戻る

茅ヶ崎・寒川 スポーツ

公開日:2025.07.18

萩園中野球部
「下剋上球児」茅ヶ崎地区制す

 茅ヶ崎市立萩園中学校野球部(顧問=大丸拓朗教諭・部員数35人)=写真=が7月6日に開催された茅ヶ崎地区中学校総合体育大会軟式野球競技の決勝戦で寒川町合同チームに勝利し、優勝した。同部3年生は入学当初、ほぼ全員が野球経験のない「初心者集団」だったが、基礎練習を中心とした地道な努力が実を結んだ。目前に迫った湘南大会に向けて練習に励んでいる。

 現在の3年生は17人。入学前年に行われたWBCでの日本代表チームの活躍に刺激を受け、入部した選手もいたという。

 2年生がいなかったため、3年が引退すると初心者ながら試合に出ることに。選手たちは「フライは捕れず投げれば暴投、アウトが一つも取れずに試合にならなかった」と振り返る。さらに、中学校のグラウンドが改修工事で使用できなかったため、小学校のグラウンドを借り、練習試合を組むなどしたという。

 顧問の大丸教諭が徹底させたのが基礎練習。さらにそれぞれが自主練に熱を入れた。「みんなが頑張っているから、自分もと思った」とキャプテンの刈込功太さん(3年)。保護者の1人は「部活以外や休日もボールに触れ、バットを振っていた」と話す。

 そうした中、転機となったのが昨年3月、鎌倉市立深沢中との練習試合だ。相手の押し出しでのサヨナラ勝ちだったが初の「1勝」を手にすると、徐々に勝利する試合が増えていった。

 今年も春季大会で地区大会準優勝するなどの快進撃を続け、高校野球を題材にしたドラマから「リアル下剋上球児」と呼ばれるようになった。

劇的サヨナラ勝ち

 今大会も1、2回戦を順当に勝利し、迎えた寒川町合同チームとの決勝戦。試合は初回に2点を先制したものの、3回に3点を返され、再び2点を返すシーソーゲームに。4対5で迎えた7回、刈込さんが出塁すると、「後ろが絶対つないでくれると信じていた」とノーサインながら盗塁を決めて得点圏に進んだ。大丸教諭が「チームに『絶対逆転する』という気持ちがみなぎっていた」という場面で、鈴木翔王さん(2年)の打球はライナーでスタンドに突き刺さるサヨナラホームラン。劇的な展開で優勝を決めた。

周囲も全力サポート

 快進撃を周囲も支えた。マネージャーの羽澤明菜さん(2年)は部員に手作りの名前入りお守りを贈り、決勝戦の応援席には保護者のほか、他の部の部員が大勢駆けつけ声援を送った。

 大丸顧問は「つまらない練習にも一生懸命取り組み成長し続けている。ひたむきな努力がかたちになった結果」と話す。

 20日(日)から始まる湘南大会でも目指すは優勝だ。刈込さんは「県大会まで進んで(大会会場がある横須賀の名物)海軍カレーをみんなで食べたい」と意気込んでいる。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

茅ヶ崎・寒川 ローカルニュースの新着記事

茅ヶ崎・寒川 ローカルニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS