さがみはら中央区版【11月27日(木)号】
夢を叶えるまでの人生を図示しながら話す服部選手

ダイナボアーズ服部選手 夢を叶えた軌跡語る 清新小5年生に授業

 国内最上位リーグで戦うラグビーチーム「三菱重工相模原ダイナボアーズ」の服部航大選手(愛称「チョリ」)が11月19日、清新小学校5年生に「夢の教室」を行った。自身がプロ選手に昇り詰めるまでに乗り越えた困難や成功の要因、自分を信じることの大切さを伝えると、児童からは「チョリみたいにいっぱい練習する」という感想があがった。

 「夢の教室」は子どもたちの夢を育むことを目的に、特定非営利活動法人「ユメイク.」が市内の小学5年生を対象に行っているもの。この日は服部選手が「夢先生」を務め、夢を叶えるまでの人生を図示しながら児童に説明した。

 服部選手はラグビーの聖地と言われる「花園ラグビー場」がある東大阪市の出身。「チョリはお母さんのお腹にいる頃からラグビーすることが決まってた」と笑顔を見せる。小学校で家庭科部の部長を務めていたという意外なエピソードを披露しつつ、「外部のスクールでラグビーをやっていて、楽しさを知って夢がプロラグビー選手になった」と語り始めた。

過酷な練習と怪我

 和やかに始まった服部選手の人生談だったが、過酷な練習や怪我で思うようにラグビーができなかった話に、児童たちは真剣に耳を傾けた。

 服部選手は奈良県内の強豪・天理高校に進学。そこで待ち構えていたのは「日本一しんどい練習と環境」だった。全速力で走り続ける基礎練習を2時間、時計のないグラウンドで行ったり、1日3キログラムの米を食べたりしたという。

 夢を叶えるまでの人生曲線の一番低いところに貼り付けたのは「大けが」の文字。天理大学に入学し、120人ほどの部員の中からたった15人しか出られない公式戦に1年生の春で出場したが、その試合の開始10分で膝を負傷。2年生で復帰するも2週間で再断裂した。

 服部選手はラグビーから離れていた計2年をどう過ごしたのか、子どもたちに丁寧に語った。「別の方法で成長できないかと考え、体を大きくすることにした。周囲から『意味がない』と言われても、自分だけは自分を信じなきゃと思った」

 懸命に努力を続け、復帰した3年生の試合は全て出場。天理大学として初めての大学日本一も掴んだ。「自分を信じて突き進む強い意思があったから。そして、ダイナボアーズに入り、小学校の頃の夢が叶いました」と締めくくった。

協力学ぶゲームも

 授業では、「だるまさんが転んだ」がアレンジされたゲームを楽しみ、仲間との協力を学ぶ時間もあった。最初はフェイントに引っ掛かりなかなか前進できない「チームチョリ」だったが、途中で作戦会議をすると、声掛けでの協力が生まれてゴールにたどり着くことができた。

 キャプテンを務めた服部選手は「このままクラスみんなで仲良く支え合って。キャプテンで良かった。いいチームや」と児童を労った。

 「夢の教室」は寄付金をもとに実施しており、同法人ホームページから寄付を申し込むことができる。

相模原市ごみ分別 来年10月から大幅変更 背景に最終処分場問題

 相模原市は11月12日、来年10月からごみ収集の分別収集体制を市内全域で変更すると発表した。脱炭素社会と循環型社会の実現を目指した措置で、現在「一般ごみ」として回収している「製品プラスチック」や一部の「紙類」を資源化するため分別区分を見直す。さらに発火リスクが懸念される「リチウムイオン電池等」の安全な回収体制を拡充する。

減量・資源化促進

 来秋から変更されるのは大きく3点で、ごみ減量化・資源化の推進と回収時の安全性確保を目的としている。

 現在「一般ごみ」として回収しているプラスチック製の保存容器やバケツなど、長辺50センチメートル未満の「製品プラスチック」について、「プラ製容器包装」と一括し「プラスチックの日」に資源として収集を開始する。これにより、プラスチック類の資源化を大幅に推進したい考えだ。

 紙製の容器包装や雑誌・雑がみ等に加え、現在一般ごみとなっている感熱紙や写真、シュレッダーごみなどの「紙類」をまとめて「ミックスペーパー」として収集。プラ同様に資源化を推し進める。

あと12年で「満杯」

 市が分別・資源化を進め家庭ごみを減量する背景には「12年後には満杯になる」とされる一般廃棄物最終処分場「シゲンジャーパーク」の存在がある。

 12年後というのは、ごみの減量化・資源化の取り組みが現状通りに進んだ場合の予測値。現在「次期一般廃棄物最終処分場」の整備計画が進み候補地が絞られている段階だが、ごみのさらなる減量に努め、処分場の延命化を図る必要がある。

リチウム電池等「有害ごみ」として

 近年、社会問題となっている小型充電式電池による発火事故。市資源循環推進課によると昨年度は回収時に3件、清掃工場で1件の発火が確認された。今年度も10月末までに1件、事案が報告されている。全て初期消火を施し、幸いにも大事には至らなかった。

 現在は拠点回収のみとなっている「リチウムイオン電池等」は、来秋から乾電池や水銀体温計などと合わせ「有害ごみ」としてごみ・資源集積場所で収集を開始する。「有害ごみ」の収集日が週に1度設けられることになる。ペットボトルは現況、「容器包装プラ」の収集日に回収されているが、プラ類の資源拡大に伴い回収日を変更。有害ごみの回収日に合わせて収集する。

分ければ資源、混ぜれば危険

 市は今回の収集品目の変更について、「分ければ資源、混ぜれば危険」をスローガンに掲げ、ごみの減量化・資源化の推進に繋げたいとしている。

 来年4月以降、市内各地区で住民向けの説明会を開催する予定で、広報や市ホームページ、チラシ等を通じて周知啓発を丁寧に行う方針だ。

Webサイト「政治の村Students」で記事を発信する 石川 流也さん 横山台在住 20歳

好奇心から苦手に飛び込む

 ○…大学生を中心とする若者が政治や地域を取材し記事を発信するWebサイト「政治の村Students」で11月、かつて兵器の製造や修理が行われていた「相模陸軍造兵廠」に関する記事を投稿。上矢部公園内の記念碑と引き込み線跡について調査した。「身近にありながら遺構の存在は知らなかった。歴史を遺すためにも、まずは知ることが大切」。素直なまなざしで思いを語る。

