鎌倉版【9月19日(金)号】
入賞した10作品がデザインされたフレーム切手

エコール・ド・カマクラ 市民のアートを切手化 郵便局「興味持つきっかけに」

 アートイベントを多数手がける佐助カフェと、就労継続支援B型事業所「道工房」が中心となり今夏初開催されたアート企画「エコール・ド・カマクラ」の受賞作品10点がオリジナルのフレーム切手となり、9月10日に贈呈式が鎌倉郵便局で行われた。

 同企画では、国籍や年齢、経歴、実績、障害などを問わず「エコール・ド・カマクラ=カマクラ派」と称し、アーティストから作品を募集。東京藝術大学名誉教授らによる審査を経て10点が入賞作品に選ばれ、7月から8月にかけて作品展も初開催された。

 今回の切手化は、協賛企業の1つである鎌倉郵便局からの提案で実現。寄付金つきの年賀状があり、同局では毎年、地域の団体の支援に充ててきた。道工房を運営するNPO法人「道」(岩立実勇理事長)もその支援を受けてきた経緯があり、声がかかった。

 受賞作品10点のうち、制作者はプロのデザイナーが1人、残る9人は精神等の障害がある人だ。「すごい経歴の人、プロもいる中で、審査員の皆さんは『独自の発想』に惹かれたのでは。受賞した本人も家族もとても喜んでいる」と岩立理事長は語る。

 「市政数十周年や大きな祭りなどの切手はあるものの、市民の作品が採用されることは珍しい。身近な切手になることで、興味を持つきっかけになれば」と同局の池辺恭平局長。

 切手は、佐助カフェ(佐助2の18の15)と道ギャラリー(雪ノ下1の9の24小池ビル1階)で販売。(問)道工房【電話】0467・23・8772
インターハイ2連覇を達成した遠藤さん

鎌倉学園遠藤さん インターハイ2連覇 セーリング男子

 鎌倉学園高校3年の遠藤海之流(みのる)さんが、8月12日から16日にかけて和歌山県で行われた2025年度全国高校総体(インターハイ)ヨット競技大会のセーリング男子ILCA6で2連覇を達成した。

 同大会に1年生から連続で出場している遠藤さん。初出場で5位、2年生で優勝し、連覇がかかる今年は「気合が入っていた」と振り返る。

 会場となった和歌山セーリングセンター周辺の海域は、大会期間を通して穏やかなコンディションながら、刻々と変わる海流や風の強弱を的確に読む判断力と、それに対応する操船テクニックが求められる状況だったという。

 競技初日の第1レースを2位、第2レースは1位と順調なスタートを切り、2日目の第3レースと第4レースでは2位以下を100mから200mほど引き離して連続で1位を獲得した。

 3日目の第5レースも3位と安定した順位を記録していたが、第6レースがスタートのミスでフライングによる失格に。

 この時点で、2位の選手とは1点差。「最終レースは気が重かったけれど、悔いの無いよう自分の走りをすることを考えた」と遠藤さん。最終日の第7レースでは、1位は逃したものの、わずかな海面の動きと風が強まる周期を見逃さずゴール直前で1艇抜いて6位となった。

 この結果、総合成績では遠藤さんと2位の選手が同点となったが、全7レース中で1位を獲得した回数が1回多かった遠藤さんが優勝を勝ち取った。

 インターハイの前に行われたILCA6ユース世界選手権では、「思ったような走りができなかった」という遠藤さん。しかし、強豪選手から学んだ技術が、今回の優勝にもつながった。「連覇を達成できて、うれしい」と、満面の笑みをみせる。

 小学2年生からヨット競技を始めた遠藤さん。3年の夏を終え、高校生活もあとわずか。現在は大学受験に向け舵を切った。「大学に入っても競技を続けていきたい。中学生時代の同級生もヨットで活躍しているので、お互い切磋琢磨しながら強くなって勝負したい」

10月1日から開催される「詩をフェス」の発起人 千田(ちだ) 哲也さん 鎌倉市在住 56歳

自由な解釈で詩を感じて

 ○…鎌倉市内全域を会場に10月の1カ月間開催される詩のフェスティバル「KAMAKURA POETRY FESTIVAL 詩を(詩をフェス)」を発起した。自身にとって詩とは、「言葉にできないものを言葉で表現しようとするもの」。北海道の札幌で生まれ育ち、幼い頃から創作を愛し、小学3年の学芸会で脚本を手がけるなど、その才能は早くから開花。中学ではサッカーに打ち込み、生徒会長も務めるなど、文武両道な少年だった。

