小田原・箱根・湯河原・真鶴版【1月11日(土)号】
(左から)新田拓真USTUS代表取締役、杉崎尚人小田原城下町代表理事、加藤憲一市長、武田博之NTTドコモ副社長執行役員、佐藤伸也湘南ベルマーレフットサルクラブ代表取締役社長

小田原市 子ども支援でプロジェクト ドコモなどと連携協定

 子育て世代や支援が必要な子どもを公民連携でサポートしようと小田原市は昨年末、(株)NTTドコモと(株)湘南ベルマーレフットサルクラブ、(一社)小田原城下町、(株)USTUS(本社・東京都)と連携協定を締結し「おだわら応援プロジェクト」を開始した。

 プロジェクトが行うのは回収ボックスでの子ども服などの市内循環と、ドコモのスマートフォン決済サービス「d払い」を活用したキャッシュレス募金。

 回収ボックスは市内の子育て支援センターやドコモショップ、ベルマーレフットサルの試合会場などに設置され、市が社会福祉協議会などと連携して児童養護施設や困窮家庭へ届ける。

 d払い募金は試合会場や商業施設などで呼び掛けを行い、集まった資金は企業寄付として市内児童養護施設などに届ける物品や体験企画等の費用に充てられる。ドコモはこれまで被災地支援でd払いを活用してきたが、地域課題解決に向けての募金は今回が初の試みだという。

推譲の取り組み

 地域づくりに取り組んできた小田原城下町が、デジタル領域で寄付事業を進めるUSTUSと連携したことが発端となる今回のプロジェクト。12月26日に市役所で行われた協定締結式の席で加藤憲一市長は「地域課題が山積し、民間の力と協業していく局面で子どもたちを支えようという気持ちが結実した。地域の未来に向けた発意は推譲(二宮尊徳が説いた余剰の財や力を子孫や社会に使う意)そのもの。市もプロジェクト発展にしっかりとコミットしていきたい」と抱負を話した。

営農型太陽光発電設備と小山田代表

かなごてファーム 「かながわ脱炭素大賞」受賞 営農型太陽光発電など推進

 神奈川県とテレビ神奈川が共催する「第1回かながわ脱炭素大賞」が発表され、合同会社小田原かなごてファーム(小田原市成田)が普及・促進部門で受賞者に選ばれた。1月11日(土)、横浜市内で表彰される。

 同賞は、県が2050年の脱炭素社会実現を県民や事業者などと連携して推進するため、脱炭素に関する優れた取組を行った個人や事業者、学校等をたたえることを目的に創出された。

 一般公募に応募した48者と県推薦の16者から、有識者等による審査会を経て、「普及・促進」「事業活動温暖化対策計画書制度」「先進技術・導入」など5部門で計25者を受賞者として決定。また知事特別賞として1者が選ばれた。

 県西地域で唯一の受賞となったかなごてファームは、「酒匂川流域圏」を中心に耕作放棄地解消や再生可能エネルギーの普及促進に取り組んでいる。その一つとして、太陽光発電パネルの下で農作物を栽培する営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)を7機建設。また県内外で年間120回ほどの講演活動や、行政等の視察の受け入れ、県教育委員会が進めるデュアル教育の一環として県立高校生の受け入れなども行っている。

 同社代表の小山田大和さん(45)は、まだ認知度が低いソーラーシェアリング等の取り組みを知ってもらう機会にと公募に応募した。電気やエネルギー関連の大手企業も選ばれる中での受賞に、「食とエネルギーを自給できる持続可能なまちづくりへの取り組みを、このように評価していただきありがたい」と笑顔で思いを述べた。

プロサッカー選手で海外で2年目のシーズンを送る 宮澤 ひなたさん 南足柄市出身 25歳

前向きに海外で奮闘

 ○…2023年のサッカー女子ワールドカップで得点王に輝き、その名を世界に轟かせた。当然、試合では得点が期待されるも、パスを出すポジションも担っていた経験から「実はアシストの方が好き」と穏やかな笑顔。日本代表は監督交代を経て競争が再スタート。「良いプレーを続けることが最大のアピール」と強い意志を示す。

