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藤沢 社会

公開日:2025.11.14

電通「ねれないス」
布団の上から害獣監視
市内農家で実証実験

  • さとう果樹園に現れたアライグマ。この後、監視員によって追い払われた((株)電通提供)

  • 畑監視用のライブカメラ(同)

 寝たいけれど寝られない時間を社会のために──。(株)電通の有志メンバーによる睡眠プロジェクト「ねれないス」の企画として藤沢市内で昨年から、農家を害獣被害から守るユニークな実証実験が実施されている。タヌキやハクビシンなどによる農作物被害に悩む農園にカメラを設置し、夜通しYouTubeでライブ配信。害獣が現れた際に監視員が指定の電話番号へ連絡すると、現地スピーカーからアラーム音が鳴り響き、害獣を追い払う取り組みだ。今夏、さとう果樹園(亀井野)が参加したほか、過去には湘南佐藤農園(亀井野)でも実施。現在は湘南果樹園(遠藤)で行われている。

 さとう果樹園の佐藤智宏さんは以前から害獣被害に悩んでいた。「被害に困っている農家は多い」と実情を伝えた上で、「夜中にどんな害獣がどこから入ってくるのか把握でき、現れた瞬間にアラーム音で追い払えるのは助かる」と手応えを口にする。実際に監視員の通報で、アライグマなどを撃退した実績も出ているそうだ。「今後、他の農園にも広がっていくといい」と話す。

寝られないを価値に

 「ねれないス」は「寝たいけど寝られない時間」を「自分のため、社会のためのちょっと良い価値」に変えることをコンセプトに、一昨年から進められている。今企画はその一環で、「農家を守る害獣監視員」として全国の「寝られない人」がインターネットのライブ映像を通じ、農園を支援するという地域貢献に生かした取り組みだ。

 プロジェクトリーダーを務める丸橋佳寿子さんは「特別な登録などはいらず、見られる時に映像をぼーっと見て監視するもの。寝られない夜に気軽に観てください」とし、プロジェクトの今後については「まずは藤沢市内での定着を目指し、同様の取り組みを全国に広げていくことで、より多くの田畑を害獣の被害から守りたい」と展望を語った。

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