中原区版【7月18日(金)号】
(左から)代表社員の小林さん、伊藤さん、佐藤さん

元住吉 地域活性化へ、会社設立 商店街の枠超え、魅力アップへ

 モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合と商店街会員が出資するまちづくり会社「スミヨシクラブ合同会社」(木月)が先月設立された。同社は従来の商店街組織の枠組みでは実現が難しかった、広域でのイベント開催や広報活動を通じて、地域全体の活性化を目指す。

 同社は、モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合の会員である伊藤俊介さん、小林規一郎さん、佐藤新さんが業務執行社員となり、3人に加え、同商店街が出資する形で設立された。設立にあたっては、神奈川県中小企業団体中央会の支援のもと、専門家と4回にわたる協議を重ねてきた。合同会社としたのは、意思決定のスピードを重視するためだ。

 同社が設立された背景には、これまでの地域活動は商店街ごとに独立することが多く、地域をまたいだイベントの開催が難しいといった課題があった。また、商店街組合員以外との接点が少なく、外部の企業やクリエイターとの連携機会も限られていた。

 こうした状況を打開するため、同社は個々の商店街という「線」の活動から、地域全体を「面」として捉えたまちづくりを推進する。理念として「人が増え、街がにぎわう、持続可能な地域活性化」を掲げ、商店街以外の企業やクリエイターとも積極的に連携し、新たなビジネスの創出を目指すとという。

 具体的な事業として「食文化」「健康」「安全(防災・防犯)」「文化・芸術」を柱に据える。

 食文化であれば、商店街の飲食店と連携したフードフェスの企画や、地域の特産品開発とブランド化。健康では、同商店街の有志が実施している「神奈川100Kmウオーク湯渡し100」のような健康増進イベントの開催。安全では、自治体と協力し、避難訓練などの防災イベントを実施するほか、地域の防犯対策も強化。文化・芸術では、地元のアーティストやクリエイターに作品発表の場を提供したり、音楽やアートのイベントを企画したりする。さらに、商店街のロゴやデザインのブランディングも行っていく計画だ。

 直近では、元住吉駅周辺の商店街や、個店、利用者にアンケート調査を行い、地域のニーズを吸い上げ、今後の展開を検討していくという。代表社員として主導する伊藤さんは「まちをもっと良くしていきたい。商店街の枠を超えてフレキシブルな活動を行っていきたい」と意欲を示す。

金メダルと愛用のスポーツピストルを手にする志村さん

大谷戸小志村さん 近代三種、アジア大会で金 12月に南アの世界大会へ

 水泳、レーザーラン射撃、ランニングの3つの種目でスピードを競う近代三種競技。大谷戸小学校6年の志村侑香さんが、7月3日から6日にカザフスタンで行われた近代三種アジア選手権大会(13歳以下)で金2つを含む4つのメダルを獲得した。これで、12月に南アフリカで開催される世界選手権の日本代表に内定した。

 「初めて飛行機に乗ったけど、あんまりリラックスできなかったな」とおどけた。これまで国内大会では銅メダルが最高。日本を飛び出したアジア大会で、近代三種の個人金、男女ミックスリレー金、近代二種の個人銀、男女ミックスリレー銅と、周囲を驚かせるほどの成績を上げ「今もまだ実感が湧かない」と素直な思いを口にした。

 大活躍の要因は「走りの部分がよかった」と話す。近代三種は1つのレースで射撃、300mラン、100m水泳を繰り返す。得意とする水泳で優位に立ち、走りで粘るのが志村さんのスタイル。今大会では体力的にきつい後半も、スタミナが落ちなかったという。

 大会前は「入賞できたらいいな」ぐらいに考えていた。それが海外の選手たちと競い合った初のアジア大会で頂点に立った。連絡を受けた母・しおりさんも「最初は上位の選手たちがけがでもしたのかと思った」と耳を疑ったほど。志村さんは「表彰台の一番上に立ったときに、一緒に走ったみんなが手を振ってくれてうれしかった」と笑顔を浮かべた。

 競技は3歳上の兄・佳祐さんの影響で、小3から始めた。性格はおっとりしているように見えて、負けず嫌い。近代三種を「走ったり、泳いだり、3つも種目があるので総合力が試されるところが面白い」と話す。競技の知名度はまだまだ低いが、学校の友人は「いつも教室でふざけてばかりいる侑香が、すごいね」と応援してくれる。

