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逗子・葉山 社会

公開日:2025.08.29

三浦半島戦争遺跡
「物言わぬ語り部」後世に
自分の足でめぐるガイドブック

 明治から昭和初期にかけて、首都防衛を目的に建設された「東京湾要塞」と呼ばれる戦争遺跡(戦跡)にスポットを当てたガイドブック『三浦半島 東京湾要塞地帯を行く!』=写真=を在野の研究家であるデビット佐藤さん(佐藤正弘/66)が発行した。

 東京湾要塞は三浦半島と房総半島に築かれた砲台や海堡などの軍事施設。同ガイドブックでは三浦半島に遺されている約80の戦跡を紹介している。佐藤さんによれば、

戦跡は主に明治以降の戦争の痕跡を指すもので、軍事遺構だけでなく、有形・無形のものすべてが対象であり、体験者の証言も含むというのが近年の考え方だという。

 今回手掛けたガイドブックもそうした視点に立ち、砲台跡や弾薬庫、地下壕などの施設に加え、供養塔、特攻隊員の遺品、戦時教育に用いられた二宮金次郎像ほかを盛り込んだ。数多の戦跡資料は学術的で堅苦しい記述が大半であるため平易な言葉で伝えることに力点を置き、現地を訪れて五感を通して感じてもらう作りとした。佐藤さんは「戦争遺跡が語り掛けることに耳を傾けて欲しい」と話している。

 佐藤さんは2018年からタウンニュース横須賀版(現横須賀・三浦版)で戦跡を紹介するコラムを担当。ガイドブックはここで取り上げてきた内容を大幅に加筆し、新たな情報も追加した。これからの戦跡の保存活用を考える対談なども掲載している。

 B5判オールカラー160ページで定価2728円+税。購入希望者は佐藤さんのメール(tkyosai830@tf6.so-net.ne.jp)へ。

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