横須賀・三浦版【10月31日(金)号】
ドブ板通りにオープンするミリタリー服のセレクトショップ。中央に立つのが横地さん。本物志向のファンを迎える

ドブ板通り横地さん 「スカジャン文化」再定義 スタートアップオーディション金賞

 創業や新分野に挑戦する事業者を応援する横須賀市のスタートアップオーディションが10月22日に開かれ、「次世代スカジャン文化創造プロジェクト」を提案したスカジャン絵師の横地広海知さん(大滝町在住)が金賞(賞金100万円)を受賞した。オリジナリティを重視したスカジャンのオーダーをオンラインで受け付け、最新の刺繍ミシンを用いて製品化する仕組みなどを整える。

 スカジャンの図柄をデザインする「スカジャン絵師」を名乗り、"発祥の地"であるドブ板通りを拠点に活動している横地さん。そのスカジャンは全国的な知名度を誇る一方、商店街に並ぶ商品のオリジナル比率は20%程度であることに着目。大半が大手メーカー製造の量産品であり、「わざわざ横須賀を訪れて買う意味」がなくなっていると指摘する。商店街では店主の高齢化と後継者不足も深刻度を増しており、「かつての名店もオーダーの規模を縮小するなど、街全体の賑わいが失われつつある」と危機感を募らせている。

 こうした背景を踏まえ、ドブ板をスカジャン文化の「聖地」として再び輝かせるビジネスプランを提案した。

 具体策として、少量生産の最大の障壁だった刺繍のデザインを内製化。最新鋭の刺繍ミシンを導入することでコスト削減を図り、オンラインオーダーシステムも導入する。特別なデザインを要する依頼はこれまでの人脈を生かして職人につなぎ、デジタルと伝統技術を共存させていく。

 スカジャンの原点にも立ち返る。戦後に駐留米兵が日本に滞在した記念品として、様々なものにオリエンタルな刺繍やワッペンを施して持ち帰ったルーツを掘り起こし、Tシャツ、キャップ、クッションなど日常的に使えるアイテムにも刺繍を展開。商店街の店舗ごとで異なるオリジナル図柄を供給して客層を広げるとともに、街全体の特色を打ち出す。

 「来街者を増やすにはここでしか買えない独自の商品を揃えることが肝要。最新技術と職人技の橋渡しで、スカジャンアイテムを持ち帰る文化の再構築をめざす」と意気込む横地さん。11月1日(土)に同商店街に新店舗をオープンさせ、プランを戦略的に仕掛けていく。

 同オーディションではこのほか3組が入賞。ペットの医療情報の共有化による飼い主の支援事業((株)e-PON)、市内の農業残渣を利用した循環型バイオプラスチック事業((株)ヘミセルロース)、自治会・町内会業務DX化による地域コミュニティ支援事業((株)タウンニュース社)がある。
浦賀駅前工場跡周辺エリアのイメージ図(Team Perry's提供)

浦賀駅前周辺再開発提案 観光も定住も全方位展開 マンションにホテル、商業施設

 横須賀市は10月23日、浦賀ドックの跡地利用を含めた浦賀駅前の再開発事業の優先交渉権者を不動産コンサルティングのインデックスを代表企業に17社で構成する「Team Perry,s」グループに決定したことを発表した。同日の記者会見で上地克明市長が事業計画の概要も公表した。総事業費1千億円を超える官民連携の大型プロジェクト。2003年の浦賀ドック閉鎖以降、街の衰退が顕著だったこの地に大きな方向性が示された。

 浦賀駅前周辺の再開発は、上地市長が市議会議員時代から取り組んできた積年の懸案事項。市は浦賀の魅力である海と歴史を生かし、民間事業者と連携して新しい都市拠点をつくり出す考えだ。住友重機械工業の旧浦賀工場跡地を中心とする約15 ha(民有地約12・2ha、市有地約2・8ha)の広大なエリアを事業用地としていく。

 計画では、浦賀駅と工場跡地周辺をペデストリアンデッキで直結し、街の新たな玄関口を整備する。浦賀湾を挟むようにして、高さ約60mのホテル(約80室)とマンション(約150戸)からなるツインタワーを建設。これにより、観光客の誘致と約500人の定住人口を見込む。デッキの両側には商業施設を配置して賑わいを生み出し、駅前の交通広場には天候に左右されないロータリーアーケードを設け、混雑緩和を図る。

