鎌倉版【2月27日(金)号】
絹本著色 授戒 三聖図(写真は全て鎌倉市教育委員会提供)

【鎌倉市】2件を指定文化財に 所在地移転で解除も

 鎌倉市教育委員会は2月13日、鎌倉市指定文化財について、新たに「絹本著色(けんぽんちゃくしょく) 授戒(じゅかい) 三聖図(さいしょうず)(伝廬舎那仏像(でんるしゃなぶつぞう))」と「鎌府勝景(けんぷしょうけい)」を指定したと発表した。また、所在地の移転から「紙本墨書(しほんぼくしょ) 中巖圓月墨跡(ちゅうがんえんげつぼくせき)」の指定を解除した。これにより、鎌倉市内の市指定文化財は332件となった。  新たに指定された「絹本著色 授戒 三聖図」は、宝戒寺所有の絵画で制作年代は南北朝から室町時代とされる。  中央の蓮華座に坐す如来形の尊格と、下方に二人の高僧、上部に雲や礼盤に載った宝珠を描いている。同委員会の資料によると、「釈迦の着衣には截金が用いられるなど丁寧な描きぶりが見受けられる」とし、「中世の鎌倉地域と中央の天台宗寺院との関係性について新知見が見いだされることが期待される絵画」と評している。  もう1件の「鎌府勝景」は、江戸時代に製作された歴史資料。鎌倉市が所有し、市中央図書館に所蔵されている。  江戸幕府作事奉行組下の海老原利啓が鎌倉の社寺や名所、近郊などを描いた写生図で、約13mの長さの巻子装で計26紙が貼り継がれたもの。鶴岡八幡宮再建のために鎌倉を訪れた海老原氏が仕事の合間に1年をかけて鎌倉を描き、侍身分の人物の作品という点でも貴重だという。同委員会の資料では「鳥瞰的な視点を持ちつつも写実的に描かれ、当時の風景を微細に書き留めている。風景の中に人物を描いており、風俗画としての資料価値もある」としている。  また、これまで指定されていた「紙本墨書 中巖圓月墨跡」については、昨年7月に文化庁から県教育委員会に所有者である公益財団法人常盤山文庫の所在地が鎌倉市内から東京都に変更になったと通知があり、要件を満たさなくなったことから、解除となった。  新たな市指定文化財について同委員会では、「市民の皆様に見ていただけるよう、今後の公開も検討している」と話す。市内では市指定文化財のほか、国宝13件、国指定重要文化財等176件、県指定重要文化財等64件とあわせ、585件の指定文化財がある。
完成したレリーフと梅田住職

【鎌倉市】龍宝寺 平和刻むレリーフが完成 大船捕虜収容所の犠牲者悼む

 玉縄北条氏の菩提寺として知られる市内植木の龍宝寺(梅田良光住職・52)の境内に、戦時中、同寺の目前にあった「大船捕虜収容所」(=下記参照)で亡くなった連合国軍兵士6人を慰霊するレリーフが、昨年末に建立された。終戦から80年の節目を迎え、凄惨な歴史を記憶に留め、恩讐を超えて不戦と平和への願いを次世代へとつなぐ。  大船捕虜収容所は、海軍の尋問施設として、延べ500人以上の捕虜が収容された場所だ。終戦までの過酷な日々の中で、病気や怪我などもあり、アメリカ人とノルウェー人の兵士6人が帰らぬ人となった。  戦後、同寺の先代住職が塔婆を建てて以来、今も6人の位牌を掲げ、祈りを捧げ続けている。  以前から関係団体より慰霊碑建立の打診はあったものの、反対意見もあり断念。長らく懸案となっていたが、このほど檀家からの寄進を受け、戦後80年という節目に合わせた建立が実現した。 命の重みに境界なし  本堂に向かって左手、新井白石の碑の隣に設置されたレリーフの大きさは、高さ90cm、横幅105cm(台座除く)。石材の中央には、旧約聖書に由来し平和の象徴とされる「オリーブの枝をくわえた鳩」が彫られた。  図案や碑文の執筆をした梅田住職は、亡くなった兵士たちの信仰や背景を尊重し、西洋的なデザインを採用。かつての「敵」ではなく、同じ時代を戦った人間としての敬意を込めた。  同寺の境内には、1944(昭和19)年10月29日、神風特別攻撃隊・至誠隊の隊長としてフィリピン・マニラ沖に出撃し帰らぬ人となった、先々代住職、團野宗勝さんの5男・功雄さんが詠んだ句「いざさらば 吾が身散るとも我が心 堅く護らん皇孫の國」が刻まれた石碑がある。  梅田住職は「ここに大船捕虜収容所があり、6人が亡くなったという歴史の重みを感じてほしい。これらの碑が、改めて平和の大切さを考えるきっかけになれば」と、静かに思いを語った。

鎌倉十三仏詣実行委員長を務める 牧田 知江子さん 鎌倉市在住

鎌倉の魅力、次代に ○…春爛漫の季節に、神社や寺院が独自の特別参拝を企画する「梅かまくら寺社特別参拝」。15回目となる今年も、26の寺社で僧侶と巡る参拝や、非公開場所の見学などが行われている。主催する鎌倉十三仏詣実行委員会には立ち上げ当初から参加。「地元企業がスポンサーとしてイベントを支援する実行委員会方式で、地域と寺社が一体となっているのが大きな特徴」とうなづく。 ○…地元で95年続く井上蒲鉾店の一人娘として生まれ、鎌倉の移り変わりを見つめ続けてきた。静かに歴史を伝える古都から、今や国内外から多くの人が訪れる屈指の観光地となったが、「古くから残る寺社や、そこに参拝する人々の思い。それを大切に、次世代につなげていきたい」とほほ笑む。寺社があるから鎌倉に人が来て、地域の店が潤う。実行委員会として尽力することは、鎌倉に生まれ育った者としての恩返しでもある。 ○…由比ガ浜の店舗では、創業以来変わらぬ手作りの味を守り続けている。早朝に届いた新鮮な魚を自社ですり身にし、余計なものは加えない。鎌倉を彩る花に見立てた「梅花はんぺん」や、銭洗弁財天にちなんだ「小判揚」などの商品は初代のアイデア。「シンプルだけど現代でも通じるデザインで、日本の美意識にも通じる」と目を細める。一方で、近年の異常気象に危機感を募らせる。「漁獲量が不安定になる時代だからこそ、貴重な資源は大切にしたい」。幼い頃から「大好き」な蒲鉾の味も、次代に伝えたい宝物だ。 ○…早朝の「ランニングという名のウォーキング」が健康の秘訣。明けに染まりゆく海を眺めながら、澄んだ空気をめいっぱい体に吸い込む。「季節の移ろいを感じる」というこの時間も、残したい鎌倉の魅力だ。

法改正で業務規定が明確に 神奈川県行政書士会の本間会長が解説

 改正行政書士法が今年1月から施行された。行政書士の役割と業務規定が明確になるなど、県民や企業、団体に関わる変更があった。今回の法改正について、神奈川県行政書士会の本間潤子会長に話を聞いた。 ―業務範囲が厳格化されました。 「今までは補助金の申請など、『書類作成費は無料』『会費やコンサル料に含まれる』といった理屈で無資格の業者が業務を行ってしまうケースがありました。改正で『いかなる名目によるかを問わず』という文言が入り、無資格業務が行政書士法に違反されることが明記されました。法違反は社会的信用にも関わるため、大手企業を中心に多くの問い合わせをいただいています」 ―今回の改正で、行政書士の定義にも関わる第1条が変更されました。 「はい。『目的規定』から『使命規定』へと変更されました。これは単なる文言の修正ではありません。行政書士が他の士業と同様に、社会的な使命を帯びた専門家であることが示されたことを意味します」 ―行政手続きのオンライン化が進む中での対応は。 「職責規定として、デジタル社会への対応が新設されました。他の士業法も含め明文化されたのは、初めてです。行政手続きのオンライン化が進む中で、デジタル機器の操作が苦手な方が取り残されてしまう懸念があります。『誰一人取り残さない』デジタル社会の実現に向けて、市民の方々に寄り添いサポートしていきたいです」 ―特定行政書士の業務範囲が拡大することで、何が変わりますか。 「特定行政書士は所定の考査に合格した行政書士のみが得られる資格です。今回の改正で、『行政書士が作成することができる書類』であれば、不服申し立ての手続きに関与できるようになりました。つまり、県民の方がご自身で申請をして不許可になってしまっても、有資格者が途中から引き継ぎ、再審査の請求などのお手伝いができるようになったのです」 ―最後に県民へのメッセージを。 「今回の改正を受け、我々はより一層、襟を正して業務に取り組んでまいります。相続や遺言、許認可などで困った際は、身近な『街の法律家』である私たちを頼ってください。我々で対応できないことがあっても、士業連携によるワンストップサービスとして、他の専門家へつなぐネットワークも持っています。最初の相談窓口として、ぜひ活用していただければと思います」
活動内容を共有し、チラシ入りティッシュを配る関係者

【鎌倉市】違法「白タク」撲滅めざせ 国交省職員、タクシー事業者らが鎌倉市内で啓発活動

 自家用車で国の許可なく客を輸送し運賃を取る、いわゆる「白タク」の違法行為を無くそうと2月17日、JR鎌倉駅、若宮大路の段葛、鎌倉高校前駅の3カ所周辺で啓発活動が行われた。  参加したのは、国交省職員、鎌倉警察署員、県タクシー協会鎌倉支部の会員ら。観光客が押し寄せ問題となっている鎌倉高校前駅の踏切近くでは、関係者15人ほどが集まり、白タクの違法性や罰則などを英語・中国語・韓国語・日本語で記したチラシ入りのポケットティッシュを配布。用意した約360個を1時間ほどで配り終えた。  同協会鎌倉支部長の横山英夫さんは「白タクだと知らずに利用している外国人観光客も多い。違法行為というだけでなく、救急車などの緊急車両の通行を妨げたり、コンビニで長時間待機したりなど、地域への悪影響も出ている」と指摘。鎌倉警察署の大串治彦交通課長は「県外ナンバー、ミニバンなどの大型車、観光地で大人数が乗り降りするなど、疑わしい車両の傾向はある。職務質問や二種免許の有無、利用客への聞き取りなど、取り締まりを継続し、検挙につなげたい」と話す。 取り締まりで10件検挙  鎌倉署によると、神奈川県内で白タク行為の取り締まりを実施したのは、2024年から今年にかけ計18回。鎌倉市内の他、箱根や大黒ふ頭、大桟橋などの観光地で行われ、検挙に至ったのは10件という。大串課長は「白タク行為を注意した人が、その運転手に付きまとわれる事案も発生している。もし疑わしい行為を見かけたら警察に通報を」と話している。
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りそな銀行が小さな美術館に
りそな銀行が小さな美術館に
西鎌倉の作家・池田さん作品展
りそな銀行大船支店西鎌倉出張所(西鎌倉1の1の5、角田由佳所長)で、西鎌倉在住の作家・池田清明さんの作品10点を展示したロビー展が開催されている。日常にひそ... (続きを読む)
記者会見をする塩田氏(右)と湘南ベルマーレの大多和亮介社長

ライザップ ベルマーレから撤退 フジタなどに全株式譲渡

 RIZAPスポーツパートナーズは2月20日、保有するJ2湘南ベルマーレの全株式(50・002%)を譲渡すると発表した。2018年から経営参画し、責任企業としてクラブを支えてきたが、運営から撤退することになった。 譲渡先は、かつてのベルマーレの親会社であるフジタを代表とする地元企業を中心とした共同出資者で、アマダ、産業能率大学、日本端子、マッケンジーハウス、Authense Holdingsの全6社に分配される。これによりベルマーレは、特定の親会社を持たない「独立した市民クラブ」としての再出発を目指す。企業連合の支え必要 当日、会見を行ったRIZAPグループの塩田徹専務取締役は「ベルマーレは、地元スポンサーや出資者の皆さまと共に歩んでいく体制こそがあるべき姿。当社グループが主導し続けることへの難しさを感じていた。クラブの理念を深く理解するフジタ様の支えが再生への最短距離であると判断した」と撤退の理由を説明。 一方、フジタは「ベルマーレとの関係をより強固な形で発展させるため、株式を取得した。再びJ1の景色を取り戻すために、ともに戦う」とコメントした。 3月の臨時株主総会を経て、正式に新体制へと移行する。
鎌倉市内の寺社では梅が見頃(明王院・2月16日撮影)

