする各長で結成されるユニット「MEZASI」への参加も楽しみにしている。

 定年まで残り1年。中原署での仕事が警察人生の集大成になる。「これまでの経験を生かし、署員一丸となって区民のために安心、安全を第一に考えていきたい」

意欲を示す福田市長

市制100周年 新たな川崎へ「協調」 約400団体、推進ビジョンも

 川崎市市制100周年記念事業・全国都市緑化かわさきフェア実行委員会の第6回総会が、3月24日にKCCIホール(川崎区)で行われ、参画企業や団体、関係者らが出席した。

 事業年度が残り1週間となる中、会長の福田紀彦市長は「委員会設立当初は276だった参画団体が、397と増えた。川崎への愛着や誇りを示すシビックプライド指標も上がった」と評価。「(3月22日から始まった)緑化フェアの春開催も良いスタートを切った。ここをベースとして、101年目からさらに押し上げていきたい」と意気込みを語った。

 総会ではこれまでに実施された記念事業などを共有。その中で、緑を通じ人やまちをつなぐプロジェクトを進める「midori-ba」が活動を報告。メンバーの齋藤集平さんは「緑に関わる人口を広げ、自走化させたい。100周年で終わりにせず4月以降も発展させることが大切」と話し、趣旨に賛同する新メンバーの参加も呼び掛けた。

 また、100周年を契機に継続・発展させるための推進ビジョン骨子案も示され、公共空間の活用や若い世代の参加、市民・企業・団体との連携、効果的なPRなどが盛り込まれた。

恒例のイベント=写真は昨年

音楽ライブの企画・運営 市民ボランティア募集

 毎年恒例となっている音楽とダンスの祭典「インユニティ」。今年度も来年1月25日(日)にエポックなかはらで開催を予定している。中原区役所と一緒に同イベントを企画・運営していくボランティアを募集している。

 対象は、16歳以上(未成年は保護者の承認が必要)。月1回程度の実行委員会に対面、オンライン(予定)で参加できる人。経験は不問。公募出演者の選考、SNSでの情報発信等。申込み、問い合わせはインユニティ公式ウェブサイト。

全勝で優勝したチームのメンバーら

少年野球 中丸子みゆきが連覇 玉川リーグ春季大会

 玉川少年野球連盟(原和男会長)の春季大会の決勝戦が3月23日に行われ、中丸子みゆきが秋季大会に続き優勝した。

 5チームによる総当たり戦で行われ、中丸子みゆきは4戦負けなしで栄冠に輝いた。大会MVPを受賞した同チームの主将・河口陽向さんは「優勝できてとても嬉しい。チーム全員で相手を攻略しようとする意識を強く持てた結果だと思う」と笑顔で振り返った。

 準優勝は3勝した中丸子南町、3位は2勝した向河原こむつ。閉会式であいさつした原会長は「新チームでの初めての大会。4年生以下の新しいメンバーの頑張りが目立った」と総括した。

取手市立障害者福祉センターふじしろの小林一郎施設長にロウソクを手渡す齋藤理事長(右)

葬祭具協同組合 取手市にロウソク寄贈 障害者支援へ 4年ぶり

 川崎葬祭具協同組合(齋藤隆理事長)は3月24日、使用済みのロウソク100kgを茨城県取手市の障害者福祉センターに寄贈した。

 同組合は、使用済みのロウソクと廃木材を使って着火剤を製造、販売し、障害者の就労支援活動を行っている取手市の施設を支援するため、川崎市内で使用済みのロウソクを回収。21年7月に184kgを寄贈した。

 以降、川崎市内の障害者福祉サービス事業所でも同様の取り組みをスタート。使用済みロウソクを寄贈している。昨年、福田紀彦市長からこの取り組みに対し表彰を受けたことから、原点である取手市に再度ロウソクを贈ろうと、同組合会員で計100kgを用意し寄贈した。

 齋藤理事長は「取手市で新商品を展開していたので川崎市でも検討していきたい。今後もロウソク回収にご協力いただければ」と話している。

市長に提言するメンバー

子ども目線で地震の備え 「U18」で福田市長に提言

 川崎市の課題を子どもたちで考える「川崎市子ども会議」が2024年度の議論を終え、3月27日、拡大会議「カワサキ☆U18」の場で福田紀彦市長に「子どもが考える地震のそなえ」を提案した。市は提言の扱いを検討のうえ、後日「子ども会議」に報告する。

 「川崎市子ども会議」は市の「子どもの権利に関する条例」に基づき、市政について市長が子どもの意見を求めるために開設する。24年度は「子どもが考える地震のそなえ」をテーマに年間を通して議論したほか、「子ども会議」に参加していない子どもや地域の大人を交えた拡大企画「U18」を夏と秋に開き、幅広く意見を集めた。

 提言では、【1】普段から防災情報に触れるきっかけ【2】子どもが主体的に防災について考えるきっかけ【3】家族で防災について考える機会【4】子どもが過ごしやすい避難所--の4項目について、市長に要望を伝えた。各項とも具体案を添え、【2】では「子どもが中心となって考えた防災訓練を行う」、【4】では「避難所運営に子どもの意見を取り入れる」など、議論で上がった声が明記された。

