横須賀・三浦版【6月20日(金)号】
再開発が予定されている追浜駅前第2街区

追浜再開発 高層複合施設 着工に遅れ 「駅前バスタ」は事業具体化

 京急追浜駅前で計画されている複合高層施設2棟の着工時期が遅れる見通しであることが分かった。事業を取り仕切る「追浜駅前第2街区市街地再開発組合」によると、約1年8ヵ月後ろ倒しになり、2027年1月に延期する。29年11月末の竣工を目指すとしており、工事費の高騰などの社会情勢を踏まえて、ゼネコンの選定などの検討に時間を要していることが主な理由だという。

 同事業は、「夏島貝塚通り」沿いの約0・8haに高さ約100mになる鉄筋コンクリート造の複合高層施設2棟を建設するもの。両棟合わせて337戸の共同住宅に加え、公共駐輪場を開発する計画で、現在夏島町に位置する「市立北図書館」も、同施設内に移転する予定となっている。これに加えて、駅や建築物を連絡する立体歩行者通路も整備される見通しだ。

 全国的な課題として、昨今取り沙汰される建設費の高騰。建設コストの定期調査などを行う「一般財団法人 建設物価調査会」が6月10日に発表した統計によると、今年5月の鉄筋コンクリート造の集合住宅建設にかかる材料費などの「工事原価」は、前月比で1%増、前年同月比で5%増と、状況の悪化に歯止めがかからない。

工事費見直しを視野

 23年5月当初の事業計画では、25年5月に着工し、竣工は28年3月を見込んでいた。総事業費約254億円のうち、約205億円と見積っていた工事費は、物価高騰の影響などを考慮して、今後見直しを図るという。

 同組合の織田俊美理事長は「横須賀市の『北の玄関口』としても大きな意味を持つ今回の事業だが、高騰はどうにもできない。行政から一層の支援を頂けるとありがたい」と窮状を訴える。

駅前交通円滑化とにぎわい創出

 追浜では、駅前の機能強化を図るべく、横須賀市と国土交通省関東地方整備局が主体となった再開発計画も進行中だ。

 同事業は、バス停を集約し公共施設や商業施設を立体的に配置する「地域密着型バスタ」を設ける構想。バスやタクシーの複合ターミナルとしてだけでなく、市街地拠点・防災機能も強化していく。追浜駅前は、バスや電車、自動車などさまざまな種類の交通手段が接続する「交通結節点」となっている一方、バスやタクシー、乗用車、歩行者などの動線が錯綜しているのが現状だ。このような状態を解決し、交通流動性を高めようと、2021年3月に事業計画を策定。以降、事業検討会の開催、交通事業者との意見交換、将来導入を見込んでいる「連節バス」の実走実験などを行い、事業の深度化を模索してきた。それらを元に今年6月、具体化した事業計画を発表した。

出口を区分

 今回の改定ではターミナルの区域を約0・7haと決定し、バス、タクシー・乗降する一般車の出口を区分。追浜駅前交差点からターミナルに進入、バスのみ南下し、追浜南町入口交差点が出口となる。これにより交通の円滑化を狙う。

 そのほか2階以上の部分には、子育て支援機能を備えた拠点、商業施設なども配置する予定だという。

10年以内目途に竣工

 市担当者によると、今年度中に地域住民への説明会を実施し、用地測量に移る予定。その後、用地契約、民間事業者の公募などを行い、概ね10年以内に竣工するスケジュールを描いている。

 6月27日(金)までの間は、事業の詳細をサンビーチ追浜4階の「追浜えき・まち・みちデザインセンター」で聞くことができる。

当選の報を受けて集まった支援者らと喜びを爆発させた出口氏

三浦市長選 変化求める新風吹いた 政治刷新の出口氏が初当選

 任期満了に伴う三浦市長選は6月15日に投開票が行われ、それぞれ無所属で新人の出口嘉一氏(43)が、現職の吉田英男氏(69)と新人の秋葉俊二氏(56)を退けて初当選を果たした。前回は無投票で8年ぶりとなった市長選の投票率は44・00%。2017年の38・90%を5・1ポイント上回った。

