宮前区版【8月29日(金)号】
池之上局長に要望書を渡す工藤市議ら

区役所食堂の再開を 区市議団が要望書

 宮前区選出の川崎市議会議員団が8月25日、今年4月から休業している区役所内の「レストランみやまえ」の再開等を求める要望書を市に提出した。要望書は、多くの職員が再開を望んでいるアンケート結果や意見交換、現場視察の内容を反映。5人の市議会議員が代表して池之上健一総務企画局長に手渡した。

 現在、食堂事業を行っているのは宮前区(休業中)と多摩区だけとなっている。要望書では「多くの区役所周辺には、食堂に代わる代替施設があるが、宮前区役所周辺には飲食ができる施設が少ない」と指摘。この日要望書を届けた、工藤礼子市議と高戸友子市議は、キッチンカーや弁当販売の活用を提案。池之上局長は「レストランスペースを活用したいという声もある。課題解決に向けて総合的に検討していきたい」と応じた。

 レストランみやまえは、1982年の区役所開庁と同時に営業を始めた。職員に対する福利厚生事業の一環として、市職員厚生会が管理主体となり委託業者が運営。長年にわたり職員や来庁者に親しまれてきた。

 しかし、国の方針に基づき、2010年度から食堂業者に対する家賃免除と、既存設備の無償貸与以外の市からの支援が廃止に。これ以降、新たな設備費や修繕費は運営業者が負担する形へと転換された。追い打ちをかけるようにコロナ禍による利用者の減少や物価高騰、設備の老朽化などによりレストラン経営は悪化。7度の価格改定も実らず、休業を余儀なくされた。

「望む」が8割

 宮前区役所は今年6月下旬、職員251人を対象にレストランの営業再開に関するアンケートを実施し、回答者の81%が再開を望んでいるという結果が示された。さらに、宮前区全町内・自治会連合会をはじめとする区民からの再開を望む声を受け、区選出議員団は8月8日に、関係部署との意見交換と厨房の視察などを行い、課題を共有した。

 発案者の矢沢孝雄市議は「区役所職員の福利厚生の視点だけでなく、多方面から求められている食堂が機能していない現状は一日も早く解決すべき。早急な検討と具体的な取り組みに期待したい」と述べた。

エジプトに赴任し、日本式教育の普及に努める 中村 邦彦さん 麻生区在住 64歳

「寄り道もまた楽しい」

 ○…稗原小の校長を退任後、昨年9月から「エジプト日本式学校スーパーバイザー」として、第二の人生を歩んでいる。7月に一時帰国し、菅生中学校区地域教育会議で近況報告を行った。エジプトは、2017年から日本式教育を導入。来期は、15人の退職校長が、日本の学校運営と学級経営方法などを伝えていくという。「何があっても『アラーの思し召し』で済んでしまうアバウトな社会。純粋で自己主張が激しい人も多い」と現地の印象を語る。

 ○…「西生田小の仲間や恩師とは、今も旅行に行く関係。いいクラスだった」と振り返る。西生田中では陸上部に所属。駅伝チームは市大会で優勝したが、補欠だった自分には後ろめたさがあった。そんな雰囲気を察した顧問から「お前たちがいたから優勝できたんだぞ」と電話が掛かってきて心が震えた。教員を目指したきっかけは、恩師の存在が大きい。

 ○…「陸上を通じて出会った仲間たちは宝物」と共感してくれる存在の大切さを説く。浪人して青山学院大へ。「青学の陸上部出身っていうと驚かれるけど、当時は予選会敗退ばかりだった」。卒業後、アメリカ大陸を1周する旅に出掛け、人と人は言葉ではなく、心でつながっていることを再認識。実践の場として教員の道を選んだ。人間関係が構築できていれば、不登校も無くなると信じてやまない。

 ○…退職後、すぐに市子ども夢パークの副所長となる予定だったが、期せずして学級担任を経験。そして特別活動研究会の会長としての手腕を買われ、スーパーバイザーに声がかかった。「寄り道も楽しいもの」と人生訓を語る。趣味はサーフィン。「この夏は7回行ったけど、しばらくはできないね」とエジプトに旅立った。

