逗子・葉山版【8月29日(金)号】
メダルを手にする田島さん(左)と安川さん

田島さん安川さん マイルリレーで高校記録 逗子文十郎’sOBが快挙

 逗子市久木在住で私立相洋高校(小田原市)陸上部の田島連さん(3年)、安川潤也さん(3年)の2人が、7月29日に広島市で行われたインターハイ・男子4×400mリレー決勝で、高校記録更新の快走を見せた。

 レースは終始、京都・洛南高校との接戦だった。第1走の安川さんがトップで2走の田島さんにバトンをつなぎ、田島さんは一度は離されたが後半巻き返し、ほぼ同着で3走へ。3走で少し差をつけられ、4走は最後追い上げを見せたが、わずか0・15秒差で涙をのんだ。レースの結果は2位だったが、記録は3分7秒40で、それまでの高校記録3分7秒81を上回り記録を更新。それでも取材時に2人は「勝てなかった悔しい思いが強い。タイムはあくまで結果」と悔しさをにじませた。

小学生時代から切磋琢磨

 田島さんは小学1年、安川さんは小学2年から逗子市内の小学生陸上クラブ「逗子文十郎's」に所属し、走力をつけてきた。高学年になるとリレーで安川さんから田島さんへのバトンリレーはクラブ内で定着していた。久木中学陸上部では田島さんは短距離(主に100m)、安川さんは中長距離(主に800m)で活躍。安川さんは800mで全国大会にも出場した。特に示し合わせたわけではないが、2人とも陸上の名門、相洋高校に進学。高校では同じ400mを走ることもあり、切磋琢磨してきた。

 逗子文十郎'sで小学生時代の2人を指導した西山恒久さん(56)は「田島君は黙々と練習に励み、安川君は楽しみながらリーダーシップを発揮する子だった。2人とも目指すところは高かったが、高校記録を出すとは。聞いた時は鳥肌が立った」とその活躍ぶりを喜んだ。

 高校卒業後は別々の大学に進学予定の2人。田島さんは「日本インカレや日本選手権で走りたい」、安川さんは「全国の舞台でまた記録を残したい」とそれぞれ今後の目標を語った。

逗子署員として12年ぶりに全国大会に進んだ諸星さん

逗子消防諸星さん 12年ぶり全国大会へ ロープブリッジ渡過で

 逗子市消防署の諸星大弥(ひろや)さん(30)が8月30日(土)に兵庫県で開催される全国消防救助技術大会に、神奈川県代表として逗子署から12年ぶりに出場する。諸星さんは6回目の挑戦にして初めての参戦に「出るからには勝ちに行く」と意気込む。

 同大会は陸上の部7種、水上の部7種の14種からなり、諸星さんは陸上の部の「ロープブリッジ渡過」に出場する。同競技は高さ7メートルの位置に水平に張られた長さ20メートルのロープを渡る競技。行きはロープに体を乗せて移動する「セーラー渡過」、帰りはぶら下がるようにして移動する「モンキー渡過」で往復のタイムを競う。

 6月に神奈川県消防学校(厚木市)で行われた予選にあたる神奈川県消防救助技術指導会で諸星さんは17・2秒(2位17・9秒)のタイムで14人中1位となり全国へ駒を進めた。全国大会の参加隊員は52人だが、諸星さんが自己ベストタイム15・8秒を出せば十分に優勝を狙える。

 同競技では現逗子市消防本部消防長の熊坂篤範さんが1997年、99年に全国優勝を果たしている。

探究精神で成長

 諸星さんは高校卒業後、消防士となった。人のためになり、「ありがとう」と感謝される仕事に就きたいと考えた時、小学生時代に目撃した火災現場で活躍する消防隊員の姿が脳裏に浮かんだという。

 現救助隊長の菅原慎之介さんは「12年前、私の直属として入ってきた時は純粋な青年という印象だった。探究心が強く、救助技術についても突き詰めて考えている。一緒に救助隊として活動した時期もあり、素晴らしい人物」と評する。

 諸星さんは「実際の災害現場や、同乗した救急車で『ありがとう』と言葉をいただくとやりがいを感じる。訓練していないことは実際の現場でできないと思うので、繰り返し訓練に励みます」と力強く語った。

