中原区版【6月27日(金)号】
菅署長から表彰状を手渡された簑原会長(左)

警察官友の会 簑原会長、功労に対し表彰 中原地区では初の快挙

 中原地区警察官友の会の会長であり、神奈川県警察官友の会の副会長を務める簑原利憲さん(83/タカネ電機(株)代表)が、このほど長年の功労に対し国から表彰された。今回、表彰状を受け取ったのは簑原さんを含み全国から4人で、中原地区では初の受賞となる。

 同表彰は、多年にわたり警察官友の会の役員として、会の適切な運営に務めるとともに、警察職員に対する支援激励、警察活動への市民の理解と協力を深める活動を積極的に推進してきたことなどをねぎらうもの。事務局によると、中原地区で受賞したのは初。簑原さんは1980年に中原地区警察官友の会に参加し、2012年から会長職に就いた。24年からは県警察官友の会の副会長も兼任している。

 6月4日にホテルグランドアーク半蔵門(東京都千代田区)で行われた式典には、仕事の都合で出席できなかった簑原さん。6月18日に、菅健司中原警察署長が松澤建全国警察官友の会会長と楠芳伸警察庁長官の代理として表彰状と記念の協力徽章を上小田中にある勤務先に届け、代読した上で手渡した。

 受賞に対して、簑原さんは「日頃から地区のみならず全国で我々市民の安全を守ってくれていることに感謝したい。これからも微力ながら会としてお手伝いさせていただくことで、警察官の皆さんにとって『自分たちの応援団が見守ってくれている』ことを感じてもらえたらうれしい」と話した。地域の企業や個人等で組織され、地域と警察をつなぐパイプ役としてさまざまな活動を行っている警察官友の会。中原地区では現在、28の法人会員と個人会員58人が加盟している。

精神的なサポート役

 会では特殊詐欺被害防止活動や交通安全啓発などの警察活動への支援や激励を行うほか、日常的に警察署職員へのお祝いや差し入れなども行っている。簑原さんも、年初の武道始式をはじめ、中原警察署へは頻繁に顔を出し、署員らに「ご苦労さま」と感謝の言葉を掛けているという。

 83歳の今も現役で働き続けられる健康の秘訣は、月に1度は出掛ける趣味のゴルフと毎日のウオーキング。「これからも応援や激励など、地域の安全安心のために警察活動を支援し、精神的なサポートをしていきたい」と思いを込めた。

 表彰状を届けた菅署長は「40年以上にわたり応援していただき、暑さ寒さに耐えて交番勤務する署員たちもがんばれという声が励みになっている」と感謝を述べた。

川崎市議会 マイナカード交付拡充へ 6月補正予算案が可決

 川崎市議会第2回定例会は6月19日、国の制度に基づいて実施するマイナンバーカード交付体制の拡充や介護人材確保に向けた事業費など、2025年度の一般会計を43億9084万4000円増額する6月補正予算案を全会一致で可決した。補正項目は7つで、補正総額のうち、約41億7000万円は国からの財源を活用する。

 急増するマイナンバーカードの更新に対応するため、約21億8300万円を計上。現在、川崎市役所北庁舎(旧第4庁舎)にあるマイナンバーカードセンターを武蔵小杉駅周辺に移設し、2023年末に終了した交付窓口を再開させる。加えて、サテライトの交付窓口を川崎駅、溝の口駅、宮前平駅、新百合ヶ丘駅の周辺に設置。人員配備にも約7100万円を計上し、交付体制の充実を図る。市では、いずれの窓口も10月の開設を見込んでいる。

生活支援に18億円

 価格が高騰する電力・ガス・食料品などの支援給付金事業費として、17億9846万円を計上。昨年度、定額減税補足給付金(不足額給付)の支給額に不足が生じた人に対し不足額を給付する。