梅見の頃に寺社特別参拝 3月29日まで

 本格的な春の訪れとともに、鎌倉市内も花の彩りが鮮やかだ。2月に入り見頃を迎えている梅は、多くの寺社で楽しむことができる。 十二所にある明王院では、紅白の梅が可憐に咲いて鎌倉の里山の景色と共演していた。同院によると開花のピークは過ぎたものの、3月まで楽しめるという。 また、同院も含めて鎌倉市内26の寺院と神社では、今年も2月14日から3月29日(日)まで「梅かまくら寺社特別参拝」を開催している。主催は鎌倉十三仏詣実行委員会(牧田知江子実行委員長=人物風土記で紹介)。 同企画は今年で15回目。僧侶と巡る参拝や、普段は非公開の場所の見学、座禅体験など、参加する寺社が独自に企画しており、牧田実行委員長は「同じ寺社でも年によって内容が異なるため、毎年参加していただくファンの方も多いです。普段とは違う魅力に触れていただけたら」と話す。 なお、参加には事前申し込みが必要な寺社がある。各寺社での開催日や時間、参加費、内容などの問い合わせや申し込みは実行委員会ホームページ(https://13butsu.net/index.html)または事務局【電話】0467・40・3044へ。※一部終了している寺社があります

鎌倉宮で生演奏 「どこでも音楽便」

 二階堂の鎌倉宮境内で3月1日(日)、「神奈川県民ホールがやってくる!どこでも音楽便」が開催される。時間は午後1時からと2時30分からの2回。鑑賞無料。  神奈川県民ホールが建て替えに向けて2025年4月から休館しているなか、休館中も優れた文化芸術を鑑賞する機会を提供するために企画されたもの。神奈川県ゆかりの音楽家が、車両と一体化したステージとともに県内を巡る。  鎌倉市では、市内出身で数々の国際コンクールで優勝や入賞する音楽家姉妹の小林美樹さん(バイオリン)と小林有沙さん(ピアノ)が出演。息のあった演奏で、春の境内を音楽で彩る。  鎌倉市のほかにも、同イベントは3月7日(土)に二宮町の東大果樹園跡地「みらいはらっぱ」で、3月15日(日)に大磯町の大磯港内広場でも開催される。  他会場の出演者や時間など、詳しくは神奈川県民ホールのホームページ(https://www.kanagawa-kenminhall.com/d/ongakubin)または同ホール事業課【電話】045・662・5901へ。

〈申込受付中〉3月23日はきらら鎌倉へ ライブや落語、映画上映会を開催

 鎌倉市生涯学習推進委員会25周年記念事業が3月23日(月)、鎌倉生涯学習センター(きらら鎌倉)ホールで開催される。  昼の部(午後1時から3時30分頃)は、鎌倉出身の歌手・日野美歌さんのミニライブと、三遊亭吉窓さんによる落語が披露される。  夜の部(午後5時から6時40分)は、黒木華さんや樹木希林さん、多部未華子さんらが出演する映画「日日是好日」を上映する。  ともに事前申し込み制。無料。  希望者は、インターネット(kirara-kamakura-city.jp/event/)、または往復はがき(1通1人)に催し名、住所、名前(ふりがな)、電話番号を明記し、〒248-0006鎌倉市小町1の10の5鎌倉生涯学習センターへ郵送。3月16日(月)必着。応募多数の場合は抽選、市内在住優先。  問い合わせは、同センター【電話】0467・25・2030へ。
マップを手にする降籏さん