 熊坂消防長は「訓練の一つ一つの積み重ねがいざという時に発揮され、市民の安全安心につながる。猛暑の中、訓練する姿は誇らしく思う。大会は結果どうこうより楽しんでもらいたい」とエールを送った。

マッサージの世界大会で総合優勝を果たした 山口 太郎さん 葉山町下山口在住 32歳

夢広がる世界チャンプ

 ○…世界27カ国、約450人が技術を競い合った「マッサージチャンピオンシップワールドツアー」。5月に都内で行われた同大会に唯一、理容師として出場しフリースタイル部門で1位、総合優勝を果たした。「自分がやっていることをただやりたかった。まさか優勝とは」と振り返る。

 ○…葉山で100年以上続く理容店の4代目。床屋は「散髪だけでなく、洗髪やマッサージなどトータルリラクゼーション」だと強調。「スキばさみやカミソリの音も重要」だと話す。YouTubeにあげた施術動画の中でマッサージの再生回数の多さから客のニーズを確信。「誰もやっていないことをやろう」と研鑽し、オリジナルスタイルを確立した。

 ○…幼少時代、多くの習い事を自由にやらせてもらった。中でもピアノは「リズム感、左右の手の違う動き、強弱などが凝縮」されていてマッサージやカットに生きている。高校の部活引退時に「バスケでは食べていけない」と思い、家業の理容師の道へ。5年間の修業時代は「全寮制、薄給、朝から晩まで練習漬けで遊ぶ暇もなく辛かった」が技術はしっかり習得。「あの苦労があってのいま」と回顧する。

 ○…世界王者になり、海外からのオファーが殺到。年内だけでもパリをはじめ5都市でのセミナーがあり、準備にいとまがない。TVの人気ドキュメンタリー番組でも紹介され、2カ月先まで予約で埋まってしまった。この状況に「時間は有限」と気付いた。オリジナルのシャンプーやアパレルなど、やりたいことも多い。今一番の夢はパリの一流ホテルに自分のヘッドスパブランドを立ち上げること。「チャンスはあると思う。今、限界を越えているが、ワクワクしている。しっかりこの波に乗りたい」

質問するデヴォルト珂泉さん

葉山町中高生議会 町の課題指摘し、提案 生徒8人が質問

 「子どもの意見を聞きたい」という趣旨で始められ、今回で12回目を数える「中学生・高校生議会」が8月19日、葉山町議会議場で行われた。中学生5人、高校生3人が町の交通問題、防犯、防災、施設・設備、自然保護などへのまちの取り組みについて、山梨崇仁町長や町幹部職員らと質疑を交わした。

 県立逗子葉山高校1年の飯田海響(かゆら)さんは終バスを逃し、暗い夜道を歩いた経験を踏まえ、防犯の観点から、防犯カメラ付き街路灯の設置を提案。町幹部は「プライバシーに配慮しながら、街路灯の活用を検討する」と前向きに答弁した。

 学校では生徒会役員をしているという町立南郷中学2年の岩嵜果歩さんは自然災害に対しての町の取り組みについて質問。外国人観光客も多い中、地震や津波の際の防災無線が日本語だけだと指摘。日本語を理解できない外国人に向けての対策を求めた。幹部は「大変厳しい指摘をいただいた。現在の唯一の日本語以外の案内は事前登録制の音声メールだけ。放送や町外からのお客様に日本語以外での案内がどのようにできるか大変課題だと思う。真摯に受け止める」と答えた。

 法政大学第二高校3年のデヴォルト珂泉(かい)さんは町の森林に関連する取り組みについて意見を述べた。葉山町とその周辺は土砂災害も多いことから、住民に関心を持ってもらうために、”防災×葉山の魅力”をテーマにしたウォーキングで実際に葉山を歩き、危険個所を確認する企画を提案。町は「ハザードマップを見るだけでなく、地図を持ちながら現場を見て回ることは重要なこと」と賛同の意を示した。

高齢者の転倒、年間500件 逗子で救急の日イベント

 逗子市消防本部によれば逗子市内の2024年中の救急出場件数は過去最高の3980件だった。その内、65歳以上の転倒による出場は約500件で、8件に1件の割合を占める。