 「新たな流れを意識しながら、全ての人が住み続けたいと考えられるまちづくりをしたい─」。

 午後10時20分頃、当選の一報を受けて三崎町諸磯の自宅兼事務所に集まった支援者に対し、喜びと興奮を隠さずにこう声を張り上げた。

 最優先に取り組む課題として災害対策と教育環境の整備を掲げ、備蓄計画の見直しや雨漏りなど老朽化が進む小中学校の修繕を明言。「市民が三浦市をつくる」と繰り返し強調し、合意形成を図りながら施策の具現化を目指す考えを示した。新規就農支援や県水産技術センターと協力した漁場再生といった農林水産業の振興にも言及。各政策の進ちょく状況はSNSなどで発信し、「市政の見える化」を目指すという。現市政が推し進めてきた新海業プロジェクトなどの再開発については、事業を再点検して判断を下すとした。

 化学メーカーでの職を辞し、未経験ながら政治の道を志した。今年1月、生まれ育った諸磯に戻って市民団体「新しい三浦市政を考える会」を立ち上げた。5期20年続いた長期政権を「停滞」と表現。SNSを駆使して市政の問題点と改善策を投げかけた。街頭演説など従来型の選挙運動も並行して行い、幅広い世代からの支持を取り付けた。自民党の推薦を受けた現職を完全無所属で破り、「自分一人で運動を始めたが、徐々に輪が広まっていった。各世代の皆さんが市政の課題を自分ごととして捉えてくれた」と笑顔を見せた。

現職の吉田氏 多選批判かわせず 

 選挙結果を受けて事務所を訪れた吉田氏は、「(選挙期間中)多選批判を感じることはなく手応えを感じていたが、市民は新しい時代を求めていたのかもしれない」と記者団の前で静かに落選の弁を語った。一方でこれまでの市政運営には自信があるとし、「間違ったことはしていない」と強調。着手している案件については市の職員に期待したいとした。新市長へのメッセージを求められると「きちんと事実を掴んでしっかりやって欲しい」と述べるにとどめて取材を打ち切った。

 5月末に出馬表明して挑んだ秋葉氏は「演説のみで支持を訴え、700人に気持ちが届いた」と一連の活動の成果を振り返った。

激戦を制して、三浦市の新市長に就任する 出口 嘉一さん 三浦市三崎町諸磯在住 43歳

視点は未来、目線は市民に

 ○…20年続いた牙城を崩し、新たな三浦市政の舵を取る。開票時、勝報が事務所内に伝わると歓声とともに家族や支援者らと抱き合い喜びを爆発させた。「草の根の勝利だ。全三浦市民のために働いていく」。体重を乗せ、声高に言葉を紡いだ。掲げるのは、教育と子育ての先進自治体、市民に開かれた市政、災害対策など-。「三浦を変えられるチャンス」と捉える。テーマは”市民とつくる新しい三浦”だ。

 ○…三崎町諸磯で生まれ育った。横須賀市立横須賀高等学校を卒業後は、単身インドへ放浪の旅に出た。「できるだけ日本と離れた地に行ってみたくて」。半年間の行程を終え、帰国してからの6年間は派遣仕事に従事する傍ら、自身の趣味でもある読書に没頭。「人間万事塞翁が馬」を座右の銘に掲げ、興味関心の赴く先に果たしたい活動を見出してきた。

 ○…「消滅可能性都市」に名指しされるなど市の課題は山積。後回しになっていたという教育環境の整備は、長期的な視野で「衰退を招く要因」と分析。探求型学習のモデル校設立、小中学校の統廃合計画の見直しなどを描く。「新海業プロジェクト」など市の重要事業に関する情報公開の徹底、備蓄物資の整備なども早期に解決すべき課題だ。社会人生活のうち、最後の2年間で積んだ組織管理の経験。これを生かした風通しの良い庁内の実現、職員の働きがい醸成にも自信を見せる。

 ○…自宅で児童書の出版業を営む妻と1男2女の5人家族。子どもと一緒にする釣りがブームであり癒しになっている。「立候補してくれてありがとう」。街頭では市井の人々からそう勇気づけられた。もらった期待を胸に「市民の人と同じ目線」で三浦の未来を切り拓く。

神奈川歯科大ジャカランダ 夏の訪れ告げる「熱帯の桜」

 横須賀市稲岡町の神奈川歯科大学構内にあるジャカランダの木が、今年も南国を思わせる鮮やかな紫色の花を咲かせている。6月16日現在、2本ある内の短期大学側の木=写真=は、花びらが散り始めているが、図書館側はこれから花を増やしていきそうだ。

