大和版【10月3日(金)号】
オレンジ色に染まる客席=写真提供

大和シルフィード 客席がオレンジ色に 1,215人が来場

 大和市をホームタウンとする女子サッカーチーム「大和シルフィード」(高橋和幸監督)のホーム公式戦(第19節)が9月28日、大和なでしこスタジアムで行われた。同チームによると、有料試合ではクラブ史上最多を更新する1215人が来場した。

 なでしこリーグ2部を戦う大和シルフィード。「アツギDAY」と銘打った今回は、FCふじざくら山梨と対戦した。

 試合は相手チームのペースに翻弄され、立て続けに2失点する展開に。浜田遥選手(FW)が前半41分にゴールを決めるも、1対3で敗れた。

 同チームの広報によると、当日は有料試合のホーム公式戦では2023年6月の1028人を更新するクラブ史上最多の1215人が駆け付けた。

 「この地域が女子サッカーで一つにつながっていることを形に」という思いから、今回は「地域の未来をつくるTシャツプロジェクト」を実施。多くの企業や団体が賛同し、当日先着300人に無料配布された「特別プロジェクトユニフォーム」は約20分で終了した。

 満員のスタンドを見た和田涼花選手(GK)は「オレンジ色いっぱいの景色に鳥肌が立ちましたし、本当に大和の皆さんは温かい人たちなんだと思った」と振り返った。

 現在、6勝9敗4分の7位。次回のホームゲームは10月18日(土)で、今シーズン最後の試合となる。対戦相手はディアヴォロッソ広島で、午後1時キックオフ。

 高橋監督は「残り3試合。後悔しないようしっかり準備をして戦います」と意気込んだ。
大和市役所

大和市 財政健全化へ指針策定 人員配置し11月めどに

 大和市は1日付で人事を発令し、未来政策部に財政健全化プロジェクトリーダーと財政健全化特命担当課長を配置した。「市の貯金」といわれる財政調整基金が減少するなか、市では硬直化が指摘される財政の立て直しを図る。

 財政調整基金は、財源に余裕のある年度に積み立て、災害や不況など不測の事態で財源不足が生じた年度に活用されるなど、重要な自主財源としてその残高は健全財政の指標にもなる。

 市財政課によると、2022年度末におよそ67億円あった大和市の財政調整基金は、23年度末に60億円、24年度末には41億円まで減少した。

 11年度末以降は50億円以上で推移してきたが、新型コロナウイルスの影響で20年度末は43億円まで減少。翌年度末は、事業自粛もあって59億円まで回復していた。

 同課によると、25年度末の財政調整基金は30億円まで減少する見通しといい、このまま推移した場合、27年度末には枯渇する懸念もあるという。

 同課担当者は減少の要因について、物価や人件費の高騰のほか、扶助費の増加、シリウス、ポラリスなどの公共工事に伴う市債の償還額の増加などを挙げる。

 こうした状況に加え、市では24年度の経常収支比率が101・5%に達し、初めて100%を超えた。経常収支比率は、経常的な経費を市税などの一般財源で割って算出するため、この比率が低いほど財政にゆとりがあるとされる。

 9月25日の市議会(山田己智恵議長)の定例会では、24年度の一般会計決算が賛成多数で認定された一方、一部の会派から抜本的、効果的な財政健全化を求める附帯決議が提出され、賛成多数で原案可決された。

 こうした背景のもと、市では1日付で特命担当を未来政策部に配置し、財政健全化へ向けた指針となる「(仮称)大和市健全財政・改革ビジョン」を今年11月までに策定する方針だ。

 同課担当者は「26年度からの3カ年で財政構造の抜本的な改革を図りたい」と話し、市議会の指摘にも応える形で、財政の健全化に取り組む姿勢を強調している。

10月下旬から色とりどりのバラが咲き始める(9月21日撮影)

あやせローズガーデン 秋の見頃で10万人へ 南側公園には水遊び場

 厚木基地の西隣にある光綾公園内の「あやせローズガーデン」(綾瀬市深谷上)で、来場者数が9万5000人を超えた。今年5月に開園し賑わいは一段落したが、10月下旬から11月にかけてバラが秋の見頃を迎える。