 ○…中央区横山台在住。幼い頃からのテレビ好きが高じて東海大学文化社会学部広報メディア学科に入学した。学科内のテレビ制作チームに参加していたが、今年7月に政治の村Studentsへ。合唱部に入ったら苦手だった歌が楽しくなったという高校時代の経験から、「苦手分野にこそ積極的に挑戦すること」を信条としている。「文章を書くことも苦手だったが、気になることを追究して記事にできるのが楽しい」

 ○…動物好き。大学2年次に1匹の猫を拾った経験が人生の転機となった。動物を保護した時の対応策が社会に浸透していないことに課題意識を持ち、卒業論文で日本と海外の動物保護の現状について比較している。シェルターの数や飼い主の意識の違いから「日本はまだまだ」と思い知った。保護団体の代表への取材や譲渡会での調査など、興味を持った分野に対し全力で探究。大学卒業後の進路としても動物に携わる職業を志す。

 ○…今最も興味のあるテーマは、2027年春から横浜市で開催される「GREEN×EXPO 2027」。大阪万博をきっかけに注目し、横浜市で開催する意義や何を伝えたいのか、なぜ園芸なのかなどに関心を寄せる。「好奇心旺盛なので、興味のあることでも苦手なことでも深堀りしていきたい」

川柳募集

 タウンニュース相模原支社では毎月月末号に掲載される「タケシの万能川柳」の川柳を募集しています。投句いただいた作品は毎日新聞「仲畑流万能川柳」などでおなじみの水野タケシさんが選句します。応募方法は左記枠内に。

子育て支援者養成 12月5日 大野北公民館

 子育てボランティアの担い手を増やそうと12月5日(金)、大野北公民館で講座が開催される。午後1時30分から3時30分まで。主催は大野北地区社会福祉協議会ボランティア部会。

 未就園児の子どもとその保護者を対象とした「親子スペース」などを運営する同協議会が地域の子育てボランティアの活動内容などを紹介。市内で子育て支援拠点事業を行う「子育てそうだん広場Haere mai(はれまえ)」代表の長岡智美さんが登壇し、地域での子育てやボランティアのかかわり方などについて話す。長岡さんは「地域で子どもを見守るきっかけになれば」と話す。申し込みはウェブまたは電話で。

 問い合わせは同協議会【電話】042・861・4512へ。
光のあふれる店内

田名の動物病院 向かいにパン屋開店 「診察の待ち時間に」

 田名の木下動物病院の向かいに10月、同院が運営するベーカーズカフェ「PONO BOAT」(田名4866の5)がオープンした。明るい日差しが差し込む店内は、1階がベーカリー、2階がイートインスペースとなっている。

 店長の木下麻衣さんが「駐車場で診察の順番を待つ方に向けて何かできないか」との思いから開店を決意。市内で料理教室やパン教室の講師を務めていた経験を生かし、「天然酵母などのこだわりのパンから甘くて親しみやすいパンまで、バリエーションを大切にしている」と話す。

 ペット連れ向けにテイクアウト用の小窓を用意。スタッフは同院の職員が担っているため、一時的にペットを預けての入店もできる。同院駐車場内に「ペット同伴スペース」があり、ペットと一緒に飲食をすることも可能だ。

 木下さんは「ペット連れだけでなく、移動手段を持たない近所の高齢の方に感謝されることも多い。地域の皆さんに求められるものを作っていきたい」と笑顔を見せた。
(左から)村上賢学長、協定書を持つ本村賢太郎市長と小倉弘明理事長

動物愛護施設の協定締結 市と麻布大、計画進める

 麻布大学(淵野辺)を運営する学校法人麻布獣医学園と相模原市は11月18日、飼い主のいない犬や猫の保護や収容、譲渡などを目的とした「動物愛護センター」の整備に向け、市役所本庁舎で基本協定を締結した。

 協定の主な内容は、整備場所、整備手法、基本的な費用負担の考え方について。大学内の北西の角地に同法人が新たに建物を建築し、一部を市がセンターとして使用する。市はセンター機能の維持に必要な延床面積分の整備費用や維持管理費用を負担する。

 大学内に動物愛護センターが設置されたケースは北海道の酪農学園大学内で前例があり、早期に実現すれば全国で2例目。同時に、民設公営の動物愛護センターは全国で3例目となる。

 獣医学部を擁する同大学内に設置することで専門的な知見が期待できることに加え、駅が近く好立地であることから譲渡や一時預かりなどの相談窓口として市民が利用しやすいという利点もある。

 同大学の村上賢学長は「単なる保護や譲渡の場にとどまらず、命の学びや交流のある多機能な場にしていきたい」と展望を示した。市生活衛生課は「早期に基本計画を策定したい」としている。
広々としたリハビリテーション室

開放的な新施設を公開 リハビリ病院が内覧会

 緑区橋本台への移転を進めている「さがみリハビリテーション病院」(旧病院:中央区下九沢)が11月21日・22日、新病院の内覧会を開いた。12月1日(月)の診療開始に先立ち、地上4階建てのうち2階と4階を公開。地域住民や医療関係者ら約700人が見学に訪れた。

 同院は医療法人社団哺育会(台東区)が運営。1981年に建築された旧病院の老朽化に伴い移転に至った。新病院は相模原協同病院に隣接し、緑に囲まれたゆとりのある環境が特徴。病床数も旧来より10床増え140床となり、より多くの患者を受け入れられるようになった。

 2階の健診センターでは企業健診に加え、一般向けの健診にも対応。リハビリテーション科の佐藤隼科長は「専用フロアを設けたことで、より落ち着いた環境で受診していただける」と話す。

 4階のリハビリテーション室は一面がガラス張り。高齢化が進み、開院当時よりリハビリの需要が高まる中、地域のニーズに応えるべくフロアを拡大した。多様な機器を備え、中でもホンダ社製のドライブシミュレーターは市内の医療機関で唯一の導入。反応検査や危険予測などのプログラムを通じ、病気やけがで心身に障害を負った患者の自動車運転再開の可否を判断する。

 外のリハビリテラスからは丹沢の山々が一望できる。広いスペースを生かし、自転車の乗車訓練など屋外での実践的なリハビリにも活用していく方針。

 吉野靖院長は「高齢化で疾病が増える中、リハビリ施設の役割は一層重要になる。地域住民の健康寿命を延ばすことが当院の責務だと考えている」と語った。

防犯対策費用補助 2週間で予算の5割超

 闇バイト型の強盗事件や、SNSで集まったメンバーが離散・集合を繰り返す「トクリュウ犯罪」、ニセ電話詐欺などが全国的に多発する中、相模原市は現在、住宅の防犯対策費用補助の申請を受け付けている。11月5日の受付開始から2週間が経過した11月19日時点で申請額は約2130万円に達し、すでに予算の半数を超えた。

