茅ヶ崎・寒川版【7月18日(金)号】
佐藤市長(中央)にチーム発足を報告した主将のイシヅカさん(左)と龍口代表

3人制バスケ 茅ヶ崎拠点に新チーム 来年度プロリーグ参入へ

 茅ヶ崎を活動拠点とする3人制バスケットボール「3X3」(スリー・エックス・スリー)の新チームが発足した。現在、プロリーグへの加入手続きを進めており、順調にいけば来年5月からのシーズンに参入予定だ。関係者は「地域に貢献し、応援されるチームに」と意気込む。

 3X3はストリートスポーツとして世界的な人気を博しており、2021年の東京五輪で正式種目となった。5人制の半分のコートで開催できるほか「1試合10分間」「21点先取」など独自ルールがあり、攻守の切り替えの早さやスピーディーな展開が特徴だ。

 茅ヶ崎を拠点とする新チームの準備を進めているのが、茅ヶ崎FMのパーソナリティーも務める「令和応援団」代表の龍口健太郎さん。「子どもたちに夢を与えたい」と6月にチームを立ち上げ、現在は茅ヶ崎や湘南出身の選手を中心にトライアウトを行い、練習も重ねている。

 チーム名は「CHIGASAKI STARS」。選手、スタッフで話し合い「誰もが特別な存在で、スターになれる」というメッセージを込めたという。

 目指すのは全国36チームが加入するプロリーグ「3x3.EXE PREMIER」への参入だ。順調にいけば年末にも承認を受け、来年5〜10月に開催されるシーズンを戦う予定。

 6月27日には龍口さんらチーム関係者が茅ヶ崎市役所を訪問し、佐藤光市長にチーム発足を報告。茅ヶ崎出身でキャプテンに就任したイシヅカ・ニコ・ジョセフさんは「茅ヶ崎全体を熱くできるチームにしていきたい。また子どもたちがバスケをもっと楽しめる環境づくりなど、地域にも貢献できたら」と抱負を語った。

実証実験に使用される「Robo bus」(今年3月に茅ヶ崎中央公園で行われた運行実験での様子)

茅ヶ崎市 自動運転の実験実施へ 来年1月からの3週間

 茅ヶ崎市は来年1月、コミュニティバスにおける自動運転の実証実験を行うことを決めた。今後、運転手不足が深刻化すると見込まれるなか、路線を維持する手段となりうるかを検証することが目的だ。

 実証実験が行われるのは、「来年1月からの3週間」。茅ヶ崎市立病院から松風台を経てJR相模線香川駅へと至るルートを1日4往復する。

 地域経済の振興とともにメンテナンスの拠点が近いことなどから、車両は市内に製造工場を有するピクセルインテリジェンス社製の「Robo bus」を使用する。1回で乗客5人に加えオペレーター1人が同乗し、必要に応じて手動運転する「運転自動化レベル2」での運行となる。

 期間中の利用者(モニター)約400人は一般から募集するという。

 事業に必要な費用は約5000万円。市は6月に開催された市議会定例会に補正予算を提出し、可決された。4000万円は国の補助金を活用するという。今後入札が行われ、今月中にも運行事業者が決定する。

コミバスの維持狙う

 市は2002年から、「既存のバス路線が行き届かなかった地区への身近な交通手段の提供」を目的にコミュニティバスえぼし号の運行を開始した。現在は4路線6コースで運行されている。

 コロナ禍の20年度は利用者が約30万人にまで落ち込んだものの、昨年度は約42万人にまで回復。市は高齢化の進行やマイカー離れの傾向などもあり「当面はニーズが大きく落ち込むことはない」と見込む。

 一方で中長期的には、運転手不足が進むことは避けられない状況だ。そのため今回の実験を通して、交通量や渋滞の発生といった道路状況の課題やインフラ連携の必要性、アンケートなどを通じた利用者のニーズを検証する。

 市都市政策課では「自動運転の導入については方針を決定したわけではない。実験で課題を洗い出したうえで、利用者にどのように受け入れられるのかを検証し、コミュニティバスの運行維持の手段となりえるかについての検討材料としたい」と話している。