 ○…南足柄市出身。3歳上の兄の影響で年少からサッカーを始める。高校では星槎国際高校湘南で全国大会に出場。SEISA OSAレイア湘南FCにも帯同し、年代別の日本代表に選ばれるなど実績を積んできた。ワールドカップでの活躍を機に海外へ挑戦し、イングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドで2年目のシーズンを送る。期待の半面、結果が出ないと厳しい声も届くが、「落ち込んでも環境は変わらない。成長できるかどうかは自分次第」と前向きに挑み続ける。

 ○…海外での挑戦を支える家族の存在は大きく、起床後に母と、練習後は兄と電話で話すのが日課で「2、3時間は話してる」。特に兄とは「兄妹というより親友みたい」。試合の振り返りやプレーの改善点に限らず、恋愛相談も気軽にできるほどの仲の良さだ。

 ○…昨年から兄と県内の小中学生を対象としたサッカー教室にも取り組む。多忙な中でも現役中に指導に取り組むのは、プロのスピードや技術を提供できるから。「こういう選手になりたいって思われるよう、憧れられる存在でいたい」。経済面を理由にサッカーができない子どもを支援しようと、年俸の一部を支援団体に寄付もする。「全部用意するので体1つで参加してほしい。将来グラウンドを作れたらいいねと話したりもしてる」と未来を描く。

田中社長(右から3番目)が加藤憲一市長に浄財を手渡した

寄付

■有限会社エコール学院

 昨年12月に田中保行代表取締役社長と富田靖之学院長、教室長の加藤正和氏と山田明史氏、陌間和将氏が小田原市役所を訪れ、奨学基金積立金として10700円を寄付した。

 同学院は小田原市内と開成町で少人数学習塾を展開。この浄財は同学院が8月にハルネ小田原で実施した夏祭りの売上金。田中社長は「些少ではありますが、今後も寄付を続けていきたい」と話している。

■明徳学園相洋高等学校

 生徒会長の大庭壮真さん(2年)と副会長の酒井太登(だいと)さん(同)、鈴木悠天(ちから)さん(同)が昨年12月に小田原市社会福祉協議会を訪れ、共同募金(年末たすけあい募金)に35万219円を寄付。

 9月に実施した文化祭の収益金によるもので、大庭会長は「文化祭は相洋生が一丸となって作り上げるイベント。そこで(集まった)お金を寄付して地域の方々に貢献できた」と振り返った。

■JU神奈川(神奈川県中古自動車販売協会)

 鎌田政男会長と森幸博流通本部長、神保ゆかり氏、平川玲奈氏らが昨年12月に小田原市役所を訪れ、能登半島地震の災害義援金として10万円を寄付、日本赤十字社小田原市地区長の加藤憲一市長に届けた。

 JU神奈川は能登半島地震の被災地支援として、ボランティア活動や寄付、カーシェア協会との連携を行っている。鎌田会長は「今後も日常的な連携ができれば」と話した。

新年会

◆小田原医師会

 報徳会館で1月5日、対面形式では5年ぶりとなる新年会を開催した。渡邊清治会長はあいさつで、財源不足や人材不足等による厳しい医療情勢や課題に触れつつ、「医師会は、住民にとって必要な医療とこれから大きなウエイトを占める介護との連携を充実させるため、さまざまな取り組みを皆さまと進め、医療と介護においても報徳思想の柱とされる一円融合を実施してまいります」と抱負を述べた。

♦小田原青年会議所

 1月5日に湯本富士屋ホテルで賀詞交歓会を開催。今年のスローガンに「挑む」を掲げた室伏寿美夫理事長。所信表明では人材育成、まちづくり事業、教育事業、組織運営の4つの柱を挙げ、「変化する社会環境の中で、私たち青年がなすべきことは、私にとっての答えを常に考え行動し、挑戦すること」と決意を述べた。また現在の公益社団法人から一般社団法人への、法人格移行に取り組む考えも示した。

◆小田原白梅ライオンズクラブ

 1月7日に報徳会館で新年例会と賀詞交歓会を開催。加藤憲一小田原市長を来賓に迎え、小田善三会長は「今年も高校のラグビーやサッカー、プロゴルフ、駅伝などが行われている。ライオンズクラブは勝ち負けではないが、次に襷を託すまで今期を走り抜けたい」と抱負を語った。賀詞交歓会では恒例の鏡開きが行われるなど華やかな雰囲気で会が催された。

医療従事者と観光考える 2月2日、箱根で研修会

 医療介護従事者の観光地への関わり方を考える「ユニバーサルツーリズム研修」が、2月2日(日)に箱根湯本の吉池旅館で開催される。愛知県でリハビリ施設を運営しながら、シニアや障害者が楽しめる旅行サービス「トラベルwithじぇぷと」を手掛ける合同会社P―BEANSが全国で展開している研修で、神奈川県では初開催。箱根DMO、あしがらベアフット、ARSが共催。

 医療介護、観光に携わる人に向けた研修で講演やグループディスカッションなどを行う。午前10時〜午後6時。参加費は一般13000円、学生5000円でランチ付き。定員30人。申し込みは二次元コードから。1月22日(水)申込締切。(問)同社【メール】p.base.jpt@gmail.com。

野崎さん(左)と会場のKURAを運営する杉山大輔さん

アートフェス 作品を公募 作る、触れる機会を身近に

 地域をアートで盛り上げる団体「AREA8・5(はってんご)アートフェス実行委員会」(野崎良太代表)が現在、3月20日(木)〜23日(日)に開催する「第1回アートフェスティバル」への出展作品を公募している。展示会場は小田原市国府津のギャラリー「KURA」。

 同団体は、東海道五十三次の8番・大磯宿と9番・小田原宿の間である国府津周辺を「8・5」と称し、同エリアの芸術文化醸成を目的に活動している。数字を逆から読んだ「ゴンテチハ」と名付けられた妖怪が今回の募集テーマだが、野崎さんは「どんなビジュアルでも好きに作ってOK。立体はもちろん絵や写真でも、音楽でも」と言い、「普段使わないアート脳の筋肉を動かしてみて」と自由な発想での作品制作を促す。プロアマ、年齢や経験を問わず誰でも応募できる。

 エントリー代は1作品につき2000円。作品サイズや賞などの詳細、応募は【URL】x.gd/uTGTS。(問)野崎さん【電話】050・5480・1375

巳を表現した書と永井さん自ら生けた花

籠淸小田原駅前店 巳テーマに展示 永井香峰さんが揮毫

 籠淸(かごせい)小田原駅前店(小田原市栄町1の2の9)で、今年の干支「巳」をテーマとした季節のウインドーディスプレイが道行く人を楽しませている。

 筆を揮ったのは、小田原市在住の書道家・永井香峰さん。「巳は、新しく生まれる、将来明るい、繁栄、平和という縁起の良い文字。勢いよく天に向かう様を表現した」という。書札は、市内在住の宮大工・芹澤毅さんが制作した。展示は、1月15日(水)まで。

昨年の様子(真鶴町)

2021人が晴れの日 1市3町で二十歳の催し

 小田原市と箱根、湯河原、真鶴、足柄下郡3町で1月12日(日)と13日(月)、二十歳を祝う催しが行われる。今回対象となるのは2004年4月2日〜05年4月1日生れで、1市3町合わせて2021人となり、昨年度の2051人から30人減少となった。

 各市町でみると小田原市は1697人(昨年1714人)、箱根町は102人(同107人)、 湯河原町は176人(同188人)、46人(同42人)だった。

 対象者が生まれた2004年は、小田原駅西口広場が完成、箱根では箱根関所の大番所・上番休息所などの復元を行い一部公開を開始、湯河原町と真鶴町では合併協議会の解散などの出来事があった。また、アテネ五輪で日本が最多タイ(当時)の金メダル16個を獲得、新潟県の中越地方でM6・8の地震が発生した年だった。

