横須賀・三浦版【7月3日(金)号】

子どもの居場所づくりをテーマに「みんなのKICHI」を企画した あべ みちこさん 横須賀市馬堀海岸在住 59歳


子どもが生きやすい社会に

 ○…学校に馴染めない子どもが駆け込める場所であり、育児に悩む親の相談場所でもあり、親子ともに遊べる場所──それが「みんなのKICHI」だ。新聞紙でオブジェを作るアートワークショップなど多種多様なイベントには、保育園や児童相談所のスタッフ、シングルマザーとしての経験など自身の想いが詰め込まれている。

 ○…広告代理店でコピーライターを勤めた後、2004年に母親向けに情報・モノ・場を生み出す企画制作会社を設立。子育てと両立しながら広告制作などに携わってきた。その間、5年前からベビーシッターの仕事や保育園でのアルバイトも始めた。保育士の資格を取ろうと思い立ったのはコロナ禍。本業を持ちながらのチャレンジ。「時間があるうちに」と勉強を始めた。

 ○…学ぶ中で気づいたのは児童虐待の実態だ。自分の子どもが自宅で大けがをした時の事。救急車で運ばれた際に、虐待事例の多さから疑いの目を向けられたことを思い出した。子どもたちが生きやすい社会にするためには、「知らなければ」と児童相談所で働くことを決意。よりその気持ちを強くした。児童相談所や子育て相談センターで相談員を務めて感じたのは、職員として寄り添うことの難しさ。規則に縛られず、子どもと親が向き合えるきっかけを直接作ることが企画の原動力となっている。

 ○…SNSの普及で家族以外と簡単にやり取りができ、家にいても親子間に距離ができてしまう世の中に危機感を抱く。「子どもたちが希望を持てる社会になってほしい。まずは人とのかかわりを作ってあげたい」と願う。今回のイベントの講師はこれまでの仕事で出会った人々。自身の縁を生かしながら、前のめりに挑戦していく。

映画上映など、夕方も多彩な楽しみ方を提供する(写真は昨年)

三浦海岸 「泳ぐ」の先へ 多目的ビーチ

 三浦市は今夏、昨年に引き続き公設の海水浴場「MIURA FUN BEACH三浦海岸」を開設する。全国的に海水浴客の減少が叫ばれるなか、単なる遊泳場という枠を超え、多様なイベントやバリアフリーへの取り組みを通じて誰もが快適に楽しめる魅力づくりに取り組む。期間は7月18日(土)から8月30日(日)までの44日間。

 市の統計データによれば、1999年のピーク時には100万人を超える海水浴客でにぎわった同海岸だが、近年はレジャーの多様化や日焼けの敬遠などにより、2019年には約35万人まで減少。24年には建設費など経費負担の事情により海の家の設置者が営業を断念し、海水浴場の閉鎖に追い込まれた。

 こうしたなか、市は夏の観光の目玉でもあるビーチのにぎわいを取り戻そうと、昨年公設運営に切り替えて開設。イベント企画の知見を活かそうと(株)ニッポン放送との連携で企画運営を行い、前年から3割増となる約10万6千人を集めた。今年はこの集客モデルを継続し、誰もが多彩な楽しみ方を見つけられるビーチを目指す。

 そのひとつが、障害者対策。神奈川県の補助金を活用し、砂浜でもスムーズに移動できる障害者用車椅子「ウォーターウィール」を導入する。今年度は1台のみだが、ユニバーサルビーチに向けた取り組みの第一歩としていく方針だ。

 また、砂に触れることを敬遠する層に向け、民間の協賛によりボードウォークを初めて設置。昨年実施し、周遊促進にもつながった三浦海岸駅周辺から砂浜一帯をミュージアムに見立てるアート展示を継続するなど、快適な滞在空間を創出する。

 夕方の活用にも着目し、夏休み公開の映画『ミニオンズ&モンスターズ』とのコラボで、夕暮れ時の砂浜で過去作品の上映会を開催。週末や祝日は午後8時までイベントや飲食販売を行い、夕涼みの場としての利用も促す。