次は世界の舞台

 志村さんは12月に南アフリカで開催される世界選手権のU―13日本代表に内定。9月から11月に行われる強化合宿に参加する。現在は早朝のランニングや、家で懸垂と射撃練習、週3日はスイミングスクールに通ってトレーニングを続ける。世界選手権でも表彰台を目指すといい、「いつかお兄ちゃんよりも活躍したい」と尊敬する兄を超えることを夢見ている。

(公社)神奈川県医師会の会長に就任した 鈴木 紳一郎さん 藤沢市在住 67歳

「未来につなげる医療を」

 ○…県下9900余りの医師が加盟する巨大組織の舵を取る。副会長を2年歴任。会長は地域医療を守るために必要な取り組みを国に提案したり、行政や医療福祉団体と連携して県の医療全体をコントロールしたり、医療に関する正確な情報を県民に発信したりするなど重要な役割を担う。「県民の健康と安心のため精一杯努力していく」

 ○…課題は山積みだ。物価高でも公定価格で上げられない医療報酬や医療従事者の人手不足で、多くの医療機関が危機的状況にある。「”あって当たり前”の医療は決して盤石ではない」。医師を目指す人へ向けて情報発信するウェブサイト「かなドク」を立ち上げ、医師会の役割や医療に従事する魅力を伝えていく。「神奈川は日本の医療の縮図。国内で横展開できる好事例を提言したい」

 ○…藤沢市医師会の会長も8年務めた。コロナ禍では迅速なワクチン接種体制を整え、県内初となるドライブスルー型PCRセンター設置の他、かかりつけ医と訪問看護師が支援する「神奈川モデル」では、チーム一丸となって在宅療養者を24時間体制で見守った。地元では同級生やその親、子を診察することも。「一つしかない命を守れた時、そして『ありがとう』と言われた時、医者冥利に尽きる」と柔和な笑みをこぼす。

 ○…祖父が長後に構えた病院に運ばれる救急患者を目で追うなど、命と向き合う舞台裏を見て育った。尊い仕事に興味を抱き、横浜市立大学医学部へ。外科医として研鑽を積み、現在は藤沢湘南台病院の理事長を務める。「医療業界の未来は大丈夫か」。夢の中でも考えあぐねる日々。「医者になったらいいな」と7人の孫に慈愛に満ちた眼差しを送る。医療を次代につなげ、県民の暮らしに寄与し続けていく。

修行や水遊びなどを体験

法田寺 1泊2日で寺子屋塾 高学年、学生スタッフ募集

 法田寺(中原区上平間244)では今年も恒例の夏休み寺子屋塾が8月17日(日)、18日(月)に1泊2日で開催される。

 17回目となる今年は終戦80年にあたり、平和がテーマ。ポイントハイクやグループワークをはじめ、修行の時間や水遊びなど内容は盛りだくさん。既に定員に達しているが、高学年を中心に追加枠が若干名あり。また中学生から大学生までの学生スタッフを募集している。「スタッフは1日だけ、半日だけでもよいのでぜひ参画してほしい。学校とはまた違ういろいろなことを学ぶことができ、将来への良い経験となるはず。お問い合わせを」と塾長の岸顕崇住職。申込み、問い合わせ【メール】hiramahoudenji@yahoo.co.jp。

フラッグフットボール 児童対象に体験 8月、とどろきアリーナ

 川崎市内在住の小学生を対象にした「フラッグフットボール体験教室」が8月18日(月)、東急ドレッセとどろきアリーナ(等々力)で開かれる。午前10時30分から午後2時。参加費無料。主催は(公社)日本アメリカンフットボール協会。

 競技の普及・発展と子どもたちの夏休みの思い出づくりが目的。アメリカンフットボールのタックル等がないルールで行い、児童でも楽しめるよう腰に付けたフラッグを奪い合う。

 定員100人。学年に応じたコースがあり、午後はアメフトの強豪「富士通フロンティアーズ」の選手との触れ合いイベントもある。応募期間は7月25日(金)まで。申込みは市ウェブサイトにある応募フォームから。問い合わせは市民文化局市民スポーツ室【電話】044・200・2257。

