戻る

茅ヶ崎・寒川 社会

公開日:2025.07.18

「知ること」が理解の第一歩
NPO法人が居場所づくり

  • 障害者も健常者も一緒に楽しんでいる参加型イベント

 2023年に設立されたNPO法人「まるほ横丁」は障害児の居場所づくり、生活支援、就労支援を目的に茅ヶ崎市などで活動している。

 その活動の一環として実施しているのが月に一度の参加型イベント。障害者も健常者も誰もが楽しく過ごせる交流の場をつくるのが目的だ。

 イベントの内容はピザ作りや流しそうめん、しめ縄作りなど季節に応じて変わる。ピザ会では、役割分担しながら準備をし、用意された食材を使って世界にひとつ自分だけのオリジナルピザを作る。互いにおしゃべりをしながら食べたり、ピザを交換したりして食事を楽しむほか、食後は広々とした敷地でドッヂボールや鬼ごっこなどで遊ぶ。障害は知的・身体・病弱・発達障害などさまざまだが、参加者同士に壁はなく、食事や遊びを通じてそれぞれのペースでコミュニケーションを図り、楽しんでいる。毎回20人前後が集まるとともに、保護者同士の情報交換の場にもなっているという。

 同法人の理事で、特別支援学校教諭の松本将志さんは支援学校と小・中・高校の児童生徒間の交流が少ないとし、卒業後はすぐに福祉事務所への通所や就労することが多いため、課題を感じていた。そこで考えたのがイベントの企画だったという。松本さんは「一緒の時間を過ごして『じゃあ、またね』と帰っていく。互いのかかわり方を自然に学んでいる」とし、「今ではイベントを契機に多くの関係が生まれ、広がっている」と手ごたえを口にする。

 活動を通じ共生社会の実現をめざす松本さん。そのために必要なことは「知ることができる場をつくること」。「障害者にとって気持ちの良い社会は、健常者も同じ。互いに気持ち良く過ごせる社会づくりへ、まずは『知ること』から始め、実現できるよう皆で考えていければ」と話している。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

茅ヶ崎・寒川 ローカルニュースの新着記事

茅ヶ崎・寒川 ローカルニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS