小田原・箱根・湯河原・真鶴 コラム
公開日:2025.11.14
ベルマガ通信(Jリーグ湘南ベルマーレ:戦評)
責任をとる文化なき降格決定後の快勝
11月8日J1第36節 ホーム湘南 5 – 2新潟
リーグ戦で勝ち点3を取り切るのに、約半年の時間がかかった。5月11日の東京ヴェルディ戦以来となる20試合ぶりの勝ち点3は、5得点のホーム快勝。この試合を「長いシーズンの一試合」として切り取れば、大量得点での勝利に胸が躍る。
しかし、J2降格が決まったチーム同士の一戦は、決して緊張感のある試合だったとは言い切れない。すべて結果論になるが、今季の湘南ベルマーレは「クラブとして残留のために手を尽くしきったのか」。湘南選手達のポテンシャルを示す形となった快勝を経て、その疑問が消えることはなかった。
湘南以外の降格2チームは、シーズン途中で監督交代を決断。一方で2度の監督交代を決断し、降格圏から浮上したクラブもある。指揮官の交代が状況好転の全てではないが、それを機に残留を果たしたチームがある。今季は3選手がシーズン途中で海外移籍を果たしたが、海外移籍の前から勝利は遠く、勝利に必要な戦力だと判断していたなら引き止めることも責任者には必要。だからこそ思う、湘南に欠けているものは「責任をとる文化だ」と。
2019年、湘南ベルマーレは監督による選手・スタッフへのパワーハラスメント行為が発覚し、Jリーグがその行為を事実と認定。監督退任を余儀なくされた。19年シーズン途中に浮嶋敏監督がスクランブルで指揮を執り、その後、当時コーチであった山口智監督に指揮官のバトンがわたる。山口監督就任からの約5年間、「上位5位以内を狙う」と公言していたが、一度も果たされることなくJ2降格決定後に今季限りでの監督退任の発表がされた。
ファン・サポーターにプロスポーツクラブの内情すべてを示すことは必要がない。ただ、ファン・サポーターに隠していた行為があったクラブである。責任者が責任をとらないクラブだと、不信感を抱いている人も湘南地域にはいるだろう。パワーハラスメント行為による監督交代以降、明確な監督継続基準はクラブから示されず、そして公言は果たされず、監督継続の一手で突き進んだ。現場の体制を変えるタイミングも、責任者が責任をとるタイミングも、この5年間の中で確実にあったはずだ。
責任をとる文化のないクラブのままでは、トップリーグ5位以内は夢物語で終わる。
プロの責任者は「責任を負う」ことが仕事である。示したいビジョンがあるのならオープンに。隠蔽した未来で実を結ぶことはないと、このクラブの過去が教えてくれている。(ベルマガ記者 スポーツライターすぎさきともかず)
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