 1市3町では、市や町による式典のほか、記念撮影、抽選会や恩師からのメッセージなど各々の実行委員会や運営委員会による趣向を凝らした催しが実施される。

 日時会場は次の通り。小田原市/13日午前10時30分から第1部、午後1時から第2部、小田原三の丸ホール(中学校区ごとに区分け)。箱根町/13日午前11時から、湯本富士屋ホテル。湯河原町/12日午前11時から、湯河原町民体育館。真鶴町/13日午前10時30分から、真鶴町民センター。

 18歳以上を成人とする22年の民法改正に伴い、1市3町では従来の成人式の名称を「はたちのつどい」や「20歳を祝う会」などに変更し、式典を実施している。

コンサートのチラシ

県警音楽隊コンサート 2月24日、三の丸ホール

 神奈川県警察音楽隊のコンサートが2月24日(月)、三の丸ホールで開催される。午後1時開場、2時開演。

 当日は、第1部でクラシックの名曲や小田原市出身で「機動戦士ガンダム」の生みの親の富野由悠季氏にちなみ、交響組曲「機動戦士Zガンダム」を演奏。第2部では、「カラーガード特集」と題し、51期カラーガードが全曲に演技をつけ、華やかに彩るステージを披露する。

 入場無料(未就学児童入場不可)で申込みは二次元コードから。1月16日(木)締切。(問)同音楽隊【電話】045・211・1212(平日9時から17時)

第14期の受講生募集を開始 小田原ガイドになろう 受講希望者向ツアーも初企画

 小田原ガイド協会が第14期ガイド養成講座の受講生を募集している。ガイドに必要な小田原市とその周辺の歴史・自然・文化や心構えなどを座学と実習で1年間学ぶ。

 受講期間は2025年4月〜翌年3月31日(原則毎週水曜日)。受講料は2万5千円。面接日は3月13日(木)。

 往復ハガキに【1】ガイド養成講座申込【2】住所・氏名・性別・生年月日・電話・FAX番号を記入し、〒250―0014小田原市城内3の22「小田原ガイド協会」へ。2月21日(金)締切。

 また、「養成講座受講希望者向ツアー」を1月26日(日)に企画。午前8時50分にJR小田原駅改札前集合。先着20人。600円(バス代)

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練習に参加した宮澤さん(中央)

女子サッカー 合同練習にサプライズ 宮澤ひなた選手が参加

 南足柄市出身のプロサッカー選手・宮澤ひなたさん=人物風土記で紹介=と兄の佳汰さん(久野FC・県2部)が12月23日、南足柄市体育センターで行われた相洋高校女子サッカー部とAZスポーツクラブに所属する中学生の合同練習にサプライズで参加した。

 練習前、宮澤兄妹から来年度県リーグ1部に初めて挑む同校に用意された応援メッセージの動画を見ていると、背後から登場し選手たちを驚かせた。

 その後宮澤兄妹は約2時間、パス回しやミニゲームの練習に参加。体の使い方や守備などについてアドバイスし、選手たちは真剣な表情で耳を傾けていた。

 練習後、ひなたさんは「強い相手にもどれだけチャレンジできるかが大事。自信を持って勝ってほしい」と1部挑戦に向けてエールを送り、佳汰さんも「勝つために何ができるか考えてプレーしてほしい」と語った。同校の佐藤はなさん(2年)は「教わることができてとても刺激になった。1部でも格上のチームにびびらずに勝ちたい」と力強く語った。

お茶を振る舞う利用者

感謝を込めて ありんこホームで茶会

 障害福祉サービス事業所・第3ありんこホーム(小田原市鴨宮)で12月23日、恒例の「Xmasお茶会」が開催された。

 同施設では利用者が毎月1回、裏千家茶道師範 酒井宗絹さんの指導で茶道の稽古をしている。Xmasお茶会は、稽古開始から10年となった2022年に初開催し、今回が3回目。