「寒川町梶原公顕彰会」の会長にこのほど就任した 増島 靖治さん 寒川町在住 87歳

景時公の魅力を広く発信

 ○…鎌倉時代、源頼朝の側近として活躍し、現在の寒川町一之宮に館を構えるなどゆかりの深い梶原景時。その功績を後世に伝えるため長年活動を続ける「寒川町梶原公顕彰会」の会長に就任した。会員46人の中で最高齢ながら、総会やイベントなど「もっと若い世代に来てもらえる会にしたい」と熱心に活動に励む。「会員は減少傾向にある。もっと増やすために会の魅力を伝えていけたら」とにこり。

 ○…東京で生まれた。5歳の頃、戦況が厳しくなり両親の実家がある静岡へと疎開。「直接的な被害を受けた経験はないけれど、自宅付近の工場に焼夷弾が落とされたことや、爆撃機が東京方面に向かう様子を今でも覚えている」と話す。戦争が終わり、父の仕事の関係で17歳で寒川町に移住。高校卒業を機に町役場に就職した。「下水道課の発足に携わったり、固定資産税課で町を学んだ。どれも良い思い出」と懐かしむ。

 ○…同会に入会したのは1997年。きっかけは職場の先輩の誘いだった。「特別興味があったというわけではなかった」というが、活動に参加するなかで景時の魅力にハマっていった。「とても頭のいい人だったと感じる。景時公がいたことで、今でも寒川町に注目が集まる。自分たちはその功績を伝え続けなくてはならない」と言葉に思いをこめる。

 ○…健康の秘訣は「体を動かすこと」。特に水泳が大好きで、時間がある時には、積極的に近隣施設に泳ぎに出かける。独学で学んだ書道も趣味の1つ。2003年から同町の書道連盟の会長を20年以上務めた経験もある。今でも依頼があれば制作に励むという。「実は町のいたるところに自分の作品が飾られているんだ」とうれしそうに話した。

「茅ヶ崎100年基金」設立へ 寄付募集がスタート

 茅ヶ崎とその周辺地域の次世代の可能性を継続的・長期的に支援することを目指す「茅ヶ崎100年基金」が設立されることになった。現在、ファンドレイジング(寄付集め活動)がスタートしている。

 これは、アメリカの「コミュニティ財団」(地域の社会課題を地域住民の資金で解決に取り組む仕組み)をモデルに、茅ヶ崎市民の有志が中心となって結成された(一社)茅ヶ崎100年基金が、(公財)日本フィランソロピック財団と連携し運営するもの。

 当面は設立資金1000万円、将来的には運用に必要な1億円を目標とし、集まった資金を運用することでその運用益も活用しながら次世代リーダーの育成、多様な体験の提供、シチズンシップの醸成、困難な環境にある子どもたちへの支援など、多岐にわたる事業への助成を目指すという。

 寄付の申し込み期間は来年3月31日まで、寄付受け入れは50万円以上、1万円単位。寄付者には税制優遇措置が適用されるという。基金の詳細については下の関連リンクから。
障害者も健常者も一緒に楽しんでいる参加型イベント

「知ること」が理解の第一歩 NPO法人が居場所づくり

 2023年に設立されたNPO法人「まるほ横丁」は障害児の居場所づくり、生活支援、就労支援を目的に茅ヶ崎市などで活動している。

 その活動の一環として実施しているのが月に一度の参加型イベント。障害者も健常者も誰もが楽しく過ごせる交流の場をつくるのが目的だ。

 イベントの内容はピザ作りや流しそうめん、しめ縄作りなど季節に応じて変わる。ピザ会では、役割分担しながら準備をし、用意された食材を使って世界にひとつ自分だけのオリジナルピザを作る。互いにおしゃべりをしながら食べたり、ピザを交換したりして食事を楽しむほか、食後は広々とした敷地でドッヂボールや鬼ごっこなどで遊ぶ。障害は知的・身体・病弱・発達障害などさまざまだが、参加者同士に壁はなく、食事や遊びを通じてそれぞれのペースでコミュニケーションを図り、楽しんでいる。毎回20人前後が集まるとともに、保護者同士の情報交換の場にもなっているという。