飲酒検査を行う警察官=提供

宮前警察署 東名入口で飲酒取締り 高速道路交通警察隊と

 飲酒運転による人身事故が増加傾向にあることから、宮前警察署と宮前区に隊本部のある高速道路交通警察隊は、8月8日に東名川崎インターチェンジ入口で飲酒運転の取り締まりを行った。

 取り締まりは、飲酒する機会が増える3連休前日となる8日の午後10時から約2時間にわたって実施。東名川崎インターチェンジの入り口で、署員らがドライバーの呼気検査にあたった。この日は、酒気帯び運転の検挙はなかった。

 同署交通課によると、県内で飲酒運転による人身事故件数は7月末時点で8件、昨年1年間の7件をすでに上回っているという。

 同課の担当者は「『飲んだら乗るな、乗るなら飲むな』と昔から言いますが、酒を飲んで運転することは悪質危険な行為です。絶対にやめましょう」と注意を呼び掛けている。

読経する住職と参加者

馬絹地区で花供養 生産者が感謝の意

 馬絹地区の花卉(かき)生産者らが8月17日、花の命に感謝し慰める「花供養祭」を泉福寺で行った。

 花供養祭は、今年で107回目。セレサ川崎農業協同組合花卉部馬絹支部(吉田恵一支部長)が毎年この日に実施している。吉田支部長は「1年に1度、花に感謝する機会となっている。供養塔が川崎市の地域文化財となったが、これも先達の方々のおかげ」とあいさつ。住職の読経後に焼香、境内にある石の供養塔にも線香を手向けた。

 同地区は江戸時代から続く花の産地。生産される「花桃」は、かながわ名産100選にも選ばれている。

総合優勝のトロフィーを持つ竹地さん(右)と無藤さん

一輪車競技 息のあった演技で日本一 16歳ペアが悲願達成

 宮前区の一輪車チーム・ユニサイクルのがわに所属する竹地彩七さん(16・宮前区在住)と無藤真菜さん(同・横浜市都筑区在住)のペアが先月、群馬県で開催された全日本一輪車競技大会のペア演技部門で総合優勝を果たした。振り付けや構成までを2人で手掛けた演技が高く評価された。

 大会には中学生から社会人まで36組が出場。昨年、準優勝に終わった2人は、悔しさを胸にリベンジに臨み、悲願の優勝を飾った。「本当にうれしい」と喜びを語る。

 一輪車に乗って技やダンスを披露し、その美しさや表現力を競う演技部門。2人は演技曲にレディー・ガガの『ジューダス』を選び、強い女性をテーマに、構成から振り付けまですべて自分たちで考案。振りは力の強弱を意識し、きれいなシンクロにもこだわった。本番では、技術力と表現力で高得点を獲得した。

 大会までの道のりは平坦ではなかった。昨年12月に、無藤さんが肘を骨折し2人で練習できない日が続いた。それでも互いに毎日連絡を取り合い、演技のイメージを膨らませたという。

 チーム代表の和田千明さんは、「お互いをリスペクトし、息の合った演技ができた。よく頑張ってくれた、すごい子たち」と健闘を称えた。

 2人は現在、来年オーストラリアで開催される世界大会を次の目標に掲げている。

(左から)大久保選手、福田市長、山本HC、近田選手

富士通フロンティアーズ 目指すは「日本一奪還」 福田市長に決意語る

 社会人アメリカンフットボール・Xリーグ「富士通フロンティアーズ」のキャプテン・大久保壮哉選手、副キャプテン・近田優貴選手らチーム関係者が8月22日、川崎市役所を訪れ、福田紀彦市長に今シーズンの日本一奪還を誓った。

 Xリーグは、8月29日(金)に秩父宮ラグビー場(港区)で今シーズンが開幕。昨シーズン、リーグ1位で臨んだ日本一を決めるライスボウルで「パナソニック インパルス」と対戦し、惜しくも4連覇を逃したフロンティアーズ。山田厳英部長は「来年1月3日のライスボウルで日本一のタイトルを目指してやっていきたい。101年目の川崎市に新しい歴史を刻んでいきたい」と抱負を語った。