 会場では着物姿の施設利用者が、地域の住民や支援者らに日頃の支援に感謝を込めて茶を振舞った。また市内栢山の「和菓子うめぞの」特製の茶菓子「ひいらぎ」を付け、クリスマスの雰囲気を演出した。

 同施設を運営するNPO法人おだわら虹の会・高橋直美理事長は「応援してくださっている方たちや、一生懸命頑張ってきた自分自身に感謝の心をもっておもてなしをしました」と振り返った。

成果発表を行う参加者

未来の学者探求成果を発表 白梅LCが科学コン

 小田原白梅ライオンズクラブ(小田善三会長)が昨年12月15日、地域の学生を対象とした科学コンテストをお堀端コンベンションホールで開催した。早稲田大学の科学コンテスト運営委員会との共催。

 学生に科学への関心を高めてもらうことを目的に、未来の科学者養成プログラムとして16回目となる同コンテスト。小田会長が「古代ギリシャの時代から考えることで世界の法則が始まった。今日の主役は皆さんなので、思う存分楽しんで」と激励し、発表のステージが始まった。

 この日は加藤憲一小田原市長や牧島かれん衆議院議員、早大栄誉フェローの大石進一氏、ライオンズクラブ国際協会330―B地区の倉田雅史ガバナーらが出席。市内外の4中学校から6組が身近な疑問などを題材に、調査結果などを発表した。

 今回は小田原市立城北中学校3年の奥村志帆さん、木村未央さん、栗原実咲さんによる「ボトルフリップチャレンジIII」が最優秀賞・市長賞を獲得した。

奇麗な箱根で迎えたい 富士屋ホテル(株)が清掃

 富士屋ホテル株式会社(安藤昭代表取締役社長)が先ごろ、箱根湯本地域でクリーンアップ清掃活動を実施した。20回目の活動で、今回は同社の従業員約40人が有志で参加し、約1時間かけて可燃ごみ160リットル、不燃ごみ180リットルを回収した。安藤社長も参加し「観光客が増えている。少しでも奇麗にして迎えることができれば」と話していた。

スマホの機能を学ぶ大井高生

就業と進学 高校生が体験 ドコモショップなど訪問

 小田原市鴨宮のドコモショップ小田原東店で12月18日、県立大井高校の生徒約10人が校外学習として職場体験を行った。

 同校ではこの日、1、2年生が就職や進学に向けた活動として短大や企業の事業所などを訪問。ドコモショップでは2グループに分かれ、シニア向けのスマートフォン講座の様子や最新機種のカメラ機能等のレクチャーを受けた。

 その後は来店に向けた施策などを話し合う会議体験を行った。同店を運営する(株)アベストミヤケの渡辺大介取締役社長は「スマホの便利さと、それを不便と感じている人がいることを感じてもらい、就業のきっかけや発想を地域に役立てようという思いを持ってもらえれば」と話していた。

勝俣浩行町長

「未来の箱根」へ、道筋をつける 箱根町 勝俣浩行町長

 ――昨年は10月に町長選挙がありましたね。

 「はい、多くの町民から1期目の実績への評価と、これからのまちづくりへの期待の声をいただいたと感じています」

 ――2期目を迎え、率直な気持ちは。

 「信頼と期待に応えていかねばと強く感じています。私にとって、話しやすい気さくな町長と言われることが最大の褒め言葉です。これからも皆さまの声に耳を傾け、対話を大切にする町政を続けてまいります」

 ――具体的な施策は。

 「これまでの経験と実績を踏まえ、若者定住の促進、健康生活の推進、防災力の強化、ブランド力の向上、持続可能なまちづくりの5つの重点分野における施策に取り組んでいきます」