 消防本部はこうした状況を踏まえ、9月9日(火)(救急の日)にJR逗子駅前のマクドナルド前付近で啓発イベントを開催する。

 逗子市消防署は胸骨圧迫、AED体験を実施。心臓が止まってから、最初の3分で救命処置が行われるかどうかが救命率を左右する。「その時何かできるのはあなただけです」と訴える。

 市国保健康課は「出張未病センター」を出展。立ち上がりテスト、握力測定の実施やフードモデルを展示する。保健師・管理栄養士が測定結果の説明や健康情報を伝える。自身の筋力や食生活について振り返ることができる。「簡単チェックで健康度を見える化します。お気軽にお立ち寄りください」を参加を呼び掛ける。

 市社会福祉課地域共生係はフレイル(年齢を重ねて心身の活力が低下した状態)簡易測定を行う。フレイルの兆候があるかを「栄養(歯・口腔)」「運動」「社会参加」の観点から11の項目で確認するイレブンチェックや、握力・噛む力・口の健康度などを測定する。「健康寿命を延ばす工夫を一緒に学びましょう」と促す。

 開催時間は午前9時から正午。

 問い合わせは逗子市消防本部【電話】046・871・4325。

やまばとの会 音訳の基礎を学ぶ 入門講座10月3日から

 視覚障害者のために録音図書を作成している音訳グループ「やまばとの会」が10月3日から11月21日まで、毎週金曜日に「録音ボランティア入門講座」を開講する。

 音訳とは、視覚に障害がある人のために文字や絵図などを音声に訳す事で、録音ボランティアは新聞・雑誌・読み物・広報誌(広報ずし)などの文字情報をパソコンを使って音訳・編集し、CDやSDカードにする活動を行う。

 全8回の講座は呼吸法、発声、発音、図・表・写真の表現方法など、音訳に必要な知識や技術の基礎を学ぶ。講師は都立中央図書館音訳者の遠藤美枝子さんと、やまばとの会が務める。

 会場は逗子市福祉会館(逗子市桜山)で毎回午前10時から正午。受講料無料だが、初回に教材費1000円が必要。

 講座終了後、引き続きフォロー講座(全6回)を開催予定。

 定員は30人(応募多数の場合は抽選)。申し込みは9月20日(土)まで。

 9月26日(金)、午後1時30分から事前説明会を開催。

 申し込みは住所、氏名(フリガナ)、電話番号/FAX、年齢、メールアドレスを明記し、【メール】zushi@yamabato.info、または【携帯電話】080・2554・8810(留守番電話)まで。問い合わせも同番号へ。

愛称は1004件の応募から選ばれた

うみまちBASE逗子 仕事の地産地消目指す 9月1日オープン

 逗子市商工会(山上良会長)が新しく運用するコワーキングスペースが9月1日(月)、逗子5丁目の逗子会館内にオープンする。

 これにさきがけ8月5日に行われたオープニングセレモニーでは事前公募をしていた愛称が「うみまちBASE逗子」に決定したと発表された。逗子市在住でグラフィックデザイナーのsora(そら)―so(そー)da(だ)さんの考案。逗子の「海」のイメージと仕事を「生み」出すの2つの意味が織り交ぜられ、地域に密着しさまざまな人たちが集い、仕事やプロジェクトが生まれる「基地」のような場所になってほしいという思いが込められている。

 菊池尚同会副会長によれば、コロナ禍以降、逗子にはリモートやPC一つで仕事する人が増えており、施設はコワーキングスペースがメインだが、こうした人たちのマッチング、交流、起業支援、出張窓口相談など商工会ならではの機能を活用していきたいという。「つながる仕組み作りをこの施設が手伝い、大きな産業の少ない逗子としてビジネスの地産地消を促し、商工業、経済、地域の活性化につなげていきたい」とビジョンを語った。

 同施設は1階は打ち合わせやワークショップなどに使えるレンタルスペース、2階は自由席10席、3階は固定席14席となっている。

 運営・問い合わせは同商工会【電話】046・873・2774。

葉山ロータリークラブ富田 淳(あつし)さん(56歳)

奉仕団体 会長の横顔 好きなことをやる

 入会9年目にして葉山ロータリークラブ(葉山RC)の第45代会長に就任した。

 「地域もクラブの会員の中にも防災意識の高まりを感じている。社会奉仕事業として毎年、中学生向けに心肺蘇生講習を行っているのに加え、今年は防災もプラスしていく」と抱負を語る。11月には葉山中学校で初めての防災イベントが予定されており、RCとしてブースを出展する。

