平塚・大磯・二宮・中井版【6月20日(金)号】

平塚市 保育所申し込み過去最多 少子化進むもニーズ増

 平塚市はこのほど、今年4月1日時点の保育所等利用申し込み数が1152人に上り、過去最多となったことを公表した。少子化が進み市内でも就学前児童数が減少している一方、入所申し込み数は増加し、保育ニーズの高まりが顕著に表れている。

 保育所の入所申し込み数は、過去最多となった前年を40人上回る1152人だった。待機児童は3人(前年比1人減)、希望の保育園などに入所できず保留となった児童は286人で、昨年より26人増加した。

 待機児童の内訳は3歳児が3人。市保育課では、「3歳児は定員が少ない状態で4月にスタートする場合が多いので、途中入園の難しさがある」と話す。受け皿確保のため、市では、既存園に利用定数増を呼びかけるなどしているという。

保留児童も増加傾向

 保留児童は2022年が204人、23年が246人、24年が260人、25年が286人と年々増加している。286人の内訳は、育休の延長が142人で最も多く、次いで特定の保育所を希望が90人、求職活動中が42人だった。

 市では待機児童解消へ向けた取り組みとして、昨年4月につくし幼稚園(飯島)が認定こども園に移行し定員が30人増えたほか、くまの子保育園(錦町)の園舎建て替えによる定員20人増など、あわせて50人が増加。今年4月には、小規模保育事業所のミルキーホーム平塚園(天沼/定員19人)とぱぷりか保育園平塚(明石町/定員同)を新設したほか、既存園である金目おむすび保育園(北金目/9人増)、認定美里・柿の実こども園(下島/20人増)、清水学園付属幼稚園(根坂間/30人増)など、合わせて97人増加した。

駅周辺に整備

 小規模保育事業所を整備した理由について同課では、24年12月の開所を目指し、駅周辺での保育所を公募したものの該当者がなかったこと、25年4月の開所を目指した八重咲町の保育所が、昨年7月に事業者から辞退の申し出があったことを要因に挙げる。同課では「25年4月の待機児童解消に向けた園整備であるため、25年4月に開所可能で、待機児童が多い年齢に効果がある小規模事業所の整備に至った」と話している。

焚火イベントの様子(提供写真)

「みずべ」の暮らし大磯で 20代の若者が居場所作り

 大磯町を流れる不動川を拠点に、20代の若者が、暮らしの近くに水辺のあるライフスタイルを提案するプロジェクト「みずべぐらし」を立ち上げ活動している。発起人で、大磯町在住の長谷部駿さん(23)は「大磯でつながりが欲しい人の一つの入り口になりたい」と、人や自然との接点を作っている。

 プロジェクト発足のきっかけは2023年、慶應義塾大学SFCで建築や都市デザインを学んでいた長谷部さんが、大学の課題として大磯と接点を持ったこと。「大磯は、まちを気に入って移り住んだ人が、自分のやりたいことをそれぞれ実現している面白いまち。自分も仲間になりたいと思った」と、翌年から不動川河口で行うSUP体験会を開催。思いに共感した高橋翼さん(22)、波形亮哉さん(23)、緑川絵梨さん(23)、服部瑛斗さん(22)ら5人で活動をしている。

 現在は月3回ほど、「週末みずべぐらし」と題してSUPや焚き火、ごみ拾いを企画。継続的に水辺に足を運ぶことで雨が降った後の地形の変化や、季節ごとの草花の違いに気づくといい、長谷部さんは「生活圏にこういった場所がある良さを伝えたい。地域の愛着につなげることで、例えば子どもたちに、将来大磯で暮らしたいと思ってほしい」と意気込む。

 長谷部さんは昨年夏、大和市から大磯町に移住。仲間とDIYしながら拠点の一つとなっている古民家に暮らしている。長谷部さんは「このプロジェクト自体が僕にとっては大磯と関わるきっかけの一つ。まちの皆さんと信頼関係を築いていきながら、継続的な活動にしていきたい」と話していた。

 SUP体験は定員あり。焚き火などの参加希望は【メール】mizubegurashi.oiso@gmail.comで伝える。活動の詳細はinstagram。

平塚市美術館で9月15日まで企画展を開いている 原 良介さん 平塚市出身 49歳

自然と向き合い描く

 ○…生まれ育った平塚の地で、14日から念願の初個展が始まった。「活動初期の2001年から今年の新作まで、作風の変化を見てほしい。また、平塚の見慣れた風景の魅力を再発見してもらえたら」。会場には一層のみの筆致で描かれた明るい色の光あふれる風景の油絵など72点が並ぶ。