 産業遺産に認定されているレンガドック周辺は、ドックを核とした文化・交流拠点に位置づける。ドックを俯瞰して眺めることのできる「ドックブリッジ」を新設して観光の目玉とするほか、浦賀の歴史を伝えるミュージアムやカフェなどを有する複合施設を整備する。このほか、東浦賀エリアには戸建てのヴィラや江戸から大正にかけて続いた旅館「徳田屋」に焦点を当てたテーマパークの構想も盛り込む。みかん山周辺にはアーバンスポーツ施設や有料老人ホームの配置を計画している。

 待望の再開発の動きに地元では期待の声が高まっている。文明堂印刷の渡辺隆路社長は「やっと動いたという印象。湾を囲む高い壁が取り払わられることで新しい景色が生まれる」と喜びを隠さない。レンガドック周辺で「酒と宿と不動産」というユニークなコンセプトの店舗を営む麦島康友さんは、止まっていた時間が動き出すことに歓迎の意を示すが、地域の飲食店不足などを挙げ、「外からの人を迎える体制が不十分。開発事業者と連携して浦賀を盛り上げる動きをつくっていきたい」と意欲をみせた。

 今後のスケジュールは12月頃に地権者の住友重機械工業とTeam Perry,s、市で三者協定を締結し、27年から28年に工事に着手する。29年以降の供用開始を予定している。

初開催となる「アースデイ横須賀2025響環」の実行委員長を務める 宮原 暁子さん 横須賀市阿部倉在住 43歳

自分と対話しまっすぐに

 ○…夏の夕暮れ、旧平作小学校の校庭から和太鼓のリズミカルな響きが聞こえてくると、坂道を転げるように心躍らせて向かった盆踊り。子どもから大人まで地域が集い、「家庭の食卓のようなあったかい思い出」として今も胸に残る。目前に迫った横須賀初開催となる「アースデイ」と銘打ったイベント。テーマは「地球環境」と壮大だが、ファミリーで楽しめる肩ひじを張らない内容だ。「いつか故郷の音を思い出す時、横須賀の豊かな環境と共鳴して響けばうれしい」

 ○…都内で就職して間もなく第一子を出産。夫の単身赴任や身近に話せる人がいなかったことで世間から遮断された感覚に陥り、孤独感に苛まれた。「子どもはかわいいのに、しんどい」。そんな状況から救ってくれたのが、助産院で紹介されたヨガ。ポーズや呼吸法を通じて自身の心と体と対話することで、自分の存在を実感できた。

 ○…15年前に立ち上げたヨガセラピスト団体は現在、三浦半島の多様な生態系維持に取り組むNPOと活動を共にする。共通点は、自然を愛すること。「ヨガとは自分を大事にするもの。それは他人を大事にすることにつながり、その延長線上には自然環境がある」。大学時代、国際政治経済学部で学んだ「世界平和の実現」は途方もない目標に感じたが、今は「自分の心の平安」を守ることこそ、その第一歩になると感じている。

 ○…「『絶対やりたい』と思えば、その気持ちに正直に動く。それが一番しっくりくる生き方」。ライフワークのヨガに加え、子ども食堂の運営や環境保全など、その活動は多岐にわたる。「身の回りにあるものは、全部大事にしたい」。自分の心と対話し、自然体で生きる瞳が天真爛漫な少女のように透き通る。
コスモスの観賞を楽しむ来園者ら(10月28日撮影)

くりはま花の国 可憐なコスモス開花リレー 猛暑の影響 例年より遅れ

 可憐なコスモスが開花を迎えた「くりはま花の国」(横須賀市神明町)では花畑を開放し「コスモスまつり」を実施している。11月24日(月)まで。入園無料。

 白・黄・赤・ピンクといった色とりどりのコスモスが、緩やかな丘陵地に広がる約1・8haの花畑にリレー形式で咲き誇る。10月28日現在の咲き具合は2分程度。同園担当者によると、今年は夏季にヒマワリを展開していたことや猛暑、日照りなどの影響で生育が遅れている。また、種まきの時期が例年より後ろ倒しになったことで丈が短いコスモスが多いのが特徴だという。ピークの見頃である8分咲きは11月中旬ごろになる見通しだ。