 ○…高校時代は、「なぜ生きるのか」という思春期の葛藤に苦しみ、学校に足が向かない時期も。心を表現する手段として演劇に傾倒し、映画部で8ミリフィルムを回し続けた。大学進学を機に上京し、演劇に没頭。卒業後は塾講師などを経て、頻繁に訪れていた鎌倉でカフェ開業の夢を抱く。友人の手伝いをきっかけに、小町通りで居抜き物件を見つけ、2002年に「カフェエチカ」をオープン。コンセプトを「こだわりのない店」と笑うが、それは誰もが自由に過ごせる場所を提供したいという表れだ。

 ○…カフェは、朗読会やミニシアターなどを通じて、文化の交流拠点にも。特にコロナ禍以降、若い世代を含む多くの人が「生の言葉」を求めていると強く感じ、「今こそチャンスだ」と、詩のフェスティバル開催を決意。文学好きの友人や雑誌編集者といった仲間たちに恵まれ、思いは現実になった。

 ○…「力を抜いて、ゆるやかに楽しんでほしい」。これが詩をフェスに込める最大の願い。「自然や全ての物事に詩は溶け込んでいる。それを自由な解釈で味わってほしい」とほほ笑む。約45店舗が参加し、夜のイベントも企画する。「詩をきっかけに人や街との出会いを再発見してもらえれば」

中村代表(右)と鎌倉インテルの四方健太郎代表(鎌倉インテル提供)

鎌倉小川軒 11月から屋号変更へ 鎌倉インテル公式戦で新ロゴなど披露

 ゴールドクレストスタジアム鎌倉で9月14日、鎌倉インターナショナルFC(鎌倉インテル)の公式戦が開催され、同試合のマッチデー協賛企業を務めた「レーズンウィッチ」で知られる鎌倉小川軒(中村友代表取締役社長)が、リブランディングセレモニーなどを実施した。

 鎌倉小川軒は、1988年に「代官山小川軒」から独立し、鎌倉市で創業。厳選された素材と伝統的な製法を守り、創業以来「より美味しいものを」という思いを込めて菓子作りに取り組んできた。今年11月から、屋号・ブランド名とも「鎌倉ウィッチ」へ変更すると発表された。

 セレモニーであいさつに立った中村代表は、鎌倉インテルの「地元を大事にする姿勢」や「子どもたちの将来への道筋を描く」という理念に共感し、今回のコラボレーションに至ったと話す。

 新ロゴが印刷された「スペシャルレーズンウィッチ」が配布されたほか、「コラボTシャツ」が当たる抽選会などが行われ、多くの来場者でにぎわった。

知事がフリースクール訪問 生徒や保護者と意見交換

 黒岩祐治神奈川県知事が9月10日、「フリースクールSeeds(伊藤裕也代表、鎌倉市小袋谷)」を訪問し、施設の見学や利用する子どもたち、保護者と意見交換を行った=写真。

 学習支援に加え、ゲームや調理企画など多様な活動を通じて、子どもたちが安心して成長できる居場所づくりを目指す同スクール。当日は、黒岩知事もゲームに加わり交流を深めた。

 意見交換では、「先生が一人一人の意見を尊重してくれるので話しやすい」「不登校児の親は孤立しがち。保護者のケアも必要」といった率直な声が聞かれた。

 黒岩知事は「これからも支援に引き続き取り組んでいく」と述べた。

全国大会で5位に入賞した昊空さん(左)と兄の燈和さん

高みを目指す村松兄弟 空手大会で好成績

 小坂小学校1年生の村松昊空(そら)さんが、8月21日から24日にかけて東京武道館で行われた第25回全日本少年少女空手道選手権大会に出場し、小学1年生男子組手の部で5位に入賞した。

 昊空さんは、今年5月に海老名市で行われた県予選で2位となり、初の全国への切符を掴んだ。

 1年生だけで全国から約200人が参加するという大規模な大会だけに「緊張した」というが、持ち味の蹴り技もあって6回戦まで勝ち上がり、5位に入賞した。大会結果を「うれしい。師範や仲間たちに感謝して、もっと頑張ります」と笑顔で振り返る。

 兄の影響で幼稚園の頃から空手を始めた昊空さん。誠明館鎌倉支部で週に4日ほど練習を重ねるほか、週末には大会や遠征練習もあるという。

 次なる目標は、11月に行われる関東少年少女空手道選手権大会。ここで上位6位に入賞すると、来年2月の全日本少年少女空手道選抜大会に出場が叶う。

 今年2月、昊空さんの兄の燈和(とわ)さん(3年生)が同選抜大会の組手競技で3位を獲得している。弟は兄の背中を追い、兄はより先に進み、兄弟でさらなる高みを目指す。

実証実験が行われた腰越ラッコ公園

鎌倉高校前駅 撮影区域など実証実験 観光客を誘導

 人気アニメ「スラムダンク」の聖地として観光地になっている江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅周辺で9月13日から16日にかけて、秩序維持のための実証実験が行われた。