 市は「湘南エリアに対し、落ち着いた雰囲気がある三浦はファミリー層に人気がある。海水浴に限らず、さまざまな用途で過ごせるビーチを目指したい」と話している。

絵本のモデルの下里茜吏ちゃん(写真中央)と両親

三浦市在住下里さん 届けるのは「希望」 小児がんと闘う親子に

 三浦市在住の下里真里さんが、小児がんの一種「髄芽腫(ずいがしゅ)」と闘う子どもとその家族へ向けた絵本の制作・寄贈を目指して、クラウドファンディング(CF)を立ち上げた。ネット上のネガティブな情報による不安を払拭し、いま闘っている親子へ「希望の光」を届けたいとしている。

小児がんと闘う親子に

 絵本のモデルは、下里さんの長女である茜吏(あかり)ちゃん(8)。3歳3カ月の頃、歩行のふらつきをきっかけに脳腫瘍(髄芽腫)が発覚した。その後、腫瘍摘出手術や抗がん剤、放射線などの治療を約1年半にわたり経験。治療終了から4年を迎えた現在は、後遺症と付き合いながらも地元の小学校へ元気に通学し、学校生活を楽しんでいる。

 当時を振り返って、真里さんは「抗がん剤治療の先にどんな未来があるのか分からず、ネットで検索してもネガティブな情報ばかりで不安が募る日々だった」と語る。その経験から、同じ境遇にある親子の希望となる本を作りたいと決意。絵本には茜吏ちゃんの実体験だけでなく、主治医の監修のもと、入院生活で得た気づきや次のステップへの見通しなどを盛り込んでいく考えだという。自身が周囲の支援や温かい励ましに救われたことから「今度は支える側に立ちたい」と取り組みの原動力を話している。

 集まった資金は絵本の制作費に充てるほか、国指定の小児がん拠点病院をはじめ、関東を中心とした医療機関や図書館、小学校などへの寄贈を計画している。治療中の子どもたちだけでなく、周囲の同世代にも身近な問題として理解を深めてもらう一助にするためだ。現在は日本語版の制作を進めており、将来的には英語版など多言語での展開も視野に入れる。

 「治療がゴールではなく、その先も人生は続く。元気に育つ娘の姿を通して、希望の光を届けることができたら」と真里さんは発する言葉に力を込める。

 クラウドファンディングの受け付けは7月31日(金)まで。支援内容などの詳細は、CAMPFIREの特設サイト(https://camp-fire.jp/projects/940008/view)から確認できる。

竹灯篭の灯りが境内を幻想的に包む(過去の開催時)

横須賀・三浦6寺院 境内包む幻想的な灯り 盆竹灯篭まつり

 境内に幻想的な光が灯る恒例の「三浦半島盆竹灯篭まつり」が、7月4日(土)から横須賀・三浦両市の6寺院を会場にリレー開催される。主催は同実行委員会(MONKS三浦半島)。

 各寺院に並ぶ竹灯籠は、三浦半島の竹林整備で伐採された竹を再利用し、若手僧侶らが中心となって手作業で制作したもの。夜の境内が柔らかな灯りに包まれる光景を求め、例年多くの人が訪れる。

 各会場では、盆踊りやジャズ演奏、キッチンカーの出店など、大人から子どもまで楽しめる多彩な催しも予定されている。先祖や故人への想いを綴った手紙を専用ポストへ投函する「手紙参り」は、全会場で実施される。

 日程と会場は次のとおり。不断寺(横須賀市長井・7月4日(土))、福泉寺(三浦市初声町三戸・7月26日(日))、東漸寺(横須賀市武・8月1日(土)・2日(日))、浄楽寺(横須賀市芦名・8月14日(金)・15日(土))、圓福寺(三浦市南下浦町金田・8月23日(日))、満昌寺(横須賀市大矢部・8月30日(日))。

 各会場での開催時間や詳細は、一般社団法人BUSHIDO文化協会ホームページで確認を。

数個に一個の割合で可愛いデザインの「ラッキーどら焼き」(奥)も

栗が丸ごと小栗どら焼き 土産品で大河ドラマ機運醸成

 幕末期に横須賀製鉄所の建設を主導し、日本の近代化の道を拓いた幕臣、小栗上野介忠正を主人公とするNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』が2027年に放送されるのを見据え、横須賀の和菓子店「さかくら総本家」は、小栗をイメージした土産品「よこすか栗どら焼き」を開発した。7月3日(金)から横須賀中央駅前店と北久里浜店で発売する。

 1891(明治24)年創業の老舗店の人気商品であるどら焼きに、小栗の苗字にある"栗"をなぞらえて大ぶりの栗を丸ごと入れた。表面には小栗の似顔絵をあしらった焼き印を捺している。