 生活保護実施事業費には3457万9000円をあて、国の調査項目の変更などにかかるシステムを改修する。

 福祉人材確保支援事業費として8522万3000円を計上。訪問介護などのサービスを提供する事業所に対し、研修体制の構築や、経営状況の改善などの支援を行う。

 運転手不足の影響などによるバスの減便といった交通課題対策として、自動運転バスの実装を進めるため、地域公共交通事業費には一般財源5900万円を含めて1億2000万円を充当。今まで使用していた中型バスに加えて、大型バスによる実証実験も実施する。

一般財源は2億円超

 補正額のうち約2億1000万円が一般財源で、市の貯金に当たる財政調整基金から繰り入れた。全額を一般財源で負担するのは次の2項目。

 公設民営障害者施設運営費には4429万円を充当。麻生区五力田にある障害者支援施設「柿生学園」の指定管理者が2026年度から変更されるのに伴い、業務の引き継ぎのための経費を盛り込んだ。

 市内の民有地に設置されている貯水槽を地権者の求めに応じて撤去する費用として、5328万3000円を計上。この撤去により、市内の民有地にある貯水槽は全部で85カ所となる。

 補正後の一般会計の総額は8990億909万9000円。

中原区剣道連盟の会長に就任した 原 敏之さん 上小田中在住 60歳

自分を律し、日々修行

 ○…区内で活動する7つの道場、中学4校、高校4校、個人が加盟する中原区剣道連盟。個人で加盟して11年。これまで理事、副会長を務め、6月8日に開かれた理事会で会長就任が決まった。「前会長、歴代の先生方がつくってきた連盟を守り、発展させていきたい」と抱負を語る。少子化や習い事の多様化で剣道を習う子どもが減る中、子どもたちに向けて普及活動や指導に力を入れていく予定だ。

 ○…上小田中で生まれ育ち、小学2年生の時に父から勧められて近くに出来た道場で剣道を始めた。それ以来、剣道一筋。「いい仲間、先輩、後輩、先生に出会えたから続けてくることができた」と笑顔で振り返る。「勝っておごらず、負けてくさらず」。その精神で常に試合に臨む。昨年11月には、合格率が1%に満たない最高段位の八段に合格した。「責任が重くなった。段位に相応しい人間になれるよう自分を律していきたい」

 ○…大学卒業後に、就職先に選んだのが皇宮警察。国内に2つしかない玉座がある道場の一つ、済寧館で稽古ができることも決め手だった。皇居や赤坂御用地で任にあたり、天皇陛下を迎えた天覧試合で優勝したこともある。11年前に、父親の跡を継ぐために職を辞する直前には平成の天皇陛下(現上皇さま)の側で仕えた。「陛下が優勝したことを覚えていてくださり、お声を掛けていただけたのはうれしかったですね」とほほ笑む。

 ○…現在は家業である不動産管理業を営む。自宅の道場で時々仲間と竹刀を振りながら汗を流し、愛犬の散歩が日課に。今後の目標は、相手に参ったと言われるよう、自分で納得のいく技が打てるよう追及していくこと。「死ぬまで修行です」と、果てのない到達点を追い求める。

あいさつする徳安理事長(上)と会場の様子

市茶華道協会 100周年祝い式典 いけ花と茶の湯の会開く

 今年創立100周年を迎えた川崎市茶華道協会(徳安興理事長)は6月21日・22日に川崎市コンベンションホール(小杉町)で「いけ花と茶の湯の会」「いけ花展」「呈茶の会」など記念イベントを開催した。

 イベント前に関係者らだけが出席して行われた記念式典では、徳安理事長が市制100周年の緑化フェアに参加したこと、佳子内親王殿下の休憩場や閉会式会場の装飾を担当したことを報告。「いけ花体験やデモンストレーション、呈茶などを通して市民のみなさまと伝統文化を分かち合うことができた」と話した。また、この6月には海外で協会単独のいけ花やお茶文化の交流を初の試みとして実施したといい、「諸先輩方が100年かけて築き上げてきたものを継承し、これからも日本の伝統文化を伝える活動に力を注いでまいりたい」と続けた。