 イベントの終盤となる11月23日(日)・24日は恒例の花摘み大会を実施する。詳細は同園HPもしくは【電話】046・833・8282。

薬と健康の相談会 11月9日、ヴェルクよこすか

 (一社)横須賀市薬剤師会は11月9日(日)、薬の知識や使用法などを広く伝える「薬と健康の週間」を日の出町のヴェルクよこすかで実施する。参加無料で予約不要。

 同会は薬の正しい使い方や健康に関する情報提供、救急センターへの薬剤師派遣などを通じて、地域住民の保健衛生の維持・向上に貢献している。

 イベントでは、普段服用している薬の効果や飲み方などを薬剤師に話せる相談会や血糖値・肌年齢などの測定会、管理栄養士への栄養相談などの機会を用意している。

 午前11時30分から午後2時30分。詳細や問い合わせは同会【電話】046・823・8832。
18の飲食ブースが出店

地球環境を思う「アースデイ」 横須賀しょうぶ園で初開催

 地球環境を考える祭典「アースデイ横須賀2025 響環(きょうかん)」が11月3日(月)、横須賀しょうぶ園(阿部倉18の1)で開催される。1970年にアメリカで始まり、その後世界各地で催されている国際的な環境イベントで、市内で初めて。時間は午前10時から午後4時。主催は同実行委員会(宮原暁子委員長=人物風土記で紹介)。

 テーマは、「自然と人、人と人の響きがめぐり、つながる」ことを意味する造語で「響環」。横須賀高校科学部やNPO法人三浦半島生物多様性保全などによる地球や自然について考えるワークショップのほか、コーヒーやたこ飯など18の飲食ブース、古着や雑貨などの販売がある。ステージでは、地元の阿部倉民謡保存会や大楠和太鼓同好会、バンドなどが出演し、演奏を披露する。

 雨天の場合、規模を縮小して決行。荒天中止。駐車場は台数に限りがあるため、主催者は公共交通機関による来場を呼び掛けている。JR衣笠駅から会場までは、循環バスもある。

なぞ解きウォークも

 ヴェルニー公園内のヴェルニー記念館に集合し、道中で7つのなぞなぞを解き、道のゴミも拾い集めながら横須賀しょうぶ園まで歩く「ナゾ拾いウォーク」も実施。集合時間は午前9時。申し込み不要。軍手と筆記用具を持参する。詳細はホームページ(「アースデイ横須賀」で検索)。
体調の相談が寄せられることも

浸透進む「精神科訪問看護」 夜間対応行う有志の事業者も

 全国的に増加傾向にある精神疾患患者数。厚労省によると2023年時点で総患者数は約600万人、20年前と比較すると約2・5倍となっている。その一方、国の推進などにより、精神疾患者の療養は「入院中心」から「地域生活中心」へと大きく舵を切っている。このような背景から、自宅療養者に向けた精神科特化型の訪問看護のニーズが全国的に高まりを見せつつある。

 精神科訪問看護とは、精神疾患のある人や心のケアが必要な人の自宅などを看護師が訪問し、服薬管理、生活リズムの調整、不安の傾聴、対人関係の相談、不登校の子どもへの社会性獲得に向けた関わりなどを支援するサービス。横須賀市内では約50の訪問看護ステーションのうち、精神を専門とする事業所は1割程度ある。池上の訪問看護「ファミリーナース衣笠」の石田隆代表は、「横須賀は人口に対して精神疾患者数が多い傾向にある。一方でまだサービスの認知度が低く、当事者や支援事業所の人でもこの取り組みを知らない事が多い」と現状を分析する。

 同事業所では、こうした地域の実情と需要を捉え、昨夏から精神科に注力。精神科病棟での勤務経験がある看護師が加わったことをきっかけに、精神科を主にした事業所として活動を本格化させた。「退院後、自宅での支援は多くなく、入退院を繰り返す人を多く見てきた」。現在は市内を中心に不登校児童・生徒から大人まで30人ほどの利用者がいるという。