昨年度のプロジェクト

子どもと地域をつなぐ 「花づくり」今年も170校で クラファンもスタート

 川崎市は「全国都市緑化かわさきフェア」で実施した子どもと地域を花でつなげるプロジェクト「花づくり・花かざり」を、今年度も続けるべく、プロジェクトを支援するクラウドファンディングを開始した。

 昨年度に開催されたフェアは「みどりで、つなげる。みんなが、つながる。」をテーマに掲げ、事業の一環として、子どもたちが花を育てながら地域と交流を深めるプロジェクト「花づくり・花かざり」を実施。花苗を育て、水やりをし、頃合いを見て地域の花壇に届ける過程を通じ、子どもたちが街の緑化の大切さなどを体感し、地域と交流する機会を創出する狙いだった。

 フェアでは市内の公立小中学校と特別支援学校、計170校の児童・生徒が育てた計約7万株の花々が会場を彩った。そのレガシー(遺産)として、市は今年度もプロジェクトを継続。6月から各校で花苗を育て始め、7月3日からはプロジェクトを寄付で応援してもらうクラウドファンディングが始まった。

 クラウドファンディングは9月30日(火)までで、詳細は「ふるさとチョイス」か「ふるさと納税 for Good!」から。プロジェクトの詳細は市グリーンコミュニティ推進室【電話】044・200・1737。

防護服を着て負傷者の搬送訓練を行うレスキュー隊

4者でテロ災害対応訓練 50人参加 JR武蔵小杉駅

 中原消防署、JR東日本、中原警察署、中原区役所は7月14日、JR横須賀線武蔵小杉駅構内でテロ災害対応訓練を実施した。

 約50人が参加して行われた今回の訓練。駅ホームに不審な液体がまかれ、負傷者が発生したことを想定して実施された。駅ホームで2人が倒れている状態を駅員が発見し、通報を受けた警察官が現場状況を確認。同様に通報を受けたレスキュー隊が防護服を身にまとい、負傷者を改札付近に搬送した。後を引き継いだ救急隊が負傷者の服を切るなどの除染、救護活動を行い、搬送までの流れを確認した。

 訓練終了後に行われた講評で、同駅の松本綾駅長は「リアルな訓練で勉強になり、参加した関係機関の連携を深めることができた。小杉駅は年々利用者数が伸び、外国人の利用客も増えている。対応力、体制強化が大切。今後も連携を深め、駅を安心して利用できるよう安全確保に取り組んでいきたい」と話した。

 中原消防署警防課の担当者は「駅は不特定多数の人が行き交い、何か起きた際にはパニックが起こりやすい。実際は改札を封鎖し、利用者がゼロの状態なので、今回の訓練と状況は異なるが、関係機関の役割、任務を確認できた。今後も訓練を重ねていきたい」と振り返り、抱負を語った。

短冊を流す子どもたち

願い込めた短冊放流 「七夕まつり」400人参加

 二ヶ領用水・中原桃の会(松原成文会長)は7月13日、二ヶ領用水の家内橋付近で「七夕まつり」を開催し、約400人が参加した。

 江戸時代に14年かけて完成した二ヶ領用水。その二ヶ領用水と桃並木の再生・保存の願いを込めて毎年開催されている同イベント。今年は、近隣の子どもたち約150人と、その保護者、関係者ら計400人が参加して行われた。子どもたちは「宇宙飛行士になりたい」「家族仲良く」「看護師になりたい」と願い事を書いた短冊を自宅から持ち寄ったり、会場で書いて二ヶ領用水に流した。また、参加者には地元で収穫した桃と「お絵描き帳」が配布された。同会の津脇梅子さんは「毎年お子さんたちの夢が書かれた短冊を流し、今年も実施できた。これからも毎年皆さんと協力して開催できたら」と話した。

県選抜YAMAYURIに選ばれた金城さん

女子学童野球 金城さん、県選抜で全国へ 8月14日から 岡山で開幕

 女子学童野球の神奈川県選抜チーム「YAMAYURI」にこのほど、中原区から金城詩恩さん(今井小6年)が選ばれた。チームは8月14日(木)から岡山県で開催される「NPBガールズトーナメント2025全日本女子学童軟式野球大会」に出場する。

 金城さんは、今井西町少年野球部に所属。主に一塁手と投手を、中原区の女子選抜チーム・中原ルーキーズでは捕手と投手を務め、ともにチームの主力として活躍している。4月に行われたYAMAYURIのセレクションには県内の女子選手60人が参加し、その中から18人に選ばれた。「YAMAYURIに、これまでルーキーズの実力のある先輩たちが入っていて、かっこいいと思っていた。これまでやってきたことが報われてうれしかった」とメンバー入りを喜ぶ。