 同法人の理事で、特別支援学校教諭の松本将志さんは支援学校と小・中・高校の児童生徒間の交流が少ないとし、卒業後はすぐに福祉事務所への通所や就労することが多いため、課題を感じていた。そこで考えたのがイベントの企画だったという。松本さんは「一緒の時間を過ごして『じゃあ、またね』と帰っていく。互いのかかわり方を自然に学んでいる」とし、「今ではイベントを契機に多くの関係が生まれ、広がっている」と手ごたえを口にする。

 活動を通じ共生社会の実現をめざす松本さん。そのために必要なことは「知ることができる場をつくること」。「障害者にとって気持ちの良い社会は、健常者も同じ。互いに気持ち良く過ごせる社会づくりへ、まずは『知ること』から始め、実現できるよう皆で考えていければ」と話している。
公開レッスンスペシャルのポスター

公開レッスンスペシャル 乃羽バレエ 音楽とバレエの「響演」 8月2日 市民文化会館

 湘南の地で創立75周年の歴史を誇る「乃羽バレエスクール(乃羽ひとみ代表)」と、「乃羽バレエ団」による公開レッスンスペシャルが8月2日(土)、茅ヶ崎市民文化会館(茅ヶ崎市茅ヶ崎1の11の1)の大ホールで開催される。開演は午後6時、5時30分開場。8時終演予定。主催は乃羽バレエ団・乃羽バレエスクール、共催はルシュマン企画、湘南舞台芸術振興協会が後援。

世界で活躍のダンサーも

 今回の公演は同バレエスクールの出身で「公開レッスン」で育ち、世界で活躍しているプロのバレエダンサー、音楽家たち、そしてその仲間たちがステージを華やかに彩る。

 乃羽代表は「たくさんの仲間たちとともに、皆さまにお楽しみいただけるような舞台をお届けしたい。この機会にぜひ、ご覧いただければ」と話している。

 チケットは全席指定で、S席8000円、A席6000円、B席4000円。買い求めおよび問い合わせは乃羽バレエ団【電話】0467・82・1339。

萩園中野球部 「下剋上球児」茅ヶ崎地区制す

 茅ヶ崎市立萩園中学校野球部(顧問=大丸拓朗教諭・部員数35人)=写真=が7月6日に開催された茅ヶ崎地区中学校総合体育大会軟式野球競技の決勝戦で寒川町合同チームに勝利し、優勝した。同部3年生は入学当初、ほぼ全員が野球経験のない「初心者集団」だったが、基礎練習を中心とした地道な努力が実を結んだ。目前に迫った湘南大会に向けて練習に励んでいる。

 現在の3年生は17人。入学前年に行われたWBCでの日本代表チームの活躍に刺激を受け、入部した選手もいたという。

 2年生がいなかったため、3年が引退すると初心者ながら試合に出ることに。選手たちは「フライは捕れず投げれば暴投、アウトが一つも取れずに試合にならなかった」と振り返る。さらに、中学校のグラウンドが改修工事で使用できなかったため、小学校のグラウンドを借り、練習試合を組むなどしたという。

 顧問の大丸教諭が徹底させたのが基礎練習。さらにそれぞれが自主練に熱を入れた。「みんなが頑張っているから、自分もと思った」とキャプテンの刈込功太さん(3年)。保護者の1人は「部活以外や休日もボールに触れ、バットを振っていた」と話す。

 そうした中、転機となったのが昨年3月、鎌倉市立深沢中との練習試合だ。相手の押し出しでのサヨナラ勝ちだったが初の「1勝」を手にすると、徐々に勝利する試合が増えていった。

 今年も春季大会で地区大会準優勝するなどの快進撃を続け、高校野球を題材にしたドラマから「リアル下剋上球児」と呼ばれるようになった。

劇的サヨナラ勝ち

 今大会も1、2回戦を順当に勝利し、迎えた寒川町合同チームとの決勝戦。試合は初回に2点を先制したものの、3回に3点を返され、再び2点を返すシーソーゲームに。4対5で迎えた7回、刈込さんが出塁すると、「後ろが絶対つないでくれると信じていた」とノーサインながら盗塁を決めて得点圏に進んだ。大丸教諭が「チームに『絶対逆転する』という気持ちがみなぎっていた」という場面で、鈴木翔王さん(2年)の打球はライナーでスタンドに突き刺さるサヨナラホームラン。劇的な展開で優勝を決めた。

