藤沢版【11月14日(金)号】
10日に行われた女性会、俗称「ふじさわBuild♡キュン会」の発足式

藤沢市建設業協会 県内初「女性会」を発足 「視点」生かしより良い業界に

 (一社)藤沢市建設業協会(村上進会長)が10日、女性会員が交流や広報活動を行う「女性会」を立ち上げた。県内の建設業協会では初の設立。同協会は「性別に関係なく活躍できる環境を整え、業界の魅力向上を推進していく」としている。

 女性会は現在、市建設業協会に所属する企業の女性従業員14人で構成されている。同協会では総務・広報委員会の下部組織に位置づけられる。技術者、事務、経営企画などさまざまな職種に従事するメンバーがそろい、現場や社内で女性の目を通した人手不足などの課題に対する提言や、建設業の魅力の発信を行う。

 近年は働き方改革や休日の日数・残業時間などの見直し、現場の環境改善、OJTの充実化などが図られている建設業界。「従来の『男性中心社会』『ワークライフバランスへの意識が低い』などのイメージとは異なり、性別を問わず働きやすさの向上を実感している」と同会の会長に就任した建設ディレクターの高梨晃帆さん(28)は話す。「女性従業員の会社を越えた横のつながりが必要。悩みや考えていることを打ち明け、共感し合う場があれば、孤立感が薄まり、人手の定着化につながるのでは」とし、会として研修を通じた交流会や意見交換会などを実施する予定だ。

 また、「多様な職種で自分らしく働けることが魅力」と高梨さん。今後は会として、魅力の発信を地域イベントへの参加や出前授業、SNSの活用でさらに強化していく考えだ。

前向きな議論の場に

 近年、全国で女性部会を設置する建設業協会は増えているが、神奈川県では同会が初。同協会総務委員長の神崎勝年さんは「最近は県内でも交流会が開催され女性が中心に活動する機運が高まっている。今回の藤沢での設立が今後の良いモデルになれば」としている。

 10日に開かれた発足式で村上会長は「ワークライフバランスについて、こうした話し合いの場を持つことが大切」とし「自由闊達に、前向きな議論をする場にしてほしい」と思いを伝えた。

 同会の俗称は「ふじさわBuild♡キュン会」。市のキャッチフレーズとマスコットキャラクターにちなみ、「建てる・つくる・仲間とともに地域をつくり上げていく」という思いが込められている。高梨さんは「建設業はまちを支えるかっこいい仕事。誰でも自分らしく活躍できるということを発信する会にしていきたい」と抱負を語った。
決勝点を決めた有川選手(中央/日大藤沢高校提供)

日大藤沢サッカー部 2年ぶり8度目の全国へ 激戦制し王座奪還

 第104回全国高校サッカー選手権大会神奈川予選の決勝が9日、ニッパツ三ツ沢球技球場(横浜市神奈川区)で行われ、日大藤沢高校が桐光学園高校を1―0で破り、2年ぶり8度目の優勝を果たした。同校は県代表として12月28日(日)に開幕する全国大会に出場する。

 同大会は6月から1次予選がスタートした。日大藤沢はシード校として10月の2次予選から出場。系列校の日本大学高校や強豪、桐蔭学園など4校を退け、決勝に進出した。

 優勝をかけて戦ったのは、県内最多となる12回の頂点を制した全国常連校桐光学園。6月に行われた県総体では準々決勝で敗北し苦汁を飲んだ。

 前半は両者一歩も譲らず、後半37分が経過したころ、FW有川啓介選手(3年)が、右サイドからのクロスボールを相手キーパーからのプレスにも屈せず、こぼれ球を左足で押し込んだ。桐光学園も粘りを見せ、残り3分でシュートを放つも、ゴールポストにはじかれた。激闘の末、試合終了のホイッスルが鳴り響き、日大藤沢が1─0で勝利を手にした。

けがから復帰仲間に捧ぐ得点

 決勝ゴールを挙げた有川選手は、10月12日に行われた初戦の秦野高校戦で利き足である右膝内側側副靱帯を損傷。全治約2カ月を告げられ県予選への出場は絶望的と思われたが、驚異の回復力で決勝3日前に練習へ復帰した。有川選手は「トレーナーが『お前ならできる』と励まし続けてくれた。県大会ではたくさん仲間に助けられた。全国でも点を取ってチームに貢献したい」と意気込む。