 アフリカ原産のジャカランダは世界三大花木のひとつに数えられ、枝いっぱいに花を咲かせることから「紫の桜」「熱帯の桜」の異名を持つ。風に揺れるたびにひらひらと舞い落ちる花びらが、まるで紫色の絨毯のように地面を彩っている。

 同大では見学希望者の入場を許可しており、午前10時から午後5時の時間帯に訪れることができる。構内入口の警備室で入校手続きを行う。

和裁サークル麻の葉 古着物市 着物や帯の販売

 三浦市で活動している和裁サークル「麻の葉」は6月28日(土)・29日(日)の両日、「古着物市」と題して、着用しなくなった着物や帯、反物、和装小物などのリサイクル販売(バザー)を行う。単衣や夏物も並べる。市民に提供を呼び掛けて集めたもの。チャリティー活動の一環として、売り上げの一部は市を通じて福祉施設に寄付する。

 会場は三浦市民交流センターニナイテ(初声町下宮田5の16/ベイシア2階)。時間は午前9時30分から午後4時(29日は1時)。

 問い合わせは同サークル【携帯電話】090・5432・7911。

©2025 映画『中山教頭の人生テスト』製作委員会

映画『中山教頭の人生テスト』 平凡な大人の処世術  横須賀出身、佐向監督の最新作

 横須賀市大津町出身の映画監督、佐向大さんが手掛けた新作『中山教頭の人生テスト』が6月20日(金)から横須賀HUMAXシネマズほかで劇場公開される。

 死刑囚と対話する教誨師を大杉漣さんが演じた『教誨師』で、各方面から高い評価を得た佐向氏が今回の題材に選んだのは、現代社会の縮図のような小学校。そこには様々な個性を持った児童や教師、保護者によって複雑な関係が成り立っている。

 主人公は優柔不断で真面目だけが取り柄の教頭、中山晴彦(主演=渋川清彦さん)。校長になるための昇進試験を控えるが、とある出来事から小学5年生の臨時担任を務めることになる。思春期の入口に立つ児童とその保護者、同僚の教師らと向き合う中で、問題の数々が中山に降りかかってくる。4年前に妻に先立たれ、中学2年生の娘との関係もしっくりいかず、受験勉強は遅々として進まない。人生の足かせを振り払えずに、日々が過ぎていく。

 そうした中で、中山を含め手本を示すべき大人たちの振る舞いは果たして正しい行為なのか─。平凡な教頭先生の人生哲学が詰まった作品。

【佐向大さん(監督・脚本)のコメント】 

 「この映画の主人公は、どこか頼りない教頭先生。彼は周りの人々や様々な出来事に振り回されて失敗ばかりですが、そのおかげで本当に大事なことに気づきます。そんな不器用な教頭先生の姿を、笑ったりしんみりしたりしながら見つめてくれたら嬉しいです」

ピンクのアート 海から眺める 野比海岸でSUP体験

 横須賀市野比海岸のフォトスポットとして人気と知名度を高めている「#ジハングン ヨコスカ」を舞台にしたマリンスポーツの体験イベントが7月13日(日)、「YOKOSUKA OUTDOORS」の主催で開かれる。

 自動販売機を模ったピンク色のオブジェなどを海から眺めるSUP(スタンドアップパドル)と海の上で行うSUPヨガの各教室が開かれる。どちらも初心者を対象としており、SUPは親子一緒の参加も可能。最大10人が乗れるBIG SUPも楽しめる。

 時間は午前10時・11時、午後1時・2時の4回。SUPは各回10人で40分、SUPヨガは各回5人で20〜30分。

 応募資格は小学3年生以上、親子参加の場合は小学1年生以上。参加費ひとり1000円、親子参加1500円でSUPレンタル費用と保険代を含む。

 希望者は【1】種目【2】参加人数【3】希望時間【4】参加者全員の氏名(フリガナ)【5】生年月日【6】住所【7】連絡先に件名「#ジハングン ヨコスカ」と記して、メールアドレス(info@yokosukapc.com)に送信。6月22日(日)締め切り。

横須賀市 夏休みの児童預かり

 横須賀市は、夏季休業中の小学生を対象にした一時預かり事業をスタートする。夏休みは放課後子ども教室が開所しておらず、小学生を預けられる場所が少なかったことを受け、補正予算で約200万円を充当し実施される。