支援の隙間に有志の心

 精神科訪問看護は基本的に夜間は営業時間外だ。そのため、要請があっても利用者の元へ緊急出動することは通常ない。しかし精神疾患の中には、夜にかけて症状が悪化するものもあり、同事業所では、サービスが止まりがちな午後10時頃まで利用者の悩みや相談に対応できる公式LINEを稼働している。「夜になって調子が悪くなってきた」「仕事にいけなかった」「お風呂に入るべきか迷っている」などの会話に、看護師の有志5人がこれに返答。「孤立を防ぎ、安心感を提供したい。支援的な社会の一助になれば」と話している。

小学校の規模・配置適正化 横須賀市 逸見・沢山・汐入・桜で検討

 横須賀市の逸見・中央地区にある小学校の規模と配置の適正化を図る議論が進められている。10月23日には、PTA役員や地域の代表、市教育委員会による3回目の検討協議会が市立総合福祉会館で開かれた。

 少子化の進展で児童数が減少している学校を見直して、より良い環境を確保していくもの。市教委は逸見小・沢山小・汐入小・桜小を対象としており、今年の4月から地域を交えて議論をスタートさせている。

 市教委が方策として示しているのが、【1】通学区域の見直し【2】隣接校との統合【3】特別認定校制度(小規模特別認定校)導入の3つ。

 【1】については、汐入小学校から直線距離で300mほどの本町1、2丁目が諏訪小学校区になっている点や吉倉町の児童の多くが長浦小学校に通っている実情を踏まえ、通学区の再編で解消をめざす考え方。

 【1】では解決できない場合に【2】の隣接校との統合を検討するとしており、その形態として、「逸見小、沢山小、汐入小の3校を桜小に統合」「逸見小を沢山小に、汐入小を桜小に統合」「逸見小を長浦小、沢山小と汐入小を桜小に統合」の3つのパターンが示された。

 【3】の特別認定校制度は、学校の教育活動を特色化し、市内全域から希望する児童を受け入れることで維持存続を図るもの。市内での前例はなく、神奈川県内では平塚市の1校で2026年度から導入される。

 今回の市教委が提示した方策案について、【1】の通学区域の見直しは、「人口減少の回復が見込めなければ数年後に同じ議論を繰り返すことになる。対応として現実的ではない」と一部の委員から否定的な意見が出された。

 【2】の隣接校との統合は、各パターンで通学距離の問題や土砂災害の警戒を示すレッドゾーン・イエローゾーンの問題を抱えている学校もあり、決定は容易でない。通学距離の課題もあり、市教委は路線バスの運行がない地域にはスクールバス導入を検討することを伝えた。【3】については議論される場面はなかった。

 市教委では、方針決定の年限は定めておらず、検討会で議論を積み上げて合意点を探っていく。

三浦がロカビリーに染まる 「うらり」でフリーライブ

 1950年代のアメリカで誕生し、ロックのルーツとなったロカビーリー音楽で三浦を元気にするライブイベント「三浦ロカビリーまつり2025」が11月3日(月)、三崎の産直施設「うらり」2階展望デッキで開かれる。時間は午前11時から午後5時。入場無料。

 4回目を数える人気イベント。リーゼントヘアに革ジャンなどのロカビリーファッションに身を包んだファンが結集する。

 80年代にパンクロックと融合してリバイバルした「ネオロカビリー」の中心的バンド「マジック」のメンバーである山口憲一さん(横須賀市追浜町出身)が率いるバンド「山口憲一&ロカビリー・スペシャルズ」ほかが出演。無料ロカビリー・ヘアメイクやロカビリーダンスが習得できるレッスンタイム(11時45分から)もある。

町内会長 自治会長 永年の功績称え 上地横須賀市長が表彰

 行政と市民の架け橋の役割を果たしている町内会・自治会で永年にわたって会長や役員を務めてきた横須賀市内の功労者を表彰する「全市町内会長・自治会長のつどい」が10月27日、本町のヨコスカ・ベイサイド・ポケットで開かれた。

 上地克明市長から退任した連合町内会長と町内会長・自治会長44人に感謝状、町内会・自治会役員63人に表彰状が贈られた=写真。

 関連企画として、大矢部出身のニッポン放送アナウンサー、飯田浩司氏の講演もあった。

 自然災害の被災地を取材した経験から「町内会など『顔の見える関係』の重要性を実感した」と語った。熊本地震では、住民が自主的に公民館で助け合い、その前向きな姿に地域の底力を見た。日頃の交流が、いざという時の助け合いや信頼の基盤となり、人々を守る力になるとした。
漁師で飲食店経営者の金澤さんの登壇風景