 続いて、山本洋ヘッドコーチは「チームの総合力を高める練習をしてきた。1戦1戦勝ち上がっていきたい」と意気込みを語った。大久保選手は「今季は『NO EXCUSES』をスローガンに掲げ、何事にも言い訳せずに、自分たちと戦ってやり切ろうと3月からスタートした。日本一という目標がぶれることなく、8月29日から1戦1戦全力で戦っていきたい」と話し、近田選手は「日本一奪還が使命。目の前の試合、日々の練習、一瞬一瞬を全力を出し切ることをチーム全員でやっていきたいと誓った。福田市長は「悔しさをばねに、さらに強くなるシーズンになると思うので、期待している」とエールを送った。

賞状を手にする庄司兄弟

ソフトテニス 庄司兄弟(菅生中)関東ベスト16 市内から4年ぶり出場

 菅生中学校に通う庄司幸太朗さん(3年)と真太朗さん(1年)の兄弟ペアが8月6日、山梨県で行われたソフトテニスの関東大会でベスト16となった。

 前衛の兄・幸太朗さんは、強烈なボレーショットが持ち味。後衛の弟・真太朗さんは、ボールに横回転をかける「カットサーブ」で相手をほんろうするプレーを得意とする。「ケンカなんてしたことがない」という兄弟仲を武器に、神奈川県中学校総合体育大会に臨み、川崎ブロック大会を制覇、県大会も3位入賞を果たし、川崎市からは4年ぶりとなる関東大会進出を果たした。

推薦断り地元中へ

 2人は友人の紹介で、それぞれ小3、小1のときに東京のクラブチームでソフトテニスを始めた。小学生時代には団体戦で全国優勝を経験。その魅力について、幸太朗さんは「練習の成果が結果に出ること」、真太朗さんは「ペアで力を合わせて試合ができること」をあげる。強豪校からの推薦もあったというが、「どうしても兄弟でペアを組みたかった」と菅生中への進学を決断した。顧問の廣瀬若那教諭は「兄は主将として部員をけん引するムードメーカー。弟は度胸満点のプレーで魅了する選手」と評する。

 関東大会では4回戦まで進んだが、あと一歩のところで全国大会の切符を逃した。「今でもあの時こうしていればよかったと後悔している。高校ではインターハイで優勝したい」と幸太朗さん。真太朗さんは「今の実力は出し切れた。楽しむことを忘れず、チャレンジを続けていきたい」と抱負を述べた。

福田市長(中央)に要望書を手渡す4会派の団長

川崎市議会4会派 「小児医療費助成制度拡充を」 福田市長に要望書手交

 川崎市議会の自民、みらい、公明、川崎・維新の4会派が8月18日、小児医療費助成制度の拡充を求めた要望書を福田紀彦市長に手渡した。

 小児医療費助成制度を巡っては、県内31市町村が高校3年生相当までを対象にしている。川崎、横浜2市のみ中学3年生までだが、横浜市は山中竹春市長が8月の市長選で18歳までの拡大を掲げ再選した経緯がある。

 要望書では「物価高騰や教育費・医療費の家計負担増加が子育て世帯に影響を及ぼし、支援拡充が急務」と指摘。自民市議団の野田雅之団長によると要望書を受け取った福田市長は「主要4会派の要請を重く受け止める」と述べたという。市長は25日の定例会見で小児医療費助成を18歳まで拡大する考えを示した。

高齢者の就労を支援 川崎市シルバー人材センター

 川崎市シルバー人材センターは男女問わず、働く意欲のある高齢者の経験と能力を活かした働く場を確保、提供する公益法人。家庭や企業、公共機関などから受託した仕事を会員に提供する事により、地域社会の発展や福祉の増進に寄与すると共に、高齢者が社会の担い手としての責任と自覚を持って、生きがいを感じながら豊かな生活を送れる事などを主な目的として設置されている。

 会員登録は市内在住で60歳以上、元気で働く意欲のある人が対象。会員登録後は、求人情報を探すために自ら事務所に出向かなくても、自宅でセンターからの自分に合った仕事の紹介を待つだけで良いのも特長的。また、仕事を開始してからもセンターの担当職員がフォローしてくれるから安心。詳細などの問い合わせは下記参照を。

新たに導入する防災ラジオ

川崎市 防災ラジオを導入 1000台を無償貸与、500台を有償配布

 川崎市は、災害発生時に自動で起動し情報を届ける「防災ラジオ」を新たに導入し、市民に無償貸与・有償配布を行う。申込受付は、9月16日(火)から(有償配布は10月15日(水)まで受付)。