周囲も全力サポート

 快進撃を周囲も支えた。マネージャーの羽澤明菜さん(2年)は部員に手作りの名前入りお守りを贈り、決勝戦の応援席には保護者のほか、他の部の部員が大勢駆けつけ声援を送った。

 大丸顧問は「つまらない練習にも一生懸命取り組み成長し続けている。ひたむきな努力がかたちになった結果」と話す。

 20日(日)から始まる湘南大会でも目指すは優勝だ。刈込さんは「県大会まで進んで(大会会場がある横須賀の名物)海軍カレーをみんなで食べたい」と意気込んでいる。

笑顔で握手を交わす木村町長(左)と本多選手

湘南ベルマーレ・本多康太郎選手 寒川町長を表敬訪問

 寒川町出身で、サッカーJ1リーグ・湘南ベルマーレに所属する本多康太郎選手(19)が7月11日、木村俊雄寒川町長を表敬訪問した。

 同クラブでは、各市町の魅力発信や広報に協力することでホームタウンを盛り上げ、クラブや選手を身近に感じてもらおうと、各エリアに担当選手を割り当てている。今年度は本多選手が同町の担当であることから今回の訪問にいたった。

 小学6年生で同チームの下部組織に加入し、中学入学と同時に横浜市から同町へ移住してきた本多選手。寒川町立寒川東中学校から県立茅ケ崎北陵高校に進学し、今年同クラブのトップチームに昇格した。188cmの恵まれた身体を生かしたフィジカルの強さが特徴のディフェンダーとして、今年6月にU―20JFA/J―LEAGUEポストユースメンバーに選出され、香港遠征も経験するなどさらなる注目が集まっている選手だ。

母校の話で盛り上がる

 訪問当日は、木村町長の母校でもある同高校の思い出話に花が咲くなど、終始なごやかな雰囲気で行われた。木村町長は「町として全面的に応援したい。連携を密にして、一緒に町を盛り上げられたら」と話し、本多選手は「もっと自分が活躍することで、町のアピールにつながれば」と、担当選手として力強く語った。

インターハイ出場を決め、よろこびあう2人

再結成ペア 全国の舞台へ 鶴嶺高校 松田さん淵野さん

 県立鶴嶺高校ソフトテニス部の松田悠生(はるき)さんと淵野宙英(みちひで)さんの2年生ペアが、7月24日から山口県宇部市で開催されるインターハイに出場する。同部では12年ぶりの出場。

 5月の県予選で2人は、横浜創英高校ペアに4対1、相洋高校ペアに4対0で勝利し、県代表決定戦に駒を進めた。

 強豪・東海大相模高校の3年生ペアとの一戦では、1ゲーム目を先取したものの、その後2ゲームを取られ、最終ゲームにまでもつれこむ接戦となった。「メンタル的にもきつかった」(松田さん)というが、「とにかく勝ちたい気持ちだった」と粘りの試合運びで見事勝利。その後西湘高校ペアに3対4で敗れたものの、5位でインターハイ出場を決めた。

 同大会を前に、松田さんは「武器のサーブを生かし切りたい」と話し、渕野さんは「1戦1戦丁寧に勝ち進み、一つでも上の順位を狙いたい」と意気込んでいる。

約束果たし高校で再会

 2人は茅ヶ崎出口ジュニアソフトテニスクラブに所属していた小学生時代にも全国大会に出場した経験を持つ名コンビ。中学進学で別々の場所でプレーすることになったが、「高校生になったらまた絶対に一緒にペアを組もう」と約束していたという。

 再びペアを組み全国の舞台に臨む2人。「頭脳的なプレーでいつもカバーしてくれる」(松田さん)「長年組んでいるのでお互いのプレーがわかる」(淵野さん)と、強い絆とコンビネーションで勝利を目指す。

秋津社長(左)と鈴木署長

安全運転県内唯一の金賞 コスモ・ロジコムが受賞

 茅ケ崎警察署(鈴木健二署長)で7月9日、優秀安全運転事業所表彰の伝達式が行われ、コスモ・ロジコム(株)(秋津光則代表取締役/茅ヶ崎市赤羽根)が金賞を受賞した=写真。

