平塚市美術館で9月15日まで企画展を開いている 原 良介さん 平塚市出身 49歳
自然と向き合い描く
○…生まれ育った平塚の地で、14日から念願の初個展が始まった。「活動初期の2001年から今年の新作まで、作風の変化を見てほしい。また、平塚の見慣れた風景の魅力を再発見してもらえたら」。会場には一層のみの筆致で描かれた明るい色の光あふれる風景の油絵など72点が並ぶ。
○…企画展の見どころの新作『《サギ子》』『《フナ子》』は、初挑戦の「川」のモチーフにも取り組んだ意欲作だ。「1年半の準備期間で真っ先に思いついた金目川、土屋の自然、平塚市の鳥サギ、フナを描こうと」。昨春、金目川沿いを訪れ、小学生の娘が遊ぶ姿とともにスケッチ。「自分が幼い頃遊んだ場所に、やっと娘を連れて来られた」と感慨深い思いを胸に、数カ月足しげく通った。その後鎌倉のアトリエでキャンバスに向かった。「山や森、海などを描いてきたからか、予想に反してスムーズに、考えるより先に体が動いて描けた」
○…金田小、金旭中、大原高出身。多摩美大大学院在学中の02年、公募展で大賞を受賞し画家としての道を決定づけた。現在は妻と娘と暮らす。「娘は作品の中で人と鳥が融合している非現実的な構図も当たり前のように受け入れてくれる」と感謝しつつ「本当はもっと『わあ』とか『不思議だね』って素直に驚いてほしいけれど」と父親としての苦悩を吐露する。
○…近年の作品には、景色の中に同一人物が複数人描かれる非現実的な情景が広がる。「時間の経過を一枚の絵の中で表現する」という矛盾に挑戦し、試行錯誤してきた。その集大成を今回地元で披露した後、来年には北京で個展を予定している。「自然に対する向き合い方を、他の国にも発信していきたい」。これからも自ら信じた表現を追求していく。
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