 佐藤輝勝監督は「激戦の神奈川で勝ち抜くため、5試合すべて選手の調子を見ながらスタメンを変えていた。緊張感を持ちながら頑張ってくれた」と選手をたたえた。

健歩・まちあるきワークショップ「てくてくてっく」の仕掛け人 景山 紘翔さん 横浜市旭区在住 34歳

未来をつむぐ、まちの「点検」

 ○…横浜国立大学の地域連携コーディネーターとして、村岡地区を歩いて健康や暮らしやすさを考えるワークショップ「てくてくてっく」の舵を取る。2年前、湘南アイパークに開設した新湘南共創キャンパスを拠点に実施。運動や通学路などに適しているか、といった視点でまちを「点検」し、結果を書いた付箋を大判の地図に貼り、互いに発表し合う。参加した市民が運営側に回る「てくてくtechnician」も増え、「まちに関心のある人がたくさんいる。貴重な存在」と白い歯をこぼす。

 ○…横須賀市生まれ。中学の時、自宅の風呂場を改修することに。工務店の職人だった叔父に付いてタイルや木枠を外すのを手伝ったことを機に、建物に興味を抱いた。大学で建築学科に進み、都内の設計事務所に就職した。「直感を育め」という教えの下、あらゆる土地へ赴き、周辺環境や歴史、雰囲気を感じてから直感を具現化する生みの苦しみを味わった。

 ○…ある日、横国大の恩師からワークショップ企画の依頼を受けた。「地域のために何ができるか」。考えあぐねた結果が点検だった。「村岡は何もない、という学生がいた。でもずっとまちがあったことには変わりない。点検することでまちに誇りを持ち、可能性を広げてほしかった」

 ○…現在はコーディネーターの傍ら、都市コンサル会社や他大学博士課程にも所属する。結婚して1年ほど。「日常的な点検が村岡の住民にとって生活のアクティビティーになれば」。いつも支えてくれる妻と過ごす癒しの時でも、そんな未来を密かに思い描く。7年後には新駅も完成する。「まちの発展と共に点検箇所を市民らと分かち合い、多くの魅力を掘り起こしていきたい」。そう言ってほほ笑んだ。
式典で挨拶する青木会長

藤沢市技能職団体連絡協議会 創立50周年祝う ふじキュン♡石像を市に寄贈

 藤沢市技能職団体連絡協議会(通称・藤技連/青木敦会長)が創立50周年を迎え、先月31日に藤沢市民センターで記念式典が行われた。

 藤技連は1975年に創立。現在は市内の衣食住生活関連27職種の職人約千人が加盟する。褒章受章者や大臣表彰受賞者も輩出し、学校への出前授業などを通じ技能職の振興に携わってきた。

 式典では、創立40周年時以降顕著な功績があった役員の新倉壽さん(染物職)、松井清勝さん(調理師)、稲垣一重さん(美容師)らへの表彰、藤技連と同会加盟組合の藤沢石材協同組合などが製作した「ふじキュン♡」石造の市への寄贈、市と同会による訪問詐欺防止に向けた連携協定の調印、新しく開設するホームページ披露、加盟する鳶職による「祝木遣り」披露、湘南工科大学附属高校吹奏楽部による演奏などが披露された。

 50周年を受けて青木会長は「これからも身近な職人として、伝統的な技にぬくもりを添え、皆さまの日常生活をサポートしていく」とし、職人文化の浸透により注力していく姿勢を示した。

 ふじキュン♡の石像は今月10日から同市民センター2階に設置されている。体の部分には高級石材「小呂青石」、目には「オニキス」が用いられた。また、台座の下には同会所属の畳組合湘南による畳が敷かれ、周りを囲うアクリル板は県広告美術協会湘南支部藤沢地区による製作、お披露目の際の布は湘南地区洋裁組合藤沢が作るなど、藤技連の職人の技が集結したモニュメントとなった。青木会長は「市民センターのシンボルとして、職人の技術が残っていってほしい」と思いを述べた。

藤沢駅前で乾杯 22日に「藤沢ワイン祭り」

 「藤沢ワイン祭り2025」が22日(土)、藤沢駅北口サンパール広場他で開催される。国内ワインの出荷量日本一を誇る神奈川県。その9割以上を出荷する藤沢市の特色を生かそうと2015年から開催されている恒例イベント。今年は10回目の開催として、例年より会場を拡大して行われる。

 当日は「つながる、ひろがる、ワインの輪」をテーマに、市内に製造拠点を置くワインメーカーのメルシャン株式会社によるワインの試飲会(有料)や、地元レストランによるワインに合うおつまみの屋台が立ち並ぶほか、ステージパフォーマンスも披露される。

 主催は藤沢商工会議所青年部・藤沢ワイン祭り実行委員会。(問)【電話】0466・27・8888

WINEWEEK

 同社と藤沢駅隣接の商業施設「リエール藤沢」では、11月7日から24日(月)まで、コラボフェア「Fujisawa WINE WEEK」を開催。期間中、同社藤沢工場勤務で藤沢マイスターにも選出されている滝沢英昭さんが厳選したおすすめワインと同施設内のレストランショップでおすすめメニューのマリアージュが楽しめる。

