小田原・箱根・湯河原・真鶴版【11月15日(土)号】

インフル流行拡大 小田原管内で注意報級

 小田原保健福祉事務所管内(小田原市、箱根町、真鶴町、湯河原町)の定点医療機関で報告されたインフルエンザ患者数が、10月27日から11月2日までの1週間で103人に上った。前週(10月20日〜26日)の36人から3倍近く増加し、定点当たりの患者報告数は20・60となり注意報レベルの流行が続いている(11月11日起稿)。

 県内では、10月20日から26日にインフルエンザの定点報告数が注意報基準の10・0を超えて11・88となり、昨シーズンより2カ月ほど早く流行が始まった。最新週(10月27日〜11月2日)には28・47に増加し、警報レベルの30・0に迫った。

 小田原保健福祉事務所管内の報告数は、10月13日から19日までに8人、20日から26日には36人に増加。最新週では103人、定点当たり20・60となり注意報レベル(10・0以上)を超えた。

 近隣では、厚木保健福祉事務所(厚木市、海老名市、座間市、愛川町、清川村)の最新週の定点報告数が47・46と県全体の28・47を大幅に上回った。平塚保健福祉事務所(平塚市、大磯町、二宮町)は25・00、秦野センター(秦野市、伊勢原市)は24・00だった。

小学校で学年閉鎖も

 インフルエンザの流行に伴い、小田原市内の小学校では学級閉鎖と学年閉鎖が発生している。

 市の発表によると、11月11日までに桜井、久野、芦子、足柄、豊川、報徳、下府中、三の丸、白山の9校で学級閉鎖となった。学年閉鎖も豊川(2年)、富士見(1年)、曽我(3年)、下府中(1年)の4校で発生。3町の学級閉鎖は無かった。

 小田原医師会によると、流行中のインフルエンザは「A香港型」が多く、前年流行した「Aソ連型」と異なるため昨年インフルエンザA型にかかった人でも抗体を持っていない可能性がある。「感染予防と拡大防止のため、こまめに手を洗い、咳やくしゃみなどの症状が出る時はマスクをするなどの咳エチケットを心がけてほしい」と呼び掛けている。

 1市3町では、65歳以上を対象に定期予防接種を行っている。自己負担額1700円で、期間は来年2月28日まで。氏名、住所、生年月日が分かる身分証を持参する。
試食会の様子(上)と提供メニューの一部

「ウツボ料理はいかが」 低利用魚活用でフェア

 小田原で漁獲される低利用魚の一つ「ウツボ」の魅力を伝える「おだわらウツボフェア」が、11月17日(月)から30日(日)まで小田原市内の飲食店で開催される。期間中は6店舗が特別メニューを提供する。

 主体は行政や水産関係者で構成された「小田原の魚ブランド化・消費拡大協議会」。低利用魚ブランド化・消費拡大事業の一環で、地魚の消費拡大などに取り組む「小田原地魚大作戦協議会」と市と民間事業者で設置した食で地域経済の活性化に取り組む「健やかな食のまち小田原推進協議会」と連携して行われる。

 事業の目的は低利用魚の付加価値を向上し、後継者不足等が懸念される刺網漁業の収益性向上と、飲食事業者と連携して消費拡大を図ること。魚種の選定は漁業者との意見交換の結果、コラーゲンが豊富で水産業界では「おいしい魚」と認知されているものの、調理の難易度の高さなどから一般に出回ることの少ないウツボに決めた。

 消費拡大のネックの一つになっているのは小骨の処理など加工の難しさ。水産仲卸業の(株)鮑屋が取り掛かり、飲食店での料理提供を可能にした。同社の秋山勇気さんは「他の魚とおろし方が異なり独自の技術が必要で、研究を重ねた」と振り返る。

 料理を提供するのは、小田原地魚大作戦協議会に所属するメンバーの飲食店6店舗。外部講師を招いた勉強会などを通し、それぞれがウツボの特徴を生かしたメニューを考案した。

 フェアに先立ち、11日には加藤憲一小田原市長らがメニューの一部を試食。加藤市長は「調理の仕方によって食感が変わりおいしい」と話した。

 小田原地魚大作戦協議会の田川修三会長は「まずはウツボのおいしさを知ってほしい。いろいろな方に食べていただき、フィードバックして今後につなげたい」とコメント。また「ウツボに限らず他の知られていない魚もこれから展開できれば」と期待を寄せた。

 参加店舗のメニューは以下の通り(順不同・数量に達し次第終了)。▽海鮮茶屋魚國/小田原うつぼと秋の味覚天丼▽彩酒亭洞/小田原ウツボのカルパッチョ▽地魚回転すし小田原港/ウツボ2種食べ比べ ウツボのたたき軍艦、ウツボの西京焼き握り▽さじるし食堂/ウツボの魚醤塩から揚げ▽かしわ水産/ウツボのミックスフライ定食ウツボのスープ付き▽めし家やまや/葱ウ鍋