 同ガーデンは「綾瀬市の花」であるバラを主役に整備され、世界各地を巡るイメージで11の庭園が広がっている。設計や監修を手掛けているのは、NHK「趣味の園芸」講師で横浜イングリッシュガーデンスーパーバイザーの河合伸志氏。園内には綾瀬市オリジナルの品種「ル・デパール・ド・アヤセ」などが植えられ、今年5月のオープン時にはひと月で約7万人が訪れた。

 バラの見ごろが過ぎた後も園内には宿根草などを見る人で賑わい、夏は真っ赤なタイタンビカスやヒマワリなどの花が彩った。猛暑となった7月・8月は月間約2〜3千人と減少したものの、10月下旬からは秋の見ごろを迎え、サルビアやジニア、コスモスなども楽しめそうだ。園内では植栽の風通しを良く見栄えするよう、スタッフが剪定などを続けている。

 この新名所はオープン前に有料化なども検討されたが、入場無料となった。有料の場合は券売機やゲートなども必要になるため、年間の来園者数を把握した上で研究する方針。ガーデン周囲は今も工事用のフェンスで囲まれており、これは生垣となる木々の生育を待って外される。園内のバラなどは今後成長が進めば見ごたえも増しそうだ。

来年3月完成

 ローズガーデンの南側エリアも整備工事が行われている。新たに噴水やせせらぎのような水遊び場、サポート付きブランコなどの遊具、公衆トイレも新築されるほか、人気の船型遊具「わんぱく丸」も使えるようになり、来年3月の完成後は親子向けの行楽スポットとして注目されそうだ。

海老名アメダス 今年6〜9月 平均気温は史上最高 8月5日に39.9度観測

 海老名市の気象庁のアメダス(市内中新田)が、1976年の観測開始からもうすぐ半世紀を迎える。今年は8月5日に県内観測史上最高の39・9度を観測。6月1日〜9月20日現在の平均気温は27・5度で、観測開始の78年は今より2・8度低い24・7度だった。

 アメダスとは気象庁の地域気象観測システム。海老名の観測地点は市内の学校施設の敷地にあるが、詳細な場所は公開されていない。

 横浜地方気象台によると「設置の経緯が分かる資料はないが、観測装置はおおむね21Kmごとに設置されており、海老名が選ばれたのでは」としている。同様の施設は小田原や辻堂、三浦、横浜にもあり、過去の記録では海老名は辻堂や横浜に比べ平均気温は0・6度ほど低く、日照もやや短い傾向がある。6〜9月の気温はここ数年上昇傾向で、今年は高気圧や海水温上昇なども影響し、過去最高を記録。累計雨量は昨年の半分以下で、例年より少なめだった。

 農業関係者からは酷暑の影響を懸念する声もある。店頭価格が注目される米(水稲)は本来は30度くらいまでが良いが、35度以上など酷暑が続くとデンプンが粒に行き渡らない「白未熟粒」が出やすいとされる。

 JAさがみ海老名営農経済センターでは「暑すぎるとイチゴは花芽分化しにくくなる。クリスマス前に値段が高くなるが、思うように収穫できるだろうか」と心配する。同大和営農経済センターでは「野菜にとって良くない暑さだった。日焼けや変形が出ると、出荷できる数が減ってしまう」と話す。秋の植えつけも暑さが落ち着く状況を待ったため、例年より遅れ気味という。

交流会を開催する多機能型発達支援事業所「きねとうす」の代表を務める 田中 美智子さん 西鶴間在勤 46歳

交流の輪、広がれ

 ○…特性のある子どもたちの早期支援を行う多機能型発達支援事業所「きねとうす」で、子育ての悩みを抱える保護者のための交流会を開催する。交流会を通じて、「悩みを一人で抱え込まないでほしい。息抜きをしてもらいながら、『私だけじゃない』という気づきが得られる場を提供できたら」と期待を寄せる。「交流で得られた気づきを、子育てに活かしてもらえたら」と参加を呼び掛ける。

 ○…宮崎県高鍋町の出身。家の周りは山や海などに囲まれ、自然の中で育った。海水浴や山菜採りなど、外で遊ぶことが多く「宮崎の太陽に焼かれて常に真っ黒でした」。中学ではソフトテニスに打ち込み、県のベスト16に入る腕前だった。高校は看護学科に進学。「看護師として働いていた姉が、キラキラしていた姿に憧れた」と振り返る。

