新たな夢は生徒の成長
○…通常のレスリングとは違い、絞め技や関節技なども組み入れて戦う日本発祥の格闘技「コンバットレスリング」。先日大阪で開催されたアジア大会の2階級で準優勝。10月に埼玉県で行われる世界選手権に90kg級で出場する。「やるからには一つでも多く勝ちたい」。初の世界大会で勝利を目指す。
○…寒川町出身。曽祖父が道場を開く柔道家だった影響で、6歳から柔道を始めた。今でも続ける柔道だが「小中の時はやめようと思ったことが何度かあった」。転機は高校時代。今でも恩師と慕う教諭から熱い指導を受け、夢や目標を持つことと、周りの人への感謝を大切にすることを教わった。「自分も教師になりたい。そのためにも柔道を頑張ろうと思った」。以来、いずれは指導者となるためにも柔道を続け、教諭という夢のために努力を重ねた。一昨年には横浜市の教員採用試験に合格し、現在は西谷中学校(保土ケ谷区)で体育教諭として働く。
○…柔道以外の格闘技もやってみようと始めたのがロシア発祥の「サンボ」。コンバットレスリングと出合ったのは、このサンボを教わる教室で5年ほど前に紹介されことがきっかけだった。初めての大会ではレスリング出身の選手を相手に1ポイントも取れずに敗退。「道着を着ず、組もうとしてもかわされてしまい戸惑った」と振り返る。レスリングやブラジリアン柔術など、異種を専門とする相手と戦うことが多く、柔道だけでは経験できない分野の格闘技にも触れられることが魅力の一つ。世界大会を控え「先生も頑張っているというのを見てもらいたい」と意気込む。
○…柔道部の顧問を務め、コンバットレスリングの経験も踏まえて生徒の指導にあたる。教諭という夢を叶えた今、「子どもたちが結果を残すこと」が新たな夢だ。「いずれは大会で上位に入賞してくれたら」。新たな夢を叶えるため、経験を生徒へ伝えていく。