著書『遠い国』が第28回日本自費出版文化賞で入選を果たした 染谷 光夫さん 山北町岸在住 83歳

読書と執筆、変わらぬ日々

 ○…優れた自費出版作品の発掘を目的とする「日本自費出版文化賞」に応募し、小説部門215点から入選を果たした。「大賞を目指していたので残念だが、入選できてほっとしている」と笑顔を見せる。受賞作品は3年前に出版した著書『遠い国』。日清戦争前期の朝鮮を舞台にした物語で、資料収集から執筆までに要した期間は30年以上。関係する文献300冊以上を読み込んで練り上げた610ページの大作だ。「時間はかかったけど書き上げることができて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 ○…小説を書き始めたのは高校1年の時。太平洋戦争下の日本軍の軍隊生活を描いた小説『真空地帯』に出会い、読書が趣味に。同時に「小説家というこんな面白い仕事があるのかと知り、自分でも書いてみようと思った」。片道20分の通学電車の中では本を読み、帰宅後は2時間、オリジナルの小説を書くのが日課になった。

 ○…東京都出身。結婚を機に30代後半で山北町に移り住んだ。段ボール製品を製造する会社を48歳で退職し、新たな仕事として始めたのは古本屋。「ずっとやってきたのは本を読んで集めること。自分にできるのはこの仕事しかないと思った」。経営していた当時は市場に出回らない一冊を求めて東北から関西、九州へと仕入れに足を運ぶ日々。「見たことない本ばかりで、本当に楽しかったですね」と懐かしむ。

 ○…ここ数年は実際に起きた事件に関するノンフィクションの本を2年間で100冊以上読み込んだ。小説は戦前と戦後の日本を題材に、毎朝一息ついてから7時間ペンを走らせる。「他の趣味とかはなくて、興味があるのは本と書くことだけ。ずっと同じことを続けてきましたね」
会議冒頭であいさつする加藤市長

小田原市 不祥事根絶へ職員組織 2チームで対応策検討

 小田原市は、職員の逮捕や事務手続きのミスなど相次ぐ不祥事への対応策として、職員らでつくる組織風土改革に向けた庁内組織を設置した。行政運営の抜本的な改革に向け、職員の意識改革と事務ミス対策について検討する。

 市職員コンプライアンス推進委員会の調査検討部会として位置づけ、安藤圭太副市長がリーダー、企画部と総務部の副部長がサブリーダーを務める。メンバーは公募により、主事補から副課長級までの職員16人(男性13人、女性3人)が選ばれた。

 組織は「意識改革検討チーム」と「事務ミス対策検討チーム」の2つに分かれて対応を検討。意識改革検討チームは組織体制を含む根本的な改革策を、事務ミス対策検討チームは実効性のある再発防止策について議論する。いずれも市職員コンプライアンス推進アドバイザーなどの助言を受けながら進める。

 今月11日に1回目の会議が開かれ、加藤憲一市長は冒頭のあいさつで「我々の仕事は市民からの信頼がなければ成立しないが、今その信頼が極めて大きく揺らいでいるということを受け止めけなければならない」と語り、制度面や職員の技量、組織文化、働き方など、さまざまな観点から問題を洗い出して議論する必要があるとした。

 会議は全4回実施し、来年1月に提言書をまとめてコンプライアンス推進委員会に提出する。検討結果は新年度のコンプライアンス推進計画に反映させ、随時実施していくという。

 市ではこれまで、贈収賄事件に関わった職員の逮捕や市立病院建設に関する企業債借入金約37億円の請求漏れ、条例の改正漏れなどの不祥事が相次いでいた。

小田原市 「脱温暖化」インスタで発信 おだゼロアンバサダー任命

 小田原市は、インスタグラムへの投稿を通して地球温暖化の改善に向けた取り組みなどを発信する「おだゼロアンバサダー」を新たに任命した。

 おだゼロアンバサダーは、インスタグラムのフォロワーなどに対して「身近なゼロカーボンアクション」を周知し、行動変容を促す発信を行う役割を担う。おだわらゼロカーボン推進会議が2024年度から実施している。

 今年度は、五十嵐岳さん、おだハピ♪さん、岸はつみさん、菅田悠介さん、高島あずささん、Taku mamaさん、槇紗加さんの7人が任命された。ディスカッションで決めたテーマを基にインスタグラムに投稿し、アンバサダー同士で投稿を拡散していく。活動期間は約5カ月間。

 岸さんは、規格外の果物や野菜を加工したアイスクリームの販売などを手掛けており、「食料廃棄だけでなく環境影響への取り組みとして、おだゼロアンバサダーとして出来るアクションを発信していきたい」と話している。

 今年度任命されたアンバサダーのプロフィールやインスタグラムのアカウントは、市のホームページ(「おだゼロアンバサダー」で検索)で確認できる。

 問い合わせは市ゼロカーボン推進課【電話】0465・33・1426。
タイミーとの連携は県内5例目

小田原箱根商工会議所 タイミーと連携協定 スキマバイトから雇用も

 小田原箱根商工会議所と、空き時間での短時間アルバイト紹介アプリ「タイミー」を運営する(株)タイミー=本社・東京都港区=が先ごろ、包括連携協定を締結した。

 スポットワークやスキマバイトと呼ばれる数時間、単発の業務について、企業と働き手を結ぶ同アプリ。この仕組みを商議所が推進し、会員企業や地域の中小企業・小規模事業者が活用することで、人手不足の解消や経済活性につなげようというのが協定の目的だ。同社と県内経済団体の連携協定は横須賀、三浦、鎌倉、秦野に次いで5例目となる。

 商議所としては短期的には当面の働き手確保を進め、その人材からパートや正社員の雇用を生み出すなど、中長期的な効果も視野に入れる。協定書を交わした山本博文商議所専務理事は「お互いの連携からの効果に期待したい」と話している。
おたのしみ会の様子=主催者提供