 福田紀彦市長は「101年目からの取り組みにも期待している」と話し、名誉顧問の原典之市議会議長らも出席して祝いの言葉を述べた。

ゲームに夢中になる参加者=提供

新城小で eスポーツ大会 親子ら80人が参加

 小学生の”なりたい職業”でトップ10に入るほどの人気があるプロゲーマー。新城小PTAおやじの会主催のeスポーツ大会が6月22日、同小体育館で行われた。

 約80人が参加し、マリオカートで4人対戦の勝ち上がりトーナメントを実施。杉山碧PTA副会長が実況、赤塚壮樹PTA会長が解説を務め、会場内は大いに盛り上がった。予選はキノコカップのマリオサーキット、準決勝と決勝は体育館のスクリーン全面を使い、ゼルダカップのレインボーロードで対戦。親子で参戦する出場者もいるなど、大人も子どもたちと一緒に楽しんだ。優勝した6年生の児童には、同小の辰口直美校長から賞状とトロフィーが授与された。参加した児童からは「楽しかった。来年も開催してほしい」という声が上がったという。

 おやじの会は児童の親を中心に15人程度のメンバーで構成。週末に集まり、企画会議を実施するなどして準備を進めてきた。おやじの会の代表も務める赤塚さんは「ゲームが得意ということは、集中力や繰り返し練習して改善する力があることだと思う。勉強や運動で活躍する子と同じように、ゲームが得意な子のことも褒めてあげてほしい」と話した。

稽古をする様子=昨年

現代人形劇センター 乙女文楽を体験 小学生から高校生対象

 伝統芸能の人形浄瑠璃から生まれた「乙女文楽」。8月24日(日)の発表会に向けた夏休み子ども向け教室が、7月29日(火)から8月23日(土)までの1カ月間、全8回で行われる。初級クラスは午前10時から正午(同教室に参加して3年目以上の上級クラスは別)。

 3人がかりで人形を操る文楽を、女性一人でも扱えるように考案された人形芝居。全身を使って人形を操り、踊りや演劇の楽しさも一緒に味わえる。ひとみ座乙女文楽の人形遣いが指導し、地域の人を招いた発表会で練習の成果を披露する。

 会場はひとみ座スタジオ(井田)。対象は小学校高学年から高校生までの男女(原則として全期間参加できる人)。先着10人。参加費無料。問い合わせは(公財)現代人形劇センター【電話】044・777・2228。

抱負を語る伊藤会長

市商連 新会長に伊藤博氏 中商連等の経験生かし

 川崎市商店街連合会の総会が5月末に行われ、中原区商店街連合会の伊藤博会長(82)が新たに会長に就任した。任期は2年。

 伊藤会長は、モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合の理事長を20年以上にわたり務め、商連かながわ(神奈川県商店街連合会)の副会長、神奈川県商店街振興組合連合会の理事長といった要職を兼務。今年春の叙勲で旭日小綬章を受章している。伊藤会長は「80歳を超えて、155万人の政令指定都市のまちの商連会長という新しい役は荷が重いが、与えられた役目を担っていきたい」と抱負を語る。

 市商連には現在、市内の10の商店街連合会(88商店街)と賛助会員が加盟している。少子高齢化や後継者不足、大規模小売店の進出などで個人経営の店舗が減少し、コロナ禍が明けても行動様式の変化によってダメージが回復しきれていないという。伊藤会長は「会員の数が減り、各地で商店街の体力が落ち、市商連も予算が減ってきている。これまでの経験を生かして、行政に支援を強く要望していきたい」と自身に役割を課す。

 会員に対しても、会員向けセミナーやウェブサイトでのイベント紹介、行政の情報提供に努めていく意向だ。「会員になってよかったと言ってもらえるような取り組みを行っていきたい。市民にも商店街を知ってもらえるイベントを横断的に実施していきたい」と私案を打ち明ける。