 ○…専門学校を卒業後は、川崎市内の大学病院に勤めたのち、大和市立病院で訪問看護の調整役として従事した。その後は、医師会のスタッフとして、コロナ禍の検査場のシフト調整など、組織運営を経験。「ゼロから組織や体制をつくる楽しさを学んだ」。23年3月に株式会社RONDOを設立し、高齢者の医療や介護生活のサポートに尽力している。今年5月には「きねとうす」を開設。「子どもたちのために何かしたいと考えた」

 ○…自宅では、夫と4人の子どもと穏やかに暮らしている。毎日夜明け前の午前3時ごろに起床し、子どもたちの弁当作りや送迎など、多忙な日々を送るが「好きだから苦にならない」。今後は特性のある子どもたちとその家族が「将来にわたり、地域社会で安心した生活を送れるようサポートする仕組みづくりに取り組みたい」と目標を見据える。

「税に関する絵はがきコンクール」を主催する(公社)大和法人会の女性部会長を務める 本多 里美さん 座間市緑ヶ丘在住 65歳

感謝の気持ちは行動で

 ○…県央4市の2千社超が加入する大和法人会。会員の中から女性経営者らで構成される女性部会を今年6月からけん引する。メンバーはおよそ60人。「頼まれたら断れない」と頭をかきつつ、真摯に責務と向き合う姿に信頼が寄せられる。小学生を対象にした「絵はがきコンクール」は同会の大切な事業の一つ。集まった作品は200点超。「すべて入賞としたい」と子どもたちの努力をたたえる。

 ○…東京都杉並区に生まれた。家族が新居を購入したのを機に、3歳で座間市に移り住んだ。ピアノに書道、学習塾と多くの習い事をした小学生時代。「どれも長続きしなかった」と語るが、「軟式テニスは違った」。当時流行したアニメ「エースをねらえ!」にあこがれラケットをにぎった。中学3年生の時、市大会で3位に。「うれしかった」と青春の日々をなつかしむ。

 ○…高校でもテニスに情熱を注ぎ、卒業後は金融機関に就職。競技を通じて身につけた「チャレンジ精神」は社会に出てから転機を呼び起こす。出産・子育てを経て40代となったある日、「自分を雇ってくれる会社はあるのか」と自問自答した。「ならば会社を作れば」と一念発起。53歳の時に、仲間と建設関係の会社を創業した。大和法人会に入ったのもこのころ。「多くの出会いに恵まれた」と振り返る。

 ○…法人会では広報委員も務めるほか、大和間税会の女性部長、海老名商工会議所女性会の副会長など多くの役割をこなしている。本音を尋ねると「とても忙しい」と明かすが、「多くの人に囲まれながら活動させていただき、ありがたい」ともう一つの本音も加える。「体が動く限りは今の生活を続けたいな」。これからも感謝の気持ちを行動で示していく。

見ごろを迎えた彼岸花=9月29日撮影

境内を紅白に彩る 常泉寺

 大和市福田にある常泉寺(青蔭文雄住職)で9月29日、境内の彼岸花が見ごろを迎えた。

 現在、赤色と白色の彼岸花が7000株以上植えられている同寺。今年は猛暑の影響を受け、開花が一週間以上も遅れたという。

 29日は、白い彼岸花が見ごろを迎え、参拝者の目を楽しませていた。また、赤い彼岸花も咲きはじめ、境内を紅白に彩る様子を撮影しようと、カメラを構える人の姿も多く見られた。