集まって「おたのしみ会」 障害者施設利用者ら参加

 小田原市障害者地域事業所連絡会(市事連、古木映里会長)が10月31日、川東タウンセンターマロニエで「おたのしみ会」を開催した。

 市事連には現在、障害者の自立や就労をサポートしている8団体が登録し、職員の研修や情報交換などを行っている。

 毎年恒例のおたのしみ会には今回、施設利用者や職員など約130人が参加。ハロウィーンにちなみ魔女やカボチャなどに仮装した人もおり、出し物のひとつアコースティックバンド「わをん」のライブでは曲に合わせて笑顔で手拍子をしたり踊ったりする姿も見られた。

 古木会長は、「日頃は作業所で仕事をしている人もいて全部の団体が集まることは少ない。お互いを知る機会や楽しみを提供したい」と開催の趣旨を話した。

 また小田原ライオンズクラブ、小田原白梅ライオンズクラブ、小田原松風ライオンズクラブ、(株)鮑屋が協賛として菓子などを提供した。
建設が進む新トンネル

城山多古線で来春完成 小田原市 新トンネルの名称募る

 小田原市は、来年春に完成を予定している都市計画道路城山多古線の新トンネルの名称を募集している。

 城山多古線は、小田原市役所や市立病院などがある市中心部と北部方面などを結ぶ路線。名称を募るのは整備区間の丘陵地を貫く約230mのトンネルで、2023年に着工し、昨年6月に貫通した。全線供用後は、周辺道路の渋滞緩和などの効果が期待されている。

 名称の選定基準は、親しみがあり覚えやすいもので、地域のイメージに合ったもの。市内在住、在勤、在学者が対象で、応募期間は11月30日(日)まで。市ホームページにある応募用紙を市役所2階総合案内の応募箱に投函または郵送、ファクスで申し込む。ホームページの申し込みフォームからも応募できる。名称は来年3月に発表予定。

 問い合わせは国県事業推進課【電話】0465・33・1527。
時計塔の前でテープカットを行う須藤会長(左から2人目)ら

城北RC 50周年で時計塔寄贈 ポケットパークに設置

 創立50周年を迎えた小田原城北ロータリークラブ(須藤公司会長)は、記念事業として時計塔を小田原市に寄贈した。11月4日には設置場所の北條ポケットパークで除幕と寄贈式典が行われた。

 時計塔は高さ約5メートル、直径約70センチ。同RCでは50周年を機に、地域のために貢献したいとの思いから時計塔を寄贈したという。

 式典には加藤憲一市長と須藤会長、また小田原錦通り商店街のキャラクターで営業部長「ニッキー」も登場しテープカットを行った。

 須藤会長は「50年間の地域からの支援に深く感謝申し上げる。時計塔が皆さんの暮らしに寄り添える存在になれば幸い」と述べた。加藤市長は「多くの市民や観光客が行き交う場所に設置していただきありがたい。今後、多くの人に見守られる存在になるだろう」と謝意を述べた。
コンサートのポスター

ハンドベルコンサート 11月24日 三の丸ホール

 ハンドベルアンサンブルの「ラベイユ」が、結成10年を記念したコンサートを11月24日(月)、小田原三の丸ホール大ホールで開催する。午後2時15分開場、3時開演。全席自由で入場無料。後援は小田原市、市教育委員会、真鶴町、町教育委員会。

 ハンドベル歴が20年以上となるメンバーが集結した「ラベイユ」。当日は『主よ人の望みの喜びよ』や『シルクロード』のほか、映画音楽などを演奏する予定。「旋律にハーモニーにリズムに、音を聴き合いながら心をひとつにして演奏します」と主催者。

 (問)千石さん【電話】0465・68・3806
市長賞に選ばれた山口さんの作品(市提供)

力作で「交通安全」呼び掛け ポスターコン入賞者決定

 小田原市と市交通安全対策協議会による「小田原市交通安全ポスターコンクール」の入賞者がこのほど決まった。

 交通安全の意識高揚に向けて1965年度から毎年実施している。今年度は小中学校合わせて190点の応募があり、各団体長賞5点、優秀賞8点、優良賞11点が決定。市長賞には、ちぎり絵の技法を使い自転車用ヘルメットの着用を呼び掛ける山口叶さん(久野小2年)の作品が選ばれた。

 各団体長賞の入賞者は、12月4日(木)に生涯学習センターけやきで開催される「小田原市交通安全総ぐるみ大会」で表彰される。入賞作品24点は、同日から12日(金)まで市庁舎2階市民ロビーに展示するほか、市などが行う交通安全啓発活動に活用。市長賞作品はポスターとして市施設などに掲示する。

 他の各団体長賞作品の受賞者は以下。敬称略。

 ▽小田原警察署長賞/廣川智一(大窪小3年)▽小田原安全運転管理者会長賞/菱木一磨(三の丸小1年)▽小田原管内青少年交通安全連絡協議会長賞/古矢彩夏(国府津小6年)▽小田原市教育委員会教育長賞/宮川旺大(豊川小1年)
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左から大川氏、岡会長、加藤市長、安藤氏

新体制で活動まい進 小田原市倫理法人会

 小田原市倫理法人会は、9月に岡みゆき氏が女性初の新会長に就任した。また、新設の「おもてなし委員会」の委員には安藤友江氏が就いた。同会の大川晋作氏は県倫理法人会の副会長に選出。同会から県の役員が選出されるのは10年以上ぶりという。