 この防災ラジオは、緊急地震速報や国民保護に関する情報、避難指示、河川洪水・土砂災害等の気象に関する情報などを受信すると、自動で起動し最大音量で放送する仕組み。コミュニティ放送「かわさきFM(79.1MHz)」の電波を活用し、情報が得づらい高齢者や障害者らにも、命を守るための災害情報を届けたい考えだ。

 今年度は、高齢者や障害者、町内会自治会らを対象に1000台を無償貸与するほか、500台を抽選(申込多数の場合)で有償配布する(詳細は下記リンクより)。

 市危機管理本部は「災害情報はいち早く入手することが重要。インターネットなどから情報を収集できない人でも命を守る行動がとれるよう、この防災ラジオを活用してほしい」と話している。

 申込みは下記リンクから、問合せは、川崎市危機管理本部災害システム担当【電話】044・200・1906。
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傾聴の技術学ぶ 全7回 参加者を募集

 全7回の「シニア傾聴講座」が、てくのかわさき(高津区溝口1の6の10)で10月から始まる。

 市高齢者在宅サービス課、認定NPO法人かわさき創造プロジェクト主催。傾聴の基礎を学び、回想法を通じて、高齢者の心の健康に寄与できるような技術を身につける。傾聴ボランティアや日常生活にも役立つ。

 市内在住、在勤の40歳以上の人が対象。定員24人(全日程参加できる人)。3千円。10月9日、16日、23日、30日、11月13日、20日、午後1時30分〜4時30分。11月4日〜7日のいずれかで体験実習。申込は「傾聴講座を受講希望」と明記の上、氏名(ふりがな)、年齢、郵便番号、住所、電話番号を記載し往復はがき(〒210―8577川崎市川崎区宮本町1番地健康福祉局高齢者在宅サービス課)かファクス(【FAX】044・200・3926)。9月17日必着(応募多数の場合抽選)。(問)【電話】044・200・2677

モルックで交流 向丘出張所で体験会

 「モルック」の体験会が9月28日(日)、向丘出張所2階大会議室で開かれる。午前9時から正午。参加無料で申し込み制。

 モルックはボウリングのように下手投げで木の棒(モルック)を投げ、数字が書かれた木の棒を倒して点数を競うゲーム。年齢や性別、体力に関係なく楽しめるフィンランド発祥のスポーツ。

 参加資格は向丘地区在住者で、定員は団体16チーム(1チーム2〜4人)、個人8人。多数の場合は抽選。申込みは、宮前区役所ウェブサイトか向丘出張所窓口、または【電話】044・866・6461。申込期間は9月5日(金)から22日(月)の午後5時まで。

お寺で怪談イベント 9月14日 泉福寺

 お寺で怪談はいかが――。馬絹にある泉福寺で9月14日(日)、怪談イベントが開催される。

 主催は、地元で歴史イベントを企画する「たちばなのくに歴史探求の会」。今年は怪談作家の黒史郎氏をゲストに招き、著書「川崎怪談」を中心に、川崎に今も潜む「何か」をテーマにしたトークライブを行う。

 時間は午後6時から7時30分。参加費は1000円。申し込みは、専用フォーム(https://forms.gle/xEku2pS7DtEAVD5D6)または、メール(tachibanarekitan@gmail.com)で受け付ける。

市場規模は1千億円へ かき氷が酷暑で大人気 街の氷屋は縮小傾向

 酷暑でかき氷の需要が増している。市場調査会社によると、全国のかき氷の市場規模は2024年に過去最高の964億円を記録し、今年は1千億円超えも予測されるという。一方で街の「氷屋」は減少し、高齢化や零細化が進む。市内の「氷事情」を取材した。

 「グレープひとつ、お願い」「私はイチゴ!」

 8月末の週末。35度を超える猛暑日となったが、小田急向ヶ丘遊園駅近くの住宅地に止まるかき氷のキッチンカー「登戸パーラー」には常時人が集まり、かき氷をほおばっていた。