 同寺によると、今週末には白い彼岸花は見ごろを終えるが、赤い彼岸花は楽しめそうだ。

「渋祭」 開催迫る 高座渋谷駅前で

 高座渋谷駅前を会場とした「渋祭」が10月5日(日)、同所で開催される。午前10時〜午後4時。

 西側ロータリーでは、子どもたちによる演奏やダンスなどが披露され、ステージを盛り上げる。ロマンスカーミュージアムによる缶バッジ制作体験などもある。

 東側ロータリーでは、縁日や「はたらくくるまの展示」、大和市の公式キャラクター「ヤマトン」などのマスコットと写真撮影ができるブースもある。

 (問)【メール】shibusai.j@gmail.com

森園廣子氏

森園氏を再任 市教育委員会委員

 大和市教育委員会委員の森園廣子氏(81)が9月30日で任期満了になることに伴い、同氏を再任することが、9月25日に開かれた市議会定例会で同意された。

 森園氏は南林間在住。山脇学園短期大学食物科卒。市青少年問題協議会委員、南林間小中学校の学校評議員などを歴任。2017年から市教育委員会委員を務めている。

 森園氏の任期は25年10月1日から29年9月30日までの4年間。

来場を呼び掛ける田中代表

親同士が気軽に交流 17日「きねとうす」で

 多機能型発達支援事業所「きねとうす」(西鶴間1の21の10)は10月17日(金)、交流会「フィーカ」を開催する。午前10時30分〜11時30分。

 「フィーカ」とはスウェーデン語で「コーヒーやお菓子を楽しみながら、ほっと一息つく時間」という意味。当日は、特性のある子どもを持つ親や、育児に悩みを抱えている親などが気軽に交流しながら、意見交換や相談ができる。

 同事業所を運営する株式会社RONDOの田中美智子代表取締役社長(「人物風土記」で紹介)は「一人で抱え込まず、ほかの親と話したりすることで楽になってもらったり、視野を広げてもらえたら」と話している。

 参加費は無料。予約は前日まで受け付ける。参加希望は電話で申し込みを。問い合わせは同事業所【電話】046・259・8708へ。

トロフィーを持ち笑顔の松岡さん(左)と小林さん(右)

全国大会で躍動 フルコンカラテ

 市内鶴間に拠点を構える空手道場「フルコンタクトカラテスクール」(佐野貴美子代表)の2選手が9月14日、三島市民体育館(静岡県)で開催された第24回「全日本空手道選手権大会」で優勝した。

 この大会には全国から約80人が出場。同スクールからは松岡大和さん(座間高校2年・16)が一般男子軽量級の部で、小林良輔さん(学習院大学4年・22)が一般男子重量級の部でそれぞれ優勝を果たした。

 松岡さんは「初めて一般の部に出場し緊張はあったが、優勝できてうれしかった」と大会を振り返った。小林さんは「後輩に手本を示せて良かった」と話した。

別の大会でも

 9月7日に長野県で行われた「YATSUGATAKE CUP」では、高校男子軽量級の部で同スクールの佐野光琉さん(大和南高校2年)が優勝した。

 さらに、小学4年男子重量級の部でも廻神蒼汰さん(町田市立南つくし野小4年)が3位入賞、小学6年男子軽量級の部で福島蘭丸さん(北大和小6年)が8位入賞と活躍した。

イベントのチラシ

起業の魅力学ぶ 10日ポラリスで

 ビジネスセミナー「キャリアと地域を拓くソーシャルビジネス」が10月10日(金)、ポラリスで開催される。午後6時45分〜8時45分。

 当日は中小機構・中小企業アドバイザーの佐々木大氏、起業家の尾崎純氏と坂本健一氏を招き、トークセッションを実施。起業の魅力などを具体例やエピソードを交えながら解説する。

 参加費は無料、定員は先着50人。大和市内で起業を考えている人や地域活動に関心のある人が対象。参加希望者は電話で申し込み。

 (問)【電話】046・274・4361

落語や体操楽しむ会に

 大和市民に健康体操の普及を行っている「カモの会」が主催する「柳家あお馬 落語とお楽しみ会」が10月6日(月)、高座渋谷駅前「IKOZA」2階のホールで開催される。午後2時30分〜4時40分を予定(開場は2時)。

 当日は大和市出身の柳家あお馬さんの落語や、椅子に座ってできる体操のほか、クイズなども楽しむことができる。

 参加無料で事前予約は不要。(問)同会【電話】046・261・6652

 

晴れやかな表情の選手たち

引地台公園をきれいに 硬式野球クラブの選手が

 大和市を拠点に活動する硬式野球クラブチーム「GXAスカイホークス」(副島孔太監督)の選手6人が9月26日、引地台公園で清掃活動を実施した。

 地域貢献の一環としておよそ1時間にわたり汗を流した。同チームは高校生から社会人まで25人の選手が所属。園内にある大和スタジアムを練習拠点として、練習試合なども行っている。

