横須賀・三浦版【3月27日(金)号】
議場の出口市長

【三浦市】三浦市議会、出口市長の不信任決議案提出を見送り 可決要件満たせずと判断

 混迷を極める三浦市議会(定数13・欠員1)は、土壇場で現状維持を選択した-。2月に開会された市議会3月定例会の最終日である3月24日、提出が確実視されていた出口嘉一市長に対する不信任決議案は、最終的に提出が見送られる事態となった。副市長不在の長期化やSNSでの情報発信などをめぐり、自民党(4人)と三志会(4人)を中心とする、不信任決議案提出推進派が「市政運営の信頼失墜」を厳しく追及してきたが、議会内の足並みが揃わなかった。

 今回の不信任案をめぐる攻防の焦点は、3分の2以上の出席議員のうち、4分の3以上の賛成が必要となる点。12人全員が出席した場合、9人が可決要件となっていた。推進派8人に加え、公明党(1人)の動向が鍵を握っていたが、反対の意向を堅持。共産党(2人)や無所属(1人)も同調せず、提出しても否決が不可避となる情勢を受け、土壇場で提出を断念した。

 同日、自民の長島満理子氏、神田眞弓氏、千田征志氏、三志会の草間道治氏、石崎遊太氏、下田剛氏、溝川幸二氏、公明の森谷久一郎氏の8氏が「二元代表制の本旨に則った議会対応及び円滑な市政運営を求める決議」を提出。「市長が選挙期間中に行った発信」や「市の福祉行政や災害発生時に市民を支えるための体制づくりに懸案事項が生じている」と主張し、自治体の長としての自覚を著しく欠いていると指摘。そのうえで、今後の市政運営に混乱や停滞を招くことのないよう強く求めた。これの反対討論として、自民の出口景介氏が登壇。決議案の内容はおおむね事実だと認めつつ「市長が変わるだけでなく、議会側からの歩み寄りも必要ではないか」と反論したが、4時間にわたる休憩を挟み、一連の発言を訂正した。採決では、賛成多数で可決された。反対の立場を取ったのは、出口氏、共産の小林直樹氏、石橋むつみ氏、無所属の寺田一樹氏。

 この日の傍聴席は定員を超え、抽選となるほどの関心の高さを見せた。

署名活動も過熱

 一連の紛糾に伴い、議場外では市民有志による署名運動も繰り広げられた。閉会前日の23日には、市民団体代表の岡田サリー氏らが、神田議長宛に2963筆に及ぶ不信任反対の署名を提出。「市長は市民の力によって誕生した」「不信任の明確な理由がなく、多額の選挙費用投入は行政運営に支障をきたす」などの趣旨を盛り込んでいた。

 一方で、不信任を市議会に求める市民グループも市長個人の税金・年金未納問題、選挙時の発信内容などを厳しく批判する署名運動を展開。市政を巡る市民の分断は深まりを見せていた。

 依然として、副市長の不在や、市社協をめぐる一連の問題、議会との対話不足などの懸案事項は残されたままの状態となっている。

ロゴをデザインした三浦学苑高校美術部の油津さん(左)と顧問の前川さん

【横須賀市】衣笠地区限定のユニフォーム誕生、組織の枠を超えた連帯感

 横須賀市衣笠地区で、地域限定のユニフォームが誕生した。衣笠地域運営協議会が主体となり、デザインから製作まで「オール衣笠」で手掛けられたもの。職種や団体の垣根を超えた連帯感の醸成が期待されている。

 町内会や商店街、教育・医療機関など地域の代表者15人で構成される同協議会の今年度の事業として実現した。横須賀市が職場で着用するサブユニフォームとして昨年導入した「スカジャン風パーカー」に着想を得たもので、「同じ服を着用することで地域の一体感が生まれるのではないか」と企画されたという。

 製作は地域の衣料品店「ヤナギヤ」、ロゴマークのデザインは地元の三浦学苑高校美術部が担うなど、オール衣笠で実施。地域で開催されるイベントなどで着用していく考えで、「衣笠の関係者であることが一目で分かるため、地域の人が安心して声をかけやすくなったり、新しい人材が地域活動に参加しやすい環境づくりにも役立てられる」と同協議会は期待を込める。

ご当地感満載

 パーカーの胸部分にプリントされたロゴマークは、三浦一族ゆかりの地として家紋「三つ引両」や兜のほか、横須賀しょうぶ園の「菖蒲」や衣笠山公園の「桜」といった地域の名物をあしらった三浦学苑高校美術部の油津ひかるさん(1年)の案が採用された。油津さんは、「このユニフォームをきっかけに、地域の人が会話する機会が生まれたら嬉しい」と期待を寄せ、同部顧問の前川久美子さんは、「部の活動が地域社会に役立てられ、ありがたい」と喜びを口にした。