 3氏は10月22日に小田原市役所で加藤憲一市長と面会し、新体制の報告と活動の抱負を語った。

 同会は小田原市や周辺の経営者らで組織され、モーニングセミナーなどを通して倫理を学び生活や会社経営の場で実践している。県内の倫理法人会で最も歴史が古く、約90人の会員が所属。女性会員は20人ほどいるという。
宣誓する代表生徒(中央)

おだわら看護専門学校 看護師への決意語る NPO法人から寄贈も

 おだわら看護専門学校(横田俊一郎学校長、小田原市久野)がこのほど、学生が看護師を志す自覚を促し、決意を新たにする場である「決意の日」を執り行った。

 第32回となった今回は、1年生62人が参加。学生たちはこれまで勉学に励み、実習や実技を通して理想の看護師としての姿を具体的に考え、この日を迎えた。

 当日は保護者や実習先の指導者が見守る中、代表生徒は「技術を確実に身に付け、人の命に誠実で、苦しむ人を救えるようになる」と力強く述べ、看護師の使命と責任を改めて心に誓った。

 式典の後には、NPO法人TGP(東尾理子代表)から災害用レディースキットの贈呈式が行われた。東尾代表は学生に寄贈品を手渡し、「皆さんが夢や目標をかなえて、みんなを笑顔にできるように」と、看護師を目指す学生たちに温かいエールを送った。

作家・川崎長太郎の魅力 戌井昭人さんら招き講演

 小田原を代表する小説家・川崎長太郎(1901-1985)の没後40年を記念した講演会「芥川賞落選作家だからこそ分かる川崎長太郎」が、11月23日(日)に報徳博物館(小田原市南町1の5の72)で開かれる。小田原文学研究会主催。

 川崎は1935年に『余熱』で芥川賞の候補に挙がったものの、その後長い不遇の時代が続いた。晩年の1977年に菊池寛賞、81年に芸術選奨文部大臣賞を受賞するなど文学的な評価も高まった川崎の魅力を、5度の芥川賞候補になった戌井昭人さんと、川崎の研究を続ける齋藤秀昭さんによる対談でひも解く。戌井さんのサイン会もある。

 午後1時から4時30分。会費2千円(当日支払い)。定員先着100人。問い合わせ、申し込みは事務局の小泉さん【電話】090・5409・3071。
浄財を渡す加藤社長(中央左)

ユニバーサル技研が寄付 小田原市社協に 17回目

 先端医療機器の製造などを手掛ける(株)ユニバーサル技研(加藤雅之社長/小田原市寿町)が10月29日、小田原市社会福祉協議会(木村秀昭会長)を訪問し、チャリティーゴルフコンペの収益金30万円を寄付した。

 同社は社会貢献の一環として2009年から寄付を継続しており、今回で17回目。寄付額は合計580万円となった。加藤社長は「ものづくりの業界は新たな時代に直面している最中だが、来年もまたお会いして寄付をしたい」と話し、木村会長は「今後も輪を広げていただければ」と感謝を述べた。寄付金は市社協ボランティアセンター寄託金として受納、地域福祉のために活用する。
イベントのチラシ

カフェわってらか 親子の居場所として1年 周年企画を実施

 子育て世代や地域の人が集まる居場所「カフェわってらか」(小田原市南町)が10月に1周年を迎えた。

 コロナ禍で移住者が増えていた中、「地域の人と知り合いたい」「親子の居場所が少ない」という子育て世代の思いから2021年に生まれた団体「わってらか」。昨年10月には「カフェわってらか」をオープンし、常設のカフェや雑貨販売のほか、放課後の子どもの遊び場、地域の製菓店や駄菓子屋の出張販売などを行っている。

 1周年を記念し、11月にはさまざまなイベントを開催。18日(火)には子ども主体の遊び場「こどもあそび」を開催。元幼稚園教諭とともに廃材で的あてなどを楽しむ。

 またクイック整体(19日(水))やドライフルーツの量り売り出張販売(21日(金))など、親世代向けの企画も用意している。

 そのほかイベントの詳細について問い合わせは、わってらかのインスタグラム「wa_terra_ka」。

香り芳醇 秋バラ見ごろ 小田原フラワーガーデンで

 小田原フラワーガーデン(小田原市久野)で11月24日(月)まで、「秋のローズフェスタ」が開かれている。

 同園には160品種360本のバラが植えられ、昨年のローズフェスタで実施した人気投票で上位になった茶色い花びらの「カフェラテ」、フジ色で香り豊かな「ブルームーン」、ラベンダー色が鮮やかな「シャルルドゥゴール」など、色彩豊かで芳醇に香るバラが来園者を楽しませている=写真。

 16日(日)は、園内で取れたバラの花びらを使った発泡入浴剤作り(参加費300円)などが行われる。開花状況やワークショップの詳細は同園【電話】0465・34・2814(月曜休園)。
防犯を呼び掛ける加藤市長

特殊詐欺に注意を 防犯団体、小田原駅で啓発

 県の条例により定められた「安全・安心まちづくり旬間」(10月11日〜20日)に合わせて小田原駅東西自由連絡通路で10月17日、小田原地方防犯協会が防犯キャンペーンを行った。

 この日は同協会会長の加藤憲一小田原市長や小田原警察署、市内郵便局、市役所の職員ら約40人が参加。加藤会長は「偽警察官による詐欺被害の防止に努めているが、ぜひ家族や職場、地域で声を掛け合える関係づくりへの協力をお願いしたい」と訴えた。