 対象店舗で購入した人の中から抽選で20人をワイン講座に招待する企画もある。

 (問)同社【電話】0466・35・1093
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市民会館に壁画を作ろう 22日、JCが企画

 来年3月に建替えのため休館する市民会館で22日(土)、「みんなで創るまちのアート〜過去から未来への思いを刻め〜」が開かれる。イベントは、市民に休館前の同会館で思い出を作ってもらおうと、今年創立60周年を迎えた(一社)藤沢青年会議所(JC)が企画。藤沢市出身のアーティスト丸倫徳さんとともに壁画を制作するアート体験ワークショップなどが楽しめる。時間は午前10時から午後4時まで。事前予約制。雨天時は23日(日)に順延。

 丸さんと作る壁面アートは、はけやローラーを使って製作。市内在住の小中学生対象で定員50人。広場にある柱に手形で製作する手形アートは市内在住の0歳から18歳まで参加可能。定員150人。事前申し込みまたは当日参加も可能だ。

 問い合わせは【電話】0466・26・8423へ。

有機農家の姿たどる 15日からシネコヤで上映

 鵠沼の映画館シネコヤで15日(土)から24日(月)まで、御所見地区の有機農家の姿を追ったドキュメンタリー映画「ハタケのチカラ」が上映される。

 農薬や化学肥料を使用せずに野菜などを栽培する有機農業。同作品は農業振興地域として農地が保全され田園風景が広がる御所見地区で有機農業を営む5軒の農家を1年3カ月にわたって取材したドキュメンタリー。人々が前向きに畑に向き合う力強い姿を描く。

 上映は午前10時15分から。17日(月)〜19日(水)は休館。事前予約は同館HPまたは【電話】0466・33・5393から。
色鮮やかなのぼり旗を掲げる清水さん(右)ら

旗、モニュメントで辻堂の魅力発信

 辻堂まちづくり会議は11月6日から、「坂」をテーマにしたのぼり旗29本を辻堂市民センターと湘南工科大学を結ぶ高砂小、高浜中、浜見小、白浜養護学校に面する自転車歩行者専用道路「湘南ニコニコロード」に掲げた。

 市民から写真を募り、のぼり旗に加工。まちをストリートギャラリーと位置づけ、辻堂の魅力を再発見することを目指す。写真編集に協力した同大デザイン学科1年の清水彩葉さんは「気づかなかった坂も多い。クイズ感覚で探すのも面白い」と笑顔で話した。

 掲出期間は12月12日(金)まで。

 11月8日には辻堂市民センターまつりが開かれ、オープニングイベントで藤沢市公式マスコットキャラクター・ふじキュン♡の立体モニュメントがお披露目された。来場者から「かわいい」「大きい」などの声が上がった。

 同会議がまちづくりの合言葉として提唱する「辻堂プライド」の浸透を図ることが狙い。縦約220cm、横約130cm。広報委員長の鶴田智博さんは「SNS映えするフォトスポットとして辻堂の新名所になれば」と期待した。現在は市民センター正面玄関横の交流スペースに常設展示されている。
点灯式に登場した美術家・奥中章人さん(左)、桜田さん(中央)

テラスモール 海と空イメージし冬彩る 点灯式に桜田さん登場

 テラスモール湘南で湘南の海と空からインスピレーションされた約15メートルの巨大ツリーが展示されている。期間は来年2月15日(日)まで。

 初日の今月5日には、俳優の桜田ひよりさんをゲストに点灯式が行われた。約1600人の来場者が集まり、カウントダウンとともに、約30万球のLED電飾がモール全体を青く染め上げ幻想的な空間となった。桜田さんは「曜日ごとに色が変わる演出はいつ来ても素敵な景色が見られるはず」と笑顔で話した。

 期間中は、湘南高校と明治中吹奏楽部とコラボした楽曲に合わせたライティングショー(15分に1度)も実施される。

環境保全楽しく体験 15日、市役所本庁舎

 「第28回ふじさわ環境フェアEco2(エコエコ)まつり 2025」が、15日(土)午前10時から午後3時まで、藤沢市役所本庁舎で開催される。入場無料で雨天決行。

 環境保全や地球温暖化防止をテーマに、「知る」「体験する」「楽しむ」と多彩な企画が展開される。いすゞ自動車(株)の最新EVトラックの展示や再生プラスチックビーズでのブレスレット作り、無添加のバスボム作りなど、体験型ブースが充実。ふじさわプログラミングコンテストの受賞者作品発表会や環境クイズ王決定戦、ソーラーパネル見学会も行われる他、新江ノ島水族館や日大生物資源科学部による展示ブースも。