海洋サイエンスカフェ 海のプロが未来の羅針盤 次世代人材に向けて講演

 横須賀市と観音崎自然博物館は10月26日、次世代人材の海洋への探求心を育む「海洋サイエンスカフェ」を共同開催した。現役漁師、元水族園園長、博物館学芸員、海洋研究開発機構研究員という海の第一線で活躍する専門家が登壇。自らの仕事や生き方を語り、参加した児童・生徒たちは将来のヒントを探った。

 元東京都葛西臨海水族園園長の坂本和弘さんは、水族館の立ち上げ準備で南極へ生物採集に赴いた経験や水産試験場での研究などのキャリアを紹介。「一見無関係に見える経験も後から必ず役に立つ。人との出会いを大切に、将来の方向を狭く絞りすぎないでほしい」と自身の経験から得た教訓を伝えた。

 家業を継いで漁師となった金澤等さんは、自ら獲った魚や地元の野菜を提供する飲食店との両立を語った。「仕事は生き方そのもの。お金も必要だが、どんな生き方がしたいかが一番大切だ」と力説し、「ないものは生み出せる。想像は形になる」と、子どもたちの創造力を刺激した。

 長野県出身ながらクジラに魅せられ、東京海洋大学で研究者の道を歩んだ神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員の西村双葉さん。海岸に漂着するクジラを調査する「ストランディング調査」の過酷さとやりがいを伝達。「巨大な個体の解剖は真夏には特に大変」と現場の厳しさを伝えつつ、「新しい発見に立ち会い、自然の記録を未来に残せることに大きな喜びを感じる」と仕事の魅力を述べた。

 講演後には、参加者から質問が飛び交った。「どうすれば水族館の飼育員になれますか?」「今までで一番美味しかった魚は何ですか?」「漂着の連絡が入ったらすぐに現場へ行くのですか?」といった具体的な質問に講師陣が丁寧に回答。海の仕事の多様性と奥深さに触れる貴重な機会となった。
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県福大で子ども祭り おやこまつりも同時開催

 横須賀市内の青少年育成団体らが主催する「わんぱくフェスティバル2025」が11月16日(日)、平成町の県立保健福祉大学を会場に開催される。

 例年、市内団体の活動の成果発表の場として多くの児童・学生らでにぎわう同フェス。吹奏楽や体操、ダンスなどのステージパフォーマンスのほか、今年は消防署の地震体験車や神奈川県警の交通安全教育車「ゆとり号」が登場。さらにプラネタリウムの上映、スタンプラリーなど、盛りだくさんの内容だ。

 会場では、横須賀市主催の子育て世代を応援する「すかりぶおやこまつり」を同時開催。協賛事業者や同大によるイベントブース、防災講座、プロパフォーマーによるマジックショーなど、子どもも大人も楽しめる。

 両イベントともに入場無料で午前10時から午後2時30分。詳細はイベント名で検索。わんぱくフェスの問い合わせは市子育て支援課【電話】046・824・5377。
仮装姿でお菓子を求め練り歩いた子どもら

仮装の子ども お菓子求めて大行進 上宮田でハロウィーン

 「とりっく・おあ・とりーと!」--。10月25日、アニメや映画のキャラクターなど、思い思いの仮装に身を包んだ子どもらがお菓子を求めて、三浦海岸駅周辺の店舗を元気よく周った。

 このハロウィーンパレードは、上宮田の「ねもと長嶋米酒店」と英会話教室の「Peek-a-Zoo」が主導しているイベント。新型コロナの影響で人との交流が減少した子どもらを見かねて、2021年から実施している。今年は30店の協力のもと、約180人の子どもが参加した。

