茅ヶ崎・寒川版【6月20日(金)号】

茅ヶ崎市ごみ排出量 有料化3年目も減少続く 24年度は前年比1.5%減

 茅ヶ崎市は5月28日、2024年度のごみ排出量(速報値)を発表した。資源物を除くごみ排出量は4万7030tで、前年度比で1・5%減少した。市は「有料化以降、着実に減量が進んでいるが減量化基本方針で掲げる目標の達成にはさらなる取り組みが必要」とする。

 24年度1年間で排出されたごみのうち、燃やせるごみは4万2309tで前年度比684t(1・5%)の減少、燃やせないごみは4085tで前年度比65t(1・6%)の減少となった。

 一方で大型ごみ(1辺の長さが50cmを超え2m以下のもの)は636tで前年度比で22t(3・6%)増加、資源物も1万5564tで115t(0・7%)増加した。

 市資源循環課は「項目によって増加もあるが有料化開始前の21年度と比べると16・2%の減少で大きな流れとしては減量が進んでいる」とする。

 市は20年に発表した「ごみ減量化基本方針」で「17年度を基準に34年度までに家庭系ごみを25%、事業系燃やせるごみを50%削減する」という目標を掲げている。

 家庭系についてはすでに22・4%減に達しているが、さらなる減量へ市は、まだ食べられる食品を持ち寄り福祉施設などに寄付するフードドライブや家庭用生ごみ処理機の利用促進に取り組む。

 フードドライブについて24年度は94件516・5kgの寄付があった。同課は「23年度は企業が災害用に備蓄していた食品の大型寄付もあった。今後も市民、企業に利用を呼びかけたい」とする。

 また生ごみ処理機については、購入費の補助制度を設けている。24年度は早期に上限に達したことから、25年度は約300万円の予算を確保した。同課は「処理機の価格が上昇していることもあり市民の関心は高い。今年度は有料化スタート前後の21、22年度と同等の枠を確保したのでぜひ利用を」とする。

(上)取得を受け笑顔の(左から)阿竹隊長、増淵さん、城田団委員長=6月14日、第六天神社(下)エクアドルでの経験を報告する増淵さん=茅ヶ崎市コミュニティホール

ボーイスカウト増淵ゆりかさん 高校生年代の最高位取得 進級課程の修了必須の難関

 茅ヶ崎市のボーイスカウト茅ヶ崎第3団に所属する市内在住の大学生・増淵ゆりかさん(18)がこのほど、ボーイスカウト活動の高校生年代で最高位とされる富士スカウト章を取得した。市内では初の快挙とされる。

 ボーイスカウトはイギリスを発祥とする世界最大の青少年教育活動で、年齢層に応じて5つの部門に分かれている。

 中でも同章は、初級から始まるボーイスカウトの進級課程の全てを修了する必要があり、かつ自然観察、地域社会への奉仕、キャンプ技術など多岐にわたるスキルの習得も含まれる。その上で、社会事業や環境保護などスカウト運動の理念に基づくプロジェクトの企画、実行が求められる。

 プロジェクトについて増淵さんは、2024年にカナダに短期留学した際のルームメイトがエクアドル人だったことから、エクアドルへの旅行計画を立案し実行した。

 8日には市内で報告会を実施。現地で感じた魅力や得られた経験を受章の喜びとともに後輩たちに紹介した。同団の団委員長の城田雅史さんは「100年続く日本のボーイスカウト史の中でも同章を受けた者は6000人しかいない」としている。

 増淵さんは小学3年生時に母親の勧めで同団に入り、ボーイスカウト活動を始めた。現在も18歳から25歳までを対象とするローバースカウトとしてキャンプやハイキングなどでの指導に当たる。ボーイスカウトの魅力については「幅広い年代の子たちと活動したり、自然にかかわることができること」と話す。