 今回は受注生産で300着を製作。協議会の構成団体を中心に配布されたが、職場や学校で着用する姿を目にした人から購入希望が届くなど好評を博しているという。

 同協議会が事務局を置く衣笠行政センター職員の高橋利明さんは、「色違いが欲しいといった声もある。来年度については未定だが、ニーズに応じて製作を検討していきたい」と話していた。

自身が手掛けたラテアート作品の写真を飾った個展を開いている 峯尾 真実さん 横須賀市坂本町在住 44歳


「観客一人のためのアート」

 ○…汐入駅から池上に通じる坂道にたたずむスーパーの一角。創業90年、地域の台所を支えてきた店舗内のカフェスペースで、注いだコーヒーの泡の上に描く「ラテアート」で訪れる人たちの目を楽しませている。似顔絵からアニメや漫画の人気キャラクラクター、ペットなどの作品は5年間で約2千杯。選りすぐりの作品を写真にして飾る個展は2回目を数える。もはや趣味の域を凌駕しつつある。

 ○…店内にカフェを併設したのは、店舗を縮小した7年前。きっかけは、かつて店先にあったビールケースだった。年配者が買い物ついでに箱を逆さにして腰掛け、何気ない世間話に花を咲かせる居場所を残したいと考え、小さな社交場を設けた。「ビジネスとして継続させるには特色が必要」とラテアートを独学で始めSNSで作品を発信。これを見て遠方から駆け付ける人の姿も日常の光景となった。

 ○…かつては法律事務所でパラリーガルとして働いた経歴を持つが、22年前に嫁いでからは、この街の日常に溶け込んできた。スーパーでは、カフェの運営とともに惣菜づくりを担当。常連客には「足腰が痛くて駅まで行けない」という高齢者も多く、生活インフラとしての役割も担う。商売の形は数多あるが、「魅力ある場所に人は集まる」が持論だ。

 ○…カフェで先ごろ、印象深い出来事があった。愛犬を亡くし、深い悲しみに暮れる男性が店を訪れた。注文を受けてその愛犬の姿を描いた一杯を差し出すと、男性はしばらくの間、愛おしそうにその絵を見つめ、最後はうっすらと涙を浮かべて飲み干した。形に残らないからこそ、その瞬間の感情に寄り添える。「観客一人のためのアート。そんな可能性も秘めている」

『ここにいるよ!』のイメージ画像=ミューシープロジェクト提供

ミューシーソングが完成 音楽サービスで配信中

 葉山町PR大使を務めるアオウミウシのキャラクター・ミューシーのテーマソング・イメージソングが完成し、3月5日からApple Music、Spotifyなど各種音楽ストリーミングサービスで配信が始まった。

 完成した楽曲は2曲。テーマソングの『ここにいるよ!』はミューシーをイメージした明るく元気な曲調。イメージソングの『空と海と僕と〜渚のミューシー〜』は落ち着いたボサノバ調で葉山の雰囲気を表現している。いずれも作曲編曲はNHKラジオ体操などのピアノ伴奏を長年担当していた横須賀市佐島在住のピアニスト、幅しげみさんで、作詞はアニメソングなどを手掛ける森林檎さん。歌は『ここにいるよ!』はボーカロイドで、『空と海と僕と』はNHK「おかあさんといっしょ」の第15代うたのおねえさん・森みゆきさんが務めた。

 ミューシープロジェクトの大竹則彦さんは、「両曲とも海や景観とミューシーを合わせたイメージで制作しました。あえてキャラクターの固有名詞を控えたことで、各種イベントやBGMなど多様な場面でご活用いただけます」と話す。

 幅さんをはじめ、湘南ビーチFMのDJ・人見欣幸さんや、逗子市在住の児童文学作家・南田幹太さんなど、地域のクリエイターが幅広く参加する同プロジェクト。大竹さんは「皆さんの力を借りて、よりクリエイティブな企画を展開していきたい」と展望を語る。

 近く、三浦市を拠点に活動するご当地アイドルグループによるレコーディングやプロモーションビデオ撮影なども計画中だという。

横須賀銭湯10軒めぐり スタンプラリーで景品

 横須賀市内の銭湯で組織する横須賀浴場組合連合会は、4月1日(水)から「横須賀銭湯スタンプラリー」を実施する。10ヶ所の銭湯をめぐってスタンプカードを完成させる。すべて揃えると先着200人に「横須賀銭湯オリジナルタオル」。さらに抽選で5人に「横須賀銭湯オリジナルタオル」が進呈される。