「相談の場」に要望

 提言の後は、25年度の「子ども会議」のテーマについて、福田市長と意見を交わした。

 テーマの候補は「私たちの子どもの権利をもっと大切に!」と「私たちが考えるキレイなまちづくり」の2つ。会場からは前者に関する意見が多く集まり、「子どもが納得できるルールづくりを」「子どもの権利を実際に使えるようにして」といった意見が上がったほか、複数の子どもから「相談しやすい環境」への要望が相次いだ。「いじめに合っていると親にも言えなかった」という男子が、「やっと相談できた先生が異動していく。どうしたらいいのか」と窮状を訴える一幕もあった。

 福田市長は「みなさんの意見にしっかり向き合っていく。新年度の議論にも大いに期待している」と語り、会場の子どもたちに感謝を伝えた。

伊藤さん(右)と岩見さん

JAセレサ川崎など 交通安全グッズを寄贈 市内の新1年生全員に

 新入学生たちが安全に登下校できるようにと、セレサ川崎農業協同組合(JAセレサ川崎、宮前区)が3月27日、鮮やかな黄色のランドセルカバー1万3千枚を川崎市に寄贈した。みずほフィナンシャルグループなど市内に拠点のある金融機関4社からは、黄色いワッペン1万1740枚が贈られた。いずれも市立小学校や私立学校、支援学校に提供される。

 市役所で開かれた贈呈式では、福田紀彦市長とJAセレサ川崎の梶稔代表理事組合長のほか、各企業の川崎支店長らが出席した。新入生を代表し、いずれも宮前区在住の伊藤紘希さんと岩見咲奈さんが、ランドセルカバーやワッペンを受け取った。

 新入生としての抱負を聞かれ、伊藤さんは「漢字を頑張ります」と答え、岩見さんは「算数を頑張ります」とはきはきと答えた。福田市長はJAセレサなどの支援への感謝を伝え、新1年生の2人と保護者たちに「交通事故に気を付けて、すこやかに育ってほしい」と語りかけた。

 ランドセルカバーはJAセレサ川崎が2008年から寄贈を続ける。ワッペンには交通事故傷害保険が付帯しており、04年から、みずほフィナンシャルグループ、損害保険ジャパン、明治安田生命保険、第一生命保険の4社が寄贈してきた。

富士通レッドウルブズ©Fujitsu

スポーツアンバサダー 川崎市 2団体の認証を決定

 川崎市を拠点とするスポーツ団体を市が認証する「かわさきスポーツアンバサダー」に、新たにプロダンスチーム「KADOKAWA DREAMS」(中原区)と男子社会人バスケットボールチーム「富士通レッドウルブズ」(同)の2団体が決定した。

 「かわさきスポーツアンバサダー」は市内を拠点に競技活動を行い、地域活動にも積極的なスポーツ団体やスポーツ選手の所属団体を市として応援する制度。団体は認証マークをPRや地域活動に利用でき、市も公式ホームページで取り組みを紹介する。任期は3年で、更新もできる。

 「KADOKAWA DREAMS」はプロダンスのDリーグを連覇するなどトップチームとして活動しながら、「かわさき飛躍祭」など地域のイベントでもパフォーマンスを披露。認証を受け、「川崎の方々から愛され、日本の未来を担う子供たちが夢を抱くチームでいられるよう努力する」とのコメントを発表した。

 「富士通レッドウルブズ」は地域の小学校でバスケ教室を開いたり、キャリア教育の講師を選手が務めるなどの活動を推進。富士通企業スポーツ推進室の担当者は「今後は官民連携の地域清掃や大規模なスポーツ教室なども検討し、社の複数のスポーツチームと力を合わせ、地域に必要とされる活動を継続していく」と抱負を語った。

オフィシャルスーツを着る川崎フロンターレの選手たち

GO!GO!!フロンターレ

オフィシャルスーツ発売開始!

 今年はORIHICAが川崎フロンターレのオフィシャルスーツサプライヤーとなって20年となる節目。これを記念して、20周年記念となる2025年モデルのオフィシャルスーツが発売。

 初の試みとして、ジャケットとパンツのサイズを別々に選べるセットアップスーツとなっており、ビジネスシーンだけでなく、ビジカジスタイルやジャケパンスタイルなど、幅広い着こなしが楽しめる。

 これまでのオフィシャルスーツはパターンオーダーが主流だったが、今回は既製品として販売されるため、ORIHICAショップで実際に試着して購入できる。仕上がり期間も短縮され、引き渡しもスムーズに。

 スーツ生地には、過去最高レベルのストレッチ性とウォッシャブル機能を実現。ネクタイにはふろん太とカブレラのシルエット、シャツには20周年モデルを示すプリントがあしらわれている。

 本日から販売開始。ORIHICAの各店舗やオンラインショップで購入可能。5月11日(日)までにジャケットを購入すると、オリジナルピンズと選手の直筆サイン色紙がプレゼントされる。

画像は©川崎フロンターレ