総合的・組織横断的に

 ――少子高齢化対策や転入増・転出減の施策に注力してきましたね。

 「子育て支援のみならず、教育や福祉、雇用、観光などあらゆる分野を総合して組織横断的に施策を実施してきました。箱根町の人口はここ10年で減少しているものの、最近の5年間はほぼ横ばいで、成果につながっていると捉えています」

 ――インバウンド増加による好影響、課題は。

 「ありがたいことに観光は賑わいを取り戻しつつあります。一方で交通渋滞やバスの乗車問題などの課題も出てきています。交通渋滞に関しては県や警察と連携し、足柄幹線林道の一般道化なども検討しながら対策を進めていきたいです。国内旅行客の回復はまだ力強さに欠けるので、事業者やDMOと協力して魅力を広く発信し、また来たいと思ってもらえるようなおもてなしを提供していければと思います」

 ――防災意識も高めていきたいですね。

 「昨年は能登半島地震や南海トラフ地震臨時情報を受け、防災力強化の必要性を改めて痛感しました。昨年10月には避難体制強化に向け箱根温泉旅館ホテル協同組合と協定を結び、備蓄品や資機材も充実させてきました。加えて町民の皆さまの意識を高めていく必要があると考えています」

 ――最後に、今後の目標を教えてください。

 「最大の目標は、各方面のご支援を賜りながら4年後の箱根町だけでなく、10年後、20年後を見据えた『未来の箱根』への道筋をつけることです。皆さまと力を合わせ、誰もが住みたい、行ってみたいと思える、世界中の人に愛され続けるオンリーワンの観光の町・箱根をつくり、次の世代へ襷を引き継いでいきたいと考えています」

加藤憲一市長

「まちの未来」市民とともに 小田原市 加藤憲一市長

 ――昨年5月の市長選を経てからの7カ月は。

 「市役所に4年ぶりに戻りましたが、12年間いた場所なので違和感はなかったです。就任後、以前から感じていた人口減少や少子高齢化、地域コミュニティの停滞、公共施設の老朽化といった課題を再確認しました。福祉や都市基盤の現場でも課題が深刻化しており、市立病院など各分野でも取り組むべきことが多々あると感じています」

 ――明るい兆しは。

 「市民の皆さんの力が落ちたかというとそうではなく、コロナ禍が明けて活気を取り戻しており、移住者や事業者の増加にも可能性や伸びしろを感じています。小田原が有する多彩な『力』が大きく花開くよう、市民参画で市政を進めます」

 ――昨年の印象的な出来事を教えてください。

 「8月の台風第10号による被害が甚大でした。近年では例を見ない規模だったこともあり、対応に全力を注ぎました。他には新病院の建設が着々と進んだこと、三の丸ホールの来館者が100万人を迎えたことなど、これまでの取り組みが成果になりつつある1年だったと思います」

市民と新たな総合計画

 ――2025年に重点を置きたいことは。

 「今年は新たな総合計画が始動する年です。市民参画を得ながら実行計画を作り始めますが、持続可能な社会の実現を目指し、『誰もが笑顔で暮らせる、愛すべきふるさと小田原』という将来都市像の下、5つのまちづくりの目標を置きました。地域福祉の強化や学校給食の質の向上、平和施策の推進に取り組む『いのちを大切にする小田原』、カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの導入推進、環境保全活動を地域経済にもつなげようという『自然環境の恵みがあふれる小田原』、市民活動の活性化や主権者教育にも目を向けた『未来を拓く「人」が育ち地域の絆が結ばれる小田原』、農林水産業や観光といった多様な資源を経済活動につなげようという『地域経済が好循環し、多彩な資源が花開く小田原』、市民会館跡地の活用など、都市機能の強化や生活利便性を向上させる『安心して暮らすことができる小田原』です」

 ――市民へのメッセージをお願いします。

 「25年は皆さんもこれまで以上に地域の課題やテーマについて踏み込んで関わっていただきたいと思います。皆さんと一緒に知恵を出し合い、小田原の未来を築いていきましょう。本年もどうぞよろしくお願いします」