 駅では特殊詐欺を注意喚起するポケットティッシュ1千個が駅利用者らに配布された。
宮崎会長(中央)が目録を手渡した

保護司会が寄付 共同募金に

 小田原地区保護司会(宮崎彰典会長)が先ごろ、おだわら総合医療福祉会館を訪れ、神奈川県共同募金会小田原市支会(木村秀昭支会長)に8万9千円を寄付した。

 同会は2020年からこの活動を実施。コロナ下で赤い羽根共同募金の街頭活動が減ったことを機に、会員に呼び掛けて集まった浄財を同支会に届けている。今回で6回目で、累計金額は58万5057円。また子ども向けに塗り絵と折り紙各150部も贈った。

 宮崎会長は「真心から集まった募金を今年もお渡しできた」とコメント。浄財を受け取った木村支会長は「長い間寄付いただき、感謝している。浄財は広く活用できれば」と礼を述べた。

拉致問題を考える 映画「めぐみ」上映

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさんとその家族を描いた映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」が12月6日(土)、大井町生涯学習センターホール(大井町金子1995)で上映される。午後1時30分(1時開場)から3時30分まで。

 1977年、学校からの帰宅途中に姿を消しためぐみさん(当時13歳)を捜し続ける、両親の果てしない闘いの日々を描いている。

 観覧無料で申し込み先着200人。11月28日(金)締切。神奈川県ホームページのフォームほか、電話でも受け付けている。申し込み、問い合わせは県西地域県政総合センター県民課【電話】0465・32・8904。
笑顔で優勝の帽子投げを行う狩野エンゼルスの選手

秋空に球児の歓喜 さがみ信金 学童野球大会

 さがみ信用金庫主催の学童野球大会が11月1日から3日にかけ、小田原球場や酒匂川スポーツ広場で開催された。

 台風やコロナ下での中止を挟みながら、27回目となった同大会。最終日に小田原球場で決勝戦が行われ、狩野エンゼルスが足柄ホープを下し、優勝を飾った。表彰式では、さがみ信金の深瀬享常勤理事が「日々のたゆまぬ努力が感じられる素晴らしい試合だった」と両チームを称えた。

 今期の不調を吹き飛ばす快進撃を見せた狩野エンゼルス。奥津祐至(まさちか)キャプテン(南足柄市立向田小6年)は「勝てない試合も多く、このままでは終われないという思いがあった。絶対に勝つという気持ちで一致団結できたので、ほかの試合も気持ちを込めて挑みたい」と喜びを語った。
練習の様子(昨年)

小田原鳶職組合 「はしご乗り」募集 参加無料 見学、体験も

 小田原鳶職組合(磯崎保組合長)では、毎年1月に行われる小田原市消防出初式に向けて、はしご乗りの「乗り子」を募集している。

 伝統的に乗り子を務めてきた若手鳶職人の減少に伴い、同組合では6年前から一般にも門戸を開いている。

 対象は原則小田原市近郊在住・在勤・在学の高校生以上の男女(未成年者は保護者の同意が必要)。費用無料。

 練習は酒匂川防災ステーション(小田原市寿町5の22の32)敷地内で、11月25日(火)から12月23日(火)まで(日曜除く、雨天中止)、午後7時30分から9時ごろまで。高さ1mほどの練習用はしごで基本から指導する。

 副組合長の湯川吉寛さんは「見学や体験からでも歓迎です」と呼び掛けている。

 同組合が担う「小田原古式消防」(鳶職木遣(きやり)、纏(まとい)振り、階子(はしご)乗り)は、今年4月に小田原市無形民俗文化財に指定されている。

 問い合わせは湯川さん【電話】090・3209・3457。
金城瑞樹 院長

動脈硬化と骨粗しょう症を学ぶ 健康めばえ講座 マロニエで11月15日開催

 小田原市酒匂の杏林堂クリニック(金城瑞樹院長)が11月15日(土)午後2時から3時30分まで、申込不要の「健康めばえ講座」を川東タウンセンターマロニエ(市内中里、ダイナシティイースト隣)で開催する(来場無料)。

 第1部は「血管を若く保とう!動脈硬化の予防と対策」(金城院長)、第2部が「骨折を未然に防ごう!骨粗しょう症の予防と対策」(平田康英医師)の2部構成で、定員は80人。

 詳細など問い合わせは同クリニック【電話】0465・47・3101。

飯田岡駅に手作り看板 地元企業が高校生に活動の場

 伊豆箱根鉄道大雄山線の飯田岡駅ホームに11月7日、小田原城北工業高校の生徒が描いた小田原フラワーガーデンのイベントをPRする看板が設置された=写真。

 これは2020年にコロナ下で活動の場を失った高校生を地元企業が支援する目的で始まった地域連携活動で、今年で6年目。(株)デコリアと同ガーデン、同社大雄山線管理所の協力で行われている。制作メンバーを代表し、市村凰(こうや)さん(3年)は「子どもをターゲットにデザインした。クライアントの希望を聞いて制作する貴重な経験ができた」と話した。

インクルーシブ教育考える 12月20日ウメコで集会

 おだわら市民交流センターUMECOで12月20日(土)、西湘地区教育研究集会全大会が開かれる。午前の部10時から11時45分、午後の部1時30分から4時。

 武田緑さん(学校D&Iコンサルタント・Demo代表)が「だれにとっても安心できる学校」をテーマに講演するほか、インクルーシブ教育シンポジウム「居場所・多様な学びの場を考える」を実施。折り紙工作教室もある。