 婚約指輪を購入した店のオーナーがクラブ会員で勧誘を受けた。逗子海岸で長年、海の家を経営していて葉山とも縁があり、社会勉強にもなって、人との関わり方も学べると思い2016年に入会。親子を対象にしたボートフィッシングのイベントなどで地域と関わってきた。

 「海」が好きで、好きなことを仕事にしたいと思い、逗子海岸で海の家を開いて19年目。横浜の野毛地区でも飲食店を3店舗経営している。

 「飲食店はお客さんが喜んでくれることが自分たちの喜びでもある。奉仕活動も一緒。結果的に自分のためににやること。人の為だと「偽」になるでしょ。基本的に好きな事しかしたくない。そのためにどうすればいいかを常に考えている。だから心は満たされてますよ。気持ちに余裕があるから奉仕もできるのかな」と笑顔を見せた。

「戦争絶対反対、皆で言おう」 103歳三田村さんが訴え

ずし平和デー

 戦争の悲惨さや平和の尊さ、命の大切さを子どもたちに伝える「ずし平和デー」が8月7日から12日まで行われた。7日のオープニングセレモニーで、戦闘機の整備兵として宮崎県の都城西飛行場や鹿児島県の知覧飛行場で特攻機を見送った103歳の三田村鳳治さん)=写真上=が、当時の体験を語った。

 1943年10月21日、明治神宮で行われた学徒出陣の壮行会に三田村さんもいた。二度と明治神宮に戻ってくることなく、死ぬんだと思った三田村さんは「秋くれば友と歩みし雨の外苑」と句を詠んだ。

 川崎、立川、三重、宮崎、鹿児島と勤務地を移り、鹿児島の知覧飛行場に着いた時には上官から「貴様らは死ぬんだから髪の毛と爪を切って遺書を書け」と言われたことが「本当に辛かった」と語った。知覧では特攻兵が兵舎の裏の松林で泣いている姿を見たという。また「『母ちゃん(妻)に会いたいよ』という仲の良かった隊員の言葉が耳に残っている。戦後、戦友会でその奥さんと会った。当時、お腹にいた子どもが立派になっていて…」と涙ながらに声を絞り出した。

 常に死と向き合う状況だった一方で、ある上官の言葉が三田村さんを救った。沖縄に向かおうとした三田村さんに「死ぬのはいつでも死ねる。これからの日本をどうするか考えているか」と言われ、思いとどまったのだという。

 会場の人たちに向け三田村さんは「軍国主義の時代は自由にものも言えなかった。今は違う。戦争が始まりそうだったら、みんなで『戦争はだめなんだ』と言って止めてもらいたい」とメッセージを送った。

葉山で平和を考える一日

 葉山町では8月7日、葉山町福祉文化会館で「葉山で平和を考える一日」が開催された。

 ホールでは講演会「記憶を越えて福島富子さんが語る『生きる』という事」が行われ、葉山原爆被災者会会長で神奈川県原爆被災者の会副会長の福島富子さん(80)=写真下=が登壇。

 福島さんは生後7カ月の時に長崎県で被爆。4歳で五島列島の伯母の家に預けられ、被爆した事実を知らずに過ごし、ここでの暮らしで着物に親しむようになった。放射能の影響を受けることなく健康に育ててもらった恩返しのつもりで、被爆証言の際には着物を着るようにしているという。

 24歳の時に兄の勧めで被爆者手帳を取得。被爆者の会に所属するも先輩から「記憶がないなら語る資格はない」と言われ、自身もそう思い込んできた。

 しかし、東日本大震災の福島原発事故を機に、「声を上げなければ」と思い立った。ある中学校の先生から「記憶はなくともその後の生き方や苦しみは被爆していなければなかったはず。その経験を知りたい」と言われたことから語り部としての活動が始まった。

 その後は積極的に活動し、2015年には核拡散防止条約運用検討会議に合わせ渡米。現地の学校で体験談を話したり、デモにも参加し核廃絶を訴えた。昨年、被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞し、オスロに赴いた際には、平和センターに着物を着た福島さんの幕が飾られるということがあった。