 チームの副主将で清掃に参加した高安凰真さん(18)は「普段お世話になっている場所に恩返しの気持ちで取り組みました」と笑顔で話した。

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古谷田市長(右)に目録を渡す安田代表(左)

「少しずつ前へ」 (株)安田物産が70周年式典

 深見西に本社を構え、給食事業などを展開する「株式会社安田物産」(安田幹仁代表取締役社長)の創業70周年記念式典が9月25日、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ(横浜市西区)で開かれた。

 式典には同社の関係企業などからおよそ200人が出席し、大和市からは古谷田力市長や商工会議所の本田誠一会頭ら多くの来賓も駆け付けた。

 同社を率いて18年目という安田代表は、給食やエネルギーなど事業領域を拡大してきたこれまでを振り返り、関係者や従業員らに謝意を述べた。

 これからについては「『今日を安全に』という気持ちで日々を重ねながら、少しずつ前へ進みたい」と語った。

 式典では、同社から大和市へおよそ70万円分の児童図書の寄贈もあり、安田代表から古谷田市長へ目録が贈呈された。

家族を支えるお金の話 10月3日 綾瀬で

 綾瀬市を拠点に引きこもりサポートに取り組む団体「ぽーこ・あ・ぽーこ」は10月3日(金)、綾瀬市保健福祉プラザでセミナー「今後の生活に備えるお金の話」を開く。午後2時から。入場無料。

 当日はファイナンシャルプランナーの中森順子さんを講師に迎え、お金のことについて家族と話す時のコツや制度の紹介を行う。(問)同団体【電話】0467・73・7482

マイナ救急のイメージ(大和市消防が協力)

4市でマイナ救急開始 10月1日から

 大和市、海老名市、座間市、綾瀬市の消防本部では10月1日から、救急現場で搬送先の医療機関を選定する際、「マイナ保険証」を活用する「マイナ救急」の実証事業を開始する。期間は2026年3月31日まで。

 マイナ救急とは、健康保険証として利用登録を行ったマイナンバーカード(マイナ保険証)を活用する救急活動だ。

 救急現場では、救急隊員は傷病者の名前や生年月日といった基本情報から、かかりつけの病院や服用している薬などの情報を聞き取る必要がある。そのため、病気や怪我で苦しむ傷病者本人や、気が動転している関係者に聞き取りを行うことになる。

 救急隊員が傷病者のマイナ保険証を活用することで、名前から住所、生年月日、受診した病院や処方されている薬などの医療情報を正確に把握することができる。その結果、円滑な搬送先の選定や、適切な処置を行うことができるようになる。さらに、搬送先の病院では治療の事前準備をすることも可能となる。

 県内では平塚市、横須賀市、逗子市、葉山町、茅ヶ崎市、厚木市、秦野市、伊勢原市、川崎市の8市1町が先行しており、10月1日からは全国すべての消防本部で開始される。大和市消防の担当者は「いざという時に役に立つので、マイナ保険証を必ず携帯してほしい」と話している。

 各市のマイナンバーカードの保有率は次の通り。大和市/77・5%(25年8月末時点)、海老名市/80・6%(同)、座間市/78・4%(同)、綾瀬市/78・9%(同)。厚生労働省のHPによると、全人口の79・2%が保有しており、そのうち86・6%がマイナ保険証に登録している(同7月末時点)。

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(左から)テープカットを行う、橘川綾瀬市長、谷口県議会副議長、黒岩知事、古谷田大和市長

綾瀬に児童相談所 大和も所管、10月から

 旧綾瀬市保健医療センター(深谷中)への移転工事が進められてきた綾瀬児童相談所が完成し、10月1日(水)から運営を始める。

相談件数は急増

 政令市と児童相談所設置市の横須賀市を除く、神奈川県所管域には児童相談所が6施設ある。県所管域で2024年度に受け付けた虐待通告件数は、8023件(前年度比574件増)。概ね年々増加しており、17年度の4190件から倍増している状況だ。