 主催は藤沢市とふじさわ環境フェア実行委員会。問い合わせはゼロカーボン推進課(【電話】0466・50・8282)へ。

学校の枠を超えた視点を デスク・レポート

 ▼藤沢市立中学校の女子生徒がいじめに遭い、不登校になり、市外の学校へ転校した。市教育委員会は重大事態と判断し、昨春から第三者委員会で調査しているが、現在当時の生徒に対するアンケート調査用紙を作成している段階で、事実関係すら明確になっていない。教育行政はいじめという人権侵害に対し、スピード感を欠いている。

 ▼被害生徒が受けた「学校にくんな」「死ね」といった言葉の暴力やトイレへの閉じ込め、体操服の切断、さらには不登校後の「毎日休めて最高じゃん」といった追い打ちをかけるような手紙の投函は陰湿かつ執拗で、深刻な精神的苦痛を与えたことは想像に難くない。被害生徒は現在都内の高校へ通っているが、「加害生徒に会いたくない」と最寄り駅とは別の駅で降り、母親と帰宅するなど心の傷は癒えぬままだ。保護者は「命を落とさなかっただけ救い。でも学校関係者からいまだに謝罪はない」と憤りを露わにする。

 ▼県教育委員会が先月29日に発表した県内の公立小中高校・特別支援学校のいじめ認知件数は昨年度5万996件(前年度比6722件増)に上り、過去最多を更新。重大事態件数は85件で、前年の約4倍に増えた。子どものSOSが膨れ上がる現状にあり、教育現場全体の抜本的な意識改革と体制強化が不可欠だ。

 ▼いじめ問題を学校任せにせず、初期段階から行政が介入する大阪府寝屋川市の取り組みが効果を上げている。市長部局の危機管理部に監察課を設置。電話や市公式アプリなどでいじめの情報が入ると、被害者や加害者、教員、保護者などへ聞き取りを実施し、1カ月以内のいじめ停止を図る。これらの仕組みを月に一度、チラシで周知。認知件数は増えたが、細かな事案も見逃していない証拠だ。各自治体が視察に訪れるなど「寝屋川モデル」は全国的に注目されている一方、足踏みが続く藤沢市。迅速性こそが深刻化を防ぐ鍵となる。学校の枠を超えた外部的な視点と法的支援のルートを常設すべきだ。
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大賞を受賞した長内さん

湘南ビジネスコンテスト 大賞は「介護美容まき家」 亡き祖母への思い形に

 藤沢・茅ヶ崎・寒川の創業者や創業予定者らの優れたビジネスプランを選出する「第26回湘南ビジネスコンテスト」の最終審査が6日に藤沢商工会館で行われ、ビジネス大賞に介護美容まき家(茅ヶ崎市・長内麻紀穂代表)が選ばれた。湘南新産業創出コンソーシアムと(公財)湘南産業振興財団(相澤光春理事長)の主催。今回は70件のエントリーがあった。

 まき家が取り組むのは、シニアへの出張型の介護美容というサービス。介護と美容の専門知識を持ったセラピストがネイルやメイクなどを高齢者に施し、「心と身体の健康」をサポートする事業だ。長内さんが亡き祖母にしてあげたかった思いやりを事業としてかたちにしたという。受賞後、「シニアの人たちが美しくあり続けるのが当たり前になるような社会を作りたい」と意気込んだ長内さん。視聴者賞も同時受賞となった。

 審査委員長を務めた慶應義塾大学総合政策学部の飯盛義徳教授は「プレゼンは最後だが、ここからがスタート。皆さんと一緒に湘南の地から日本、そして世界を元気にする流れを作っていきたい」と話した。

 その他の受賞は以下の通り。▽ビジネス準大賞…LOOVIC(株)▽ソーシャルグッド賞…(株)オフィス・K▽NEXTリーダー賞…WithIris(株)▽かながわ信用金庫賞…ShonanSTRING▽湘南信用金庫賞/スタートアップ賞…渋谷真成さん
モデレーターの長谷川さん(左)と溝口さん

人材確保は「会社の総合力」

 藤沢市と藤沢商工会議所主催の「FUJISAWA 健康経営フォーラム2025」が10月30日、藤沢商工会館ミナパークで開かれた。市内事業者の人材不足を解消する取り組みの一環として、従業員の健康増進と企業の生産性、業績向上を図ることを目的に、昨年に続く2度目の開催。市内に本社を置く一般企業など54社、76人が参加し、健康経営の理解を深めた。

 「健康経営優良法人2025」の認定取得企業31社に鈴木恒夫市長から感謝状が贈られた他、慶應義塾大学教授の島津明人さんが「健康経営とワーク・エンゲイジメント」と題して講演を行った。パネルデスカッションでは、自動車プレス部品製造会社、(株)テクノステート(葛原)総務本部本部長の長谷川聡さんがモデレーターを務め、データ分析事業を展開する認定企業、(株)分析屋(藤沢)代表取締役の溝口大作さん、有識者として島津さん、ハローワーク藤沢事業所部門の山口就労支援コーディネーターの4人が登壇。認定取得の背景や取組事例などをテーマに、「笑顔の絶えない職場の環境づくりが人の定着につながる一方、部下に優しくするほど管理職はつらくなりがち。社員一人一人が自立し、仕事を分担する必要がある」「人材確保は会社の総合力」など、それぞれ熱弁をふるった。
まちの清掃を行う会員