 補助対象は市内に居住かつ住民登録をしている人。今年10月1日以降に購入・設置した防犯用品について、費用の2分の1(上限2万円)が補助される。申請は電子申請または各区役所地域振興課窓口で受け付けている。

 市が国の交付金を財源に充てて確保した予算は4千万円。受付は12月26日(金)までだが、先着順で予算に達した時点で終了となる。申請書はまちづくりセンターや公民館などで配架されているほか、市ホームページからもダウンロードできる。最新の受付状況は市交通・地域安全課のⅩで確認可能。同課の担当者は「早めのご検討と申請をお願いしたい」としている。

 同課は「固定電話は在宅時でも留守番電話設定を」「訪問者が来ても不用意にドアを開けない」など市民に対し日常的な防犯対策の徹底を呼び掛けている。(問)市交通・地域安全課【電話】042・769・8229
甲斐社長、広報・開発部の担当者と新商品のアイデアを考える生徒(右)

旭中生が商品開発に挑戦 区内企業で職場体験

 パッキング材やクッション材などの発泡品の加工、販売を行う相模カラーフォーム工業株式会社(上溝/甲斐大輔代表取締役社長)で11月19日〜21日の3日間、職場体験が行われた。旭中学校(緑区)の2年生が参加し、工場でプロッターやプレスといったさまざまな機械操作や業務を体験。最終日には広報・開発部の担当者とともに新商品の企画を体験した。

「楽しさ感じて」

 同社はオリジナリティあふれる「自社製品」の開発に力を入れている。第1号として2015年に販売を開始した「くびにかけるくん」は、マスクのひもに装着し、首にかけることで長時間着用時の耳の痛みを解消する商品。コロナ禍でマスク需要が増加したこともあり、累計25万個以上販売されている。職場体験では、このヒット商品の企画から販売までの流れを開発部の担当者が解説。花粉症でマスクをずっと着けていたという甲斐社長(当時は営業部長)のアイデアが形になるまでのストーリーや、キャラクターの誕生秘話が語られた。

 その後、生徒が社員らと共にスポンジを活用した新商品の企画に挑戦。始めは悩む様子を見せていたが、スポンジを使ったホワイトボードクリーナーというアイデアを披露し、社員らを感心させていた。参加した生徒は「ものづくりが楽しそうだと思い参加した。アイデアを出すのは難しかった。将来は好きなことを仕事にできたらと思っている」と感想を話した。

 甲斐社長は「すぐ試作ができることは当社の強みの一つ。自分が考えたものが形になり、誰かの役に立つという、ものづくりの楽しさを感じてくれたらうれしい。不便なことや困ったことを解決できる商品をこれからも作っていきたい」と話していた。
協定書を手にする岡村支社長(左)と本村市長(右)

JTと市 受動喫煙防止対策推進へ 「吸う人」「吸わない人」共生めざし

 相模原市と日本たばこ産業株式会社(JT)は11月20日、喫煙環境の整備などに関する連携協定を結んだ。喫煙マナー向上や公衆喫煙所整備など、喫煙者と非喫煙者の共存に向けた取り組みを強化する。

 同市では2012年秋に「路上喫煙の防止に関する条例」を施行。現在はJR相模原駅・橋本駅周辺・小田急線の相模大野駅周辺が路上喫煙重点禁止地区に指定されている。JTは「吸う人」と「吸わない人」の共生を目的に市内の駅などに喫煙所を設置している。

 この日は神奈川支社の岡村眞人支社長と本村賢太郎市長が署名し協定を締結した。今回の協定には▽環境美化▽喫煙マナー▽喫煙環境の整備▽その他の4つの連携事項が盛り込まれている。

 3つ目の「喫煙環境」については駅前などに設けられている既設の喫煙所の改修が含まれる。現在、高性能な換気設備やエアカーテンなどを備えて煙や臭いが外に漏れにくいよう設計されているが、受動喫煙防止への配慮からパーテーションを高くする計画だという。さらに入口をクランク形状にするなど受動喫煙防止を進める。

 岡村支社長は「安全安心で快適なまちづくりについて、喫煙環境の整備などを通じて少しでも貢献できればと思う」とし、本村市長は「県内初の日本たばこ産業との連携協定ということで大変うれしく思う。今後もたばこを吸う人も吸わない人も、誰一人取り残さない市政を作っていくためにも、意見交換をしながら取り組みを進めていきたい」と話した。
<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)

噴水のライトアップ 相模原公園 12月5日から

 相模原公園(南区)で12月5日(金)〜7日(日)の3日間、噴水広場のライトアップが行われる。

 6日(土)には相模原弥栄高校吹奏楽部、7日(日)にはハンドベルチーム「ベルガモット」のライブも開催。幻想的な庭園の夜を盛り上げる。

 午後4時30分〜7時。雨天中止。(問)同公園管理事務所【電話】042・778・1653

さがみ九条の会 朗読劇に講演も 30日に「秋の平和集会」

 さがみ九条の会が11月30日(日)に「秋の平和集会」を開く。市民会館講習室で午後2時〜4時。入場無料。

 1部では「湘北退職女性教職員の会」による朗読劇が披露される。テーマは「横浜大空襲」。2部では中学生だった2015年に国会前の安保法案反対デモに参加した経験を持ち、地元で反戦運動や戦争経験の記憶継承にも関わった早稲田大学の学生・吉田武人さんが登壇する。終了後、質疑応答・感想シェア会が予定されている(自由参加)。(問)同会・長野さん【携帯電話】080・3484・0143
「未来創造賞」の盾を持つ須田代表取締役

IT教育通じ表現の場を SDGsアワード「未来創造賞」

 市内の小中学生を対象とした「さがみはらプログラミングコンテスト」を通じて子どもたちに自己表現の場を提供する「ランチパッドテクノロジー&パートナー株式会社」(矢部/須田美穂代表取締役)。取り組みが評価され、10月に開催された「さがみはらSDGsアワード」で「未来創造賞」を受賞した。