深淵なる江ノ電、マップに 駅員の降籏さんが原画展

 江ノ電ファンから「画伯」と呼ばれている、江ノ島電鉄職員の降籏理絵さん(40)による「江ノ電沿線マップ原画展」が現在、同電鉄江ノ島駅構内の待合室で開催中だ。3月末まで。 奈良県出身の降籏さんは旅行で湘南を訪れ、江ノ電に乗車した。レトロなフォルムに木の床、窓の外に広がる相模湾。300形の佇まいに心を奪われた。”江ノ電熱”は冷めることなく、いつしか「運転したい」と思うようになり、28歳で同社の門を叩いた。 幼少期から少女漫画に親しみ、ノートを落書きで埋めていた降籏さんの感性は、現場で花開くことに。転機は駅にあった12色の色鉛筆。ふとしたきっかけで描き始めた絵が評判を呼び、一日乗車券「のりおりくん」のポスター制作を依頼された。応援者も増え、各駅のマップや季節の沿線案内など、数々の作品を手がけてきた。 個展は初。アジサイや桜、「湘南の宝石」など四季折々の沿線風景を描いた16点が並ぶ。「観光客はもちろん、地元の人にも新たな魅力の気づきになれば。江ノ電の全部を知ってほしい」と喜色満面の笑みを浮かべた。
店舗のショーウィンドウにもひと際大きな作品が飾られている。「お気軽にご来店ください」とりそな銀行西鎌倉出張所のスタッフ

りそな銀行西鎌倉出張所が小さな美術館に 西鎌倉の作家・池田さんの作品展を4月15日まで開催中

 りそな銀行大船支店西鎌倉出張所(西鎌倉1の1の5、角田由佳所長)で、西鎌倉在住の作家・池田清明さんの作品10点を展示したロビー展が開催されている。  日常にひそむ感動や、ぬくもりまでを描き出す人物画など、品格ある作風で知られる池田さん。日展をはじめ多数の入賞や個展の実績を持ち、りそな総研機関誌「りそなーれ」の表紙も2年担当してきた。  今回の展示は、「地域の皆様に喜んでもらえるのでは」と同所が初企画。「こんな大作を間近で見られて感激」と、連日多くの人が足を止めて見入っている。  角田所長は、「りそな銀行を身近に感じていただければ。ぜひお気軽にご来店ください」とほほ笑む。  会期は4月15日(水)まで(土日・祝日除く)。時間は午前9時から午後5時。観覧自由。
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参加者募集中 子どもから高齢者まで!鎌倉市民ボッチャ大会を3月29日に開催

 「みらいふる鎌倉市民ボッチャ大会」が3月29日(日)、鎌倉武道館で開催される。参加者募集中。 ボッチャは、子どもから高齢者まで年齢関係なく楽しめる簡単なゲーム。時間は午後1時から4時。3人1組で応募を。先着24人。会費は中学生以上1人200円。(問)鎌倉市社協・高橋さん【電話】0467・23・1075へ。
妙本寺の海棠

鎌倉のとっておき 第191回 かまくら花めぐり 海棠(かいどう)

 陽春の頃、淡い紅色に咲く海棠の花。古(いにしえ)の中国(唐)の玄宗皇帝が、眠り足らず、酔い覚めきらぬ楊貴妃の妖艶な姿を「海棠の眠り未だ足らず」と形容したとの逸話から、海棠は「睡(ねむ)れる花」とも呼ばれ、美人の代名詞になっている。  14世紀・室町期に中国から渡来したという海棠だが、その優雅で美しい花姿から、鎌倉縁(ゆかり)の文豪の作品にも登場している。  川端康成は、『海棠花(はな)未眠(みみん)』(花は眠らない)の中で、熱海の宿で夜中に目覚めた際、部屋に飾られた海棠を見つめ、命いっぱいに咲く姿に、切ないほどの美しさを感じたことなどを繊細で美しい世界観で表現している。また小林秀雄は、『中原中也の思い出』の中で、中也の恋人を奪い仲違いした後、しばらくぶりに再会し、妙本寺の散りゆく海棠を二人眺めた様子などを写実的に表現している。  そんな海棠の咲く寺院といえば、長谷周辺では光則寺。本堂右の樹齢約200年の古木をはじめ、複数の木々が境内を春色に彩る。また扇ガ谷の海蔵寺の本堂前でも、色鮮やかに咲く花々が春の賑わいを演出する。  そして妙本寺。祖師堂左右の枝ぶりのよい一対の木が、淡紅色に染まる様は見ごたえ十分である。特に海棠手前の染井吉野と花期が重なる年には、海棠と桜花との美しいグラデーションを目にすることができる。  海棠の見どころも数多(あまた)の古都鎌倉。鎌倉文士もこよなく愛した文学薫るまちである。 石塚 裕之