 同章を取得したことを受け、増淵さんは「大学受験の最中にプロジェクトを実行するなど大変だったが、両親をはじめさまざまな人に支えてもらった。皆で取った章だと思う」と喜びを口にし、「今後は活動で得た知識を後輩たちに伝えていきたい」と抱負を述べた。英語やスペイン語でも会話ができるため、将来は国連職員を目指すとしている。同団で指導したベンチャー隊隊長の阿竹尚志さんは「これからも志を持ちながら、自分の信じる道を進んでほしい」と期待を寄せた。

 同団は第六天神社を本部として毎週日曜に活動。所属メンバー20人がキャンプや奉仕活動などを行っている。

2作目となる絵本『いっぴきねことおつきさま』を出版した かんばやし 麻さん 茅ヶ崎市在住 62歳

「贈り物にしたい絵本」創作

 ○…絵本作家として、2作目となる『いっぴきねことおつきさま』を5月27日に出版した。寂しく過ごしていた一匹の猫が、仲間や人の温かさに触れることで、本当に大切なことに気づく物語。「前作よりも原画や文章にこだわり、考え抜いた分思い入れが深い作品。誰かに贈りたい一冊になれば」と話す。

 ○…静岡県東伊豆の「海に近いおだやかな町」で生まれ育った。幼少期は父親の影響で本や漫画に夢中に。「床が抜けるほど本があった」と懐かしむ。高校卒業後はデザインを学ぶため、名古屋の短大へ。その後ポップライターとして活躍した。父の体調不良を機に再び東伊豆へ戻り介護を経験。父が亡くなり、今から5年前に茅ヶ崎へ移住した。知らない土地での孤独感や喪失感、さらに介護で体感した苦悩や葛藤を絵や文字でメモ書きして、「ままならない思いを表現していた」ことが、後に絵本制作のきっかけになったという。

 ○…2023年に自身初の作品『ぼくのしあわせないのち』が第9回絵本出版賞・最優秀賞を受賞した。「共感して涙を流してくれた人や、手紙を送ってくれた人もいた。これからも絵本作家を続けたいと思えた」と話す。両作品とも猫目線で書かれているのは大の猫好きが影響している。幼い頃から常に猫が身近にいる生活を送り、「人間で表現すると気恥ずかしい自分の素直な感情を、猫になら投影しやすい」と語る。

 ○…趣味は手芸。アクセサリーや絵本を題材としたグッズを作り、友人とともにフリーマーケットに出店している。「次はいつ、どこに出店しようか計画中」と楽しそう。茅ヶ崎のお気に入りの場所は「海」。「いつも海が生活の近くにあるな」とほほえむ。

丁寧に田植えを行う児童

泥んこ田植え体験 米作りの苦労と喜び学ぶ

 寒川町立小谷(こやと)小学校の全児童が6月13日、田植えを行った。

 同校では「農業体験を通して自然とふれあい、共同作業や勤労の大変さを感じてほしい」と、毎年米作りを行っている。

 この日は1年生から4年生が苗を運び、5、6年生が地域住民から借りた5a(25m×20m)の田んぼにもち米の苗を植えた。児童らは泥のぬかるみに足を取られ苦戦していたものの、徐々にコツを掴み、田んぼに引かれたロープに沿って丁寧に植えていった。

 田植えを体験した菊池倖平さん(6年)は「多くの人の苦労があってお米を食べられることを知った。農家さんにありがとうと伝えたい」と話した。

 10月には稲刈りを行い、自分たちで収穫したもち米を調理する予定だという。

茎が5mほどに成長したリュウゼツランと宮川さん=6月14日撮影

リュウゼツラン70年越し開花へ 萩園・宮川さんの畑で

 数十年に一度だけ花を咲かせるというリュウゼツランが、茅ヶ崎市萩園で間もなく開花を迎えようとしている。

 このリュウゼツランは、宮川元二さん(78)の畑に植えられているもの。宮川さんは幼い頃からサボテンなどの植物を栽培することが好きで「小学校3年生か4年生の時」に遠足で訪れた真鶴駅前で栽培されていたリュウゼツランを見つけ、駅員にねだって株を譲り受けたという。