 小2の夏休みに友人に誘われ、今井西町の見学に行き、体験。やってみると楽しくなり、野球を始めた。土日のチームの活動だけでなく、毎日の朝練、野球経験のある父親の指導で上達。「努力を重ねた結果、いい場面でヒットを打てると楽しい。守備は練習すればするだけうまくなるので達成感がある」と野球の魅力を語る。持ち味はその鍛えてきた守備と、普段から心掛けている声出し。「声で自分のチームを引っ張っていきたい」と笑顔で話す。

 ものづくりが好きで、昨年、神奈川県発明協会主催の県創意くふう展覧会で、プログラミングしたレゴブロックの作品が特別賞を受賞した経験も持つ。そんな才能も持ちつつ、今は野球に夢中。YAMAYURIで仲間と全国優勝を目指す。「うまい子が多くてみんなと一緒にプレーできるのが楽しい。バッティングや声出しを頑張ってレギュラーを取り、チームとして優勝を目指したい」と抱負を語った。

親子で認知症サポーターに 8月6日 養成講座

 川崎市内在住の小学3年生から6年生と保護者を対象にした「認知症サポーター養成講座」が中原区役所で8月6日(水)に開催される。午後2時から4時。参加無料。

 講座を通じて認知症の正しい知識と理解を深める。申込みは中原区役所ウェブサイト。問い合わせは区地域支援課【電話】044・744・3268。

英語で話しながら工作

英語工作教室 ひと夏の冒険体験 「サファリ」テーマに

 米国人のネイティブ講師と工作を通して英語を学ぶ教室「Room102(ルームワンオーツゥー)」(新丸子駅徒歩1分)が、7月と8月に「英語でサファリ体験」と題した夏のイベントを開催する。

 テーマは「サファリ・アドベンチャー」。冒険に出掛けるような感覚で、動物や自然の世界に親しむための各種アクティビティが楽しめる。親子や仲間たちと英語で遊びながら、工作を通して「自分の力でできた」という自信につなげることが目的だ。

 代表のトニー・クルーズさんは「夏休みだから普段はできない体験をしてほしい。好きな動物を工作したり、冒険ゲームをしながら一緒に夏の思い出をつくりましょう」と呼び掛ける。

 7月29日(火)、30日(水)、31日(木)は3歳から6歳の未就学児と小学生(定員各6人)が対象の3日間のプログラム、8月1日(金)と2日(土)は3歳から6歳の未就学児と保護者(同4組)、小学生(同6人)が対象の2日間のプログラム、小学生対象の1レッスンプログラムを用意する。申込み締切は7月27日(日)。

 時間や参加費などの詳細、参加の申し込みは同教室のウェブサイトから。問い合わせは【電話】044・872・7776(月から土曜、午前9時から午後5時)。

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外国人人権法連絡会 マイノリティ白書を発刊 ヘイト、育成就労制度など全8章

 人権問題に取り組む研究者や弁護士でつくる「外国人人権法連絡会」(田中宏一橋大学名誉教授、丹羽雅雄弁護士共同代表)が『日本における外国人・民族的マイノリティ人権白書』の2025年版=写真=をこのほど発行した。「クルド人差別等、最新の外国人・民族的マイノリティの人権状況が把握できる一冊」と同連絡会の瀧大知事務局次長は語る。

 A4判88ページ、全8章で構成。ヘイトクライム・人種差別、日本の外国人管理体制、移住労働者▽移民女性やマイノリティの子どもたちの権利、難民問題、国際人権基準とマイノリティの権利などについての論考を、大学教授や支援団体が執筆する。ヘイトクライム・人種差別の章では、凶悪化したクルド人ヘイト問題の最新の動向や相模原市の反差別条例の顛末などを紹介。川崎市に続く、悪質な差別行為を抑止する実効性ある禁止条例制定が不可欠であることを同章のはじめで強調する。

 また、技能実習制度に代わる育成就労制度をめぐる論点や日本語指導の必要な子どもの増加による問題、在日外国人の健康権についても取り上げる。2025年が日韓条約60年、人種差別撤廃条約60年、戦後80年の節目であることから、こうしたテーマから見る日本社会の課題について同会共同代表がページを割く。「ぜひご一読いただきたい」と瀧さんは語る。

