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鎌倉 人物風土記

公開日:2025.09.19

10月1日から開催される「詩をフェス」の発起人
千田(ちだ) 哲也さん
鎌倉市在住 56歳

自由な解釈で詩を感じて

 ○…鎌倉市内全域を会場に10月の1カ月間開催される詩のフェスティバル「KAMAKURA POETRY FESTIVAL 詩を(詩をフェス)」を発起した。自身にとって詩とは、「言葉にできないものを言葉で表現しようとするもの」。北海道の札幌で生まれ育ち、幼い頃から創作を愛し、小学3年の学芸会で脚本を手がけるなど、その才能は早くから開花。中学ではサッカーに打ち込み、生徒会長も務めるなど、文武両道な少年だった。

 ○…高校時代は、「なぜ生きるのか」という思春期の葛藤に苦しみ、学校に足が向かない時期も。心を表現する手段として演劇に傾倒し、映画部で8ミリフィルムを回し続けた。大学進学を機に上京し、演劇に没頭。卒業後は塾講師などを経て、頻繁に訪れていた鎌倉でカフェ開業の夢を抱く。友人の手伝いをきっかけに、小町通りで居抜き物件を見つけ、2002年に「カフェエチカ」をオープン。コンセプトを「こだわりのない店」と笑うが、それは誰もが自由に過ごせる場所を提供したいという表れだ。

 ○…カフェは、朗読会やミニシアターなどを通じて、文化の交流拠点にも。特にコロナ禍以降、若い世代を含む多くの人が「生の言葉」を求めていると強く感じ、「今こそチャンスだ」と、詩のフェスティバル開催を決意。文学好きの友人や雑誌編集者といった仲間たちに恵まれ、思いは現実になった。

 ○…「力を抜いて、ゆるやかに楽しんでほしい」。これが詩をフェスに込める最大の願い。「自然や全ての物事に詩は溶け込んでいる。それを自由な解釈で味わってほしい」とほほ笑む。約45店舗が参加し、夜のイベントも企画する。「詩をきっかけに人や街との出会いを再発見してもらえれば」

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