 同コンテストは同社が市の委託事業として運営するプログラミング教室の生徒の発表の場として始まった。9回目となった今回は8月に実施。60組以上のエントリーがあり、来場者数は200人に達したという。コンテストを通して官民一体での子どもの居場所づくりへや子どもの表現力・主体性・達成感の育成に寄与したとして、受賞に至った。

循環生まれる

 主にWEBサイトやシステムの開発などの事業を展開する同社。運営するプログラミング教室とパソコン教室には子どもから大人まで100人ほどが在籍している。須田代表取締役によると、教室の卒業生が高校生になってアルバイト講師として戻ってくることや、大学生になって同社でのインターンを経て就職した例など、「良い循環が生まれ始めている」という。

 須田代表取締役は「コンテストでも同様にプログラミングを通じて市内で循環を生むことをめざしたい。今後も子どもたちに自己表現の場を提供し、若い人材の育成と地域の活性化を担っていけたら」と語った。

区内にも晩秋の便り 各所でイチョウが黄葉

 朝晩の冷え込みが増し秋の深まりを感じさせるようになってきた。中央区内でも各所でイチョウが黄色く色付き晩秋の訪れを告げている。

 中央区と緑区をつなぐ市道南橋本青葉(総延長5キロメートル)沿道の間には867本から成るイチョウ並木がある。50年ほど前に植樹されたもので、一斉に「黄葉」する景色は圧巻=写真。地域住民やドライバーの目を楽しませる。例年12月上旬まで深まる秋の景色を楽しむことができる。

「日本の秋」収穫 大野北誠心園で柿もぎ

 東淵野辺の特別養護老人ホーム・大野北誠心園(松田圭助理事長)で11月14・18日、施設内に実った柿を収穫する「柿もぎレク」が行われた。木の下に集まった利用者たちは、実が熟すのを毎日心待ちにしてしていたこと、木に登って危ないと叱られたこと、干し柿やジャム作りの手伝いをしたことなど、思い出話に花を咲かせた。岩崎義之施設長は「どこの庭先にも植えられていた日本の『国果』である柿の木。楽しんでもらえてよかった」と話していた。
山頂エリアに設置された「みんなしゅ〜ご〜!キラキラいるみね〜しょん」(C)BANDAI

さがみ湖MORIMORI 「たまごっち」とコラボ 関東最大級のイルミ開幕

 関東最大級となる600万球のイルミネーションイベント「さがみ湖イルミリオン」が11月15日、アドベンチャーリゾートさがみ湖MORI MORI(若柳)で開幕した。今年は世界中で愛されるデジタルペットの「たまごっち」とコラボ、冬の夜にぴったりなアーティストとのコラボを中心に幻想的な空間を演出する。

 今年のさがみ湖イルミリオンの目玉の1つはたまごっちとのコラボ。「さがみ湖で発見!たまごっちのキラキラいるみね〜しょん!」と題して、山頂エリアにたまごっちたちが大集合。さまざまな種類のイルミネーションのほか、アトラクション、フォトスポットでの撮影を楽しめる。

 さらに、9月にオープンしたアトラクション「青空ペダル」が「たまごっちのほしぞらぺだる」としてたまごっち仕様に。標高370mから園内のイルミネーションを一望できる。

 2つ目は、アーティストとのコラボエリア「オトイルミ」。ユニバーサルミュージック合同会社の協力で冬の夜にぴったりな5組のアーティストの楽曲とイルミネーションをマッチング。会場には高さ15mのシンボルツリー、街角の電話ボックス、巨大レター型のオブジェが設置され、ミュージックビデオのワンシーンに入り込んだかのようなシーンを演出する。

 コラボする楽曲は5曲で、「Crystal Kay/何度でも」「GRe4N BOYZ/星影のエール」「Novelbright/ツキミソウ」「秦 基博/アイ」「マルシィ/プレゼント」。翌年2月6日(金)からは「オトイルミ・春」としてアーティスト・楽曲を変更して新しいショーとなる。

「楽しんで」

 13日に行われたプレス向けの内覧会では、同施設を運営する相模湖リゾート株式会社の鈴木康弘代表取締役社長が今年の見どころを解説。たまごっち、アーティストとのコラボが今年の目玉とした上で、「夏にできた2つの新アトラクションの青空ペダル(たまごっちのほしぞらぺだる)とマジカルウェーブは、体験型イルミネーションなのでぜひ楽しんでほしい」などと話した。

 さがみ湖イルミリオンは2026年5月10日(日)まで。時間は午後4時から9時。入園料は大人2000円から、小人(3歳から小学生)・シニア1300円から。フリーパスあり。昼間から入園の場合は追加料金はなし。営業時間や休園日、料金などは時期により異なる場合があるのでWEBサイトなどで確認を。問い合わせは、さがみ湖MORI MORI【電話】0570・037・353。
あいさつに立った清水会長

相模原LC(ライオンズクラブ)が60周年 120人が節目祝う

 相模原市内で活動する奉仕団体・相模原ライオンズクラブ(LC/清水洋子会長)が今年結成60周年を迎え、11月9日にレンブラントホテル東京町田で記念式典が開かれた。会員や本村賢太郎市長をはじめとする来賓、近隣LCメンバーほか約120人が参加。市内で最初に設立されたライオンズクラブの節目を祝った。

盲導犬育成支援に尽力

 相模原LCは1966年、横浜神奈川ライオンズクラブの支援によって結成された。地域に根差した奉仕活動として、特に盲導犬育成支援に尽力。募金活動や小学校での盲導犬キャラバンの実施など、30年以上にわたり支援を続けている。

 式典では60周年記念事業として▽社会を明るくする運動(相模原市)▽(公財)日本盲導犬協会▽日本赤十字社▽就労継続支援B型事業所「恵光園」への寄付が発表され、目録の贈呈が行われた。

 清水会長は式典を終え、「本村市長をはじめとする多くのご来賓の方々にご臨席いただき、盛大に式典と祝宴を開催することができた。これからも相模原地域の奉仕活動に精進いたします」と話した。

子どもを支えるボラ養成 12月20日 市民会館で講座

 地域の子どもたちをさまざまな場面でサポートするボランティアの養成講座が12月20日(土)、相模原市民会館で開催される。午後1時30分から4時まで。主催は市社会福祉協議会中央ボランティアセンター。

 市内では、産後の育児サポートや保育園の送迎、学習支援、子ども食堂など、あらゆる場面で地域の子どもたちと家庭をボランティア団体がサポートしている。講座では現場で活躍する人がスピーカーとして登壇。日々の活動を報告しながら、ボランティアを始めたきっかけややりがいなど現場の視点を交えて話す。同センターの担当者は「この講座がはじめの一歩になれば」と呼びかけている。