 綾瀬児童相談所は、大和市と綾瀬市を所管する大和綾瀬児童相談所が移転するもの。増加する相談件数を背景に、2021年に緊急的に新設されたため、藤沢市の中央児童相談所内に置かれていた。県は所管域内の大和市・綾瀬市で移転先を模索する中、綾瀬市から旧保健医療センターの利活用が提案され、移転に至った。

竣工式に黒岩知事ら出席

 綾瀬児童相談所でこのほど行われた竣工式には、黒岩祐治知事、橘川佳彦綾瀬市長、古谷田力大和市長、谷口和史県議会副議長らが出席した。

 黒岩知事は「この40年経ったと思えない建物が生まれ変わり、子どもたちと向き合い相談できる部屋もたくさんできた。すばらしい施設になるように、皆さんとともに育てていきたい」と思いを話した。

寄せられた作品の一部

力作200点が集まる 税のコンクールで

 第14回「税に関する絵はがきコンクール」(主催/(公社)大和法人会女性部会ほか)の募集が22日まで行われ、県央4市(大和・海老名・座間・綾瀬)の小学生から約200点が集まった。

 税の仕組みや意義などについて理解を深めてもらおうと実施されている取り組み。応募した児童たちは、税金でつくられた建物や、税金で行われている仕事、税金の果たす役割を絵で表現した。

 大和法人会女性部会によると、夏休みの課題の一環として子どもたちに取り組んでもらったといい、本多里美部会長(=「人物風土記」で紹介)は「今年も力作がそろった。税に対する知識の高まりを感じる」と話す。

 10月7日には女性部会や税務署長らによる審査が大和税務署で行われ、最優秀賞など各賞が決定する。

大会に出場したメンバー

野球選抜、県予選で健闘 「大和市中学校」

 市内の公立9校の野球部の選手で構成された選抜チーム「大和市中学校」(中島滉監督)がこのほど、川とのふれあい公園野球場(寒川町)で開催された第17回「全日本少年春季軟式野球大会県予選」(主催/県野球連盟)に出場し、健闘した。

 選抜チームは中学2年生が対象で、20人が所属している。8月に新田宿グラウンド(座間市)で行われた県央地区予選のトーナメントを制し、県予選へ駒を進めた。

 初戦は鎌倉中学軟式野球クラブと対戦し、6対0で勝利。2回戦で横浜地区代表の汐見台中学校に1対8で惜敗した。

 主将を務めたつきみ野中のセレスタリヨンさん(14)は「レベルの高い選手と助け合い、勝ち上がれたのは自信になりました」と振り返った。

福祉を身近に シリウスで座談会

 大和市社会福祉協議会(濱田和博会長)は10月8日(水)、シリウス4階の健康テラスで座談会「身近に感じて、大和のふくし!」を開催する。午前10時〜11時30分まで。

 地域福祉の考え方を実現するために、どう取り組んでいくのかを具体的にまとめた「第7次地域福祉活動計画『パレット』」では「目を向けたい8つの問題」を掲げている。当日は、そのうちの1つである「孤独・孤立、無理解の問題」をテーマに、情報交換や対話を行う。 定員は15人程度で、事前申し込みは不要。

 問い合わせは、同会総務課【電話】046・260・5633へ。

徒然想 連載331 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

 今月は、生きながら、死人となりてなり果てて、思いのままにするわざぞよき、です。

 出典は、至道無難(しどうぶなん)の歌。『至道無難禅師法語』。

 意は、生きたままで死んだ人になりきる。その上で思う存分に生きるというやり方のなんと楽しいことか、です。

 この文言は師が六十八歳の時に編集した『即心記』にあり、仮名法語の一つで、仏教の真髄を一般の人々にわかりやすく説き示したものです。

 この和歌は師の数多い道歌(仏教の歌)の中でも最ももてはやされたものの一つです。この歌には「常に何もおもわぬは、仏のけいこなり」という前置きがあり、何も思わずに何もかもできるのが佛ということになります。大切なのは無心になることです。

 何か善いことをしたいと思うと、善い、悪いの分別(ふんべつ)心に妨げられて結局何もできなくなってしまう。自と他、善と悪というような二元を超越しなければ無心(無分別)になることはできないのです。人間として常に自分自身の生き方を問い、一歩でも半歩でも向上できるように勉めていきたいものです。

桃蹊庵主 合掌