 当初は自宅の庭に植えていたが株幅が2m以上に成長し、葉にトゲもあることから「子どもたちが触ったらケガをする」と30年ほど前に現在の場所に植え替えた。

 その後は「特別な手入れはしていなかった」というが、5月に入り中央から大きな茎が伸びていることに気づいた。その後も茎は伸び続け、つぼみも見られるように。最近では噂を聞いて見学に来る人も増えている。写真を見た大船フラワーセンターの担当者は「最終的には7〜8mまで成長する。順調なら7月中旬、気温の高さが続けば初旬には開花が始まるのでは」と話す。

 宮川さんは「花が咲いた後は枯れてしまうと聞いている。こんなに長く人生をともにしてきたので寂しさもあるが、まずは無事に花を咲かせてほしい」と話している。場所は春に河津桜が咲く小出川堤防そば。

「夢みこし」と製作した吉野さん

担ごう「夢みこし」 うみかぜテラスで体験会

 「おみこしを担ぐ楽しさを多くの人に知ってほしい」と「ちがさき夢みこし担ぎ体験会」と題したイベントが、茅ヶ崎公園体験学習センターうみかぜテラス(中海岸3の3の9)で開催されることになった。

 企画・監修するのは、茅ヶ崎市赤羽根で「茅ヶ崎どっこいファーム」を営む吉野正人さん。「三社祭」で知られる浅草で生まれ育った吉野さんは、茅ヶ崎に移住した後も八大龍王神(中海岸)の神輿保存会会長を20年近く務めた。

 近年は「祭りの担い手不足に危機感があった」という。「子どもの頃から気軽におみこしを担ぐ体験ができれば、もっとお祭りに関わる人が増えるのでは」と考え、約1年をかけて万灯みこしを完成させた。

 今宿の神輿工房「神輿康」の中里康則さんに協力を仰ぎ、鈴やタンス(カン)は本物を使用するなど、本格的な仕上がり。担ぎ手が夢を書いて収めることから「夢みこし」と名付けた。昨年秋以降、地域の祭りに参加したり、農業体験で農園を訪れた小学生に担いでもらうなどしている。

 今回のイベントは、「(神社が少ない)市の南東エリアの子どもたちが、伝統文化に触れるきっかけになれば」とうみかぜテラスを会場に実施する。吉野さんは「こうした機会に、おみこしを担ぐ一体感を味わってほしい」と話している。

 イベントは全5回で初回は6月28日(土)の午後2時から4時まで。対象は小学3年生以上で、参加無料、申し込み等も不要。今後は9月27日(土)、11月22日(土)、2026年1月24日(土)、3月28日(土)にも予定されている。

 問い合わせは、うみかぜテラス【電話】0467・85・0942へ。

4人のパネリストが語り合った

茅ヶ崎の魅力再確認 商工会議所で公開講演会

 茅ヶ崎商工会議所サービス業部会と商業部会の共催で6日、公開講演会が開催された。

 茅ヶ崎で長年の経営実績を持つ経営者と、近年事業をスタートさせた経営者が「茅ヶ崎のこれまでとこれから」をテーマに持論を展開。

 パネリストには、カギサン(1869年創業)の代表取締役会長・伊藤和明さん、神奈川電設(1948年創業)の代表取締役社長・大森竜太郎さん、セイザブロウ(2015年創業)の代表取締役・加藤紘道さん、CHELSEA hair salon(同)の代表・高久秀明さんの4人が参加した。

 初めに、自企業の沿革を紹介した後、地元で長く経営を続ける秘訣を問われた伊藤さんは「さまざまな事業を展開したが、時代の変化に対応して今に行き着いた。本業の醤油醸造業を続けていたらうまくいかなかったと思う」と回顧。大森さんは「商工会議所をはじめ、たくさんの仲間たちと事業に取り組んできた。仕事とは別に地域とのつながりを持つことが大事」と説いた。