 価格は1000円。申し込みは同連絡会ウェブサイト内のフォームhttps://gjhr.net/hakusho/2025-2/2025form/
要約筆記者の研修の様子

川崎市登録要約筆記者協会 「聞こえ」文字で支え30年 今秋、記念事業も

 「聞こえない」「聞こえにくい」といった人が会議などの場に参加できるよう、話し手の意図を文字で伝える通訳「要約筆記」。この活動を市内で手掛ける要約筆記者で構成される「川崎市登録要約筆記者協会」が、活動30周年の記念事業を今秋「高津市民館ノクティホール」で行う。

 「要約筆記」とは、話されている内容を要約し、文字で伝える聴覚障害者への情報保障の取り組み。生まれつき聴覚に障害のあるろう者などの言語である「手話」に対して要約筆記は中途失聴者や難聴者などの意思疎通をサポートする手法として役立てられている。

 市内でこの活動を手掛ける川崎市登録要約筆記者協会(三品めぐみ会長)には現在41人の登録要約筆記者が在籍。派遣要請に応じて会議や講演会、病院、学校などさまざまな場所に出向き、手書き、またはパソコンでその場の話の内容を文字にして通訳している。

約1年の研修経て養成

 川崎市で要約筆記者になるためには厚生労働省のカリキュラムにのっとって「川崎市聴覚障害者情報文化センター」(井田三舞町)で開催される養成講座の受講が必須(今年度の募集受付は終了)。約1年に及ぶ講座を修了したのち、全国統一の認定試験をクリアして、川崎市に登録、要約筆記者として活動できるようになる。

 登録後は協会に所属して定期的な研修を行い、会員同士が互いに知識や技術の研さんに努めている。また、会報発行を通じた情報共有や例会開催等による会員間の親睦なども深めているという。

10月にトークショー

 設立30周年を前に同協会では高津市民館ホール(ノクティホール)を会場に10月7日(火)午後2時から記念イベントを開催。シンガーソングライター、作詞家として知られる加藤登紀子氏を招きトークショーを行う。

 当日は「マイナスもプラスにひっくり返そう」というテーマの下、同氏による興味深いエピソードなどが披露される予定。また会場では要約筆記や手話通訳も行われ、川崎市登録要約筆記者協会の活動を垣間見ることもできる(定員600人・入場無料)。申込みは二次元コードより(1口2人まで)。申込み締切りは8月31日(日)。

わくわくコンサート 8月2日 上丸子小で

 新丸子こども文化センター運営協議会などが共催する「わくわくコンサート」が8月2日(土)、上丸子小学校特別活動室で開催される。午後4時から5時(3時30分受付開始)。入場無料。

 歌のお姉さんが奏でる音楽と歌のコンサート。乳幼児から大人まで楽しめ、参加者にプレゼントもある。担当者は「地域の方の参加を歓迎します。音楽で夏の暑さを吹き飛ばしませんか」と呼び掛ける。7月27日(日)までに申込みを。申込みは新丸子こども文化センター、上丸子小わくわくプラザ、西丸子小わくわくプラザで。(問)新丸子こども文化センター【電話】044・711・0368

市教委のパンフレット

対話による校則の見直し カギ握る「子どもの権利」

 生徒と教員が対話しながら校則を見直す動きが、全国の教育現場に広がっている。国の働きかけを受けた流れであり、川崎市でも取り組みが進む一方で、一筋縄ではいかない「現場のリアル」もあるようだ。

 今年春、川崎市立川中島中学校(川崎区)の保護者に「校則の見直しに関するアンケート結果」と題した文書が、市の教育アプリを通して共有された。こんな内容だ。

 ▽校則の見直しに賛成ですか?(賛成98・3%)▽靴の色を白以外もOKにする(賛成88・8%)▽夏服着用時に体操着での登下校をOKにする(賛成94・2%)

 2024年度の同校PTA役員の発案で、同校の保護者にアンケートを実施し、415人から回答を得たものだ。

 発端は髪型の「ツーブロック問題」だった。同校では禁止されていたが、近年「過度な刈り上げ禁止」へと変更された。PTA役員の一人、高買舞さんは「『過度』の判断が難しいという保護者が多かったので、校則に関する親の声を学校に伝えたら、『校則を変えるには生徒の主体性が必要』という回答だった」。アンケートで声を可視化し、学校に共有した。