市建設業協会 藤沢駅周辺で清掃

 (一社)藤沢市建設業協会(村上進会長)が7日、藤沢駅南口周辺で毎年恒例の清掃活動を行った。

 加盟企業38社から44人がボランティアとして参加した。防災活動を行う南口4エリアの各担当に分かれ、道路に落ちた可燃・不燃のごみを拾い、側溝のグレーチングなどを清掃した。

 10年以上続く社会貢献活動。開催を受けて村上会長は会員に「地道な活動だが、継続的にこのまちで仕事をしていく上でも重要な取り組み。ぜひご協力いただきたい」と呼びかけ、活動を通じた地域とのつながりの重要性を語った。
辻堂駅前で啓発物を配る警察署員ら

自転車も青切符 明治地区で啓発キャン

 明治地区郷土づくり推進会議は11日、自転車のマナーアップキャンペーンを実施した。

 自転車の交通違反に反則金を納めれば刑事罰を科さない交通反則通告制度(青切符)が、来年4月1日から導入される。青切符はこれまで自動車やオートバイなどの交通違反に適用されてきたが、16歳以上の自転車利用者も対象となり、113種類の違反行為などに反則金が設けられる。

 キャンペーンには藤沢警察署交通課も協力。メンバー約20人が明治市民センター、辻堂駅、食品館あおば辻堂店、Luz湘南辻堂の前に分かれ、傘差し・イヤホンしながらの運転は反則金の対象になることや県内では自転車損害賠償責任保険への加入が義務化されていることなど、通行人に啓発物を配りながら自転車の安全な利用を訴えた。

大庭城で楽しく遊ぼう 15、29日 小学生対象

 小学生を対象としたイベント「大庭城わくわくフェスタ」が15日(土)と29日(土)、大庭城周辺で開かれる。参加無料。

 15日は午前10時から正午に、湘南大庭市民センターで段ボール甲冑をデザインする「自分だけの甲冑を作ろう!」が開催。29日は大庭城址公園で午前10時から11時に、やわらかい刀を使ったレクリエーション「大庭城刃の決戦!」、11時から正午に湘南大庭ふるさとかるたを使った「ジャンボかるた大会!」がそれぞれ行われる。

 定員70名で、湘南大庭地区の児童を優先。汚れても良い服装と飲み物、タオル等を持参。

 申し込みは同センター【電話】0466・87・1111。
さとう果樹園に現れたアライグマ。この後、監視員によって追い払われた((株)電通提供)

電通「ねれないス」 布団の上から害獣監視 市内農家で実証実験

 寝たいけれど寝られない時間を社会のために──。(株)電通の有志メンバーによる睡眠プロジェクト「ねれないス」の企画として藤沢市内で昨年から、農家を害獣被害から守るユニークな実証実験が実施されている。タヌキやハクビシンなどによる農作物被害に悩む農園にカメラを設置し、夜通しYouTubeでライブ配信。害獣が現れた際に監視員が指定の電話番号へ連絡すると、現地スピーカーからアラーム音が鳴り響き、害獣を追い払う取り組みだ。今夏、さとう果樹園(亀井野)が参加したほか、過去には湘南佐藤農園(亀井野)でも実施。現在は湘南果樹園(遠藤)で行われている。

 さとう果樹園の佐藤智宏さんは以前から害獣被害に悩んでいた。「被害に困っている農家は多い」と実情を伝えた上で、「夜中にどんな害獣がどこから入ってくるのか把握でき、現れた瞬間にアラーム音で追い払えるのは助かる」と手応えを口にする。実際に監視員の通報で、アライグマなどを撃退した実績も出ているそうだ。「今後、他の農園にも広がっていくといい」と話す。

寝られないを価値に

 「ねれないス」は「寝たいけど寝られない時間」を「自分のため、社会のためのちょっと良い価値」に変えることをコンセプトに、一昨年から進められている。今企画はその一環で、「農家を守る害獣監視員」として全国の「寝られない人」がインターネットのライブ映像を通じ、農園を支援するという地域貢献に生かした取り組みだ。

 プロジェクトリーダーを務める丸橋佳寿子さんは「特別な登録などはいらず、見られる時に映像をぼーっと見て監視するもの。寝られない夜に気軽に観てください」とし、プロジェクトの今後については「まずは藤沢市内での定着を目指し、同様の取り組みを全国に広げていくことで、より多くの田畑を害獣の被害から守りたい」と展望を語った。
中村種之介さん(左)と歌昇さん