 茅ヶ崎の魅力については、「たくさんのコミュニティがあり、地域のため、子どものためと皆が思っているところ」と高久さん。加藤さんは「米国・カリフォルニアに似ている。楽しめる町になっていけば」と期待を込めた。

 同じく大森さんは「気候や地理的な利便性にも恵まれているのが利点では」と強調すると、伊藤さんは「茅ヶ崎のまちを好きな人たちがたくさんいるところではないか。若い人たちのアイデアでもっと町が良くなる」と話した。

 質疑応答では茅ケ崎駅前の商業の展望についての意見や質問が出され、今後の将来像について語り合う場面もあった。

道の駅オープンへ キーマンインタビュー【2】 海の魅力「らしさ」の発信地に 三橋 一已 さん(茅ヶ崎サーフィン協会 理事長)

 7月7日にグランドオープンを控える道の駅「湘南ちがさき」。「より愛される施設」にしようと奔走してきた地域のキーマンたちを連載で紹介する(全4回)。

 道の駅入り口すぐのインフォメーションで、海のアクティビティの案内を引き受けるのが、茅ヶ崎サーフィン協会(三橋一已理事長)だ。

 サーフィン、SUPなどのマリンスポーツやスケートボードの、体験やスクールを行うショップなどの案内を、協会員が常駐して引き受ける。他にも「飲食店など、ローカルサーファー御用達の店なども紹介していく」とにこり。先々には広場を活用してスケボー体験などの企画も進めているそう。

 入り口に設置された大型モニターでは、第一線で活躍する茅ヶ崎出身プロサーファーらのオリジナル映像を放映する。ライディングはもちろん、彼らの「茅ヶ崎へようこそ」の一言が、来場者を出迎える。映像制作にあたっては「若手の彼らが『茅ヶ崎を盛上げたい』と快諾し一手に引き受けてくれた」という。

 一方、道の駅では海を楽しむためのルールやマナーも伝えていきたいという。「道の駅に車を止めてサーフィンに行くなどは絶対にしないでほしい」と呼び掛ける。「『茅ヶ崎=海』の魅力をこれでもかと詰め込んで、今までなかった茅ヶ崎『らしさ』の発信地となり、新しい茅ヶ崎を創っていければ」

熱戦を繰り広げた決勝トーナメントの試合

湘南ファミリーテニスクラブ 記念大会で節目祝う

 湘南ファミリーテニスクラブ(寒川町大曲)の創立45周年記念ミックスダブルストーナメントが6月7日、8日、14日に同テニスクラブで開催された。

 ダブルスを組む2人の選手の年齢の合計が130歳以上であることを条件とするリーグには県内各所から80チーム160人が出場。熟練の技が光る熱戦が繰り広げられ、参加者からは「緊張する」「楽しい」といった声が聞かれるなど、大会は大盛況となった。決勝トーナメントには激戦を勝ち抜いた18組が出場し、白熱した試合展開を見せた。

 節目の年を迎え、高橋誠一郎オーナーは「コロナ禍もあり、10年ぶりの記念大会となったが、無事開催できてよかった。皆さんが末永くテニスを続けられるように、これからも環境を整えていけたら」と話した。

 入賞したペアは次の通り。優勝/「依田・熱田」組、準優勝/「中野・内藤」組。

茅ヶ崎市民文化会館 言葉超え演劇体験を 夏休みに海外3作品を上演

 夏休み、茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団は「キッズ応援☆プログラム」として、言葉を超えて楽しめる海外の舞台3作品を茅ヶ崎市民文化会館で上演する=写真。

 デンマークの「シアター・ブリック」による音楽とドローイングの詩的なパフォーマンス『わたしのねがい』は【1】7月22日(火)午後3時〜【2】7月23日(水)午前11時〜【3】同日午後1時〜の3回。練習室1兼ミニホールで。時間は35分ほどで3歳くらいの子どもから。

