任期満了に伴う三浦市長選は6月15日に投開票が行われ、それぞれ無所属で新人の出口嘉一氏(43)が、現職の吉田英男氏(69)と新人の秋葉俊二氏(56)を退けて初当選を果たした。前回は無投票で8年ぶりとなった市長選の投票率は44・00%。2017年の38・90%を5・1ポイント上回った。
「新たな流れを意識しながら、全ての人が住み続けたいと考えられるまちづくりをしたい─」。
午後10時20分頃、当選の一報を受けて三崎町諸磯の自宅兼事務所に集まった支援者に対し、喜びと興奮を隠さずにこう声を張り上げた。
最優先に取り組む課題として災害対策と教育環境の整備を掲げ、備蓄計画の見直しや雨漏りなど老朽化が進む小中学校の修繕を明言。「市民が三浦市をつくる」と繰り返し強調し、合意形成を図りながら施策の具現化を目指す考えを示した。新規就農支援や県水産技術センターと協力した漁場再生といった農林水産業の振興にも言及。各政策の進ちょく状況はSNSなどで発信し、「市政の見える化」を目指すという。現市政が推し進めてきた新海業プロジェクトなどの再開発については、事業を再点検して判断を下すとした。
化学メーカーでの職を辞し、未経験ながら政治の道を志した。今年1月、生まれ育った諸磯に戻って市民団体「新しい三浦市政を考える会」を立ち上げた。5期20年続いた長期政権を「停滞」と表現。SNSを駆使して市政の問題点と改善策を投げかけた。街頭演説など従来型の選挙運動も並行して行い、幅広い世代からの支持を取り付けた。自民党の推薦を受けた現職を完全無所属で破り、「自分一人で運動を始めたが、徐々に輪が広まっていった。各世代の皆さんが市政の課題を自分ごととして捉えてくれた」と笑顔を見せた。
現職の吉田氏 多選批判かわせず
選挙結果を受けて事務所を訪れた吉田氏は、「(選挙期間中)多選批判を感じることはなく手応えを感じていたが、市民は新しい時代を求めていたのかもしれない」と記者団の前で静かに落選の弁を語った。一方でこれまでの市政運営には自信があるとし、「間違ったことはしていない」と強調。着手している案件については市の職員に期待したいとした。新市長へのメッセージを求められると「きちんと事実を掴んでしっかりやって欲しい」と述べるにとどめて取材を打ち切った。
5月末に出馬表明して挑んだ秋葉氏は「演説のみで支持を訴え、700人に気持ちが届いた」と一連の活動の成果を振り返った。
![]() 落選が決まった直後の吉田氏
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