専門家の講演も

 当日は相模女子大学学芸学部子ども教育学科の中島健一朗准教授による子どもの成長と地域のかかわり方に関する講演も予定されている。

 参加無料で定員は50名(先着順)。申し込みはウェブまたは電話。

 問い合わせは同センター【電話】042・786・6181へ。
イベントのチラシ

相模ダムの歴史を探る 12月13日 紙芝居など

 戦時中の労働力不足のため、朝鮮や中国から強制連行された人々が建設工事に従事したとされている相模ダムについて、紙芝居などで歴史を学ぶ会が12月13日(土)に開催される。会場は麻溝公民館(南区下溝)。午後1時から3時まで。参加無料。

 相模ダムは戦時中の京浜工業地帯の工業用水や電力確保などのために造られた日本最初の多目的ダム。1947年に完成した。イベントに登壇予定の「相模湖・ダムの歴史を記録する会」によると、建設工事には東北・北陸からの出稼ぎの日本人のほか、勤労学徒、強制連行された朝鮮人や中国人捕虜など360万人が従事したという。

 公的な記録が乏しく実態が明らかになっていないため、同会では地元や中国での聞き取り調査を行い、歴史を掘り起こしてきた。小中学校などでの伝承活動にも取り組んでいる。

 当日は同会の橋本登志子代表による話に加え、イラストレーターのいしげしょうこさんの紙芝居が披露され、相模ダムや相模湖について学ぶことができる。津久井地域の佐野川茶も無料で振る舞われる予定。

 主催する市民団体「命と自然が息吹く東沢の会」の白鳥淳子さんは「ぜひ多世代で参加していただき、つながる場にしたい」と話している。

 12月10日(水)までに要申し込み。問い合わせは白鳥さん(メール/watajun1115@gmail.com)へ。
犯罪被害者等支援シンボルマークギュっとちゃん

参加無料 犯罪被害者支援の講演会 12月4日、産業会館で

 相模原市は「犯罪被害者週間(11月25日〜12月1日)」に合わせて12月4日(木)、「犯罪被害者週間講演会」を市立産業会館多目的ホール(中央区中央)で開催する。犯罪被害者とその家族が置かれている状況や犯罪被害者支援の重要性について市民の理解を深めることが目的。

遺族ら登壇

 第1部は『想いと願い』と題して、京都アニメーション放火殺人事件の被害者遺族である渡邊達子さん・渡邊勇さんが登壇。事件で犠牲となった渡邊美希子さん(享年35)の遺族として、犯罪被害者支援の重要性を訴える。

 第2部は『「被害者」の心と身近な人たちの心を考える』として、公認心理師・臨床心理士の辻孝弘さんが講師を務める。辻さんは現在、東京医科大学で学生や職員の相談を担当するほか、犯罪被害者支援などにも従事している。

 会場では読み終えた本や不要なCD・DVDなどを回収し、その買取り相当額を犯罪被害者支援センターに寄付する「ホンデリング」回収ボックスが設置される。

 午後2時から午後4時30分まで。事前申込制で定員100人(定員になり次第締切)。手話・要約筆記の対応もある。申し込みは市交通・地域安全課の電話または専用フォーム(https://logoform.jp/form/oWjU/1256

866)で。申し込み、問い合わせは同課【電話】042・769・8229。

恒例のフリマ開催 30日、メイプルホールで

 メイプルホール(千代田2の2の15)が11月30日(日)、フリーマーケットを開催する。午前10時から午後3時まで。1990年の創業当初から30年以上続く催しで、地域住民の交流の場として人気を集めている。

 同ホールは現在、フリーマーケットへの出店者を募集中。メール(maple.sagamihara@gmail.com)またはFAX(042・751・5041)から申し込むことができる。問い合わせは同ホール【電話】042・751・5011へ。
市内であった大会に出場したチームとスタッフ。応援に駆け付けた浦部社長=後列右端(同社提供写真)

市内産廃業者 こどもバレーチームを支援

「仲間と協力して」

 緑区下九沢に拠点を構える産業廃棄物処理業「株式会社旭商会」(浦部大輔代表取締役)は、地域の子どもたちのスポーツ活動を支援している。

 公益財団法人相模原市スポーツ協会が推進する「こどもの未来応援スポンサー制度」に賛同し、現在は小学生女子バレーボールチーム「RED NEXUS(レッドネクサス)」の活動をサポートしている。浦部社長自身、ラグビー経験があることもあり「スポーツを通じての心身の成⾧や、仲間と協力する大切さを学ぶ機会を応援したい」としている。

 一方、同社は9月から社員のキャリアや仕事の取り組みをまとめたレポートを作成し、自社のPRに力を入れている。浦部社長は「当社の事業は、『社会を支える、なくてはならないインフラ』。そんな誇りが持てる仕事で働いている仲間を知ってもらえたら」と、取り組みを採用につなげたい考えだ。

障害者週間 共生社会めざし啓発 7日には映画上映

 市民の障害等に対する理解促進を図るため、相模原市は「共にささえあい 生きる社会」をキャッチフレーズに掲げ、多様な啓発事業を実施している。12月3日(水)から9日(火)までの「障害者週間」に合わせ、イベントや作品展を集中的に展開する。

 「障害者週間」の主要行事となる「障害者週間のつどい」は、7日(日)午後1時30分からあじさい会館ホール(富士見)で開催される。第1部では「心の輪を広げる体験作文・障害者週間のポスター」の入賞者表彰式が行われ、第2部では、母親と自閉症の息子が社会の中で生きていく様を温かく誠実に描く映画『梅切らぬバカ』が上映される(日本語字幕と音声ガイド付き)。

 参加は無料で定員200人(先着順)。事前申込が必要で、4日(木)までにLoGoフォームなどで受け付ける。

2会場で作品展示

 「心の輪を広げる体験作文・障害者週間のポスター」の入賞作品が、3日(水)から9日(火)まであじさい会館1階ロビーに展示される。また、5日(金)から7日(日)までは障害者が制作した絵画、書、手芸、写真、川柳などをあじさい会館6階の第1・2展示室で展示する。