 保護者が就労や疾病などの理由で日中家庭にいない、または保育が困難な市内に住所を有する小学生が対象となる。

 市は、今年1月に放課後子ども教室の利用者を対象に「夏季休業期間中の開所についての希望」を問うアンケートを実施。すると約75%の人が、半日もしくは一日開所を希望すると答えた。このような要望に対応するため、実施に至った。

 利用するには、6月27日(金)までに市HPから申し込む。定員は1日につき35人。応募者多数の場合は抽選となる。期間は7月22日から8月27日のうち、土日祝を除く26日間。時間は午前8時から午後6時。場所は深田台の青少年会館。児童1人につき700円がかかる。

横須賀市主催フォーラム 「居場所」を共に考える 不登校支援に仮想空間も

 不登校の居場所について意見を交換、相談し合うフォーラム「不登校をともに考える会」が6月21日(土)、横須賀市本町の総合福祉会館5階で開かれる。横須賀市支援教育課の主催。入場自由で参加無料。

 小中学生や保護者、教職員、相談員などを対象に実施される今回の企画。はじめに、不登校の児童生徒を支援するための市相談教室やフリースクールなど、市内で登校支援を行う機関や団体の紹介を行う。

 その後、前述した支援機関などに「居場所づくり」についての相談ができる。そのほか、不登校を経験したかつての当事者によるトークイベントも予定されており、当時の体験談や感じていた事などを赤裸々に話す。参加者からの質問に答える時間も設けられている。

 また、神奈川県教育委員会が不登校支援の位置づけで推し進めている「メタバース」の体験会場もある。メタバースはインターネット上の仮想空間で、自身の分身となるアバターを自由に動かす。空間内に入室している他者との会話などを気軽に楽しめるもの。

 時間は午後1時から4時。詳細や問い合わせは同課【電話】046・822・8513。

医師が語るがん経験 「赤ひげ大賞」の野村氏

 がんを経験した医師による講演会「医者が癌(がん)になって気づいたこと」が7月12日(土)、三浦海岸駅近くのチェルSeaみうら 2階多目的ホールAで開かれる。聖母訪問会 三浦修道院の主催。

 講師に野村内科クリニック(横須賀市林)の名誉院長で、通院が難しい高齢者などを対象に在宅医療を提供してきた野村良彦さんを迎える。自身の罹患経験を通じて気づいたことや、精神的に豊かな人生を送るための心構えやヒントなどを語る。

 参加費500円。定員40人で先着順受付。7月5日(土)締め切り。

 申し込み・問い合わせは同会【電話】046・888・7361。

横須賀市 性の多様性知る学ぶ 本町でセミナー

 横須賀市は7月16日(水)、「ともに考えよう 性の多様性〜性別とか恋愛ってこんなに広いの!?〜」と題したセミナーを横須賀市本町の総合福祉会館5階、視聴覚研修室で開催する。性の多様性に関する基礎的な内容で、SOGIやLGBTQ、性別に違和感があるとはどのような感覚なのかといったテーマを扱う。参加無料。

 講師は、性の多様性や暴力の予防をテーマに、小学生から大人まで幅広く講演やワークショップを行うダイビーノン代表の飯田あきるさん。自身の経験や性別に関する葛藤を経て理解を深めてきた。活動を通して、多様性の価値観に触れる機会や考える材料を社会に提供している。

 市の担当者は「性別に対する葛藤や違和感について、一緒に想像し、考える機会にしてみませんか」と参加を呼び掛けている。

 午後2時から3時30分まで。7月10日(木)締切。市内在住・在学・在勤者が優先され、応募者多数の場合は抽選となる。申込や詳細は、横須賀市市長室人権・ダイバーシティ推進課【電話】046・822・8228。

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深町さん(中央)の話を聞く参加者

園芸家の深町貴子さん 「少しの花植え」緑化促進に 子ども向け講演に約60人

 身の周りにある植物や環境問題について学びを深める「ひまわりを育てて都市の環境を学ぶ」と題した子ども向けの講演会が6月15日、横須賀市夏島町の市北図書館で開かれた。追浜駅近くの花壇の整備などを行う「キッズハートフルガーデン」(松田清江代表)の主催。園芸家の深町貴子さんが講師として登壇し、親子連れ約60人が参加した。

 深町さんはNHKの「趣味の園芸」に出演するなど、テレビや雑誌で活躍している川崎市出身の園芸家。ひまわりを栽培し、タネから油を絞るプロジェクト「まちなか向日葵しぼり隊」を立ち上げるなど、都市緑化や環境保護の市民活動も行っている。