 専用フォームから申し込む。12月8日(月)締切。(問)0465・35・1771
ポスターを手にする実行委メンバー

平和の尊さ未来に紡ぐ 富士見小で有志らイベント

 戦後80年を機に平和の尊さを考える「ミライへいわフェスタ〜未来に紡ぐ平和の集い〜」が、11月23日(日)に富士見小学校体育館で開かれる。正午から4時。参加無料。

 有志による実行委員15人が中心となって今春から準備を進め、富士見・酒匂地区の自治会連合会や子ども会、鴨宮南部商工振興会など地域の団体も協力。多世代が楽しみながら参加できる企画を用意した。

 当日は小田原空襲に関する講演会や、小田原市の中学生沖縄派遣事業に参加した酒匂中学生の報告、平和紙芝居、戦時下の暮らしを追体験するすいとんの無料試食(中学生以下)などが行われるほか、エイサーや小田原出身のシンガーソングライター・kyaoさん、酒匂中学吹奏楽部などが演奏を披露。地元のスイーツ店や雑貨店、キッチンカーの販売、県西ドラムサークルや的当てゲーム等の体験もある。

 実行委員長の今屋健一さんは「戦争体験を伝える人が少なくなる中で、平和の大切さを皆が感じられる場になれば」と来場を呼び掛ける。
収穫祭には約30人が参加した

開成町でモリンガ収穫 地元企業ら賛同

 開成町を拠点に環境保護活動に取り組む非営利活動団体「セーブ・ザ・アースinかいせい」(井上拓美代表)が10月29日、同町牛島でモリンガの収穫祭を開催した。

 モリンガはインド原産の植物。井上代表によると、「二酸化炭素の吸収量が他の植物より多く、栄養素も高いことが特徴」という。

 今回、同団体は持続可能な環境活動として地元企業に呼び掛け、栽培プロジェクトを企画。耕作放棄地の活用と障害者の就労支援を掛け合わせた農福連携事業を推進する社会福祉法人一燈会から農地を借りて約200株を育てた。

 収穫祭には山神裕開成町長や国会議員、町議のほか、活動に賛同する一燈会、湘南電力(株)、日本新薬(株)、菱機工業(株)の関係者が参加。収穫体験や地元のフランス料理店によるモリンガを使用した料理の試食が行われた。

ススキとツリー、輝き競演 箱根ガラスの森美術館

 箱根ガラスの森美術館(箱根町仙石原)にクリスタルガラスのツリーがお目見えし、一足早くクリスマスムードを演出している=写真。

 庭園の池に設置された高さ約10m、幅約6mのツリーに、直径1・5cmほどのクリスタルガラス約15万粒が施されている。昨年までは2本のツリーが並んでいたが、今年は1本に装飾を集約し「よりきらびやかな輝きが楽しめます」と同館スタッフは話す。

 午後4時頃から閉館までライトアップされ、夕暮れに純白の輝くツリーが浮かび上がるような幻想的な光景が広がる。

 展示は来年1月12日(月)まで。11月24日(月)までは池周辺にクリスタルガラス製のススキも展示されている。
駅前の52店舗が特典を用意

スポーツ活用で駅前回遊 観客、参加者おもてなし企画

 小田原市で11月15日(土)と16日(日)に行われるスポーツイベントの観客、参加者を市内店舗がお得な特典で迎える企画が行われる。

 両日行われるのは、城山陸上競技場での「関東大学ラグビー秋季公式戦」、小田原城銅門広場がゴールとなる「城下町小田原ツーデーマーチ」。開催日の15、16日にラグビー観戦チケットかツーデーマーチのゼッケンを提示すると、小田原駅前の52店舗で「アルコール含むドリンク1杯サービス」、「会計10%オフ」、「ステーキ増量」などの特典が受けられる。

 今回のおもてなし企画は、スポーツによるまちづくりを掲げる小田原箱根商工会議所と、同商議所大博覧会実行委員会が主催。小田原駅周辺の商店やミナカ小田原などが参加する。

 参加店や特典が分かるリーフレットは各会場で配布される。

 イベント当日の問い合わせは同商議所【電話】090・2458・8285。
アロマミストを紹介するスタッフ

ワーケーションハウスU オフィスで小田原感じる アロマミストを開発

 小田原市根府川の旧片浦支所を利活用したワーケーション施設「Workcation House U」(運営/(株)文祥堂・東京都)をイメージしたアロマミストがこのほど発売された。

 同施設がオープンした2022年から、銀座に本社を構える文祥堂と(株)日本香堂が共同で構想を練り、開発した製品。施設に隣接する農業法人「植物と人間」が営む甘橘山で育てた黄金柑をベースにヒノキなどの香りを楽しめるミストで、両社によると「清涼感と落ち着きを両立したオリジナルブレンドで、豊かな自然環境を感じられる香り」という。

 文祥堂の事業戦略本部事業推進部の岸健二さんは、「地域の方をはじめ、複合的な連携が今回の取り組みにつながった。働く人の毎日にウェルビーイングが届けば」と話している。

 100ミリリットル・4950円。同施設とオンライン(https://uodawara.theshop.jp/)で販売している。
ドアのツインステッカー(提供)