小林伸行町長

まちづくり、住民との対話で 真鶴町 小林伸行町長

 ――町長就任から1年以上が経ちました。現在の町の状況は。

 「町役場として当たり前のことが当たり前にできていない状況でした。事務執行体制はある程度整ってきましたが、職員不足もあり、2年も放置され道路が陥没してしまった事案など、町民に迷惑をかけているという気持ちがあります」

 ――その中で主に取り組んできたことは。

 「就任当初から『地固めの2年、攻めの2年』と宣言し、地固めに徹してきました。積み残し案件を片付けるのに大変で、十年前からの案件も含め、施設の統廃合や事業の廃止といったリストラを断行してきました」

 ――真鶴町民俗資料館(旧土屋邸)の廃止は、批判もあったようですが。

 「町民の皆さまから『何も知らないくせに』『リストラ屋、コストカッター』との批判の声もありましたが、民間企業と連携協定を結び、今後のあり方の模索が始まり前向きに進んでいると捉えています」

 ――早急にリストラを進めている理由は。

 「財政状況が非常に厳しいからです。次年度の予算が2億円以上足りません。昨年度も2億円不足し、敬老祝い金などを削るなどしました。多くの行政サービスは止めることができないため、施設に手をつけざるを得ないという状況です」

公共施設等の見直しを推進

 ――町役場の機能移転の計画は。

 「4月から第1陣が移転し、2年少しかけて分散移転する計画です。あと2年半後には、現在の役場が更地になります。施設一体型小中一貫教育校の建設候補地が現在の真鶴中学校地に決定し、現在の図書館は新たに整備される学校図書館に統合する想定です」

 ――ほかの公共施設についての方針は。

 「公共施設等総合管理計画を今年度中に案を作り、1年かけて議論していきます。また、今年は中川一政美術館の修繕やお林展望公園のリニューアルも予定しています。ケープ真鶴の使われ方も大きく変わるでしょう」

 ――「町民との対話」を大切にしているとのことですが。

 「町長室開放日や真鶴町の株主である町民のみなさんへ町長が経営状況をご報告し対話を行う『まなづる株主ミーティング』を4回、その他に町民対話会を8回実施してきました。次年度は、その倍ぐらいの実施を考えています。批判や意見も含め、声を直接お聞かせ下さい」

内藤喜文町長

課題解決、一歩ずつ 湯河原町 内藤喜文町長

 ――町長就任から半年、現状は。

 「前町政からの引き継ぎ事項は粛々と滞りなく進めて、大体終わったところです。公約としておりました宿泊税の導入も検討委員会が立ち上がり、宿泊事業者と意見交換会を進めています。小児医療費助成については1月から18歳までの拡充が決定し、小学校給食の無償化も3年間のスケジュール感で、4月から3分の1ずつ無償化する方針も決まりました」

 ――役場庁舎の在り方の調査を進めているとのことですが。

 「老朽化や第1庁舎の標準的な建替え時期が10年以内に迫っていることもあり、町民にアンケートを実施しました。7割ぐらいの方に建て替えが必要との声をいただいており、これから各地域ごとに意見を伺っていく予定です」

 ――ほかに町の課題は。

 「バス路線の撤退問題は、非常に切羽詰まったものになってきています。観光政策はもちろん、移住政策、そして住民生活に関わる問題です。国や県への働きかけはもちろん、町としてできる限りの路線維持への支援を検討していきたいと考えています。また、ニホンザルの被害が拡大しています。これまでは農業被害が中心となっていましたが、最近は部屋への侵入や網戸が壊される生活被害が増えてきました。全町的な調査を始める予定です」

稼げる農業や介護課題にも注力

 ――新たな施策は。

 「『稼げる農業』を進めていきたいと考えています。仕事を定年退職した後の小規模農園や軒先の畑にミカンの木が1本、2本あるなど、流通にのらない少量の作物があります。これらの流通経路を確立させ、少額でも収入となる仕組みを検討しており、議会で提案したいと思います。また、介護の分野ですが、有償ボランティアで町民のグループを作り、介護を必要とする方の日常生活をサポートする仕組みづくりを進めていきたいと考えています」