 行政への支援策の要望、商店会の助成金の案内といった仕組みづくりと取り組みは多岐にわたる。「短い任期でしっかり取り組んでいきたい」と抱負を語る。

日頃の訓練の成果を発表する団員

中原消防団 優勝は大戸分団 消防大会で訓練技術披露

 中原消防団(鹿島連団長)は6月15日、等々力緑地催し物広場で消防大会を実施した。各分団が日頃の訓練の成果を発表する消防操法は、大戸分団が優勝した。

 今年、発足から100周年を迎える中原消防団。その記念大会となった今回、天候が心配された中で開催された。

 普段、さまざまな職業に就いている人たちが、火災や風水害、震災時などに消防活動や予防活動などを行う消防団。夜間等に有事に備えて訓練を行っており、同大会では、迅速、確実かつ安全に行動するために定められた消防用機械器具の取扱い及び操作の基本について、その技術を発表した。結果は、大戸分団が優勝、丸子分団が2位、中原分団が3位だった。

 今回、多くの人に消防団の活動を知ってもらおうと、さまざなPR活動も実施。家屋に見立てたテントを使って、初期消火やエンジンカッター、チェーンソーを使用した災難救助活動も披露したほか、はしご車や小型ポンプ車の展示なども行った。

 鹿島団長は「今年は記念すべき100周年の年。今回は新しい試みとして、災難救助活動など今の時代に合わせた消防大会を開催することができ、成功だった。来場いただいた方々に消防団の活動や今後のあるべき姿を見てもらうことができた」と振り返った。

アップサイクルの工程の説明を聞く浅尾環境相(左)

浅尾環境相が視察 区内のアップサイクル企業

 使用済みの割り箸を回収し、家具や建材に作り替える「アップサイクル」に取り組んでいる会社「ChopValue(チョップバリュー)」(上小田中)に6月16日、浅尾慶一郎環境大臣が視察に訪れた。

 同社は、カナダで創業した会社で世界各国に約80のマイクロファクトリー(工場)を展開。昨夏、9カ国目となる日本法人を設立。今年4月に国内初のマイクロファクトリーを上小田中に設立した。同社が取り組んでいるのが、飲食店などで使用された割り箸を回収し、高品質な建材や家具に作り替えること。今春実施された全国都市緑化かわさきフェアでも割り箸の回収を行ったほか、市内の企業や中原区商店街連合会、川崎市商店街連合会の会員店舗にも回収BOXを設置してもらうなど、その取り組みを進めている。

 今回、そうした循環型経済の取り組みに関心を持った浅尾大臣が視察に訪れた。浅尾大臣は、同社のソバック・ジェームス代表取締役やスタッフからマイクロファクトリー内を案内され、回収から製品の製造、過程の説明を受けた。

 浅尾大臣は「普段使っている割り箸がアップサイクルできるということを多くの人に知ってもらえると循環型社会をつくるうえでは有効だと思う。政策的な課題はあると思うが推進していくべき取り組み」と視察の感想を語った。ソバック代表は「我々は廃棄物から資源を生み出す取り組みを世界中で行っている。法整備のところで環境省と連携が必要。この取り組みを日本で広げていきたい」と展望を語った。

「おとうさん」テーマに朗読 6月28日 中原図書館

 中原図書館は「おとなのためのおはなし会」を6月28日(土)に6階多目的室で開催する。午後2時から。参加無料。

 読み聞かせボランティア「おはなしもり」が、6月第3日曜の「父の日」にちなんだ「おとうさん」をテーマに朗読。仕掛け絵本『とうさんはタツノオトシゴ』、絵本『ねんねだよ、ちびかいじゅう!』、落語絵本『はつてんじん』など、お父さんたちの奮闘ぶりが楽しめる。対象は小学生から大人。直接会場へ。(問)中原図書館【電話】044・722・4932

佐久間吾一氏

参院選 日本改革党 佐久間氏を擁立 59歳、米軍人 叙勲剥奪訴える

 夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に、政治団体「日本改革党」は会社員の佐久間吾一氏(59)の擁立を決めた。