 自動車安全運転センターが主催で、各事業所が申請した運転記録証明書を分析し、賞が授与される。今回は県内341事業所の中から、無事故無違反で県内唯一の金賞に選ばれた。

 ソーラーパネルやプレハブ住宅などの重量物を全国に配送する運送業の同社。始業点検時には整備管理者立会いの下、運行管理者が対面でドライバーの顔色も確認することで、酒気帯びだけでなく健康状態もチェック。ドライバーが毎月課題を抽出し対策している。

 秋津社長は「大変光栄で名誉なこと。ドライバーが『看板を背負っている』と自覚し、頑張ってくれているからこそ。今後も安心安全は当たり前に、荷主に喜んでもらえる仕事をしていきたい」と話した。

「茅ヶ崎を祭囃子の聞こえるまちに」と須田さん

「お囃子の楽しさ多くの人に」 茅ヶ崎祭囃子連合会会長 須田實さん

 茅ヶ崎市内14の祭囃子保存会が出演する「祝浜降祭 協賛祭囃子演奏会」が7月19日(土)と20日(日)、JR茅ケ崎駅北口のペデストリアンデッキで開催される=左表。主催する茅ヶ崎祭囃子連合会会長の須田實さん(75)は「お囃子の楽しさを多くの人に知ってほしい」と話す。

伝統復活の立役者

 「浜降祭というと神輿のイメージが強いけれど、太鼓やお囃子は担ぎ手の士気を上げる重要な役割を担っている」と須田さん。お囃子に触れることになったのは高校2年生の時。須田さんが住む菱沼地域では浜降祭に20年近く参加しておらず、祭囃子の伝統も途切れていたという。

 「よそからにぎやかなお囃子が聞こえてくるのがうらやましかった」と、顔見知りを頼って他の地域の「長老」から習うことになった。「昔からの伝統を受け継いできた方がお元気だったので、同級生や年齢の近い仲間にも声をかけて教わりに行っていた」

 楽譜や映像などはないため全て口伝。それでも徐々に曲数を増やしていった。

 須田さんらの動きもきっかけの一つとなり、菱沼八王子神社では1979年に浜降祭への参加が再開。須田さん自身は菱沼祭囃子保存会を立ち上げ、後進の育成にも力を注いできた。「小学生の時に通っていた女の子が母親になり、子どもたちを連れて参加してくれることも。続けてきてよかった」と笑顔を見せる。現在保存会では、祭り以外にもコミュニティセンターや高齢者施設でも演奏会を行っている。

 市内の祭囃子保存会による「連合会」が発足し会長になったのは2002年。「ほかの地域のお囃子を聞く機会は案外少ない。保存会同士が切磋琢磨してスキルアップする機会になればと思って」と振り返る。

 駅前での演奏会には毎年、浜降祭を待ちかねる多くの人が訪れ耳を傾ける。「演奏する人、聞く人が楽しみながら、伝統をつないでいけたら」と須田さんは話している。

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人生は神輿とともに 鶴嶺神輿愛好會会長 大川彰さん

 鶴嶺八幡社の鶴嶺神輿愛好會(鶴神會)の会長を務める大川彰さんは自他ともに認める生粋の「神輿好き」だ。

 「3歳から父親に連れられ、祭りに行くようになった」という大川さん。小学6年生になると身長が伸び、大人神輿を担ぐように。多くの祭りで神輿を担いでいると、そのうち顔なじみが増えていった。

 20歳になり、鶴神會に入会。住居は地区内ではなかったが、入会を認めてくれたという。「それからはもう鶴神會の皆と共に楽しく活動して神輿を担いで。神輿の回りに人が集まってくる。そうした環境、雰囲気がより大好きになった」と入会当時を振り返る。今でも神輿は担ぐが、伝統の継承を目的に後進の育成が中心になってきている。

 高校1年の長男の柚樹(ゆずき)さんも大の神輿好き。「『浜降祭の会場を見て来る』って、朝から友達と海に出掛けて行ったよ」と笑顔を見せる。「オレと同じで、神輿という趣味で仲間の輪が広がっているのかな」