 今回の講演で深町さんは、花の受粉には花粉を運ぶミツバチなどの虫の存在が重要であることに触れ、花から花への移動距離が近いほど、緑化は広がると説明。一人ひとりの些細な花植えなどが緑豊かな環境につながると話した。

 その後、参加者はひまわりの種を培養土に植え付けると、「いつ芽が出るかな」「楽しみだね」と子どもたちは開花を待ちきれない様子だった。

 3年ほど前に活動をスタートした子ども主導で花壇の整備などを行う同団体。年2回、花の摘み取りをしている。

ウスイホーム元会長臼井さん基金 子どもの居場所提供 最大200万円助成

 (公財)日本フィランソロピック財団は、次世代の若者の支援を目的に設立された「臼井伸二未来へつなぐ基金〜子どもの居場所提供支援〜」の第3回募集を開始した。

 同基金は地元不動産会社のウスイホーム(株)元会長の臼井伸二氏が立ち上げたもの。虐待やいじめなど様々な問題を抱える子どもに居場所を提供して必要な支援につなげる事業や不登校の課題に向き合う取り組みに対して助成を行う。児童養護施設出身者が新たに住まいを契約する際の初期費用を給付する。

 対象となるのは、横須賀市と藤沢市で無料塾やフリースクールなどの学習支援、家庭の事情で住まいや行き場を失っている若者や親子向けのシェルター開設などの事業を行う非営利団体。応募には2年以上の活動実績が必要となる。

 助成総額は850万円。1団体あたり上限200万円で4〜6団体の採択を予定している。公募締切は7月22日(火)。10月中旬に選考を行い、同月下旬に決定する。

 詳細は同財団のホームページ(https://np-foundation.or.jp/list/usui.html)を確認。

協定書を手にする片岡理事長(左)と小川会長

かながわ信金と町内会 防災協定を締結

 地域金融機関のかながわ信用金庫(片岡祐二理事長)は6月10日、大規模災害時への備えや発生時の市民支援を迅速に行うことを目的に、横須賀市自主防災組織連絡協議会(小川喜久雄会長)と防災協定を結んだ。

 具体的な内容として、横須賀市内の町内会や自治会が行う避難所運営訓練に同金庫の職員が参加する。

 発災時には、市内に16ある営業店の近隣住民に飲料水や食料などの備蓄品を供給するほか、避難所に直接出向いて支援を行う。預金の引き出しなど、避難している市民に向けた金融相談窓口を避難場所などに設置する。

 同金庫によると、地域の町内会や自治会と信用金庫が防災に関する連携協定を結ぶケースは全国でも例がないという。日頃からの付き合いの延長として防災や減災に取り組むことに意義があるとしている。

イメージ図(三浦市提供)

チェルSeaみうら アートで彩る三浦海岸 6月28日にワークショップ

 南下浦町上宮田のチェルSeaみうらで6月28日(土)、現代アートをつくるワークショップが開かれる。参加無料。

 今年度から市が実施主体となる三浦海岸の海水浴場を盛り立てようと企画された。今夏は三浦海岸駅から海に向かうエリア一帯にアート作品が展示される予定で、今回のイベントでは、ここに設置する作品の一部を作成する。

 紙製の円盤や布でリボンをつくる体験や、竹割りに挑戦するコーナーがある(大人限定)。

 予約不要。午後1時から5時の都合のよい時間で自由に参加できる。詳細や問い合わせは三浦市観光商工課【電話】046・882・1111(内線77434)。

コースカに設けられた展示空間。買い物ついでに立ち寄る人の姿も

海上自衛隊特別展 活動伝えて人材確保 艦船模型もコースカで展示

 海上自衛隊横須賀地方総監部は、任務の様子や国防の重要性を伝える特別展「海自横須賀サテライトベース」をコースカベイサイドストアーズ(横須賀市本町2の1の12)で6月14日から実施している。

 今回、展示に至ったのは、隊員が減少傾向にあることから認知度を向上させ、海自に親しみを持ってもらおうと企画された。人材確保につなげることが狙い。

 昨年1月に発生した能登半島地震の支援の様子を伝えるパネルや写真、輸送艦「おおすみ」の模型や、同隊が所有する船や飛行機のミニチュアの模型なども展示している。そのほかスタンプラリーなどもある。