 ――インバウンド事業にも取り組むとのことですが。

 「町内に観光バス数台で横付けできるような旅館やホテルもないので、外国人観光客の個人旅行者をターゲットに町をよく知っていただくような内容を考えています」

 ――町民へのメッセージをお願いします。

 「湯河原町らしく、和気あいあいとした中でも課題や将来に向けた取り組みを進めたいと考えています」

減災を考える会 災害対策冊子を市議会に

 「富士山と酒匂川流域 噴火と減災を考える会」(幕内忠一会長)が昨年12月に小田原市役所を訪れ、小田原市議会の市議全26人に冊子「富士山等の噴火に伴う影響及び噴火物対策に関する対応指針」を寄贈した。

 同会は富士山の噴火による酒匂川流域の被害状況を調査し、流域住民や企業などへの防災意識の啓発に取り組む市民組織。冊子は10章に分けて1707年の宝永噴火の被害を踏まえた降灰の予想範囲やインフラへの影響、被害を防ぐための提言や提案がまとめられている。

 この日、幕内会長と近藤克明副会長、柴田忠好幹事が訪れ、大川裕議長と楊隆子副議長に冊子を手渡した=写真。

 幕内会長は「読んでいただき、少しでも参考にしていただければ」とコメント。大川議長は「貴重な資料をいただきありがたい。市でもさまざまな防災対策に力を入れているので、今後の参考にさせていただきます」と礼を述べた。

小田原JC新年度人事 理事長に室伏氏

 公益社団法人小田原青年会議所が新年度人事を発表、理事長には室伏寿美夫氏が就任した。新年度のスローガンは『挑む』。新年度役員は以下の通り(敬称略・順不同)。

【役員】理事長/室伏寿美夫、直前理事長/松賀夏樹、副理事長/深堀晃、鈴木貞重、専務理事/秋元洋平、監事/原宗久、海野晋佑

【局長】事務局/古澤光宏、財政局/大平剛志

【室長】地域連携推進室/野地俊葵

【委員長】拡大・アカデミー委員会/木村美里、地域の魅力推進委員会/木村亘、地域の魅力体感教育委員会/城戸佐和子

【次長】事務局/川戸亜紗美、財政局/首藤いぶき

元セリエA記者・佐藤貴洋がFリーグ解析 1/Fゆらぎ 1/fゆらぎのような「五感に響く心地よさ」をFリーグで

 湘南が昇格組の仙台に快勝し6位キープ。12チームによるホーム&アウェイ2回戦総当たりのレギュラーシーズンも残り2節。7位大阪との勝ち点差を「6」とした湘南は、上位6チームでのファイナルシーズン進出をほぼ手中にした。

 今季ホーム最終戦、2025年初公式戦、そしてFP菊池引退などもあり今季最多1580人で膨らんだメインアリーナ。サブアリーナでは車いすバスケットボール新リーグ戦「WB SUPER LEAGUE」も開催されるなど、スポーツファンが醸成した小田原アリーナの熱量は、心地よかった。

  

takaの目 試合採点&寸評

8/10点満点

湘南6-3ヴォスクオーレ仙台

(1/5 @小田原アリーナ)

 

Jリーグ湘南でも「10」を背負った菊池が花道を飾る1 発もあり、6―3勝利。新加入、若手、中堅、ベテランがかみ合いつつある湘南の上位躍進に期待。

 

佐藤貴洋...

西湘高〜慶応大学を経て渡ったイタリアで日刊スポーツ「セリエA通信員」として元日本代表MF中村俊輔らを取材(2002〜07年)、帰国後はJリーグ、プロ野球などを取材(2007〜12年)。現在はライターやクリエイティブディレクターなどで活動中。小田原フットサルアカデミー(FAO)広報広聴委員会委員長。