 同店では、多い日には150〜200食近くを販売してきた。事業主の堀尾佑記さんはコロナ禍にこの事業を始めたが、この数年の「変化」をこう語る。「猛暑日は客足が鈍く、常連客が『夕方に来る』と声をかけていく。実際、暑さが収まってから客が集中する」

 市場調査会社「インテージ」の調査によると、かき氷の市場規模は、23年度には前年比121%、24年度は前年比114・8%と、年々拡大傾向にある。世間ではかき氷好きを「ゴーラー」と呼ぶ人気ぶりで、JR川崎駅近くの「ホテルメトロポリタン川崎」(幸区)内のレストランでは、これまでビュッフェメニューの一つだったかき氷を、今年からティータイムのアラカルトメニューとして提供。純度の高い「天然水氷」を売りに、一杯980円〜1480円という価格設定だが、人気を集めているという。

コンビニの余波

 県内の氷販売店が加盟する「神奈川県氷雪販売業生活衛生同業組合」(氷雪組合)の幹部によると、コロナ禍が明け、飲食店の営業再開やインバウンド需要により「氷の売り上げは全体的に1割以上伸びた」という。特に夏場は伸び幅が大きく、氷の在庫が底をついたため県外から調達して販売店に卸す氷雪製造メーカーもあるそうだ。

 好調にみえる氷業界だが、街の「氷屋」の状況は厳しい。

 厚生労働省の調査によると、全国の氷雪販売施設数は08年度に2384施設だったが、17年度には1581施設まで減った。店の規模では、16年の時点で従業員数「2人」の店が約3割で、「1人」も全体の約25%と、零細化が著しい。さらに経営者の年齢別では「60歳以上」が全体の4分の3を占め、「70歳以上」も4割以上だった。

 川崎市内の氷屋の店主は「この数年で知り合いの氷屋がいくつも店をたたんだ。今ではどこにでもコンビニがある。仕方がない」と苦笑いを見せる。氷雪組合の幹部も「夏の祭りを秋以降にスライドさせる主催者が増え、気象が不安定で急なイベント中止も少なくない。天気に振り回され、疲弊する氷屋も増えている」と話していた。

(上)「科学館」の解説台で準備するオレナさんと田中さん(下)7月のイベント後に記念撮影=「科学館」提供

ウクライナの避難女性 宙と緑の科学館 プラネタリウムで支える 解説員の田中さんも伴走

 プラネタリウムの仕事を通じ、ウクライナから東京都内に避難中のオレナ・ゼムリヤチェンコさんの生活を支えよう――。日本国内のプラネタリウム関係者の間で、そんな活動が続いている。その名も「One Sky for All」。発起人の一人である「かわさき宙と緑の科学館」(以下科学館、多摩区)職員の田中里佳さんも、プラネタリウム解説員の仲間としてオレナさんに伴走している。

 今年7月19日、「科学館」で、オレナさんによるプラネタリウム特別投影「ウクライナの星空の下で」が開かれた。オレナさんが「科学館」で投影会を開くのは、昨年2月に続き2回目。来場者に向け、オレナさんはウクライナの夏至の行事「イワナ・クパラ」など故郷の文化に関する説明を交えながら、星たちの物語を解説。最後に客席にこう呼びかけた。「生きる場所や文化が異なる私たちにできることは、星空の下に集まること。またここでお会いしましょう」

「川崎にも」と声掛け

 オレナさんはウクライナ北東部のハルキウに家族と暮らし、プラネタリウム解説員として働いていたが、2022年2月からロシアによる侵攻を受け、同年4月末に夫と日本へ避難。戦禍が収まらず、日本で仕事を得たいと、宇宙航空研究開発機構にプラネタリウム解説員の経歴をメールで送った。ここから首都圏のプラネタリウム関係者の間に情報が広がり、複数の施設がオレナさんを招待し始めた。

 情報は「科学館」でプラネタリウム解説員を務める田中さんにも届き、22年の夏ごろ、都内でオレナさんと対面。田中さんが「ぜひ川崎にも来てください」と声をかけたところ、秋には夫婦で「科学館」へ。解説台へ案内すると、「オレナさんの表情が明るくなった」と田中さんは言う。