 フランスのディマス・ティヴァンヌが歌い、踊りながらジャグリングを魅せる『ンカマ〜とき〜』は【1】7月30日(水)午後7時〜【2】7月31日(木)午後1時〜、大ホール舞台上特設舞台で。約30分でせりふはないので、子どもから大人まで楽しめる。

 シモン・フィリピとレミ・ルクレールによる「カンパニー・ソン・ドゥ・トワル」(フランス)が身体全体でボディ・パーカッションを奏でる『さあ!』は【1】8月7日(木)午後3時〜【2】同日午後7時〜の2回、小ホールで。約45分。せりふはないので子どもから大人まで。

 各公演2歳〜高校生は500円、大人1500円で全席自由。2歳未満は保護者1人につき1人まで膝上鑑賞無料。問い合わせは同館【電話】0467・85・1123へ。

絵本を持つかんばやしさん

「愛や優しさ」を表す絵本

 茅ヶ崎市在住の絵本作家・かんばやし麻さん=人物風土記で紹介=が5月27日、自身2作目となる「いっぴきねことおつきさま」を出版した。

 「ネコの視点で愛や優しさを表現した」作品で、子どもから大人まで楽しめる一冊。

 B5判32ページ上製オールカラーで価格は1650円(税込)。対象は4歳以上で、全国書店ほか、オンラインで発売している。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)

えぼし岩の自然学芸員が解説

 茅ヶ崎市博物館は6月29日(日)、ギャラリートークを開催。新人学芸員が「えぼし岩とよばれて」をテーマに展示を解説。午前11時からと午後2時から(各回約30分)。予約不要。無料。(問)【電話】0467・81・5607

萩園・三島大神

 現在の神輿は1950年に二宮町の工房で作られたもの。それまで小ぶりの神輿で浜降祭に参加していた地域住民にとって待望の神輿だった。胴の部分はケヤキの美しさを生かした白木づくりが特徴。正面の狛犬の彫刻には高度な透かし彫りの技法が使われている。神輿保存会顧問の青木春雄さん(88)は「祭りが始まるとつい体が動いてしまう」と笑顔を見せる。

南湖・中町八雲神社

 中町八雲神社の神輿は1888年に制作され、その後、寒川町の神社から譲り受けたと考えられる。四面の扉には牡丹や菊、長春花、蘭、欄間には飛龍や魚の彫刻が施され「立体的で細部にまで職人の技術が光る彫刻の見事さは随一」と評される。4月に15年ぶりの修復を終え「地域のシンボルとして大切にしていきたい」と責任総代代表の尾高邦男さん(83)。

本村・八坂神社

 本村八王子神社境内の八坂神社。今の神輿は2代目で1889年に作られた。質の良いケヤキがふんだんに使われ約600kgと重いが、その分しっかり作られているという。金物には一般的な唐草ではなく菊があしらわれるなど装飾も特徴的。鳳凰が少し前傾しているのは「獲物を狙って飛び立つ瞬間と言われて格好いいんだ」(八王子神社総代の岸保二さん)

ルワンダでの活動の様子=提供

ルワンダで義足提供28年 ルダシングワ真美さん

 茅ヶ崎出身のルダシングワ真美さんは、アフリカ中央部のルワンダで身体に障害のある人に無償で義足を製作・提供する活動を30年近くにわたって続けている。帰国中の真美さんに、現在の活動について聞いた。

 真美さんは1989年、ケニアに留学した際、後に夫となるガテラさんと出会った。内戦で混乱するルワンダから難民として逃れてきたガテラさんから、民族対立に端を発する虐殺で100万人ともいわれる人が犠牲となったこと、多くの人が足を失ったにもかかわらず義足を付けることもできないことなどを聞いた真美さん。自身も幼い頃の医療事故で右足に障害がありながら「祖国で傷ついた人の力に」と話すガテラさんに心を動かされ、義肢装具士になることを決意した。