 同駅周辺では、アニメの影響で観光客が増加。道路に人があふれ、ごみが散乱するなど地域住民を悩ませている。

 実証実験に向け、市では公園内の植栽を伐採し、ごみステーションを設置。期間中は、市職員が観光客に声をかけ、道路上での撮影をやめてもらい、隣接する腰越ラッコ公園の撮影エリアに誘導した。

 実験初日の13日は、時折雨の降る天候だったが次々と観光客が訪れ、多くの人が呼びかけに応じて撮影エリアから江ノ電や海を撮影していた。山梨県から訪れたという家族連れの男性は「一番撮影したかったところから撮れないのは残念だが、仕方がない部分もある」と話した。

 一方で、自由に撮影できないことに難色を示す観光客もおり、海外からの旅行者が多いことから、中国語や英語など呼びかける言語の多様性も求められた。また、実験の対応が終わった午後4時以降、路上での撮影する人の姿もあったという。地域の住民は「実証実験に動いてくれたことは感謝しているが、観光客の人数を制限しなければ解決にならないと思う」と話した。

千田さん(左)と編集者の志賀桂子さん

鎌倉を「詩」で彩る1カ月 10月1日から「詩をフェス」

 鎌倉市内全域で、「詩」を中心とした文化の祭典「KAMAKURA POETRY FESTIVAL 詩を(詩をフェス)」が、10月1日(水)から1カ月にわたり開催される。期間中は、市内の書店やカフェ、ギャラリーなど各所で、詩の古書市、トークイベント、朗読会、展示等「詩」にかかわるさまざまなイベントが行われる。

 発起人は、小町通りで「カフェ エチカ」を営む千田哲也さん(56・市内在住)=人物風土記で紹介=。もともと創作が好きで、数年前からカフェで朗読会や音楽会を行ってきた。「もっと生きた言葉を届けたい、詩を広めたい」と、旧知の雑誌編集者やラジオパーソナリティらとともに実行委員会を立ち上げ、市内全域を舞台に「詩をフェス」を企画した。

 千田さんは「どこに行っても詩に触れられる時間。力を抜いて楽しんで」と話している。

 場所やイベント内容など詳細は、公式ホームページ「詩をフェス」で確認を。

連載vol.2鎌倉の未来 紡ぐ視点 持続可能な医療体制を 鎌倉市医師会 山口 泰 会長

 鎌倉市のこれからのまちづくりについて、経済、観光、医療、スポーツ、学生など、さまざまな分野の団体にインタビューする連載企画。第2回は、(公社)鎌倉市医師会の山口泰会長=写真=に「医療」を軸に話を聞いた。

 明治25年から120年以上にわたって地域医療を支え続ける鎌倉市医師会。診療所から総合病院まで約230人の医師が所属し、鎌倉市の健診・検診事業や乳幼児健診といった日常の健康管理から、休日夜間急患診療所の運営や鎌倉訪問看護ステーションなどの介護医療サービス、災害時医療の対策など、活動は多岐にわたる。

 全国的に医療現場では人口の高齢化による影響は共通の課題で、鎌倉市も例外ではない。高齢者は転倒から骨折に至るケースも多く、足腰の不調から運動不足になり、さらに身体が衰える負のスパイラルになることも。山口会長は「骨粗しょう症の健診を導入した方が良い」と提案する。市では、がん検診や歯周病健診などを実施しているが、これらは自らの健康を意識するきっかけとなり、早期発見は治療の大きなアドバンテージとなる。「骨粗しょう症健診を導入している自治体は多くはないが、5年や10年の間隔でも良いから取り組むことで市民のためになる」と話す。

 また、今年6月には関係団体と連名で訪問介護・看護でのハラスメント対策についての陳情を鎌倉市議会に提出した。

 この陳情では、現場からの声をもとに、ハラスメントの現状や相談窓口の設置、被害を受けた従事者の支援、複数名訪問や緊急時連絡体制強化などを訴え、総員賛成で採択された。市では相談窓口の周知、事業者向けの研修会の拡充などを検討しており、「サービスを提供する側もされる側も、互いに尊重し合う意識が大切。医療や介護の担い手不足が拡大すると、サービスを継続できなくなる」とうなずく。