 作品の中で横須賀は重要な舞台とされており、放送を契機にファンの来訪が期待されている。同店では大河ドラマの機運醸成を高める狙いもあり、先行して投入する。

 1個350円、箱入り(3個)は1300円。

 問い合わせは横須賀中央駅前店【電話】046・823・0875へ。

「みんなのKICHI」 新たな遊び場 親も子も 市内各地でイベント開催

 子どもが家や学校以外で「自分を表現できる」場所を作ることを目的とした通年イベント「アート&ライブラリー みんなのKICHI」が横須賀市内で6月から始まっている。市の主催。

 初年度は、横須賀で活動する作家が講師となり図画工作を楽しむ「アートワークショップ」(有料)と、音楽・報道・教育など様々な分野で活躍する人々が語り部となる講演会「ライブラリートーク」(無料)を交互に月2回開催する。

 企画・運営を担う有限会社マザールのあべみちこ代表=人物風土記で紹介=は、「言語化が難しい子でも表現できる場になれば」と話す。

 次回は、7月5日(日)に横須賀市総合福祉会館5階創作活動室で、新聞や段ボールを使ったオブジェづくりを行う。講師は同市で図工教室「ず」を運営する木下美穂氏。参加費1000円。事前申し込み制。詳細は「マザール」で検索。

保育園に通う次女の美麻さん(右)もレーサー。3兄妹で活動する

世界へ飛び出す坂本兄弟 BMXレース 世界選手権へ

 自転車競技のBMXレースに情熱を傾ける兄妹が7月中旬、オーストラリア・ブリスベンで開催される世界大会に日本代表として初挑戦する。

 衣笠小に通う坂本侑太さん(6年)と麻都さん(3年)。ジュニアオリンピックでの表彰台入りや指定大会での優勝といった実績を積み上げ、出場権を手にした。強豪選手がひしめく世界の舞台で同世代のトップライダーたちを相手に、自分たちの「現在地」を確かめる。

 レースは、起伏に富んだ350〜400メートルのダート(土の)コースを一斉にスタートし、スピードを競う。ジャンプ中に選手同士が激しく接触する「空中戦」は格闘技のような激しさがあり、一瞬の判断が勝敗を分ける。「どこのラインを走るか、どうやって起伏をこなすかを頭で考えるのが面白い」と目を輝かせる侑太さん。そんな兄の背中を追うように麻都さんも競技を始めた。

 日常は練習漬けだ。放課後、母親の運転で「うみかぜ公園」に直行。2〜3時間集中してトレーニングを行い、帰宅後はレース動画を見直して、「スタートが遅ければ坂道で発進を練習し、脚力が足りなければ坂を上り続ける」と侑太さん。小学生とは思えない自己分析で技術を磨いている。週末は大会遠征や県外のコースに出向くなど、生活の中心にBMXがある。

 一方、活動を維持するための資金の確保といった現実的な課題もある。用具や遠征費用は自己負担。今回のオーストラリア遠征も、渡航費や滞在費を含め数百万円規模の費用が必要だという。現在は親族らがサポートしているが、活動規模が大きくなるにつれてシビアになってくるのは歴然。

 「金銭面だけで可能性の芽を摘むことは避けたい」と母親の智美さん。地域に力を貸してもらいたい、と先ごろ支援組織を発足。ユニフォームへのロゴ掲載などによるスポンサーを募っている。

 支援の受け付けは、坂本智美さん【メール】timber.20130303@gmail.com

海南神社 残る半年の平穏祈る夏詣 ナイトマーケットも開催

 三浦市三崎の海南神社は8月31日(月)まで、「夏詣」を斎行している。

 夏詣とは、一年の半年間を無事に過ごせたことを感謝し、残る半年の平穏を願って神社仏閣を参拝するもので、2014年に浅草神社の提唱で始まった新たな風習だ。

 同神社では期間中の7月5日(日)と8月2日(日)、境内で「MISAKI NIGHT MARKET in 海南神社 夏詣2026」を開催。地元の飲食店やハンドメイド作家、アンティークシップなどが出店するもので、フラダンスと巫女舞を奉納する催し=写真=も企画されている。同神社では、「夏詣の参拝にあわせ、夕暮れの神社でゆったり楽しんでいただきたい」と話している。