手作り品の販売会

 7日(日)には障害者が手掛けた「ハンドメイド商品の販売会」があじさい会館内で開かれる。パン、菓子などの軽食類や、布製品、革製品、木工品などの小物雑貨が販売される。問い合わせは042・707・7055へ。
くねくね曲げても折れないチューブを紹介する櫻井社長

Sagamihara Business Frontier フッ素樹脂の国内製造の道を切り開いた ペンニットー株式会社 中央区南橋本

 ペンニットー株式会社(南橋本)は、およそ50年前、「フッ素樹脂チューブ」の国内メーカーがまだ珍しかった頃に田名で研究を始めた製造・販売業者。フッ素樹脂チューブは熱や薬品などに強い特殊な素材で、半導体製造装置や医療機器、インフラ配線に使われている。

 同社はもともと、チューブを輸入する商社として創業したが、輸入したものに液漏れなどのトラブルが発生したことをきっかけに、自社で素材選定や装置開発から行うことを決断した。独自のチューブ完成までに10年の歳月がかかったという。現在は、高い技術が求められる太径チューブの分野で国内トップシェアを誇る。

 櫻井健一代表取締役は「およそ半世紀、この地で事業を続けている。周辺には加工業者や装置メーカー、教育機関も多く、モノづくり企業にとって理想的な環境です」と語る。社員の半数以上が相模原市内在住で、櫻井代表取締役は相模原市出身。「地元には強い愛着がある」。市が取り組みに力を入れているロボットや宇宙産業への事業展開にも意欲をにじませる。「これからも地域に根差したモノづくりを続けたい」

津軽の伝統音楽響く 民謡歌手・小山内さんが生歌唱

 水郷田名在住の民謡歌手・小山内清弦さん(81)のコンサート「津軽人の『たまにわもえふりこぎ』」が11月2日、千代田のメイプルホールで開催された。

 小山内さんは青森県出身。32歳の時に民謡界に足を踏み入れ、「津軽民謡一辺倒」のスタイルで数々の大会で優秀な成績を収めてきた。芸の研鑽のため、定期的にコンサートを開催している。

 2年ぶり5回目となった今年は、津軽弁で「たまには私もいい恰好したい」を意味する「たまにわもえふりこぎ」と題して開催。小山内さんの歌声を聴こうと多くの人が集まり、本村賢太郎市長も駆けつけた。

力強い歌唱 披露

 小山内さんは軽快なトークを挟みつつ、三味線や尺八、太鼓の音に合わせて力強い歌唱を披露。ゲストとして出演した演歌歌手の澤田勝智さんと共に、伝統音楽の魅力を観客に届けた。

 コンサートを終え小山内さんは「以前よりも内容の濃いコンサートにできたと思う。新しい曲も披露し、にぎやかな時間になった。『津軽音頭』を聞いて自分も歌いたいと言ってくれる人もいてうれしく思った。来年はもっと新しい曲に挑戦したい」と話した。

冬の輝き 今年も点灯 淵野辺駅イルミ 来年2月中旬まで

 冬の風物詩、淵野辺駅北口のイルミネーション点灯式が11月20日に行われた。

 オーロラデッキで行われた同式は、この日を待ちわびた市民でにぎわった。ライトアップに先立ち桜美林大学吹奏楽部が冬にまつわる曲を演奏し会場を温めた。7時になるとカウントダウンが行われ「点灯」の掛け声で一斉に光が灯り、約1万2千個のLED電球がまちを彩った=写真。

 今年は例年の青色のほかに白色や黄色の電球も加えられている。温かい光に包まれながら同部はその後も2曲を披露。駅を利用する人が足を止め演奏を楽しむ様子が見られた。点灯式を主催したにこにこ星ふちのべ商店会の佐藤幸一会長は「近隣の方に華やかさと安心感を与えられたら」と話す。イルミネーションは来年2月中旬まで見ることができる。
応募を呼び掛けるチラシ

観光写真コンテスト

 相模原の魅力的な瞬間を切り取った作品を募集する「観光写真コンテスト」が12月25日(木)まで開催されている。主催は(公社)相模原市観光協会。観光の視点から地域の魅力を広くPRすることを目的としており、審査基準にも「見た人が市に対して興味・関心を持つ作品であるか」が大きく関わる。受賞者には最大5万円の賞金と特産品を進呈。(問)同協会【電話】042・704・9046

全国金賞の響き街かどで サックス四重奏 30日

 気軽に楽しめる「街かどコンサート」が、11月30日(日)にミウィ橋本・インナーガーデンで開催される。コンサートに出演するのは、相模原市立田名中学校吹奏楽部のサックス四重奏。メンバー=写真=は今年3月に開催された「全日本アンサンブルコンテスト」で、市内中学校として初となる金賞を受賞した。

 全日本アンコンでは、難曲として知られるサックス四重奏曲「バック・バーナー」(F.ティケリ)を見事に演奏し、審査員から高い評価を得た。今回のミニコンサートは、市民が楽しめるよう企画されたもので、金賞受賞メンバーによる珠玉の演奏を間近で聴く絶好の機会となる。

 演奏曲目には、A.メンケン作曲の『美女と野獣』よりBeauty and the Beastや、久石譲作曲のスタジオジブリメドレーなどを予定しており、幅広い世代が楽しめるプログラムとなっている。

 入場は無料で、公演時間は午後0時20分から0時50分までの30分間。問い合わせは(公財)相模原市民文化財団【電話】042・749・2207。
満員の会場で作品を披露したいのうえさん(左)

よみがえる日本の美に感嘆 着物リメイクショーに100人

 相模原市在住の着物リメイク作家・デザイナーのいのうえ真弓さんと教室の受講生による「着物リメイクファッションショー『ともに幸せのステップを!』」が11月15日、社会福祉法人悠朋会「千代田7丁目センター」(千代田)で開催された。着物の鮮やかな色彩や繊細な刺繍を生かした作品が次々と登場し、100人を超える観客で満員となった会場は感嘆と拍手に包まれた。

地域とともに

 「地域の方たちと一緒に楽しみたい」といういのうえさんの思いから、モデルはいのうえさんの作品を愛用する地元の人や受講生自身が務めた。披露された作品は50点以上。それぞれの作品に込められたこだわりや着物にまつわる思い出も語られ、来場者たちは「素敵」「綺麗ね」と口々に感想を言い合っていた。ショーの合間にはバンド「ウクレレ・マハロ」によるミニライブも行われ、会場を盛り上げた。