 近年の物価高騰による影響も、医療現場に重い負担となっている。「全国的に病院の約8割、診療所の約4割は赤字」と山口会長。人件費や光熱費、薬価などが上昇すれば一層厳しさは増す。「診療報酬が長く据え置かれている状況がある。物価上昇にあわせた対策の要望を今後も続けていきたい」と話す。

三島由紀夫と鎌倉 10月25日に講演会

 鎌倉生涯学習センターきらら鎌倉で10月25日(土)、講演会「生誕100年三島由紀夫のなかの鎌倉」が開催される。午後1時30分から3時。定員280人。参加無料。

 希望者は往復ハガキにイベント名、〒住所、氏名、電話番号を明記して〒248―0006鎌倉市小町1の10の5鎌倉生涯学習センターまで郵送。10月14日(火)必着。インターネット申込み可。

きらら鎌倉で教養講座 10月3日 申込受付中

 鎌倉生涯学習センター「きらら鎌倉」で10月3日(金)、「第4回元気鎌倉教養講座」が開催される。午後1時45分開会(1時開場)、4時閉会。200円(当日受付払い)。主催は同実行委員会(みらいふる鎌倉、市社会福祉協議会)。

 第1部は、「写真をめぐる鎌倉 秋・冬の名所」と題し、鎌倉在住の写真家・原田寛さんが講演を行う。

 第2部は、鎌倉チェンバーオーケストラによる室内楽演奏を開催。曲目は、バッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043」「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060」など。

 申し込みは、同実行委員会石井さん【メール】eimei.1413@docomo.ne.jpへ。

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芸能祭のポスター

花巻の神楽、建長寺で 大船渡・能登の支援企画

 「岩手郷土芸能祭in鎌倉」が10月25日(土)午後3時30分からと26日(日)午前10時から、建長寺龍王殿で開催される。

 ユネスコ無形文化遺産にも登録されている岩手県花巻市大迫町の「早池峰(はやちね)岳(たけ)神楽」を披露し、経費を除いた収益を大船渡や能登の被災地支援に充てている。会場では能登で被災した輪島塗漆器の販売や岩手物産展も行う。前売り券(3800円)は島森書店、たらば書房などのほか、ウェブサイト「伝統芸能ゆいの会」からも購入可能。(問)実行委員会【携帯電話】090・5495・6918

読者プレゼント

 鑑賞日を選べるチケットを読者2組4人にプレゼント。希望者はメールkamakura@townnews.co.jpまたは、〒251―0021藤沢市鵠沼神明5の13の19第3森谷ビル2階タウンニュース「神楽」係へ。9月30日(火)必着。

ファミサポ有償ボラ 3日間の支援会員講習会

 鎌倉市ファミリーサポートセンターは、有償ボランティアで子育て家庭を手助けする「支援会員」を募集している。

 10月7日(火)・15日(水)・23日(木)に、鎌倉市児童ホームで支援会員の無料登録講習会を実施。午前9時30分〜午後2時20分(15日のみ30分まで)。3日間で子どもの発達や食生活などについて学ぶ。対象は子ども好きな鎌倉市民。資格不問。

 活動例は、保育園・学童保育・習い事などの送迎、産前産後の家事支援、保護者外出時の保育など。登録後の活動や依頼会員とのマッチングなどはセンターがフォローする。謝礼金は1時間あたり平日午前7時〜午後7時が800円、土日祝などは900円。

デンマークから知る教育 ハリス記念鎌倉幼稚園

 ハリス記念鎌倉幼稚園(由比ガ浜2の2の33)で9月29日(月)、第13回ハリス教育セミナー「世界で一番幸せな国が実践する幼児教育とは」が開催される。午前9時15分から11時。参加無料。

 当日は、「世界で一番幸せな国」といわれるデンマークで行われている幼児教育の考え方や実践方法について講演で学ぶ。さらに、「遊びの重要性」をテーマに対談も行われる。会場は同園ホール。

 参加希望者は、同園Webサイト(https://harris.ed.jp/)または電話(【電話】0467・23・3207)で申し込みを。

大船で開催される湘南ペップトークフェスティバルのチラシ

湘南ペップトークフェス 10月18日 大船

 湘南ペップトークフェスティバルが10月18日(土)、はじまる学び場「どこがく」(大船1の11の20)で開催される。午後3時から5時。参加無料。申し込み先着20人。子連れ可。

 第1部(3時5分〜35分)は茂木正浩さんによる講演会「ペップトークとは」、第2部(3時35分〜4時10分)はおやのめぐみさん、米田明美さん、鈴木理恵さんによるトークセッション「専業主婦・シングルマザーの夢の叶え方」を開催。

(問)ピーティックス(https://peatix.com/event/4560169)へ。