 ○…企画展の見どころの新作『《サギ子》』『《フナ子》』は、初挑戦の「川」のモチーフにも取り組んだ意欲作だ。「1年半の準備期間で真っ先に思いついた金目川、土屋の自然、平塚市の鳥サギ、フナを描こうと」。昨春、金目川沿いを訪れ、小学生の娘が遊ぶ姿とともにスケッチ。「自分が幼い頃遊んだ場所に、やっと娘を連れて来られた」と感慨深い思いを胸に、数カ月足しげく通った。その後鎌倉のアトリエでキャンバスに向かった。「山や森、海などを描いてきたからか、予想に反してスムーズに、考えるより先に体が動いて描けた」

 ○…金田小、金旭中、大原高出身。多摩美大大学院在学中の02年、公募展で大賞を受賞し画家としての道を決定づけた。現在は妻と娘と暮らす。「娘は作品の中で人と鳥が融合している非現実的な構図も当たり前のように受け入れてくれる」と感謝しつつ「本当はもっと『わあ』とか『不思議だね』って素直に驚いてほしいけれど」と父親としての苦悩を吐露する。

 ○…近年の作品には、景色の中に同一人物が複数人描かれる非現実的な情景が広がる。「時間の経過を一枚の絵の中で表現する」という矛盾に挑戦し、試行錯誤してきた。その集大成を今回地元で披露した後、来年には北京で個展を予定している。「自然に対する向き合い方を、他の国にも発信していきたい」。これからも自ら信じた表現を追求していく。

池田町長(左)、井上さん

大磯在住 井上さん パラサーフィンで3位 町長へ活躍報告

 大磯町在住でパラサーフィンの国際的な大会で3位入賞を果たした井上英彦さん(42)が6月10日、大磯町役場で池田東一郎町長を訪問した。

 井上さんは先月31日まで開かれた「第4回静波パラサーフィンフェスタジャパンオープン」の膝立ちまたは直立姿勢で波に乗る「ニールクラス」に出場。エントリー11人から予選、準決勝を突破し決勝で3位に入った。

 井上さんは平塚市出身で、16歳の時にバイク事故で右足の一部を切断。その後パラサーフィンに出合った。一級建築士として建築士事務所を構える一面も持ち「当事者目線でバリアフリーを考え設計している」という。

 訪問の場で、池田町長から結果を称えられた井上さんは「大磯の海で練習した成果が出て、楽しい大会になった」と振り返った。今後は「世界を目指し競技の魅力を広めていきたい」と語った。

無人田植え機で作業する様子

稲作効率化へ実証実験 平塚で畦畔除去し田植え

 平塚市東豊田の田んぼで6月11日、平塚市と湘南ライスセンター株式会社(佐藤光夫社長)が共同で行う、水稲栽培の生産効率の向上に向けた実証実験がスタートした。

 同実験は農業技術センターの研究議題としても取り扱われ、4つに分かれた田んぼの畦畔を除去し、1つの大きな田んぼにすることで作業時間や収量にどのような変化があるかを測定した。同センターの3人が無人田植え機を用いて約40アールほどの田んぼで作業した。

 稲作の担い手が減少する中、市内の水田を守るための補助支援制度を整備するために実施された。今後収量も測定していく。

海水浴場7月19日開設 ひらつかビーチパーク

 平塚市は6月6日、湘南ベルマーレひらつかビーチパーク海水浴場を7月19日(土)に開設すると発表した。期間は8月31日(日)まで。午前9時〜午後5時。天候の状況で遊泳禁止の場合あり。

 期間中の土日祝日と8月12日(火)から15日(金)には、湘南海岸公園臨時駐車場(高浜台34の1)を設ける。駐車料金無料。花火大会開催日(8月22日(金))は開設なし。問い合わせは湘南ひらつかビーチセンター【電話】0463・23・4781。

地域作業所連絡会 夏の展示即売会 6月26・27日 平塚市役所

 平塚市の障害福祉事業所利用者による「夏の展示即売会」が6月26日(木)・27日(金)、平塚市役所本館1階多目的スペースで開催される。時間は両日ともに午前9時〜午後4時30分。主催は平塚市地域作業所連絡会(赤部勉会長)。

 即売会では、ミニ七夕飾りなどの季節限定商品をはじめ、焼きたてパンやクッキー、各種雑貨など、様々な手作りの商品が並ぶ。

 問い合わせは地域活動支援センターこぶし【電話】0463・34・2259。

協定締結式の様子

大磯町 新聞販売店と協定 高齢者見守りなど連携

 大磯町は6月12日、平塚・中郡地区新聞販売組合(吉村潤組合長)と地域活性化や教育、高齢者支援、災害時支援など多様な分野での連携強化を目的とした包括連携協定を締結した。