大雄山線 「守山乳業」ドア窓上に 全車両に2年間掲出

 伊豆箱根鉄道大雄山線の全車両に、10月1日から守山乳業(株)の「ツインステッカー」が掲出されている。

 ツインステッカーとは、電車のドア窓上部に2枚1組で掲出されるステッカー広告。守山乳業との広告契約締結を受け掲示されたもので、大雄山線で1社による全枠ジャック(全7編成)は初の事例。契約期間は2027年9月30日まで。

 10月16日には大雄山駅でツインステッカーお披露目式が開催された。伊豆箱根鉄道(株)の新宅広樹取締役常務執行役員は、「守山乳業様は107年、大雄山線は100年を迎え、ともに長い間地域と歩んできた。今後も地域の発展へ取り組みを進めていけたら」とコメントした。
足半を使った作品を囲む竹内さん(中央右)らと、本小松石を使った作品(写真下)

箱根・強羅佳ら久 アートで地域の歴史触れて 足半、本小松石の作品展示

 箱根町のホテル「箱根・強羅佳ら久」の館内に、地域の産業やSDGsに光を当てたアート作品が展示されている。

 運営するオリックス・ホテルマネジメント(株)による持続可能な観光をテーマにしたプロジェクトの一環で、直営施設が地域の産業や工芸活動の過程で生まれる端材などを活用した作品を展示。佳ら久では伝統的な履き物「足半(あしなか)」と真鶴特産の「本小松石」を材料に、鉄彫刻家の竹内康雄さんが手掛けた作品を紹介している。

 足半を使った作品は、足半作家のエンゾ・早川さんが主催する箱根旧街道のウオーキングイベントで使われたものを再利用した。足半を敷き詰めた台座に、わらをよるようにねじった4つの鉄の輪を配置して「火水土風」を表現。中央には、竹内さんが暮らす広島県福山市の花であるバラの意匠をあしらった。

 真鶴町の(有)海野石材店から提供された本小松石を用いた作品は、ステンレスを加工したモミジやサクラなどの花を支えるように本小松石で土台を組み、ステンレスを溶接して固定。石と金属という異素材を巧みに組み合わせ、独自の世界観を生み出した。

 11月7日には、竹内さんとエンゾさん、エンゾさんの足半を店舗で販売する甘酒茶屋の山本聡さんが施設で面会した。竹内さんは今回初めて足半の存在を知ったといい、「どちらも使ったことのない素材だったが、いいものができたと思う」と笑顔。エンゾさんも「足半の歴史をしっかりと表現してくれている」と作品を眺めていた。

 作品は11月30日(日)まで展示されている。

クリニック併設 安心の住まい 15日・16日 試食付き見学会

 住宅型有料老人ホーム「ウィズリビングへいあんやはぎ」(小田原市矢作5の1)が11月15日(土)と16日(日)の2日間、試食付き見学会を開催する。事前予約制、各日午前10時〜午後3時。

 見学会では湘南ナンバーワンを獲得したシェフ監修の料理も試食可能。モデルルームを用意し、安心と安全に配慮した充実の設備やサービスを公開する。入居や介護の相談にも応じている。「ご来場の際は、マスク着用と手指の消毒にご協力を」と担当者。

 申し込み・詳細は【電話】0465・45・0382(担当/小林)

市シルバー人材センター 市内でボランティア清掃

 公益社団法人小田原市シルバー人材センターが10月30日、地域貢献活動の一環で同センターのある小田原市生きがいふれあいセンターいそしぎと市保健センター(市内酒匂)周辺でボランティア清掃を行った=写真。

 今回は会員と職員およそ60人が参加。約2時間をかけて敷地内の除草や樹木の剪定、ごみ拾いなどを行った。参加者は「お世話になっている場所を掃除できて良かった」と話していた。
中村消防団長(中央右)から受け取った感謝状を持つ相原社長

相原興業 消防団支援へグッズ寄贈 全団員に防災ボトル

 ガソリンスタンド経営や燃料販売などを手掛ける相原興業株式会社(相原孝光社長/小田原市扇町)が11月10日、小田原市の消防団員向けに防災備蓄ボトル1440個を寄贈した。

 同社が小田原・あしがら防火安全協会の理事を務めていることが縁で、地域防災の要となる消防団を支援しようと寄贈を決めた。10日に市消防本部で贈呈式があり、相原社長が中村和久市消防団長に目録を手渡した。

 相原社長は「災害時の初動対応においては消防団さんのお力添えが欠かせない。地震や台風などの災害が多い中、万が一の備えとして活用してほしい」とあいさつ。中村消防団長は「地域の安全安心を守るために日々活動する中、大きな支えになる」と感謝した。

 防災備蓄ボトルは、懐中電灯とホイッスル、防寒用のアルミシート、マスク、防災ブックがプラスチック製のボトルに入った防災グッズ。コンパクトなサイズで、自動車の収納部分やかばんなどに入れて携行できる。同社では6月にも小田原市に同様のボトル576個を寄贈している。

パラスポーツ理解深めて 小田原アリーナで体験会

 パラスポーツを体感し、楽しさと障害についての理解を深めようと11月29日(土)、小田原アリーナサブアリーナで「パラスポーツおだわら」が開催される。午前10時〜午後3時。市が主催、城下町スポーツクラブ協力。

 小田原市出身でパリ2024パラリンピックのゴールボール競技金メダリストの鳥居陽生選手との交流会や、「ハンドサイクル」などのパラスポーツ体験を実施。またボッチャ大会(3人制団体戦)も行われる。