松竹大歌舞伎藤沢公演 迫真の演技で観客魅了

 松竹大歌舞伎藤沢公演が10月31日、藤沢市民会館で開かれた。中村又五郎さんと子、孫の播磨屋一門が出演した。

 演目は、屋敷に忍び込んだ泥棒と、お家騒動に巻き込まれ、幽閉された若殿との奇妙な同居生活がもたらす心温まる物語『泥棒と若殿』、江戸の二大祭りに数えられる山王祭を題材に、にぎやかな屋台ばやしが響く中で威勢の良いとび頭に加え、とびの者や芸者が華やかな舞を繰り広げる『お祭り』の2本立て。ユーモアを交えながら心温まる演技で、会場に詰めかけた多くの観客を魅了した。

 70代の父親に誘われ、初めて大歌舞伎を見に来たという40代の男性は「歌舞伎は小難しいイメージがあったが、思わず見入ってしまった」と感想を述べた。

「藤沢らしさ」次世代へ 名店ビルでトークイベント

 フジサワ名店ビル6階「391THEATRE」で22日(土)、藤沢駅前の再生をテーマにしたトークイベントが開かれる。午後2時から。

 湘南の玄関口として多くの人が行き交う藤沢駅前。チェーン店の進出など利便性が向上する一方、地域文化の希薄化が課題となっている。こうした現状を踏まえ、「藤沢駅、このままじゃヤバイ」と銘打ち、「藤沢らしさ」について考える。

 当日は藤沢駅周辺を中心に不動産の企画開発運営を担っている(株)角若松代表取締役の増田隆一郎さんが登壇。前半は増田さんによるトークレクチャーが行われ、後半には参加者も交えて意見を交換し合うワールドカフェ形式の対話を行う。参加費は軽食ドリンク付きで1500円。定員30人。申し込みは専用フォームから。
西浦漁港でスタンプラリーを行う参加者ら

県青連 江の島でスタンプラリー 市建設業協会青年部が企画

 神奈川県建設業青年団体連絡協議会(県青連)は7日、江の島で会員たちが店舗を巡るスタンプラリーを開催した。藤沢市建設業協会青年部の藤友会が企画。江の島飲食組合の協力のもと、島内の人気スポットにアプリで読み込むことができるスタンプ地点を設置し、藤沢市をはじめ、横浜市や横須賀市、川崎市、平塚市、厚木市の建設業の若手たちが獲得ポイント数を競い合った。また、店舗での食事やお土産店での購入もポイントに加算された。懇親会会場費を合わせ、約40万円を江の島で使用した。

 同協議会の懇親を目的とした行事。藤友会は「同じ県民の皆さんに江の島の魅力を感じてもらい、地元経済の活性化にも貢献できれば」としている。
市に表敬訪問を行った選手ら

全日本サーフィン選手権 藤沢勢が総合優勝

 静岡県牧之原市で先月開催された全日本サーフィン選手権大会で、日本サーフィン連盟(NSA)湘南藤沢支部(田村隆之支部長)が団体総合優勝を果たした。また出場した選手のうち、5人が個人で優勝。今月5日には、鈴木恒夫市長市から生涯学習特別貢献表彰を授与された。

 個人優勝を果たしたのは今井康平選手(34・ロングボードメンズメンクラス)、土屋貴洋選手(35・同シニアクラス)、藤原健選手(62・同カフナクラス)、田中綾帆選手(34・ロングボードウィメンズクラス)、中園菊乃選手(58・同グランドマスタークラス)。それぞれが市内在住または在勤者で、アマチュアサーフィンの実力者だ。

 田村支部長は結果を受け、「台風の影響もあり波のコンディションは良かった。前半はあまり良い結果がでなかったがロングボードで逆転できた」と振り返り、「来年も引き続き団体優勝をしていきたい」と意気込みを語った。

有隣堂藤沢店27年に閉店へ お別れの企画展を開催

 南藤沢の総合書店「有隣堂藤沢店」が、入居するフジサワ名店ビル周辺の再開発事業に伴い、2027年末をもって閉店する。

 有隣堂は、神奈川、東京、千葉、兵庫、大阪などで45店舗ほどを展開する書店大手。同店は有隣堂本店(伊勢佐木町)、横浜駅そばの西口店に次いで1965年に開店した。文芸書や実用書、雑誌、文具、児童書などを提供し、長きにわたり地域に親しまれ、今年11月には開店60周年を迎えた。

 同店では閉店までの約2年間、「お別れだけど、終わりじゃないのです。」を合言葉に企画展シリーズ「SAYONARA FESTIVAL」を開催する。同企画では「これからの書店」をテーマとして科学や人文、生活など時代や社会の関心に合わせた話題を設定し、1〜2カ月ごとに企画展を行う予定。