 締結式には、吉村組合長のほか、神奈川県新聞販売組合の柏原亮介組合長、朝日新聞販売店大磯・平塚旭の齋藤龍弥さん、毎日新聞大磯・国府本郷販売所の渡邉亜佐子さんが出席。池田東一郎町長と吉村組合長が協定書を取り交わした。

 新聞配達時、郵便物の滞留があった場合や、道路陥没が見られた際に、町に知らせるなどして、高齢者の見守りや安全対策、広報紙の配布などに取り組んでいくという。

 池田町長は「まだまだ紙の情報発信が大切。教育や子育て事業への寄与もお願いしたい」と話していた。

表彰された橋本さん

社会福祉への貢献に表彰 平塚と二宮で1人ずつ

 神奈川県は6月6日に令和7年度神奈川県県民功労者表彰の受賞者を発表した。社会福祉の分野では民生委員児童委員として活動する平塚市の橋本勢作さんと、二宮町の野谷美惠子さんが選ばれた。

後進育成を

 平塚市新町在住の橋本さん(83)は2004年から松が丘地区担当の民生委員を務め、現在7期21年目を迎える。

 民生委員児童委員は地域住民の相談相手として行政や専門機関につなぐ役割を担う。橋本さんは高齢者施設の紹介や、広報紙の作成、国勢調査の手伝いなど多岐にわたり活動してきた。「地域に何か役立てればという思いでやってきたので、表彰していただきうれしい」と喜んだ。

 今年の12月には改選期を迎えるが、「現時点で委員の半分は高齢者で若手が少なく後進を育てないといけない」と橋本さんは話す。

 「いろいろな人と触れ合えて勉強になるし、感謝された時は活力になる」と、やりがいを話し、新たな担い手を心待ちにしている。住み続けたいと思ってもらえるまちを目指して同委員として活動し続ける。

 同賞は県の最高表彰の1つで今年で78回目。団体や地域の活動を通じて社会福祉や保健衛生、産業・経済などの各分野で長年にわたり活躍し、優れた業績をあげた人を表彰している。

平塚市で撮影が行われた映画『雪風YUKIKAZE』のポスター

平塚市 『雪風』試写会に招待 7月16日 シネプレ

 太平洋戦争時の駆逐艦に焦点を当てた映画『雪風 YUKIKAZE』の特別試写会が、平塚市が空襲の被害を受けた日から80年後の同日7月16日(水)の午後6時30分〜9時に、シネプレックス平塚(平塚市代官町33の1)で開催される。

 同試写会は、平塚空襲・終戦80年、核兵器廃絶平和都市宣言40周年記念事業の一環として実施。同映画の製作にあたり、平塚の海岸に駆逐艦「雪風」のロケセットが建設され、2024年5月から約1カ月間かけて撮影が行われた。

 対象は市内在住、在勤、在学で中学生以上の人(中学生は保護者同伴)。参加無料。募集人数は300人(抽選・市内在住者を優先)。

 申し込みは6月23日(月)午後5時まで。希望者は、e-kanagawa電子申請の専用申し込みフォームに必要事項を入力して応募する。

(問)平塚市広報課【電話】0463・21・8556

平塚市 都市プラン改訂へ意見募集 神大跡地活用に特化

 平塚市は現在、「平塚市都市マスタープラン(第2次)一部改訂(素案)」に対するパブリックコメントを募集している。7月7日(月)まで。

 市西部の神奈川大学湘南ひらつかキャンパス跡地に新たな土地利用を誘導するため「西部地域のまちづくり方針」の一部改訂に伴い実施。「キャンパス跡地に求められる役割の方向性」の視点が新たに追加される。

 資料は市ホームページなどで閲覧可能。意見は持参、郵送などで提出。(問)まちづくり政策課【電話】0463・21・8781

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観光スタンプ

平塚市観光協会 錦絵の図案スタンプに 外国人客等からの要望で

 平塚市観光協会がこのほど「観光スタンプ」を作成し、ひらつか市民プラザに設置している。歌川広重の錦絵「東海道五十三次 平塚 縄手道」を図案にした。

 同会の曽我和雄事務局長は「昨年の七夕まつりで外国人や観光客の方からお問い合わせがあり制作しました」と作成経緯を話した。

平塚美術家協会が展示 7月8日から13日 平塚市美術館で

 平塚市美術館の市民アートギャラリーで7月8日(火)から13日(日)まで「平塚美術家協会展」が開催される。会員約58人が制作した油彩や水彩など約60点を展示。

 時間は午前9時30分〜午後4時50分(初日は1時〜、最終日は4時まで)。入場無料。

(問)同会事務局(田中伸一さん宅)【電話】0463・21・3865

意見を出し合う児童ら

中井町 児童ら描く「未来予想図」 教育ビジョンの参考に

 中井町の小中学生が、学校と地域への関心を深める「中井町の学校の未来を語るワークショップ」が6月12日、井ノ口小学校で初めて開かれた。同校の5・6年生53人が参加し、未来の中井町について議論を交わした。