 Peek-a-Zooの辻克仁さんは「地域に根差したイベントとして今後も継続できれば」と話している。
ドラフト後の記者会見で活躍を誓った

浦賀中出身・冨重英二郎選手 巨人から育成1位指名 「這い上がりローテ入り目指す」

 プロ野球のドラフト会議が10月23日に開かれ、浦賀中学校出身の冨重英二郎投手(24・プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグ・神奈川フューチャードリームス)が読売ジャイアンツに育成1位指名を受けた。同球団のNPB指名は初。同日行われた記者会見で「指名されてホッとしている。まずは支配下に上がることが目標。その後は先発ローテーション入りを目指し、息の長い選手になりたい」と活躍を誓った。

 大塚台小学校時代は横須賀中央リトルリーグ、浦賀中学校時代は横浜東金沢リトルシニアに所属。高校は東海大学付属相模高校でプレーを続けた。入部すぐのケガや全国から猛者が集う環境に「自分だけ明らかにレベルが違った」と振り返るが、歯を食いしばり猛練習。2年秋にメンバー入りを果たし、先発三本柱の一角を担うほどに成長。3年夏には登板機会こそなかったものの甲子園の土を踏んだ。その後は、国際武道大学、社会人野球へと歩みを進め、2025年、地元チーム・神奈川フューチャードリームスに入団した。

 今季は10試合に登板し、防御率は2点台、62の奪三振を記録。最速151Kmのストレートを軸に切れ味鋭いスライダー、カットボール、フォークなどの変化球を自在に操る左腕に、スカウト陣から注目が集まっていた。

 独立リーグからの挑戦に「下の方から這い上がる気持ちは誰よりもある。この気持ちを忘れずにいたい」と熱意を燃やし、「NPBの第一線で活躍することによって、横須賀という地が野球で盛り上がるきっかけになれば」と郷土愛をのぞかせる一幕もあった。

   

本との偶然の出会い 袋に詰めて3冊貸し出し

 横須賀市立図書館(中央・北・南・児童)では、10月27日(月)から11月9日(日)の「読書週間」に合わせた企画として、図書館職員がセレクトした「本のレンタルセット」を実施している。

 それぞれの職員が個性を発揮してテーマを定め、おすすめの3冊を選書。これを紙袋に積めて貸し出す=写真。本のタイトルはあえて伏せられており、偶然の出会いを楽しんでもらう。 

 中央図書館図書サービス係の藤田実沙さんは「大学」にちなんだ本をピックアップ。これから進学をめざす人たちの進路選択に役立つ3冊を揃えた。本を介してエールを送る。なくなり次第終了となる。

 

安房埼灯台から松輪方面を望む(城ヶ島)

三郎助を追う 〜もうひとりのラストサムライ〜 第18回 文・写真 藤野浩章

「どうやら厄介者が現れたようじゃ、暫(しばら)く戻れぬかもしれぬ」(第一章)

     ◇

 嘉永(かえい)6年6月3日、西洋暦では1853年7月8日。本書では「裏山でははや蝉の声がしきりで、暑い一日になりそう」な日、騒動の始まりは城ヶ島だった。昼頃、4人の漁師が松輪(まつわ)村沖を航行している艦隊を発見。彼らは命じられていた通り、三崎に詰めていた浦賀奉行所の役人に通報した。午後1時頃のことだ。すぐに早馬が走り、警備船が出動。三浦半島は次第に騒然となっていく。

 午後5時、浦賀湾で艦隊が錨(いかり)を下ろすと、台場から異国船発見の合図である狼煙(のろし)が上がった。ちょうど役宅でその音を聞いた三郎助が発したのが冒頭のセリフ。ここからの怒涛の10日間で、彼は歴史の表舞台に登場することになる。

 実はアメリカ政府は、3年前から周到に準備を進めていた。領土がついに太平洋まで到達し、日本に関心が高まっていた時期。北太平洋横断航路を計画する実業家もいたというが、とりわけ重要だったのは捕鯨。多くの船が出漁すると遭難のリスクが高まり、日本に漂着する可能性が高くなる。その時に非人道的な扱いをされないように...つまり自国民の保護というのが通商条約の主目的だったという。この声の高まりを受け、海軍長官はペリーに計画を依頼。こうして軍艦で圧力をかけて開国を迫るというプランが進んでいく。

 そしてこの恩恵は西洋諸国にももたらされるべきという考えもあり、オランダが情報を幕府に伝えていたのだ。それがどこまで伝わっていたかは分からないが、三郎助ら現場の与力たちには寝耳に水のことだった。