 浜降祭も大好きだという大川さんだが、それだけに懸念も募らせる。それは近年の猛暑への対策や開催日程の在り方だ。開催日を3連休の最終日にすることによって担ぎ手が減ることや、また、猛暑による熱中症の恐れなどの点で「年を重ねてみて、本当に心配なる」と不安を口にする。

 それでも、「浜降祭は見に来てもらいたいし、ぜひ参加して神輿を担いで」と呼びかける。祭りの楽しさ、仲間のありがたさを神輿を通じて学んできた人生。その思いを多くの人に知ってほしいと願う。「まずは経験してみてほしいよね。そうすれば絶対にわかる」

高田・高田熊野神社

 真鍮鋳物でできた重量のある蕨手と台輪の四隅の波に千鳥の彫刻が特徴で、令和5年の修繕時に真鍮鋳物から欅に変更。昔、浜からも見えた高田の大松と八咫烏が前後に、左右には波に千鳥が刻まれている。台輪周りが欅の彫刻になっているのは高田だけ。浜のお立ちでは、松林地区九社で扇の形を作る。「見事な担ぎっぷりを見て欲しい」と浅岡肇総代。

柳島・柳島八幡宮

 神輿は空襲により焼失したが戦後に再建。9年前に大規模修復した。浜降祭で漁港の坂を下る様は鴇(とき)色の大群が押し寄せるかのように壮観。氏子のみで渡御しており、35歳の子供神輿役員から年を重ねるごとに様々な役を担い、48歳の年男が神輿渡御の責任者「丁頭(ちょうがしら)」を務める。学年ごと、先輩後輩の協力体制も整っており、地域内の交流は深く、結束は固い。

昨年行われた子ども神輿

東海岸商店会 皆で「どっこい」 子ども神輿参加者募集

 茅ヶ崎市の東海岸商店会では「子どもたちの浜降祭!」を掲げ、子ども神輿の参加者を募集している。

 浜降祭の7月21日(月・祝)、午前11時30分に茅ケ崎駅南口、雄三通り沿いのバス停「幸町」横の同商店会駐車場に集合。松尾建設までの約600メートルを、担いで練り歩く。

 時間は午後0時30分から1時30分までを予定しており、無料。希望者は直接来場を。雨天中止。小学生までの児童が対象で、低学年や幼児には保護者の同伴を。

 申し込み・問い合わせは同商店会の太田さん【電話】0467・40・5675へ。

中海岸・八大龍王神

 八大龍王は古くから海の安全、豊漁、そして雨乞いの神様として日本各地で親しまれてきた。神輿は1978年にそのご神名をもって建立。2022年の修復を経て、建立から50周年を迎える28年には記念イベントが予定されている。神輿保存會の山神良友会長は「地域住民が協力して担ぎ練り歩くことで一体感を高める役割を果たします」と話す。

昨年の北口ロータリー=茅ヶ崎市提供

各地に見所 交通規制に注意

 茅ヶ崎に夏の到来を告げる、暁の祭典「浜降祭」が海の日の7月21日(月・祝)、茅ヶ崎西浜海岸(茅ヶ崎漁港西側)で開催される。

 当日午前2時から3時頃には、本村八坂神社、十間坂第六天神社、新町嚴島神社の3基の神輿が茅ケ崎駅前北口ロータリーに集まり練り歩く。明かりをともし、掛け声が駅前で反響しながら練り歩く姿は圧巻。

 同日4時〜5時頃には、南湖中央交差点にも神輿が集まり、鉄砲道を練り歩く。鶴嶺地区4社、茅ヶ崎地区6社、南湖地区5社が神輿を担ぎながら日の出を迎える姿は、暁の祭典の醍醐味。

 西浜海岸には、午前4時過ぎ頃に一番神輿が入場する。7時から合同祭が開式され、8時から最初の神輿がお発ちし帰路につく。

 なお、浜降祭実施にともない周辺道路では交通規制が行われているので注意を。

(問)同実行委員会(寒川神社総務課内)【電話】0467・75・0004

矢畑・本社宮

 本社宮の神輿は1978年に製作され、2007年に一度修復された。市内最大級の鳳凰と上背が高いこと、胴体部分が素木づくりで十二支の彫刻が施されているのが特徴だ。浜降祭での神輿渡御は往路・復路とも自力渡御(一部で台車使用)を予定。神輿世話人会会長の山上洋介さんは「矢畑の氏子皆で力を合わせて渡御したい」と話している。