 入場無料で事前申込は不要。詳細や問い合わせは市障がい福祉課【電話】0465・33・1468。
県内初出土の「鉄製羽釜」

小田原市文化財課 最新出土品を公開 市郷土文化館 12月14日まで

 小田原市郷土文化館で12月14日(日)まで「最新出土品展2025」が行われている。入館無料。小田原市教育委員会が主催。

 市文化財課が行っている発掘調査の最新の成果を、出土品やパネルを使用して紹介することを目的に毎年開催しているもの。縄文土器やかめ、江戸時代の碗など多様な遺物のほか、県内では初出土となる平安時代中期の「鉄製羽釜」が展示されている。

 また、今回は企画展「古墳時代前期の謎に挑む」も同時開催。「古墳がなぜ作られたのか」をテーマに、土器のほか銅鏡や炭化した米、鍛冶関連の遺物などから謎をひもとく。

 会期中の毎週土曜日には学芸員の展示解説を行っている。午前11時から(15日のみ11時30分から)、事前申し込みは不要。

 問い合わせは同課埋蔵文化財係【電話】0465・33・1715。

旧松本剛吉別邸で演奏会 11月15日と16日

 旧松本剛吉別邸(小田原市南町2の1の27)で11月15日(土)と16日(日)、「小さな秋の音楽会」が行われる。

 小田原市内を拠点に活動しているアーティストの演奏と、歴史的建造物の風情を楽しむ企画。主催は小田原の歴史的建造物を楽しむ会。参加無料。両日の演奏内容は以下の通り。

 ▽15日/午後1時〜1時40分、2時30分〜3時10分。神馬純江さん(ビオラ)、堀聡子さん(バイオリン)による弦楽器ユニット「Duo Holy」が出演。曲目は『旅愁』『アルハンブラ宮殿の思い出』ほか。

 ▽16日/1時30分〜2時15分。鈴木あさみさん(マリンバ)、中村幸子さん(電子ピアノ)が出演。曲目は『小さい秋みつけた』『荒城の月』『チャルダッシュ』ほか。

 当日参加可、座席は予約優先で各回10席前後。申し込み、問い合わせは【メール】shuppan.kobo.ki@gmail.com。

地域で作る交流の場 富水地区でフェスタ

 「富水地区まちづくりワイワイフェスタ」が先ごろ、小田原市立富水小学校で行われた。

 主催は富水地区まちづくり委員会。幅広い世代が交流する場として開かれている。12回目となった今年も同委員会の分科会の展示や自治会、青少年育成会らによるゲームコーナー、飲食ブース等を実施。小学生以下対象の「じゃんけんぽん大会」では子どもたちがステージ前に集まり、盛り上がりをみせた=写真。

ベルマガ通信(Jリーグ湘南ベルマーレ:戦評) 責任をとる文化なき降格決定後の快勝 11月8日J1第36節 ホーム湘南 5 – 2新潟

 リーグ戦で勝ち点3を取り切るのに、約半年の時間がかかった。5月11日の東京ヴェルディ戦以来となる20試合ぶりの勝ち点3は、5得点のホーム快勝。この試合を「長いシーズンの一試合」として切り取れば、大量得点での勝利に胸が躍る。

 しかし、J2降格が決まったチーム同士の一戦は、決して緊張感のある試合だったとは言い切れない。すべて結果論になるが、今季の湘南ベルマーレは「クラブとして残留のために手を尽くしきったのか」。湘南選手達のポテンシャルを示す形となった快勝を経て、その疑問が消えることはなかった。

 湘南以外の降格2チームは、シーズン途中で監督交代を決断。一方で2度の監督交代を決断し、降格圏から浮上したクラブもある。指揮官の交代が状況好転の全てではないが、それを機に残留を果たしたチームがある。今季は3選手がシーズン途中で海外移籍を果たしたが、海外移籍の前から勝利は遠く、勝利に必要な戦力だと判断していたなら引き止めることも責任者には必要。だからこそ思う、湘南に欠けているものは「責任をとる文化だ」と。

 2019年、湘南ベルマーレは監督による選手・スタッフへのパワーハラスメント行為が発覚し、Jリーグがその行為を事実と認定。監督退任を余儀なくされた。19年シーズン途中に浮嶋敏監督がスクランブルで指揮を執り、その後、当時コーチであった山口智監督に指揮官のバトンがわたる。山口監督就任からの約5年間、「上位5位以内を狙う」と公言していたが、一度も果たされることなくJ2降格決定後に今季限りでの監督退任の発表がされた。

 ファン・サポーターにプロスポーツクラブの内情すべてを示すことは必要がない。ただ、ファン・サポーターに隠していた行為があったクラブである。責任者が責任をとらないクラブだと、不信感を抱いている人も湘南地域にはいるだろう。パワーハラスメント行為による監督交代以降、明確な監督継続基準はクラブから示されず、そして公言は果たされず、監督継続の一手で突き進んだ。現場の体制を変えるタイミングも、責任者が責任をとるタイミングも、この5年間の中で確実にあったはずだ。

 責任をとる文化のないクラブのままでは、トップリーグ5位以内は夢物語で終わる。

 プロの責任者は「責任を負う」ことが仕事である。示したいビジョンがあるのならオープンに。隠蔽した未来で実を結ぶことはないと、このクラブの過去が教えてくれている。(ベルマガ記者 スポーツライターすぎさきともかず)