 受講生である母とともにモデルとして参加した今西優美子さんは、以前いのうえさんの展示で飾られていたという作品を着用。「まさか自分が着られるとは。滅多にない機会をいただきとても光栄でうれしく思う。見に来てくださった方からも元気をもらった」と喜びを語った。

 いのうえさんは着物リメイク研究会「麻の葉」主宰。30年以上にわたって着物リメイクを手掛けている。「支えてくれた地域のみなさんと開催できることが本当にうれしい。笑顔と交流を深めるきっかけになれば」と話し、自身もショーに出演してリメイクの魅力を伝えた。
講座の様子。中央の白いシャツを着た人が岩崎さん

歌唱、運動「音遊び」盛況

 南区麻溝台の市立市民健康文化センターで11月17日、緑区在住の作曲家で鍵盤奏者のジミー岩崎さんによる「音遊び」講座が開かれた。

 同センターが地元講師を招き継続的に実施している文化講座の一環で、今回は爆風スランプや諸星和己さんらのサポートで活躍する岩崎さんが登場。約20人が参加し、1時間半にわたり歌唱を中心とした「音遊び」を楽しんだ。

 講座では、岩崎さんの伴奏に合わせて「上を向いて歩こう」「翼をください」などの馴染みの曲を歌ったほか、「ふるさと」の輪唱にも挑戦。さらに「ドレミの歌」では、音階に合わせて手を動かすエクササイズも取り入れ、岩崎さんが「上手にできるまで終わりませんよ」と笑いを誘う場面もあった。最後は「また逢う日まで」の合唱で会場が一体となり、盛況のうちに幕を閉じた。

 普段は全国各地で活動する岩崎さんは、地元での開催について「今年一番楽しみにしていた」と笑顔を見せ、「声を出す、喉を動かすことは体に良いので、今後も歌ってほしい」と呼びかけた。参加者からは「5歳若返った気分」などの声が寄せられた。
久野実行委員長

花火7500枚「完売」

52回大会振り返り実行委員長に聞く

 相模原納涼花火大会実行委員会はこのほど、9月に開催された第52回大会の結果について本紙の取材に応じた。今年はチケット制の有料席が初めて「完売」となった。

 同大会では、2019年度から警備費などに対応するため、有料席を設けている。全国的に花火大会の有料化が進む中、相模原では無料観覧エリアを残しつつ、有料席の収入で運営費をまかなう仕組みをとっている。

 今年度はおよそ7500枚のチケットを用意。開催直前に発表されたダンスグループの出演なども話題を集め、当日券を含めすべてが売り切れた。実行委員長の久野新一さんは「大変ありがたいこと。これで来年も開催できるという思いです。有料席の仕組みが市民に浸透してきたようでうれしい」と語った。
会場となった相模原ギオンスタジアムに廃食用油を持参した子ども

SC相模原 スタジアムで廃食用油を回収 次世代燃料SAF推進

 相模原市など5市町をホームタウンとするサッカーJ3・SC相模原は11月16日、ホーム戦の会場でSAF(持続可能な航空燃料)の原料となる廃食用油の回収を行った。高校生のアイデアをきっかけに行政と連携して実施した取り組みで、廃食用油が航空燃料に再利用される仕組みと資源循環の重要性を来場者に呼びかけた。

 家庭や店舗で使用された食用油(廃食用油)から作られる航空燃料「SAF」は、従来の航空燃料に比べてCO2排出量を約80%削減することができる。航空分野の脱炭素化に向けて活用が期待されているが、原料となる廃食用油の不足や製造コストが課題となっている。

高校生のアイデア綾瀬市と連携し実現

 今回の企画は、地元の地域課題解決をめざす「ジモトアイプロジェクト」に取り組むクラブに対し、SAF推進に携わる高校生の池田晃輔さん(桐蔭学園高校)が提案したもの。クラブのホームタウンの一つで、廃食用油活用とSAF推進の機運を高めようと取り組んでいる綾瀬市と連携することでスタジアムでの回収・啓発が実現。綾瀬市民を試合に招待する「綾瀬市ホームタウンデー」に合わせて実施された。

1日で30L

 会場には綾瀬市のブースと回収ボックスが設置され、観戦に訪れたファン・サポーターがペットボトルなどに入れて持参した油をボックスに入れていた。綾瀬市リサイクルプラザの担当者によると、この日だけで30Lの廃食用油が集まったという。

 池田さんは「スポーツ応援やファンサービスといった『ワクワク感』の要素を加えることで、多様な層を巻き込む契機になる。スポーツの情熱を、地球を守る力に変えて、脱炭素化に貢献したい」などとコメント。

 SC相模原の西谷義久社長は「スタジアムが地域資源を生かす取り組みの場にもなったことを実感した。廃食用油が新たなエネルギーとして空へとつながっていく仕組みを皆様と共有できたことをうれしく思う。今後もホームタウンの皆さまとともに、資源循環や環境配慮に取り組む活動を継続していく」と話した。

 昨年度から取り組みを推進している綾瀬市では現在、市内のスーパーに廃食用油の回収ボックスが設置されている。市の担当者は今後に向けて、「油の回収量を増やし、ごみの減量やリサイクル、資源循環を進めていきたい」と意欲を示した。
富士通に点を許しながらもスタンドからの声援を背にライズも点を重ね食い下がったが及ばなかったPhotographs by Kohei SAEKI©Official RISE pics

アメフト相模原ライズ 富士通F(フロンティアーズ)に力負け 「日本一」への挑戦は来年に

 アメリカンフットボール・Xリーグの最高峰を決めるライスボウルトーナメントは11月23日、準々決勝が行われ、ノジマ相模原ライズは富士通スタジアム川崎で強豪・富士通フロンティアーズと対戦したが、28対42で敗れ、今シーズンの戦いを終えた。序盤の大量失点が響き苦しい展開となったが、QBカート・パランデック選手を中心とした後半の猛追は見事だった。

ミスが命取りに

 試合は立ち上がりから相手ペースで進んだ。第1Q早々、ライズは敵陣深くまで攻め込む絶好の機会を得るも、パスをインターセプトされ得点のチャンスを逃してしまう。その直後のディフェンスで、富士通に80ヤードのロングドライブを許し、先制点を献上した。

 第2Qに入っても富士通の勢いは止まらず、ロングパスで追加点を奪われると、続くシリーズでも67ヤードのドライブを許し、その差は21点と苦しい展開に。

前半終了間際、一矢報いる

 前半残り3分、ライズは意地を見せる。QBパランデック選手を中心にパスを繋ぎ、75ヤードをドライブ。最後はパランデック選手からRB吉澤祥選手へのパスでタッチダウンを奪い、7対21として前半を折り返した。