 町教育委員会主催の同事業は、5〜6人ずつの10グループに分かれて実施。「中井町の学校の『未来予想図』をつくって、町長さんに伝えよう!」をテーマに、各自の意見を付箋に書き出し、模造紙に貼り付け、活発に意見を出し合った。「テスト高得点でポイント付与」「学校のリフォーム」「体育はずっとドッジボール」など、自由な発想が模造紙を埋め尽くした。

 その後、グループ間で意見を共有し、発表した。戸村裕司町長は「皆さんの思いを少しでも町の活性化に生かしたい」と述べた。

 進行役を務めたカンジャ・シャイリンさん(6年)は、「平和な学校のために意見を共有できて良かった」と語り、木内佳奈さん(5年)は「みんなが優しくて楽しい中井町であってほしい」と願った。

 ワークショップは今後、中村小学校と中井中学校でも実施され、議論された内容は町の教育指針「なかい教育ビジョン」の参考資料となる。

「精神疾患に理解を」 平塚市美術館で展覧会

 (一社)日本精神科看護協会神奈川県支部が、7月4日(金)・5日(土)に平塚市美術館で「こころの日展覧会」を開く。午前10時〜午後5時(5日は3時まで)。

 精神疾患のある人が制作した絵画や写真、粘土作品などを展示する。7月1日の「こころの日週間」の前後1週間に合わせて講演やイベントを行い、精神障害者などへの理解を呼び掛けている。

 問い合わせは同支部【電話】045・353・5268。

ニュースポーツを体験しよう 6月22日 二宮町立体育館で

 「ニュースポーツ体験会」が6月22日(日)、二宮町立体育館で開催される。午前9時30分から11時30分。入場無料、事前申し込み不要。

 体験会では、1級ラジオ体操指導師の指導のもとラジオ体操講の後、おにぎり型のボールを使用した「ワンバウンドふらばーるバレーボール」や、パラリンピックの正式種目の「ボッチャ」、陸上のカーリングと呼ばれる「ユニカール」の三種目を体験することができる。

 持ち物は運動に適した上履き、飲み物。

 主催は二宮町スポーツ推進委員連絡協議会。

 詳細、問い合わせは二宮町スポーツ推進委員連絡協議会(事務局)または二宮町生涯学習課スポーツ推進班【電話】0463・72・6981(月〜金 午前9時〜午後5時)まで。

交代直後に、裏に抜け出し、GKやDFをかわし、落ち着いてゴールを決めた福田翔生選手。今季4得点目。

ベルマガ通信 シーズン後半戦開始、定位置から抜け出す兆しはあるか 天皇杯2回戦vs FC岐阜、J1第20節vs 町田ゼルビア 湘南2-0岐阜 湘南1-2町田

 ルヴァンカップを勝ち抜いた湘南ベルマーレは、水曜日に天皇杯でFC岐阜と、週末にJ1リーグの後半戦の初戦、町田ゼルビアと対戦。

 FC岐阜には、昨年まで湘南にいた山田直輝選手が所属していますが、残念ながらメンバー外。湘南のGK真田幸太選手は所属8年目にしてデビュー戦となり、危なげなく2-0の完封勝利。ルヴァンカップから引き続きポジションを掴んだルーキー石橋瀬凪選手、湘南デビューとなったゼヒカルド選手など、戦力の底上げを感じさせました。

 迎えた町田ゼルビア戦、町田とはこれまで7戦無敗と相性が良い相手でしたが、前半は長いボール、ロングスロー、コーナーキックを繰り返される相手ペース。なんとか凌げればと思っていましたが、前半終了間際にコーナーキックから失点。後半に投入された福田翔生選手が元湘南のGK谷晃生選手をかわし、落ち着いて同点ゴールを決めます。しかし、終盤にナ・サンホ選手に決勝点を決められ、町田に湘南からの初勝利を献上。谷晃生選手にも古巣湘南からの初勝利を与えてしまいました。ただ試合内容はそこまで悪かったわけではなく、ここからの巻き返しに期待したいと思います。

(ベルマガ編集長 有坂玲)