小さな絶滅展

 第1弾は「小さな絶滅展」と題し、生物学的な絶滅と文化・風習の絶滅の両面から書籍と雑貨で構成される考察・体験型のフェアを開催する。

 期間中は国立科学博物館で開催される特別展「大絶滅展 生命史のビッグファイブ」と連動し、地球上で過去5回発生したとされる大規模な生命絶滅の歴史を書籍や資料などを展示。また技術の進化によって忘れられつつあるフィルムカメラやアナログレコードといった文化、風習、生活様式など「古き良きもの」の消失にも焦点を当て、「絶滅危惧的カルチャー」として紹介する。開催期間は11月1日から来年1月4日(日)まで。場所は同店2階、5階他。
渾身の一打を放つ50代の選手

SFC2025 子どもも大人もリングで熱戦

 藤沢チャリティーキックボクシング大会「湘南ファイトチャレンジ(SFC)2025」が3日、秩父宮記念体育館で行われた。鵠沼東にあるジム「湘南格闘倶楽部」の代表、岡林章さんが実行委員長を務めるSFC実行委員会の主催。プロアマ問わず、子どもから50代までの選手がリング上で熱戦を繰り広げた。

 地域に密着したスポーツの発展と親交を目的に9年前から開かれている格闘技の祭典。今月16日(日)にONEアトム級ムエタイ初代世界王座決定戦に挑む吉成名高選手もエキシビジョンマッチに出場。華麗な試合展開で会場を沸かせた後、「12歳から誇りをもって戦ってきた集大成を見せ、チャンピオンになる」と意気込みを語った。

 売り上げの一部は、藤沢市スポーツ振興基金などに寄付される。

15・16日見学会 介護ヘルパー・デイサービス併設の安心な住まい

 サービス付高齢者向け住宅「ウィズリビングへいあん亀井野」(亀井野3286)が11月15日(土)と16日(日)の2日間、試食付き見学会を開催する。事前予約制、各日午前10時〜午後2時。

 ホテル・レストラン部門口コミランキング神奈川エリア第1位のシェフが料理を監修。モデルルームを用意し、安心と安全に配慮した充実の設備やサービスを公開する。「ご来場の際は感染対策にご協力を」と担当者。小田急線「善行駅」往復の送迎バスあり。

 申し込み・詳細は【電話】0466・90・0180(担当/大津・山口)
江の島一帯が光に包まれた空間に(江ノ島電鉄(株)提供)

光と色の祭典、今年も 江の島一帯で「湘南の宝石」

 江の島島内や片瀬海岸、鵠沼海浜公園などを色鮮やかな光で彩るイルミネーションイベント「湘南の宝石」が11月22日(土)から始まる。湘南の冬の風物詩。自然と光の融合による唯一無二の美景は「インターナショナルイルミネーションアワード イルミネーションイベント部門 優秀ストーリー賞 第1位」をはじめ、「関東三大イルミネーション」や「日本夜景遺産」など数多くのタイトルを獲得している。

 江の島シーキャンドル周辺の光の大空間では湘南の宝石オブジェ、江の島サムエル・コッキング苑入り口のエントランスではシャンデリアが絶景を作り上げる。

 開催期間は来年2月28日(土)まで。初日午後4時30分からは点灯式とオープニングライブがあり、「つるの剛士とシーキャンドルズ」が出演する。

 その他、関連イベントなど詳細は公式ホームページ、または江ノ島電鉄(株)【電話】0466・25・3525/藤沢市観光センター【電話】0466・22・4141。

藤沢でインフル流行注意報 市が1カ月早く発令

 藤沢市は6日、インフルエンザ流行注意報を発令した。市保健予防課によると、10月27日から11月2日まで1週間分の患者数の平均値を示す定点あたり17・6人となり(市内医療機関15カ所/患者報告数264人)、流行注意報の基準値(定点あたり10人)を超えた。昨年は12月17日に発令しており、1カ月以上早い。

 インフルエンザは主に感染している人の咳やくしゃみ、つばなど飛沫を吸い込むことで感染する。またウイルスが付着した手で目や鼻をこすっても感染する恐れがあるという。学校保健安全法による出席停止期間は「発症した後(発熱の翌日を1日目として)5日を経過し、かつ、解熱した後に2日(幼児は3日)を経過するまで」とされている。

 同課は「今後、さらに流行することが予想される。手洗いやマスクの着用など感染予防対策を」と呼びかけている。

LINEで謎解き 官民学連携 12月4日まで

 市はシティプロモーションの一環として今月4日から、街歩き型謎解きイベント「謎解きキュンとするまち。藤沢〜一通の手紙から始まるストーリー〜」を開催している。期間限定で12月4日(木)まで。

 全国各地で「リアル宝探し」や「謎解き」のイベントを手掛ける(株)タカラッシュと慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)を拠点の一つとする謎解き制作サークル「K―dush2」、市の3者連携による企画。藤沢のまちを舞台に謎解きを楽しみながら街の魅力を再発見する内容だ。