 ナイトマーケットは、各日午後4時から7時30分、フラダンスと巫女舞の奉納は5時から。

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ヴェルニー公園屋外アートコンペ

 神奈川県建築士事務所協会横須賀支部は、創立70周年の記念事業として横須賀市本町のヴェルニー公園内に設置するストリートファニチャー(屋外設置物)のデザインコンペを実施する。

 「紡ぐ視線」をテーマに、かつてこの地から未来を見渡したであろう幕末の偉人、小栗上野介忠順の視線と現代を生きる人たちの視線、これから訪れる未来の視線を重ね合わせたものを作品で表現してもらう。設置場所は幅1・5m/奥行1・5m/高さ1・5m以内で素材、大きさ、機能は自由。実現性と30万円程度で制作可能であることが条件となる。

 提出形態や参加方法は同支部ホームページ(https://yokosuka.main.jp/)に詳細。

上地市長を訪問したチームメンバー

少年野球チーム「レインボーファイターズ」18年ぶりに関東大会へ

 横須賀市の少年野球チーム「レインボーファイターズ」が「神奈川県スポーツ少年団エンジョイ!スポーツフェスティバル2026(学童野球神奈川県大会)」で優勝を果たし、6月26日、上地克明横須賀市長を表敬訪問した。

 5月から6月にかけて行われた同大会には、県内14チームが出場。硬い守備力などを武器に勝ち進み、決勝では秦野市の「秦野スカイホークス」を5対0で完封。18年ぶりの優勝を飾り、7月に山梨県で開催される関東大会への切符を手にした。

 当日は、小学6年生の選手12人が一人ひとり意気込みを語った後、市長からお守りが手渡された。上地市長は「周りへの感謝を忘れずに、かけがえのない仲間とこれからも頑張って」とエールを送り、キャプテンの新(しん)谷(や)秋織(しゅうり)選手(11)は「県代表として最後まで諦めずにプレーしたい」と答えた。

展示コーナーでは、ゆかりの資料とともに歌声も響く

チャッキラコ・三崎昭和館 『落ち葉しぐれ』三浦洸一氏 功績をたどる常設展

 昭和の歌謡界を爽やかな美声で駆け抜けた三浦市三崎出身の歌手、故・三浦洸一氏の功績を紹介する常設展が「チャッキラコ・三崎昭和館」(三崎2の11の3)に加わった。郷土の偉大なスターの軌跡に触れられる。

 三浦氏は1953(昭和28)年にデビュー。同年に発表した『落ち葉しぐれ』が異例の大ヒットを記録し、一躍スターダムにのし上がった。

 端正な容姿と透明感のある高音の美声で日本中を魅了し、NHK紅白歌合戦にも通算8回出場するなど、昭和の歌謡史に偉大な足跡を残した。

 自らの芸名に「三浦」の名を冠するほど故郷を愛した三浦氏。地元の風景や情緒をテーマにした楽曲も多く、生涯を通じて三浦三崎の魅力を全国に発信し続けた。

 同館では当時の貴重なレコードジャケットや写真、地元三崎との絆を紹介する資料が飾られている。開館は土曜・日曜・祝日のみ。午前10時から午後4時。入館無料。

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自著を手にする名倉さん(91)

自衛官の経験を小説に 「総理大臣と哨戒機」出版

 横須賀市米が浜通在住で元海上自衛隊横須賀地方総監部幕僚長の名倉忠昭さん(91)が、『小説 総理大臣と哨戒機』を上梓した。哨戒機とは、潜水艦や不審船舶の監視・警戒を行う航空機。1970年代に米国ロッキード社の開発モデル「P-3C」が国内に導入決定された経緯などが本作の骨子となっている。

 「人は一生のうちに1つ小説を書くことができる」という、ある作家の言葉を目にし、「自分でも形にできないか」と在籍時に記していたメモを基に書き起こした。

 終戦当時10歳だった名倉さんは、横須賀に上陸する米兵を高台から眺め「この国は自分たちで守らねば」と将来を決意。防衛大学校へ進学し、海上自衛官として任務を全うした。「伝えたいのは、平和は当たり前ではなく、先輩たちの努力の上にあること」と語る。

 70冊限定で希望者に頒布。希望者は若松町の「noB’z」の北見さん【電話】080・3707・3711へ。

「いのち」学ぶ寺子屋 三浦・実相寺で夏休み企画

 三浦市の実相寺(初声町下宮田3377)は、7月31日(金)から8月1日(土)まで、小学生を対象とした「第20回実相寺寺子屋〜夏休み子供道場〜」を1泊2日のスケジュールで開講する。