 あとは「生徒の主体性」次第だが、高買さんは子どもの「リアル」への懸念を打ち明ける。「一部の生徒が頑張って主張しても、消極的な子も多い。そもそも中1や中2が学校に問題提起することは難しいと思う」

 同校の新山英樹校長は「アンケートは承知している。子どもたちの学校生活をよくするためにルール変更が必要なら、子どもの声を聴き、教員たちと相談しながら対応していく」と語る。

子どもの意見表明権

 校則の見直しを巡り、文部科学省は22年12月に改訂した生徒指導の手引き「生徒指導提要」で「本当に必要なものか、絶えず見直しを行う」よう学校に求め、見直し過程での生徒参加を推奨している。これを受けて対話型の見直しの動きが全国に波及。川崎市教育委員会では23年3月に冊子「子どもたちとともにつくる学校生活のルールや約束」を作成し、学校に配布のうえ校長会などで周知を図っている。市教委の担当者は「何かしらの見直しを全校で実施している」とし、「市としては子どもの権利の観点からも『子どもたちと一緒に』という点を重視している」と強調する。

 確かに市の「子どもの権利条例」では子どもに自分の意見を表明する権利(意見表明権)を保障しているが、高買さんが指摘するように、自分の権利を行使できる子どもばかりではない。

 市の子ども会議の委員で、子どもによる「子どもの権利の学び舎」活動を続ける高木萌伽さん(17歳)はこう語る。「自分の声が反映される経験が少ない子どもは『意見を言おう』と思えない。子どもが意見する力を養うには、日ごろから『自分の声や意見を聴かれる経験』が重要。周囲の大人も子どもの思いに共感し、共に行動してほしい」

第40回「麻生音楽祭」終幕 累計7千人が参加

 今年で40回目の開催となった「麻生音楽祭」は7月12日に最終日を迎え、麻生市民館ホールで「ポピュラーミュージックショー」が催された。6月からひと月にわたり続いた音の祭典は、この日の出演者全員がステージに上がって合唱する「Specialバンド」で華々しくフィナーレを迎えた。

 地域の市民や音楽家が中心となって1984年に開いた「音楽フェスタ」を契機に、麻生市民館が開館した翌年の86年に「麻生音楽祭」は始まった。回を重ねるごとに参加者も観客も増え、今では出演者約2千人、観客約5千人が参加する規模に成長した。

 40回目となる今年は、2月に川崎市制100周年記念事業を兼ねた音楽祭の40周年記念イベント「1000人でオーケストラと歌おう!」を特別に実施。約700人が参加し、事前にプロから歌唱指導を受けた上で、坂本九さんの「明日があるさ」などを観客と共に熱唱した。

 音楽祭は6月14日に開催した新百合ヶ丘駅南口広場でのオープニングコンサートを皮切りに、スクールコンサートやアンサンブルのつどいなど6部門を6日間に分けて開催。麻生フィルハーモニー管弦楽団が麻生区のイメージソング「かがやいて麻生」を編曲したオリジナル版を演奏するなど、地域色豊かなステージが続いた。

 最終日の12日はポップスやゴスペル、ロックなど多彩なジャンルのステージが続いた。最終演目「40周年記念Specialバンド」では、この日の出演者約60人のほぼ全員がステージに上がり、井上陽水さんと奥田民生さんの「ありがとう」を全員で歌い、音楽祭は幕を閉じた。

 実行委員長の池上裕子さんは「40周年に向け、実行委員全員が『学園祭』のような熱量で準備を続けてきた。その全てを無事に終えられ、本当に感無量。ご協力、ご参加いただいた全ての方に、感謝している」と満面の笑みだった。

警告ブロックが整備されたアゼリアの地下駐車場につながる階段

アゼリアの点字ブロック 視覚障がい者「願い叶う」 主要駅つなぐ経路設置へ

 川崎駅前の地下街「川崎アゼリア」(川崎区)の構内で、視覚障がい者の安全確保のための点字ブロック設置に向けた調整が続いている。障がい者団体が福田紀彦市長に10年以上、要望を続けてきたものだが、JR川崎駅から京急川崎駅へ向かうルートが、ようやくつながろうとしている。