 横浜の義肢製作所での5年間の修業を経て、97年にルワンダに渡った。2人で義肢製作所を立ち上げ、これまでに1万人を超える人に義足を提供してきた。30年近く活動が続いてきた原動力について真美さんは「やはり夫の存在が大きい。彼には誰かの役に立ちたいという強い信念がある。その分、仕事には厳しく楽をさせてくれないんですけれど」と笑う。

 近年力を入れるのは、より支援が行き渡りにくい地方への巡回事業だ。開設した拠点が度重なる洪水などで政府によって撤去されてしまったり、コロナ禍による中断など紆余曲折を経ながら、今年3月に再開した。

支援の輪広げたい

 毎年一時帰国しており、今年も8月中旬まで、約3カ月間滞在する。その大きな目的が、活動への理解と支援を広げることだ。

 「やっぱり直接話を聞いてもらうことは重要」と、茅ヶ崎FMの番組に出演したほか、茅ヶ崎市内の中学校やカフェでの講演を予定しているという。「活動を始めた当初から支援してくれる人もいて、本当にありがたい。今後は理念を受け継いでくれる人も育てられたら」と話している。

 活動の詳細は「ワンラブプロジェクト」で検索または真美さんの各種SNSで確認を。

お天気キャスター・木原 実さんに聞く 「無理せず、ゴールを目指す」

――SDGsをどのように評価されていますか。また、達成目標年2030年まであと、5年に迫っている状況です。

 「大前提として私はSDGsの理念は大賛成。しかしゴールまで5年は時間的に厳しいですね」

――その理由は。

 「国は環境・エネルギー問題に一時期は『車に乗るのをやめよう。公共交通機関を使おう』と呼びかけましたが、多くの人は不便だから応じません。でも自家用車をエコカーに変える人は増えました。無理や我慢をしない手法でゴールを目指す方が現実的です」

――具体的に何をすべきでしょうか。

 「気候変動対策でいえば、再生可能エネルギーの技術革新でしょう。太陽光発電や風力発電は使い始めたばかりの技術でノウハウが蓄積されていませんが、今後強力な研究開発をのぞみます。SDGsを提唱した国連が世界の科学技術を結集し、前進させていくことも一案です。残念ながら、ガザやウクライナの戦争もあり、それどころではない状況。しかし、 SDGsを本気で達成させるなら、世界のありようを考え直すべきです」

日常生活見直しを

――私たちの日常生活でできることは。

 「まずはごみ削減です。ご家庭の冷蔵庫の中で賞味期限が切れてるものありますよね。すぐに捨てませんか?お金と手間をかけて作った野菜、海で採ってきた魚が捨てられていく。消費期限を見て必要以上に買わないだけで済む。みなさん室内の消灯には熱心ですけど、食料を捨てることに罪悪感がないように感じます。僕は食いしん坊でケチん坊。少しくらい賞味期限が過ぎているものでも食べますよ(笑)」

――気象予報士として現在の地球環境は。

 「人間の力では気候変動を止められないだろうと思っています。コンピューターの計算ではじりじりと温暖化していくはずなんですが、実際は急上昇。一方、この冬の西日本の気温は低かった。自然は予測不能な変動を大きく起こします。温暖化で海水温も上がり強い台風が来ると言われており、実際、日本付近の海水温は過去にないくらい高くなりました。 けれども未だに1934年の室戸台風や1959年の伊勢湾台風を超える台風は来ていない。では異常気象とどう向き合うか。僕は対処療法だと思います。その環境に人が適応していくこと。SDGs的な対策を進めつつ、寒波や大雪、熱波や洪水に備える。天気予報は効果があります」

