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さがみはら中央区 社会

公開日:2025.11.26

SC相模原
スタジアムで廃食用油を回収
次世代燃料SAF推進

  • 会場となった相模原ギオンスタジアムに廃食用油を持参した子ども

 相模原市など5市町をホームタウンとするサッカーJ3・SC相模原は11月16日、ホーム戦の会場でSAF(持続可能な航空燃料)の原料となる廃食用油の回収を行った。高校生のアイデアをきっかけに行政と連携して実施した取り組みで、廃食用油が航空燃料に再利用される仕組みと資源循環の重要性を来場者に呼びかけた。

 家庭や店舗で使用された食用油(廃食用油)から作られる航空燃料「SAF」は、従来の航空燃料に比べてCO2排出量を約80%削減することができる。航空分野の脱炭素化に向けて活用が期待されているが、原料となる廃食用油の不足や製造コストが課題となっている。

高校生のアイデア綾瀬市と連携し実現

 今回の企画は、地元の地域課題解決をめざす「ジモトアイプロジェクト」に取り組むクラブに対し、SAF推進に携わる高校生の池田晃輔さん(桐蔭学園高校)が提案したもの。クラブのホームタウンの一つで、廃食用油活用とSAF推進の機運を高めようと取り組んでいる綾瀬市と連携することでスタジアムでの回収・啓発が実現。綾瀬市民を試合に招待する「綾瀬市ホームタウンデー」に合わせて実施された。

1日で30L

 会場には綾瀬市のブースと回収ボックスが設置され、観戦に訪れたファン・サポーターがペットボトルなどに入れて持参した油をボックスに入れていた。綾瀬市リサイクルプラザの担当者によると、この日だけで30Lの廃食用油が集まったという。

 池田さんは「スポーツ応援やファンサービスといった『ワクワク感』の要素を加えることで、多様な層を巻き込む契機になる。スポーツの情熱を、地球を守る力に変えて、脱炭素化に貢献したい」などとコメント。

 SC相模原の西谷義久社長は「スタジアムが地域資源を生かす取り組みの場にもなったことを実感した。廃食用油が新たなエネルギーとして空へとつながっていく仕組みを皆様と共有できたことをうれしく思う。今後もホームタウンの皆さまとともに、資源循環や環境配慮に取り組む活動を継続していく」と話した。

 昨年度から取り組みを推進している綾瀬市では現在、市内のスーパーに廃食用油の回収ボックスが設置されている。市の担当者は今後に向けて、「油の回収量を増やし、ごみの減量やリサイクル、資源循環を進めていきたい」と意欲を示した。

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