 かつて同寺には初声小学校の前身となる寺子屋が置かれ、地域教育の場として役割を果たしてきた。こうした背景から、毎年夏休みに寺小屋を再現した企画を実施。薪割り、本堂の掃除、飯ごう炊飯、読経、座禅瞑想や農業収穫体験などを通じ、「いのちの大切さ」や「生かされて生きている」ことを学ぶ。

 参加費3千円。7月1日(水)午前9時受付開始(7月5日(日)まで。定員36人に達し次第締切)。申込は同寺【電話】046・888・1820へ。

新センターのイメージ写真

横須賀市 マイナンバーセンター開設 窓口増で更新需要対応

 横須賀市は、市民の8割以上が保有しているマイナンバーカードについて、同カードの更新や暗証番号再設定などの手続き体制を強化するため、ベイスクエアよこすか一番館3階(本町3の27)に「横須賀市マイナンバーカードセンター」を開設する。マイナンバー制度の導入時やマイナポイント事業期間中に同カードを作成した人が更新時期を迎えていることを考慮したもので、8月1日(土)から運営を始める。「市民サービスセンター(役所屋)中央店」のマイナンバー窓口を移設する形で、同市役所の窓口サービス課での対応は8月以降も継続する。

 従来の2窓口体制では予約枠が不足し、受け取りまで1カ月以上の待機が発生したこともあったという。今後も続く更新需要の急増を見据え、窓口数を7窓口へ拡充。通知が届いてからすぐに受け取り予約ができる体制を目指す。

 新センターでは、カードを受け取る場合のみ予約が必要。電子証明書の更新や暗証番号の再設定などの手続きは即日対応可能となる。開庁時間は月・火・金が午前10時30分から午後6時30分、土・日が午前9時から午後5時。休業日は水・木・第3土曜日の翌日曜日・年末年始(12月29日から1月3日)。

かながわ信金 新理事長に高橋氏

 地域金融機関のかながわ信用金庫(本店=横須賀市大滝町)は6月26日、高橋武常務理事(50)=写真=が新理事長に就く人事を発表した。前任の片岡祐二理事長(67)は退任し、非常勤顧問となる。平松廣司会長(76)は続投する。

 高橋新理事長は横浜国立大学出身。1999年の入庫で2022年に常勤理事、25年に常務理事に就いていた。同金庫は新人事で組織の若返りを図る。

運上所跡(神奈川県庁)

三郎助を追う 〜もうひとりのラストサムライ〜 第50回 文・写真 藤野浩章

 アメリカを皮切りにオランダ、ロシア、イギリス、フランスと立て続けに条約を結んだ幕府。いよいよ鎖国が終わりを告げることになったが、井伊直弼がその拠点の1つに選んだのは言うまでもなく横浜だ。寒村だったエリアでは、たった4カ月ほどで土地の造成から波止場、役所などが建てられ、各国の商人が続々と押し寄せたという。

 そして安政6(1859)年6月2日、開港の日を迎える。西洋暦では7月1日。ハリスは米独立記念日である7月4日にしたかったが、他国が一致して1日に決め、幕府も承諾する。同時に開港された函館、長崎と比べ、総輸出入額の80%を占めた横浜港は、貿易だけでなく、列強がうごめく世界情勢の荒波に巻き込まれていくのだ。

 その矢面に立ったのが、神奈川奉行所。現在神奈川県庁がある場所に貿易事務を扱う運上所(うんじょうしょ)が設けられ、紅葉が丘には役所が置かれた。今まで浦賀奉行所が一手に引き受けてきた業務だけに、浦賀から与力や同心が一部異動し、そのノウハウが活かされたという。浦賀奉行所自体は「海の関所」の機能をこの後も果たしていくが、三郎助を始め、浦賀の街と共に生き、仕事をしてきた人たちは、急激な変化の中で複雑な感情を抱いていたのではないだろうか。

 一方、開港で莫大な出費をすることになった幕府は、国家の危機に協力すべしと、商人はもちろんのこと庶民にも金銭や仕事の負担を強いるなど、万策尽きる状態に陥っていた。

 そんな中、翌年1月に咸臨丸が浦賀を出港し、アメリカへ向かう。しかし、約4カ月後に帰港した時には、世の中の情勢は一変していた。