 そして23年6月、岡山県で開催された「全国プラネタリウム大会」の場で、田中さんのほか東京、千葉などの解説員ら7人が発起人となり、全国の施設で協力してオレナさんの解説員としての活動を支える「One Sky for All」が始まった。すると各地から「うちもぜひ」という手が上がり、今年7月末の時点で、オレナさんは全国約25カ所の施設で計60回、ウクライナの星空について解説してきた。

 田中さんは、長野県伊那市や長崎県佐世保市など地方での活動に同行し、施設案内や補助解説も務める。オレナさんは今では簡単な日本語を話すが、単独での地方出張は困難が多いからだ。

 田中さんは「オレナさんの苦しみに寄り添う気持ちを言葉で伝えるのは難しいが、避難生活の中でも彼女らしく生きられるために、母国に戻る日まで支えたい」と語る。「科学館」の久保愼太郎館長も「星空に国境はないということを、オレナさんとの交流を通して改めて痛感した。ウクライナに平和が戻りオレナさんが帰国しても交流を続けたい」と話していた。

向丘出張所 元気に歩こう 9月8日 健康講座

 健康講座「元気に歩く!動ける姿勢作り」が9月8日(月)、向丘出張所2階で開かれる。参加無料。主催はつばめプロジェクト運営委員会。

 講座では、介護予防運動指導員の中村明寛さんが講師を務め、正しい歩き方や姿勢のチェックをはじめ、筋肉のトレーニング、自宅でできる簡単なエクササイズなどを学ぶ。

 時間は午前11時から正午。予約は不要。当日は動きやすい服装で、飲み物を持参する。

 問い合わせは、担当の内田さん【電話】090・8171・3297(平日午前10時から午後4時)。

広い人工芝の上で楽しくプレー

GO!GO!!フロンターレ

スタジアムでグラウンド・ゴルフ大会

 富士通スタジアム川崎で9月26日(金)、多くのシニアが参加する「第113回 富士通スタジアム川崎グラウンド・ゴルフ大会」が開催される。小雨決行。

 50歳以上であれば誰でも参加でき、緑の人工芝の上で、8ホール2ラウンドを2回、計32ホールの個人戦を行う。参加者全員に参加賞が用意されているほか、男女別の上位5位までの入賞者には景品が贈られる。さらに、ホールインワン賞や、誰にでもチャンスがあるお楽しみ抽選会もある。

 午前9時から午後3時。参加費は保険料込みで1600円(税込み)。先着100人。申し込みは氏名、郵便番号、住所、電話番号、生年月日、グラウンド・ゴルフ歴を記載し、電話、FAX、メールのほか、スタジアム事務所への直接持参でも受け付ける。9月21日(日)締切。

 スタジアムの担当者は「初心者からベテランまで、皆様のエントリーをお待ちしています。気持ちの良いグラウンドで一緒に楽しみましょう」と参加を呼び掛けている。

 (問)同スタジアム【電話】044・276・9133。

画像はいずれも川崎フロンターレ

教えて!職人さん vol.2  「塗装業者選びの判断基準」とは?【1】

 Q...前回は"塗装業者を選ぶポイント"としてまず「実績や施工件数だけを強調しているところは要注意」という事を教えて頂きました。他に「塗装店選びで失敗する可能性が減らせる判断基準」はありますか?

 A...皆さんにはどこの塗装業者も大差がないように思われるかも知れませんが「同業者だから分かるポイント」というものが存在するんですよ。

 Q...具体的には?

 A...ポイントは全部で4つあります。1つ目は「その会社が職人を自社で雇用しておらず、下請けに丸投げしている会社」です。下請け孫請け、そして元請けといった言葉はきっとみなさん、一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。仕事を受けた会社が自社で施工するのではなく、中間マージンをとって、他の会社に仕事を回し、そこが実際の施工を行うパターンです。これは一体何が問題かというと、それだけ皆さんのために使われない、ただの「紹介料・中間マージン」が発生している点です。本来理想的には、支払った金額の中で最高の施工をしてもらいたいですよね。これを避けて、最大限に皆さんから頂いたお金を使って施工する、あるいは節約するのが「完全自社施工型」という塗装店です。

 Q...お客様本位のところであれば下請けへの丸投げはあり得ない、と?

 A...一概に断定はできませんが一つの目安にはなりますね。次回(9月下旬掲載予定)は2つ目の判断基準についてお話できればと思います。