 佐久間氏は川崎市幸区出身で中央大学卒。2015、19年には川崎市議選に立候補し落選した。

 6月12日の本紙の取材に、佐久間氏は「消費税廃止、新型コロナワクチン接種後の超過死亡の責任追及、日本本土空襲を指揮した米軍司令官カーチス・ルメイ氏の勲章剥奪を訴えたい」とした。

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内海聡氏

参院選 無所属連合内海氏、出馬へ 50歳、医師で作家

 夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に、政治団体「無所属連合」代表で、医師で作家の内海聡氏(50)が16日、出馬を表明した。

 内海氏は筑波大学医学専門学群卒業後、病院勤務を経て2013年に医院を開院。昨年、都知事選、衆院選(神奈川15区)に出馬し、落選。

 17日の会見で内海氏はワクチン・医療行政の見直しのほか「移民、外国人優遇、中小企業冷遇の反対」などを掲げた。

河合道雄氏

参院選 チームみらい 河合氏擁立 教育改革など訴える

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)で、政治団体「チームみらい」は会社員の河合道雄氏(34)を擁立した。河合氏は東大卒業後、京大大学院で教育学を研究。教育系企業に勤める傍ら、新たな学びや機会を提供する民間団体「HLAB」に携わり、教育改革や格差是正などの課題と向き合う。河合氏は「デジタルや対面を通じ、一人ひとりの声を国に届ける政治が必要。透明性も高めたい」と訴える。

(写真上)「しっぽとり」で芝生を走り回る参加者たち(写真下)ヘナアートのブースで顧客対応する林さん(右)

異文化交流フェス開催 言葉の壁超え笑い合った

 言語を超えたリアルな交流を作りたい--。一人の英語講師の思いから生まれた異文化交流イベント「生田緑地国際スポーツ&カルチャーフェスティバル ウィズTAROマルシェ」(スポカルフェス)が、6月8日に生田緑地で開催された。主催者の願い通り、さまざまな国にルーツを持つ人々が共に汗を流し、笑い合った。

 「スポカルフェス」は、多くの外国人が暮らす川崎の地に新たな異文化交流の場を作ろうと、多摩区で英会話教室を営む高部真生さんと、スリランカ出身で川崎市外国人市民代表者会議の元委員長、ペレーラ・ラヒルサンケータさんが立ち上げたイベントだ。

 高部さんの「外国の人々と実際に触れ合える場が欲しい」という思いから始まり、協力者のペレーラさんと「リアルな触れ合い」にこだわってイベントを考えた。多国籍チームで力を合わせる綱引きや玉入れなどの「グローバル運動会」や、子どもたちが会場内の外国人を探して声をかける「地球まるごとサインラリー」など、「言葉に関係なくコミュニケーションを交わせる仕掛けを考えた」という。

 東京都狛江市から父親と参加した小学1年生の女の子は、外国ルーツの大人や子どもたちと追いかけっこの「しっぽ取り」を力いっぱい楽しんだ。父親は「娘がこの運動会を楽しみにしていた。実際に外国人と触れ合える、いい機会だと思う」と笑顔で話した。

外国人が当たり前に 

 会場には、タイマッサージの体験コーナーやロシア人写真家のギャラリーなど、多国籍の文化に触れるブースが並んだ。「ヘナアート」のブースを出店した林リダさん(29)は、父がパキスタン、母が台湾にルーツを持ち、自身は生まれも育ちも川崎市。日本語が母国語だが、イスラム教徒の女性が着用するヒジャーブをまとう外見から、幼いころ電車の中で「自分の国に帰れ」と言われた経験もある。「でも今は川崎に外国人がいて当然という感じ。すっかり変わった」

