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公開日:2025.10.03

大和市
財政健全化へ指針策定
人員配置し11月めどに

  • 大和市役所

 大和市は1日付で人事を発令し、未来政策部に財政健全化プロジェクトリーダーと財政健全化特命担当課長を配置した。「市の貯金」といわれる財政調整基金が減少するなか、市では硬直化が指摘される財政の立て直しを図る。

 財政調整基金は、財源に余裕のある年度に積み立て、災害や不況など不測の事態で財源不足が生じた年度に活用されるなど、重要な自主財源としてその残高は健全財政の指標にもなる。

 市財政課によると、2022年度末におよそ67億円あった大和市の財政調整基金は、23年度末に60億円、24年度末には41億円まで減少した。

 11年度末以降は50億円以上で推移してきたが、新型コロナウイルスの影響で20年度末は43億円まで減少。翌年度末は、事業自粛もあって59億円まで回復していた。

 同課によると、25年度末の財政調整基金は30億円まで減少する見通しといい、このまま推移した場合、27年度末には枯渇する懸念もあるという。

 同課担当者は減少の要因について、物価や人件費の高騰のほか、扶助費の増加、シリウス、ポラリスなどの公共工事に伴う市債の償還額の増加などを挙げる。

 こうした状況に加え、市では24年度の経常収支比率が101・5%に達し、初めて100%を超えた。経常収支比率は、経常的な経費を市税などの一般財源で割って算出するため、この比率が低いほど財政にゆとりがあるとされる。

 9月25日の市議会(山田己智恵議長)の定例会では、24年度の一般会計決算が賛成多数で認定された一方、一部の会派から抜本的、効果的な財政健全化を求める附帯決議が提出され、賛成多数で原案可決された。

 こうした背景のもと、市では1日付で特命担当を未来政策部に配置し、財政健全化へ向けた指針となる「(仮称)大和市健全財政・改革ビジョン」を今年11月までに策定する方針だ。

 同課担当者は「26年度からの3カ年で財政構造の抜本的な改革を図りたい」と話し、市議会の指摘にも応える形で、財政の健全化に取り組む姿勢を強調している。

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