 今年はピースボートにも乗船。直接顔を合わせて被爆体験を語ることで、原爆や戦争の残酷性の理解が深まっていくと感じたという。ここで作られたビデオで福島さんは次のように語った。「いろんな意見の人がいる。攻撃されるから戦争をしなきゃいけないとか、日本も核を持つべきだとか。そういう人たちが少しでも考えを変えてくれるのを望みます」

山口蓬春《牧童図 模写》(十牛図のうち)原本:伝智融筆、MIHO MUSEUM蔵

蓬春の模写に迫る 9月15日まで

 山口蓬春記念館(葉山町一色)は蓬春の模写に焦点を当てた夏季企画展「山口蓬春の模写の魅力」を9月15日(月)まで開催している。

 同館は、蓬春が東京美術学校日本画科の在学中から卒業後にかけて制作した模写も所蔵。蓬春はこれらの模写を通して伝統的な日本画の技法を学び、新日本画創造の源泉にもなっていたことがうかがえる。同展は蓬春の日本画と模写の両方に焦点を当て、彼の古典研究の軌跡と、時代を超えた名画の魅力を紹介する企画となっている。

 関連イベントとして、学芸員による展示解説が9月6日(土)と12日(金)の午後1時30分から開催される。各回とも先着10人で、参加には入館料が必要。8月31日(日)までは、夏休み親子鑑賞期間として高校生以下の子連れの家族は入館料が100円割引きとなる。

 入館料は一般600円で、高校生以下は無料。開館時間は午前10時から午後4時30分(入館は午後4時まで)。休館日は毎週月曜日(9月15日を除く)。

 (問)同館【電話】046・875・6094

潜水艦をバックに記念撮影

葉山防衛協会 潜水艦見学で意識高く 広い艦内に驚き

 葉山防衛協会(立川丈夫会長)は8月23日、部隊研修の一環で、米海軍横須賀基地に停泊中の海上自衛隊潜水艦「うずしお」(全長82メートル/2750トン)の見学会を行った。

 同協会員のほか小中学生10人を含め、34人が参加した。

 3グループに分かれ、同艦の乗組員の指示に従い艦内へ。大人1人が入れるくらいのハッチから下に垂直にのびるはしごに戸惑う子どももいたが、乗組員のサポートを受け、自力で降りて行った。

 艦内では士官室、発令所、発射管室、機械室などを見学。発令所では潜望鏡を動かして覗いてみたり、舵のハンドルを動かすなどの体験をした。また、食堂やシャワー室、トイレなど乗組員の生活空間も見て回った。食堂にはテレビが設置されているが、潜水艦内は音を出さないことが求められるため、ヘッドフォンを使用するのだという。限られたスペースを生かすために、ベンチの中にはジャガイモやタマネギなどの常温保存のできる食材がストックされていた。発射管室は比較的広いスペースのため乗組員が筋トレを行ったりするといったエピソードも披露された。

 鎌倉市から両親と一緒に参加した遠藤郁弥さん(11)、雅紀さん(8)は「思ったより中が広くて涼しかった。舵を動かすのが楽しかった。絵日記に書けそう」と感想を話した。

 同協会は子どもたちに自衛隊への理解を深めてもらおうと年3回、同様の研修会を行っている。

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星空とピアノの共演 逗子文化プラザホールで

 逗子文化プラザさざなみホール(逗子市逗子)で11月22日(土)、プラネタリウムコンサート「秋の夜長の星とピアノ」が開催される。

 ピアニスト・ボーカリストのKOSEIさんと、本紙コラム「星座にまつわるエトセトラ」の執筆者で、プラネタリウム・プランナーのかわいじゅんこさんが出演。

 かわいさんは会場のスクリーンなどに星空を投影し、秋の星座を解説。その中でKOSEIさんが『月の光』『見上げてごらん夜の星を』など、誰もが知る名曲をロマンチックなピアノと歌声で披露する。美しい星空と心に響く音色が織りなす非日常的な空間で、心温まるひと時を過ごすことができる。

 午後1時(開場0時30分)からと、3時(同2時30分)からの2回公演。各回60分。全席自由で、一般2000円、高校生以下500円。未就学児の入場不可。チケットは同ホール窓口、インターネットで販売中。