――最後に読者にメッセージを。

 「私は防災士でもあります。皆さん、災害が起きても喉元過ぎるとすぐ忘れる。だから繰り返し伝えていかなきゃいけない。準備できるのは災害の発生前、地震なら揺れる前。命を守るため、今やれること全部やってください。ひとりひとりのできることは限られています。しかし、知恵とお金を戦争や軍拡でなく、科学に投入すれば、安全で素敵な地球になります。みんなで実現させましょう」

夏至頃の夕景=提供

夏至のダイヤモンド大山 寒川町観光協会が見所紹介

 寒川町観光協会は、大山の山頂に夕日が沈む「ダイヤモンド大山」の町内ビュースポットをホームページで紹介している。

 寒川町では夏至を含む数日間、大山の山頂に日が沈む様子を見ることができる。期間は6月19日(木)から23日(月)まで。現在の日没時間は概ね午後7時で、その30分から40分前が見頃となる。夏至の6月21日(土)は寒川神社周辺がベストポジションとのこと。担当者は「寒川町ならではの神秘的な大山の夕景を楽しんでもらえたら」と話している。

 (問)同協会【電話】0467・75・9051

会場の茅ヶ崎恵泉教会

恵泉教会にキッチンカー 6月21日、こども食堂イベントで

 日本基督教団茅ヶ崎恵泉教会(茅ヶ崎市共恵2の7の1)駐車場で6月21日(土)、「キッチンカーフェスティバル」が開催される。午前10時から午後4時まで。雨天中止。

 今年3月から同教会を会場に毎月第2、4水曜日に開かれている「茅ヶ崎こども未来食堂」の一環として行われる。同教会の主任担任牧師で食堂を企画する越智馨さんは「世代を超えた交流の機会になれば」と話す。

 当日はハンバーグや沖縄料理、唐揚げ、抹茶オレ、スイーツなどのキッチンカーが出店する。同教会ホールでも飲食が可能。子ども対象のヨーヨーすくいなども。

 問い合わせは(一社)グレイス・シード越智さん【携帯電話】070・1217・1722へ。

松籟庵で茶道体験

 和の文化倶楽部「茶道入門」が7月5日(土)と6日(日)の2日間、高砂緑地内の茶室・書院「松籟庵」(茅ヶ崎市東海岸北1の4の50)で開催される。5日は午後1時30分から3時30分まで、6日は午前10時から正午までと、午後1時30分から3時30分までの2回。

 講師は裏千家淡交会湘南支部の橘川宗麻さん。対象は高校生以上の人で定員は各回先着15人。参加費1000円。白の靴下を持参。申し込み、詳細は同施設【電話】0467・87・5258へ。

仕事に暮らしにAI活用を 6月28日 茅ヶ崎市勤労市民会館で講座

 茅ヶ崎市勤労市民会館(茅ヶ崎市新栄町13の32)で6月28日(土)、「はじめてのAI活用体験講座」が開催される。参加無料。時間は午後1時30分から3時30分。現在、申し込みを受付中。

 講師となるキャリアコンサルタントの草島智咲さんの指導のもと、実際に生成AIを体験。会議メモの要約や企画アイデアの整理、スケジュール管理などさまざまな場面で役に立つ生成AIの便利な活用術についてアドバイスする。当日はスマートフォンを持参で来場を。

 定員15人程度で、締切は6月27日(金)。希望者は同館ホームページの応募フォーム、または事務局【電話】0467・88・1331へ。

南部公民館 茶道の体験講座 6月29日(日) 午前10時から

 寒川町南部公民館(一之宮8の5の20)で6月29日(日)、「初心者 茶道体験講座」が開催される。午前10時から正午まで。現在参加者を募集中。

 表千家の宮内宗洋さんを講師に招き、お茶の体験から茶道のしきたり、マナー、歴史などについて学ぶ。

 対象は町内在住または在勤の成人の人先着10人。持ち物は白ソックスで、参加費450円(茶菓子代)。

 申し込み、問い合わせは同館へ直接または【電話】0467・75・0281へ。