教諭の話に熱心に耳を傾ける保護者ら

茅ヶ崎市私立幼稚園協会 「幼稚園の魅力」PR 3回目のフェス開催

 「幼稚園てどんなところ?」をテーマに、茅ヶ崎市私立幼稚園協会(磯西真理子会長)は6月28日、茅ヶ崎市役所1階の市民ふれあいプラザで「ようちえんフェス」を開催した。

 会場では市内14の幼稚園・認定こども園の園長や教諭が、教育方針や特色を説明。幼稚園への入園を検討している0〜2歳児がいる保護者ら154組が来場し、熱心に耳を傾けた。

 2歳9カ月の女の子の父親(40)は「14園全てを知ることができる機会はないので参考になった。のびのびと遊ばせられる園を選びたい」とし、1歳半の女の子と訪れた30代の夫婦は「自宅に近い園のことが知れてよかった」と話した。

 磯西会長は「幼稚園で過ごす時間が、将来を担う子どもたちにとって大切なものになるように、各園が努力している。こうした機会に幼稚園のことをもっと知ってもらいたい」と話していた。

浜之郷・鶴嶺八幡社

 神輿は文化3(1806)年に製作され1995年に修復された。二重勾欄と呼ばれる、勾欄が2段ある珍しい屋台形式は特徴の一つ。浜降祭のお発ちでは「先駆神社」としての役目を担い、鶴嶺八幡社4社が一斉に行う宮立(出発)に注目だ。鶴嶺神輿愛好會会長の大川彰さんは「宮立ちから宮入まで担ぎっぱなしは鶴嶺だけ。そこも見てほしい」と呼びかける。

中島・日枝神社

 日枝神社の神輿は1872(明治5)年に製作され、最近では2014年に修復されている。神棚の階段がないため高過ぎず、担ぎ手たちにも「形やバランスが良い」と好評。手掘りの彫り物にもこだわりを見せる。日枝神社神輿保存会会長の伊藤稔さんは「祭りでは担ぐ際に鈴がきれいに鳴るように難しい練習を積んできた。そこに注目してほしい」と話す。

元気な声で接客に応じた大野さん(左)と前川さん=茅ヶ崎ビール

茅ヶ崎から世界へ、ビールでつなぐ地域経済 茅ヶ崎ビール 新入社員への期待

 「茅ヶ崎ビール」(茅ヶ崎市中海岸4の12986の153)でこのほど特別イベントが開かれ、特典となった割引サービスを求め、多くの人でにぎわった。その中で、新卒で入社した2人が料理やドリンクの提供などで活躍を見せた。

 前川早紀さん、大野将輝さんは今春入社した新卒社員だ。

 前川さんはビール醸造への思いが強く、また、同社が目指す、ビール醸造などを通じた地域経済循環について大学で海外の事例を学んでいたことから、同社を志望したという。

 一方、大野さんは入社早々に大手企業のトップバイヤーとの難関な商談を成功させるという目覚ましい成果を上げた。会社の業務を学ぶ第一歩としてプレゼンテーションの資料づくりに注力していた大野さんはその知識とスキルを生かし、新入社員研修の一環として、取引先のトップバイヤーへの自社プレゼンテーションを任された。入念に準備された資料と、会社の代表として堂々と臨む姿勢がバイヤーの心をつかんだといい、それが今回の新規商談獲得という好結果につながったとされる。

 このように、「早く仕事を覚えたい」と意気込んでいる2人だが、イベントで接客やサービスを行うのは今回が初めてだった。

 2人は客からの注文を受けるとドリンクやフードを配ったり、客の質問に答えるなどして接客に応じた。初めは緊張した面持ちだったが、徐々に慣れてくると客からの声に笑顔でこたえ、現場での初仕事を終えた。「多くのお客さまと触れ合うことでとても勉強になる。これからも期待にこたえられるように頑張りたい」と前川さん。大野さんは「お客さまにおいしかった、頑張ってと言われうれしかった。もっと自分で考えて行動できるようになりたい」と抱負を話した。