 問い合わせ、チケット申し込みは逗子文化プラザホール【電話】046・870・6622。

三浦半島戦争遺跡 「物言わぬ語り部」後世に 自分の足でめぐるガイドブック

 明治から昭和初期にかけて、首都防衛を目的に建設された「東京湾要塞」と呼ばれる戦争遺跡(戦跡)にスポットを当てたガイドブック『三浦半島 東京湾要塞地帯を行く!』=写真=を在野の研究家であるデビット佐藤さん(佐藤正弘/66)が発行した。

 東京湾要塞は三浦半島と房総半島に築かれた砲台や海堡などの軍事施設。同ガイドブックでは三浦半島に遺されている約80の戦跡を紹介している。佐藤さんによれば、

戦跡は主に明治以降の戦争の痕跡を指すもので、軍事遺構だけでなく、有形・無形のものすべてが対象であり、体験者の証言も含むというのが近年の考え方だという。

 今回手掛けたガイドブックもそうした視点に立ち、砲台跡や弾薬庫、地下壕などの施設に加え、供養塔、特攻隊員の遺品、戦時教育に用いられた二宮金次郎像ほかを盛り込んだ。数多の戦跡資料は学術的で堅苦しい記述が大半であるため平易な言葉で伝えることに力点を置き、現地を訪れて五感を通して感じてもらう作りとした。佐藤さんは「戦争遺跡が語り掛けることに耳を傾けて欲しい」と話している。

 佐藤さんは2018年からタウンニュース横須賀版(現横須賀・三浦版)で戦跡を紹介するコラムを担当。ガイドブックはここで取り上げてきた内容を大幅に加筆し、新たな情報も追加した。これからの戦跡の保存活用を考える対談なども掲載している。

 B5判オールカラー160ページで定価2728円+税。購入希望者は佐藤さんのメール(tkyosai830@tf6.so-net.ne.jp)へ。

「フレイル(虚弱)とは?」 vol.37 人生100年時代今から始める終活のススメ

 「最近歩くのが遅く、つまずきやすい。外に出るのがおっくう」このような状態がフレイルで、健康と要介護の中間です。特に女性が介護が必要となった原因の3位が高齢による衰弱。(1位は転倒、骨折。2位は認知症。厚労省2022)よって、このフレイルの予防が健康寿命を延ばす大きなカギといえるのです。筋力の低下は身体的フレイル、孤立や閉じこもりは社会的フレイル、認知機能の低下は心理的フレイルと呼ばれ、この3つが重なり合うとフレイルはさらに進みます。

 ですが、うれしいことにフレイルの特徴は頑張れば元に戻るという可逆性があること。頑張れば健康に戻る...まさに自分との戦いですね。負けてたまるか、やるしかありません。そして健康がゴールではなく、健康になったら何をやりたいか、が重要です。

 まずは指輪っかテストでチェックをしましょう。両手の指で輪っかを作り、ふくらはぎを囲みます。ちょうどか、囲めないくらいふくらはぎが太い場合は合格。隙間ができる場合は不合格なのでレベルを上げての筋力アップを目指します。男性34センチメートル、女性32センチメートル未満は要注意。自分に言い聞かせて運動というより努めて体を動かすこと。フレイル予防教室への参加も手っ取り早いかもしれません。一緒に頑張る仲間の存在は大きな力になります。

星座にまつわるエトセトラ 「皆既月食を見よう」

 今年の初めに、このコラムでも紹介した、今年の天文現象の一つ、皆既月食が、9月8日(月)に起こります。今回は、それをもっと詳しくご紹介します。月食は地球の影に月が入る現象で、影にすっぽり入るのが「皆既月食」です。このとき、月が真っ黒になって見えなくなるのではなく、太陽の光が地球を回り込んで、波長の長い赤い光が届くので、赤銅色に見えます。今回、3年振りに全国で見られる皆既月食。月が欠け始めるのは、9月8日に日付が変わって、1時27分。地球の影に完全に入るのが2時30分。ここからが、まさに皆既月食です。3時53分まで赤銅色の月を楽しむことができます。そして、だんだん月が復活してきて、4時57分に、いつもの月に戻ります。食の経過時刻は全国どこでも同じですが、場所によって月の高さが違います。南へ行くほど月が高く見えます。