壮絶な点の奪い合い

 後半に入っても、富士通オフェンスの猛攻は続き、すぐさまタッチダウンを奪われ7対28と再び突き放される。点差を広げられたくないライズは、直後のオフェンスで反撃。QBパランデック選手からTE定成吉輝選手へ32ヤードのパスが通りタッチダウン。14対28とする。

 ライズが追い上げるが、富士通もすぐにタッチダウンを取り返し、第3Q終了時には14対35と点差は広がった。

 第4Q、ライズはQBパランデック選手自らのランでタッチダウンを決め望みを繋ぐ。しかし、ここでも富士通のパスが決まり加点。21対42と勝負を決定づけられた。

執念の追い上げも

 試合残り時間4分を切り、後がないライズは、QBパランデック選手からWRテイ・カニンガム選手へのロングパスで再びタッチダウンを奪い、28対42と14点差まで追い上げる執念を見せた。

 残り2分で再びオフェンスにボールが回ってきたが、富士通の強固なディフェンスに阻まれ、追加点を奪えずタイムアップ。ライスボウル進出への挑戦は、この準々決勝で幕を閉じた。

 この日の敗戦により、ライズの今シーズンの全日程が終了した。「日本一」への挑戦は来年へと持ち越された。

相模原市が火葬場の時間延長など補正予算案を市議会に提出 深刻化する「火葬待ち」解消へ

 火葬需要の高まりによって生じる冬の「火葬待ち」の長期化に対応するため、相模原市は市営斎場(南区)の利用時間を延長する補正予算案を市議会に提出した。市議会12月定例会で採決されると、2026年1月から火葬場の利用時間が午後5時までから午後6時までに1時間延長される。

冬季は平均1週間以上の「待ち」

 相模原市では例年1月から3月にかけて死亡者数が増加し、火葬場の利用が集中する傾向にある。市の発表によると、昨シーズンの「火葬待ち」の待機日数は1月、2月が9.4日、3月は7.4日と、いずれも1週間以上。市の斎場準備課の担当者は「この数字は平均なので、もっとお待ちいただく場合も出ているかと思います」と話す。

 こうした状況を改善するため、市は火葬場の利用時間延長の方針を固めた。延長期間は26年から3年間。延長時期は毎年1月から3月まで。この1時間の延長措置により、3か月間でおよそ340件の火葬枠を拡大できると見込まれている。補正予算案には、増加する人件費を含む指定管理料として3244万4千円が盛り込まれた。

背景にある人口動態と将来の課題

 今回の時間延長は、短期間で待機日数を減らすための応急的な対策であるが、同課が発表した人口動態の推計によると、今後も火葬需要が高まると見込まれる。

 65歳以上人口は20年の18万9,716人から増加を続け、46年には25万1,463人でピークを迎えると予測されており、以降も市内で高齢者の占める割合も増加していくとされる。この高齢者人口の増加は、長期的に火葬需要を高める要因となる。

 市営斎場では火葬炉の長寿命化改修が28年度から30年度にかけて予定されており、期間中は火葬枠の確保がさらに難しくなることが懸念される。

 市は今回の火葬時間延長による混雑緩和効果を検証しつつ、将来の需要と施設の維持管理を両立させるための検討を進めていく方針である。

長期的な対策としての新斎場整備

 安定的な火葬体制を確立すべく、市は新斎場整備事業も進めている。新斎場の最終候補地を津久井地域の「青山」に決定。現在、施設整備にあたっての基本計画の策定が進められている。
造兵廠(現補給廠)へと続く線路の跡。写真右は草に覆われてしまっている

学生編集室レポート 草に覆われた戦争遺構 東海大学3年 石川流也

 こんにちは!神奈川県を中心に学生が政治や地域を取材する「政治の村Students編集室」(タウンニュースが支援)の石川流也です。今年は戦後80年ということで、生まれ育った相模原にある戦争の記憶、戦争遺構を調べました。戦争遺構とは、戦争の痕跡を後世へ残すために保存されている場所やもののことです。

 この記事では、「相模陸軍造兵廠」の調査結果をもとに、遺構のある意義や遺構が伝える意味について皆さんと深めていければと思います。

相模陸軍造兵廠

 現在、JR相模原駅の北東に位置する「米軍相模総合補給廠」は、かつて「旧日本陸軍造兵廠」として兵器の製造や修理を行っていたとされています。JR矢部駅そばの上矢部公園内には記念碑があり、その裏に造兵廠の歴史が記されています。

 それによると、1937(昭和12)年に「陸軍東京工廠相模兵器製造所」として設立され、38(昭和13)年より、戦車・牽引車・砲弾の生産を開始したようです。その後、40(昭和15)年に「相模陸軍造兵廠」へと昇格したとされています。記念碑は86(昭和61)年に建設されましたが、非常にきれいな状態で残されており、公園内でもひときわ目立つ存在でした。

 しかし、相模原で暮らしてきた私はこれまで記念碑の存在を知りませんでした。また、公園付近の人通りは少なく、閑散としている雰囲気が見受けられました。市内で暮らす人にもあまり認知されていないのが現状ではないでしょうか。かつて相模原で武器の製造を行っていたという歴史と遺構の存在を我々若者が認知していかなければ、残された遺構はただ廃れていってしまうと、危機感を抱きました。

造兵廠へと続く線路の跡

 上矢部公園を北上した先、団地などが佇む土地には戦時中の輸送に使われていた線路の跡が見られました。大部分が米軍に接収されてしまった中で、当時使われていたものとして見ることができる貴重な遺構でした。しかし、現在は草が生い茂り、一見すると線路には見えないほど手入れなどが行われていないように感じました。立ち入るにも立ち入りにくい、綺麗に現存している中で非常にもったいないといった印象でした。

この先も残していくために

 イベントなどの特別な場合を除き、「米軍相模総合補給廠」へ入ることは原則禁止されているため、現在見ることができる部分は限られてしまっています。しかし、その周辺にも戦時中の形のまま残されているものもあるのだと明らかになりました。

 私が子どもの時、残された遺構の存在や戦時中の相模原について、学校で詳しく取り扱われることはありませんでした。私たち若い世代が歴史を知ること、遺構を後の世代へ残していくための手入れ、保存方法を検討していくことが次の世代へ残していくためにするべきことであると強く感じさせられました。