 同店の代表兼総合プロデューサーを務める岩瀬望美さんは「2人に担っていただくのは、当社の要であるビール造りです。茅ヶ崎の地で培われるその一杯が、単なる飲み物ではなく、地域経済を循環させる原動力となることを期待しています。茅ヶ崎から日本、そして世界へと、私たちのビールを通じて地域経済の活性化をけん引する先駆者となってくれることを心から願っています」と期待を込めた。

介護や認知症のこと気軽に相談を 28日 幸町で

 認知症について正しく学び、安心して語ることができる交流拠点「幸町オレンジカフェ」が7月28日(月)、湘南恩寵教会(茅ヶ崎市東海岸北2の3の38)で開催される。午後1時から3時まで。

 オレンジカフェとは、認知症の当事者や家族、地域住民、医療・福祉の専門家らが集まり、情報交換や相談できる全国的な取り組み。今回は、茅ヶ崎市成年後見支援センターによる成年後見制度のミニ講座や9月には、Duo城戸崎の鍵盤とフルートによる癒しの音楽ライブもある。主催する幸町オレンジカフェの会・平野みぎわ代表は「気軽に相談いただけるので、ぜひお立ち寄りください」と呼び掛けている。出入り自由で参加費300円(カフェ代含む)。

 問い合わせは同会(メール)saiwai.orange@gmail.comへ。

省エネに挑戦 コンテスト開催中

 茅ヶ崎市では、夏の省エネコンテストを開催している。

 1年の中で電気使用量が増加する「夏」の省エネとして、7月から9月にかけて、前年同時期と電気使用量の削減を目指す。

 参加方法は、ちがさきエコネット(https://chigasaki-econet.jp/hp/)に登録し、環境家計簿に取り組み期間と前年同時期の電気使用量を入力することでエントリーされる。期間は10月31日までで、前年と比べ2カ月以上、電気使用量を削減できた人にはエコグッズがプレゼントされる。

 問い合わせは市環境政策課【電話】0467・81・7176へ。

神輿まつりの様子

浜降祭と町を盛り上げる さむかわ神輿まつり 7月21日

 「さむかわ神輿まつり」が7月21日(月・祝)午前9時から午後3時頃まで、寒川町役場中庭で開催される。

 今年で11回目を迎えるこの催しは、同日開催の「浜降祭」で禊を終えた町内の神輿が集まることで、子どもたちにも祭りを体感してもらおうというもの。浜から帰ってきた町内の神輿が集まる御旅所祭(午前11時10分頃から)を予定している(同町商工会会場)。

 当日はミニ縁日、段ボールで作られた本物そっくりの神輿担ぎ体験(午前9時から11時)、キッチンカーのほかステージイベント(正午から午後2時30分)などが楽しめる。

 同まつり実行委員会では「町の神輿、祭り文化を次世代に継承していきたい」としている。

(問)同実行委員会(町観光協会)【電話】0467・75・9051

野球と転倒予防題材に 8月13日 勤労市民会館で2講座

 茅ヶ崎市勤労市民会館(茅ヶ崎市新栄町13の32)は8月13日に2講座を開催する。

 午後1時50分から15時は「中高齢者のための転倒予防!リズムトレーニング体験講座」。「楽しく動いて、転ばない体をつくる」をテーマに、専門家が転ばない方法や体の鍛え方についてアドバイスする。担当者は「年齢に負けず、いつまでも元気に歩くために必要なリズムで楽しく鍛えましょう。安心の第一歩を」と話す。転倒予防のために体を動かしたい40歳以上の人が対象。

 午後3時50分から5時は「野球が上手くなるためのスポーツリズムトレーニング体験講座」。野球に取り組む小学生の運動能力の質を高めるコツや、体の連動性やタイミング感覚について指導し、ケガの予防につなげていく。対象は野球がうまくなりたい小学生。

 いずれの講座も汗拭きタオル、運動靴、飲み物を持参し、動きやすい服装で来場を。

 詳細は同館【電話】0467・88・1331。