 公式LINEアカウントを友達追加すれば誰でも無料で参加可能。LINE上で展開される物語に沿って実際の場所へ足を運び、現地の看板や建物をヒントに謎を解いていく。

 すべての謎を解き明かし、アンケートに回答した人の中から抽選で10人に、新江ノ島水族館のペアチケットが贈られる。

 詳細は公式WEBサイトから。

健康に生きるヒントとは 26日、商工会館でセミナー

 藤沢商工会議所文化サービス業部会では11月26日(水)、誰でも無料で参加できる健康サポートセミナーを開く。場所は藤沢商工会館(藤沢駅北口徒歩3分)3階で午後6時から。

 講師は慶應義塾大学大学院の政策・メディア研究科、環境情報学部の教授で医学部内科学教室兼担教授の渡辺光博さん。ヘルスサイエンスやアンチエイジング、予防医学などを専門分野としてTV出演や、著書『Dr.クロワッサン おなかが凹む胆汁酸ダイエット』など幅広く活躍している。

 セミナーは「生活環境からの幸福社会実現に向けて」と題し、海苔に含まれる成分の有効性の説明などを通じて、健康意識の向上や健康経営について考える内容。

 定員は先着70人。参加希望者は17日(月)までに専用フォームから申し込む。

 詳細・問い合わせは同商議所【電話】0466・27・8888(業務管理部業務管理課)または「藤沢商工会議所」で検索。

天然芝でスポーツ 11月15日、引地川親水公園

 スポーツの秋。引地川親水公園球技場で11月15日(土)、子どもから大人まで楽しめるイベント「マルチスポーツデー」が開かれる。午前10時から午後3時。参加無料で申し込み不要。

 当日は同園の天然芝の上で多様なキッズサッカーやタッチラグビー、タグラグビー、ヨガ、フレスコボール、モルックなど様々なスポーツを思い切り楽しめる。

 主催は(公財)藤沢市まちづくり協会・藤沢市緑化事業協同組合グループ。(問)同協会【電話】0466・46・7788

ベルマガ通信(Jリーグ湘南ベルマーレ:戦評) 責任をとる文化なき降格決定後の快勝 11月8日J1第36節 ホーム湘南 5 – 2新潟

 リーグ戦で勝ち点3を取り切るのに、約半年の時間がかかった。5月11日の東京ヴェルディ戦以来となる20試合ぶりの勝ち点3は、5得点のホーム快勝。この試合を「長いシーズンの一試合」として切り取れば、大量得点での勝利に胸が躍る。

 しかし、J2降格が決まったチーム同士の一戦は、決して緊張感のある試合だったとは言い切れない。すべて結果論になるが、今季の湘南ベルマーレは「クラブとして残留のために手を尽くしきったのか」。湘南選手達のポテンシャルを示す形となった快勝を経て、その疑問が消えることはなかった。

 湘南以外の降格2チームは、シーズン途中で監督交代を決断。一方で2度の監督交代を決断し、降格圏から浮上したクラブもある。指揮官の交代が状況好転の全てではないが、それを機に残留を果たしたチームがある。今季は3選手がシーズン途中で海外移籍を果たしたが、海外移籍の前から勝利は遠く、勝利に必要な戦力だと判断していたなら引き止めることも責任者には必要。だからこそ思う、湘南に欠けているものは「責任をとる文化だ」と。

 2019年、湘南ベルマーレは監督による選手・スタッフへのパワーハラスメント行為が発覚し、Jリーグがその行為を事実と認定。監督退任を余儀なくされた。19年シーズン途中に浮嶋敏監督がスクランブルで指揮を執り、その後、当時コーチであった山口智監督に指揮官のバトンがわたる。山口監督就任からの約5年間、「上位5位以内を狙う」と公言していたが、一度も果たされることなくJ2降格決定後に今季限りでの監督退任の発表がされた。

 ファン・サポーターにプロスポーツクラブの内情すべてを示すことは必要がない。ただ、ファン・サポーターに隠していた行為があったクラブである。責任者が責任をとらないクラブだと、不信感を抱いている人も湘南地域にはいるだろう。パワーハラスメント行為による監督交代以降、明確な監督継続基準はクラブから示されず、そして公言は果たされず、監督継続の一手で突き進んだ。現場の体制を変えるタイミングも、責任者が責任をとるタイミングも、この5年間の中で確実にあったはずだ。

 責任をとる文化のないクラブのままでは、トップリーグ5位以内は夢物語で終わる。

 プロの責任者は「責任を負う」ことが仕事である。示したいビジョンがあるのならオープンに。隠蔽した未来で実を結ぶことはないと、このクラブの過去が教えてくれている。(ベルマガ記者 スポーツライターすぎさきともかず)