鎌倉 人物風土記
公開日:2026.02.27
鎌倉十三仏詣実行委員長を務める
牧田 知江子さん
鎌倉市在住
鎌倉の魅力、次代に
○…春爛漫の季節に、神社や寺院が独自の特別参拝を企画する「梅かまくら寺社特別参拝」。15回目となる今年も、26の寺社で僧侶と巡る参拝や、非公開場所の見学などが行われている。主催する鎌倉十三仏詣実行委員会には立ち上げ当初から参加。「地元企業がスポンサーとしてイベントを支援する実行委員会方式で、地域と寺社が一体となっているのが大きな特徴」とうなづく。
○…地元で95年続く井上蒲鉾店の一人娘として生まれ、鎌倉の移り変わりを見つめ続けてきた。静かに歴史を伝える古都から、今や国内外から多くの人が訪れる屈指の観光地となったが、「古くから残る寺社や、そこに参拝する人々の思い。それを大切に、次世代につなげていきたい」とほほ笑む。寺社があるから鎌倉に人が来て、地域の店が潤う。実行委員会として尽力することは、鎌倉に生まれ育った者としての恩返しでもある。
○…由比ガ浜の店舗では、創業以来変わらぬ手作りの味を守り続けている。早朝に届いた新鮮な魚を自社ですり身にし、余計なものは加えない。鎌倉を彩る花に見立てた「梅花はんぺん」や、銭洗弁財天にちなんだ「小判揚」などの商品は初代のアイデア。「シンプルだけど現代でも通じるデザインで、日本の美意識にも通じる」と目を細める。一方で、近年の異常気象に危機感を募らせる。「漁獲量が不安定になる時代だからこそ、貴重な資源は大切にしたい」。幼い頃から「大好き」な蒲鉾の味も、次代に伝えたい宝物だ。
○…早朝の「ランニングという名のウォーキング」が健康の秘訣。明けに染まりゆく海を眺めながら、澄んだ空気をめいっぱい体に吸い込む。「季節の移ろいを感じる」というこの時間も、残したい鎌倉の魅力だ。
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