 昨年9月、日本に暮らすムスリムの人々を応援する一般社団法人「清真の木」を立ち上げた。「モスクに通う子どもの中にはいじめにあい、不登校になる子もいる。社会の懸け橋になりたい」と林さん。ブースにはパキスタンやスリランカのスタッフが並び、続々と訪れるゲストの手に手際よくヘナアートを描いた。林さんは「ヘナがこんなに人気だなんて。スタッフも楽しそうでうれしい」と喜んでいた。

246号線から見える富士山(アレンさん提供)

ロシア人の写真愛好家 撮り続ける宮前の魅力 ネットギャラリー開設

 宮前区在住のロシア人写真愛好家、アレン・スミルノフさん(47)が、宮前区で撮り続けた写真を集めたネットギャラリー「みやまえ日和」を開設した。地元愛に満ちた写真を通し、地域の魅力を発信していくという。

 東高根森林公園から見える富士山。平瀬川のほとりではためくこいのぼり。6月初めに開設したネットギャラリー「みやまえ日和」には、アレンさんが4年ほど前から宮前区で撮り続けてきた写真が並び、街がもつ多彩な表情を伝えてくれる。

 青空へとのびる雲間の光や夕日に輝く坂道など、アレンさんがカメラで捉えたひとこまは、異国の街の風景のようでもある。しかし「自分はただ出合った風景にカメラを向け、その瞬間を撮るだけ。宮前の魅力を伝える写真が撮れれば、それで十分」と語る。

 当初はSNSのコミュニティー「ふらっと宮前区」へ投稿していたが、6月8日(日)に生田緑地(多摩区)で開かれたイベントの主催者に「写真を展示しないか」と打診され快諾。初のイベント出展にあわせ、ネットギャラリーも開設した。

違う輝きに気づいた

 アレンさんは旧ソ連時代のサンクトペテルブルク近郊の出身。幼い頃、父が旅行先から持ち帰った日本の雑誌に魅了され、15歳の時に父と初来日した。新潟と京都を訪れ、「歴史、文化、食べ物、街の人たちの優しさ。いっぺんで日本のとりこになった」という。

 独学で日本語を学び、2000年に北海道の大学に留学。修士課程を修了後、東京都の会社に就職して日本人女性と結婚し、2011年から宮前区に暮らす。千葉や東京でも暮らしたが、「自然が多く人も温かい。この町が一番」という。

 学生時代から趣味だった写真に本格的に打ち込み始めたのは、コロナ禍の2021年だった。息詰まる日々の中、気分を変えるため、お気に入りスポットの東高根森林公園にカメラを手に通い始めた。するとこれまで気づかなかった風景に「出合える」感覚があったという。「普通に歩いても素敵な街だけれど、ファインダーを通すと、違う輝きに気づく。その一瞬が写真の面白さだと思う」

 日本での暮らしが四半世紀を超え、改めてこう感じているという。「もっともっと宮前の魅力を発見し、写真で伝えていきたい」

 

宮内中生が記者体験 商店街、消防署を訪問

 市立宮内中学校2年の齋藤亮さん、藤野柚花さん、宮ノ前幹太さんの3人が6月19日、職場体験のためタウンニュース社を訪れた。

 記事の書き方や仕事で何を大切にしているのかなどを学ぶために訪問したという3人。社内で1時間程度、タウンニュースの業務や紙面づくりについて説明を受けた後、社員に同行した。

 まずモトスミ・ブレーメン通り商店街の事務所を訪れ、川崎市商店街連合会の会長に就任した伊藤博氏の取材を見学し、自らも質問するなど記者の仕事を体験した。その後、区役所や中原消防署、川崎市看護協会を訪れ、情報交換や写真撮影の仕方を学んだ。

 職場体験を終えて宮ノ前さんは「記者の仕事は取材して終わりではなく、情報を届ける仕事だということを学んだ」と話した。藤野さんは「人とのつながりが大切だと感じた。誰かとつながるためには、どの仕事もコミュニケーション力が必要だと思った」と話し、齋藤さんは「相手としっかりと会話をすることで関係を深めているのが勉強になった。自分もコミュニケーション能力を高めていきたい」と意欲を見せた。