 7月4日、川崎市と川崎アゼリア(株)、そしてNPO法人川崎市視覚障がい者福祉協会(以下協会)の3者が集まり、アゼリア構内での新たな点字ブロック設置について今後の方針を確認した。今春に設置した地下駐車場に向かう階段の設置に続き、JR川崎駅から京急川崎駅をつなぐルートや、市役所方面をつなぐルートを点字ブロックでつなぐ方針という。

 アゼリアには平日でものべ約27万人の往来があるが、構内にほとんど点字ブロックがないため、協会が10年以上前から福田市長あての「要望書」の中で訴えてきた。協会関係者は「やっと安心してアゼリアを歩くことができる」と喜びを語る。

 この件では、協会は市長への要望に加えて初めて市議会に請願書を提出した。これが総務委員会で採択され、本会議でも全会一致で採択。市は2025年度予算に点字ブロック整備を支援する「整備負担金」を計上。一気にことが進んだ。

「合理的配慮」義務

 協会ではアゼリアの件以外でも、2009年のNPO発足以後、毎年6月に要望書を市に提出してきた。今年の要望も多岐にわたり、「武蔵小杉駅から中原区役所へ向かう途中の交差点に音声信号機を」「田園都市線宮前平駅のホームドアの改善を」「視覚障がい者向けの老人ホームやグループホームを」など、いずれも切実な問題ばかりだ。要望は市の庁内のほか神奈川県警など関係各方面へと伝わるが、アゼリアのように長らく動きがみられないものも、少なくないという。

 協会関係者は「要望に応えてくれることは有難い。しかし障がい者福祉に積極的な自治体と、市内の状況を比べてしまう時もある」と語る。

 さらに近年は「深刻な困りごと」も発生した。コンビニやスーパーのセルフレジ、飲食店などのモバイルオーダーだ。音声ガイドや点字で機能を補わない限り、「情報が得られず、お手上げの状態」と訴える。

 昨年4月には障がい者に対する「合理的配慮の提供」を義務化した改正障害者差別法が施行された。障がい者が「社会的バリアーを取り除いてほしい」と意思表示した場合、事業者側は合理的に対応する必要がある。

昨年の「10代のための見学会」で解説する山田館長

明大登戸研究所資料館 今年も10代向け見学会 「戦争」や「平和」議論も

 明治大学生田キャンパス(多摩区)内にある「平和教育登戸研究所資料館」が、昨年初めて開催した夏の特別イベント「10代のための見学会」を、今年も8月15日(金)に開催する。戦後80年の夏に、あの戦争における日本の加害の史実について、山田朗館長が若い世代に伝承する試みだ。

 特別イベントのタイトルは「ひみつの研究所をさぐれ〜登戸研究所と戦争の裏側〜」。対象は小学5年生から高校3年生で、山田館長の案内を受けながら登戸研究所資料館の展示を見学した後、グループに分かれて感想を述べあい、「戦争」や「平和」などをキーワードに意見を交わす。

 戦時中に旧日本陸軍の「秘密戦」の研究・開発機関だった登戸研究所では、生物兵器や偽札、風船爆弾などが開発され、多くが実際の作戦に使われた。終戦時に証拠隠滅が図られたが、資料館ではこれら「秘密戦」の実態を、資料と写真で解説している。

 中でも風船爆弾は小説化されたこともあり、幅広い年代に関心を集め、現在開催中の企画展「風船爆弾作戦と本土決戦準備-女の子たちの戦争」は、好評のため会期を3カ月延長した。今回の特別イベントも、風船爆弾に焦点を当てた内容になるという。

 山田館長は「若い世代に戦争のさまざまな面を知ってもらえるよう、わかりやすい説明を心がける」と意気込みを語る。

 参加希望者は、資料館の公式ウェブサイト内の受付フォームから申し込む。先着15人。問い合わせは資料館【電話】044・934・7993。

フラッグフットボール 児童対象に体験 8月、とどろきアリーナ

 川崎市内在住の小学生を対象にした「フラッグフットボール体験教室」が8月18日(月)、東急ドレッセとどろきアリーナ(等々力)で開かれる。午前10時30分から午後2時。参加費無料。主催は(公社)日本アメリカンフットボール協会。