 入場無料。会場は同施設5階。期間は11月24日まで。詳細は同隊のHPを確認する。

三浦市初声町 「ミトマルシェ」 ご当地ヒーローと握手

 三崎口駅から徒歩1分の場所にある「mito cafe」(丸石自動車内)は6月29日(日)、子育て中のファミリーなどに向けた交流イベント「ミトマルシェ」を開催する。

 三浦半島のご当地ヒーローとして活躍するコントラバスヒーロー=写真=が駆け付け、演奏を披露する(午前10時30分から11時)。子ども向けフリーマーケット、地元作家による手作り雑貨販売、こどもミニ縁日などが楽しめる。洋服や玩具、絵本を集めたフリーマーケットのほか充麦パンの販売もある。時間は午前10時から午後4時。詳細は【携帯電話】050・8885・2850。

蓄音機や初期の電話機などの展示

通信技術、進化の過程辿る YRP、無線展示室一般公開

 横須賀市光の丘にある(株)YRP(横須賀リサーチパーク)は6月27日(金)、敷地内の無線歴史展示室を一般公開する。蓄音機やモールス信号機、初期の携帯電話など貴重な展示品を観覧できる。通信技術が開発された1800年代中期からインターネットに発展するまでの歴史をパネルで詳細に説明し、進化の歴史が一目でわかる構成になっている。

 横須賀市は1854年、久里浜に来航したペリー一行により電信機が持ち込まれて以来、ロシアなど近隣諸国の脅威に対抗しようと無線技術の開発拠点が置かれた歴史がある。1997年、新たに設けられた電波の世界統一規格をクリアする技術を通信会社が協力し合って確立するため、光の丘に合同研究施設としてYRPが設置された。

 展示室では、研究に参画したNTTなど各通信各社等が寄贈した、実際に使用されていた電話機、開発当時のラジオなど数々の機器が並び、当時を知る資料となっている。近隣の中学校や企業が研修の一環で見学する機会も多いという。

 通常は10人以上の団体のみ受け付けているが、今回は個人や家族単位での来館を呼びかける。YRPの上之段功代表取締役専務は「普段は見学に来られない多くの人に見てもらえる機会にしたい。先人の功績を紹介して、市民が電波技術の最先端に住んでいる誇りを持つきっかけになれば」と語った。

 開館日に合わせてYouTube上に音声解説動画を公開し、説明を聴きながら各展示品を観覧できる。モールス信号を打電できる体験イベントも用意する。

 入場無料で申し込み不要。時間は午後1時30分から4時まで。問い合わせはYRP046・847・5000。

わたしのまちでいきる きょうだいの想い 編 【2】うららの誕生「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」

 この連載では、障がいを持って生まれたうららの兄、蓮から見た妹の姿やきょうだい児として感じてきたことなど、さまざまなエピソードを紹介します。

 とある6月、当時小学3年生だった私に妹が出来ました。「きっと幸せな事なんだろうな」「きっと嬉しい事なんだろうな」-。父親は柄にもなくはにかみ顔を浮かべ、母親は喜びと幸せを噛み締めた様子。年子の妹は「妹かなあ、弟かなあ。妹がいいなあ」と期待を膨らませ、弟は幼いながらもニコニコと表情を緩ませていました。私はそんな雰囲気を壊さぬよう、家族の表情をなぞるみたいに、逆流してくる本音を抑え込んで「嬉しいね」と伝えました。

 私には1歳差の妹と5歳下の弟がいます。日常茶飯事の兄弟喧嘩は、両成敗となれば良いものの、大概は長男の私が「大人な対応」を強いられる。それがいつものオチ。今なら納得がいきます。ただ幼かった私はその溜飲の下げ方が分からず、溜まった鬱憤は次第にヘドロのようになり、「長男なんだから」という言葉が沈殿していくばかりでした。

 ただそこで親には歯向かわず、これは仕方のないものだと自分を納得させていました。いつかはこんなくだらない喧嘩もしなくなる。その時までただ待てばいい。そうしてむせ返す感情をせき止めては、自分を騙し、落ち着かせる日々。いつか来る終わりに期待を寄せ、もうこれ以上はないんだと安堵していた私。

 「6月になりました。いよいよ本格的な梅雨到来です」。いつものアナウンサーがそう告げる。「外で遊べないな」なんて考えていると、両親が嬉しそうな表情で一言。「大事な話がある」と。

-次回に続く