川崎市役所

社会的養護の現場 「人材確保に向け支援を」 福田市長が国に要請

 川崎市の福田紀彦市長は6月13日、指定都市市長会を代表し、児童福祉人材の確保に必要な支援についてこども家庭庁に要請した。川崎市として要請を続けてきたが、今回初めて、指定都市市長会の総意として要請した形だ。

 福田市長は三原じゅん子・内閣府特命担当大臣と面会し、児童養護施設の職員の処遇改善や、体制強化に向けた人材確保のための「配置基準」の見直しなどを盛り込んだ要請文を提出。「社会的養護の現場にも光をあてて頂きたい」と訴えた。三原大臣は「限られた財源の中で精いっぱい取り組んでいきたい」と回答した。

 親からの虐待などで家庭での養育が難しい子どもが暮らす児童養護施設では、夜勤や長期間労働が常態化している上に子どものケアが欠かせないなど、困難な業務が多い。にも関わらず給与水準が低いため、全国的にも人材確保が難しくなっており、市内でも、職員不足から子どもの受け入れを抑制せざるを得ない施設もあるという。

 加えて国が社会的養護の基本理念を里親などの「家庭養育優先」へと転換したことに伴い、児童養護施設にも家庭的な環境整備と、自立支援のためのショートステイや里親支援などの「多機能化」も求められるなど、施設職員の負荷が増す一方だ。

 こうしたことから川崎市では2022年度から、施設が職員のために宿舎を借り上げる際の補助金を支給している。その結果、23年度に宿舎を利用した職員は全体の約3割にあたるのべ1131人(実数約94人)に達し、補助金は約7千万円だった。

 一方、国は保育人材確保のために「宿舎借り上げ支援制度」を実施しているが、補助基準額の減額や補助期間の短縮など、制度が縮小されている。要請文にはこの点でも要望が盛り込まれた。

演奏する祭音のメンバー

和太鼓祭音 台湾の楽団と交流公演 7月6日 七夕まつり

 上平間在住の山本忠利さんが代表を務める和太鼓祭音が台湾の民族楽器の青少年楽団と交流公演を行う「七夕まつり」が7月6日(日)、川崎市国際交流センター(木月祗園町)で開催される。午後1時30分から5時。申込み不要で入場無料。

 日本の伝統芸能や台湾民族楽器の体験、宜蘭(イーラン)青少年國樂團の演奏、和太鼓祭音の演奏(合同演奏を含む)などが楽しめる。山本さんは「日本の伝統的な楽器である太鼓に触れ、台湾の民族楽器を知ってもらえるきっかけになれたらうれしい」と来場を呼び掛ける。問い合わせは山本さん【電話】090・9677・2205。

アメフトに触れる「クォーターバックチャレンジ」

GO!GO!!フロンターレ

恒例の100m走グランプリ

 サッカーJ1・川崎フロンターレは7月21日(月・祝)午前10時〜午後4時、恒例の「真夏のDreamChampionship 2025〜かわさき100m走グランプリ〜」を開催する。場所は富士通スタジアム川崎。小雨決行。

 MCによる盛り上げを入れて、100mを楽しく走るのがテーマのイベント。当日は100m走グランプリをはじめ、フォームの練習などができるミニトレーニングアトラクション、キッズ障害物体験ブース、ペガーボール、アメフトのアトラクション「クォーターバックチャレンジ」など、多彩なプログラムを用意。運動経験の有無に関わらず、誰でも楽しめる。

 総監督を務めるのは、運動系バラエティー番組に多数出演歴のある、おねだり豊さん。各学年の優勝者には特製トロフィーが贈られる。

 参加費は川崎市内在住1200円(税込)、市外在住1500円(税込)。対象は年中・年長各25人、小学1〜6年生各25人。詳細は同スタジアム【電話】044・276・9133。

画像はいずれも川崎フロンターレ