 競技の普及・発展と子どもたちの夏休みの思い出づくりが目的。アメリカンフットボールのタックルやぶつかる行為をしないルールで行い、児童でも楽しめるようタックルの代わりに腰に付けたフラッグを奪い合う。

 定員100人。1年から6年まで学年に応じたコースがあり、午後はアメフトの強豪「富士通フロンティアーズ」の選手との触れ合いイベントもある。応募期間は7月25日(金)まで。申込みは市ウェブサイトにある応募フォームから。問い合わせは市民文化局市民スポーツ室【電話】044・200・2257。

新城高演劇部 迫真演技で犯罪防止訴え 新城小で防犯教室

 県立新城高校演劇部は7月10日、新城小学校3年生に向けて防犯教室を行った。

 同校演劇部は、7年前から神奈川県警と神奈川県教育委員会が企画する防犯教室に協力。同小で演劇による万引き防止を呼び掛ける教室を実施してきた。

 今回、部員7人は「かんがえよう やっていいこと わるいこと〜おみせのなかで〜」と題し、友人と2人でコンビニを訪れ、菓子を買おうとしたところ、お金が足りずに万引きをしてしまうという内容の劇を披露。2人は店員に見つかり、保護者や警察に通報、補導され、万引きがどれだけ悪いことなのか、家族や店に迷惑をかけたことなどを迫真の演技で訴えた。児童に向けて「自分のものと他人のものを区別する」「自分で考える。そして正しい行動をとる」「強い心を持つ」ことを呼び掛けた。

 1カ月前から準備、練習を重ねてきたという演劇部のメンバー。警察官役を務めた生徒は中原警察署から借りた実際の制服を身にまとうなど、野崎風里部長は「実際に起きた時のリアルさを大事にしてきた」と話し、「本番でもできた。満足いく演技だった」と語る。劇を見た児童は「万引きがどれだけいけないことか知ることができた」「万引きで店がつぶれることがわかった」と感想を述べた。野崎部長は「伝えたいことを小学生が素直に吸収してくれた。犯罪が減ってほしい」と今回の防犯教室へ込めた思いを語った。

 

「白蛇伝説の祠」参り 8月9日、地元探検

 地元を探検し、自然に触れ合う夏休み特別企画「大イチョウ白蛇祠を早朝まいりで元気をチャージ」が8月9日(土)に行われる。木月一丁目町会・婦人部が主催。

 平坦な中原区にあって、里山が広がる井田山の井田長瀬特別緑地。ここに残る「毘沙門天の大銀杏」を散策する。木の根元にある案内板によると、「大イチョウには祠の主である白い大蛇が住んでいて、多摩川が氾濫したときに洪水の中を大蛇が泳ぎ回って川の氾濫を防いでくれた」という言い伝えがあるという。

 祠や大イチョウの傍らにはお供えものが添えられ、地域の人たちによって大切にされていることが感じられる。

 元住吉駅近くのマルエツ前に集合し、午前5時30分に出発。往復徒歩約1時間、休憩や見学時間を含めて1時間30分程度を見込む。

 企画した婦人部長の河野範子さんは「自然に親しみながら、地元の伝説などを知り、わくわくしながらみんなで楽しみたい」と参加を呼び掛ける。定員8人。参加費無料。家族での参加も歓迎する。申込み締切は8月1日(金)。申込みは河野さん【電話】044・434・3991。

GO!GO!!フロンターレ

富士通スタで恒例の夏祭り!

 川崎フロンターレが運営する富士通スタジアム川崎で8月17日(日)、「第6回 富士通スタジアム川崎 夏まつり Supported by ひまわり調剤薬局」が開催。

 今年は同スタジアムのフィールドだけでなく、隣接する富士見公園エントランス広場と川崎競輪場のイベントステージも会場となり、大規模に実施される。

 盆踊りや射的、かき氷等の飲食販売のほか、浴衣を着て来場すると、フロンターレ選手のサイン入りグッズが当たる抽選会に参加できる。今年は新たな企画も予定。

 午後4時から午後9時まで、入場無料(一部有料)。各ブースの詳しい内容は、同スタジアムの公式ウェブサイト「EVENTS GUIDE」を参照。担当者は「ご家族、ご友人と夏の思い出を作りにぜひ来場ください」と呼び掛ける。雨天・荒天時の開催可否は、当日午後1時頃に同スタジアムの公式X(旧ツイッター)で案内。詳細は同所【電話】044・276・9133。