 同組合では、「それぞれの銭湯の雰囲気や魅力に触れて」と話している。実施期間は2026年7月31日(金)まで。

「自信作は姫路城です」ときっぱり語る山田さん

三浦市初声町 山田さん 巨艦築いた手、爪楊枝に宿る 城郭や建造物、再現作品を展示

 三浦市初声町在住の山田清一郎さん(86)が手がけた「爪楊枝細工」19点が実相寺(同町)の本堂で展示されている。モチーフとなっているのは、主に国内の城郭や神社仏閣。緻密に再現された作品の数々が参拝客の目を釘付けにしている。

 爪楊枝細工は、爪楊枝を数千、数万本と接着し、建造物などを再現する工芸。素材の細さを生かした緻密な表現が可能で、木の温もりと工芸品のような重厚な質感をあわせ持つのが特徴だ。

 山田さんは、中学卒業後すぐに漁船に乗り、北の海で網を引いた。1971年頃、家族のために陸へ上がってからは造船の世界へ。浦賀ドックで巨大な船のブロックを吊り上げる100トンものクレーンを操縦した。一歩間違えれば大事故に繋がる現場で、数トン単位の重量物をミリ単位の誤差もなく据え付ける日々。巨大な鉄の塊を空中で制御したその測量感覚が、今、わずか直径2mm、長さ6cmの爪楊枝を扱う指先に宿っている。

孫への愛 創作の源泉

 爪楊枝細工との出合いは約20年前。テレビで見かけ、定年後の知力維持にと始めたのがきっかけだった。最初の一歩は、3人の孫へ贈った手作りの鉛筆立て。「おじいちゃん、使うよ!」という孫たちの無邪気な喜びが、山田さんの創作意欲に火をつけた。以来、1日4時間を制作に充て、これまでに約40点の作品を築き上げてきた。

 制作スタイルは自己流。資料が乏しい場合でも、かつて訪れた場所の記憶や家族が撮影した写真、さらにはご当地土産のパッケージに描かれたイラストなどから設計図を引く。より忠実に再現するために爪楊枝を半分に切ったり、鋭く尖った先端をあえて表面に出すことで、茅葺き屋根の質感を再現したりするなど、妥協は一切ない。傘寿を越えてなお、半生で醸成された職人気質は少しも錆びつくことはないようだ。

 創作活動の傍ら、山田さんが何より大切にしていることがある。それは、共に歩んできた妻への敬意。「家の用事を先に済ませる。草むしりでも買い物でも、頼まれたことは全部こなしてから、自分の作業に入るんだ」。家庭の役割は疎かにしない。「互いに助け合うのが流儀」と笑う山田さんの表情には、職人の厳しさとは別の、温かな慈愛がにじむ。

執念の9400本

 自信作は、2018年に約7カ月を投じて完成させた「姫路城」。使用した爪楊枝は9400本にのぼる。「何よりも建物全体のバランスを調整するのに骨が折れた」と振り返る。これまでで最大の規模を誇るのは「館山城」=右写真。高さ55cm、横60cm、奥行き45cmというスケールが見る者を圧倒している。作品のモチーフは国内の神社仏閣、東京スカイツリー=左写真=、白川郷といった名所に留まらず、韓国の城など海外の建造物にも及ぶ。

 完成した作品は惜しげもなく人に譲ることも多いという。爪楊枝細工のほか、20年程続く同寺の「寺子屋」では、子どもたちに手作りの玩具を贈るなど、地域交流も欠かさない。「自己満足だけど、誰かが喜んでくれるのが一番かな」

 展示は5月半ばまで。

給食調理員として32年間勤めあげた若梅さん

空っぽの食缶、最高の便り 給食調理員の若梅幸代さん 

 荻野小学校に給食調理員として従事する若梅幸代さん(65)。3月末で任期を迎え、32年間の現役生活に終止符を打つ。沸き立つ湯気の中、重いヘラで大釜を回し続けてきた原動力は、おいしい給食に笑顔を浮かべる児童の笑顔だった。

 調理室に立つ最終日となった3月17日の献立は、いつの時代も不動の人気を誇るカレーライス。ルーから手作りだ。

 3月中旬とはいえ、朝の気温は10度以下。暖房がなく、底冷えする調理室で大量の野菜を水洗いし、かじかむ指先で黙々とニンジンを切り続ける。大釜をかき回すヘラを持つ手は、32年の間に関節が腫れて変形した。

 午前11時40分。校舎いっぱいに食欲をそそる香りが漂い始めた頃、完成した給食は”検食”のために校長室へ。学校給食法に基づいて行われる安全の最終確認だ。

 午後0時10分。各教室に「いただきます」の元気な声が響くと、朝から立ちっぱなしだった調理員もようやく一段落。調理室で給食を味わうが、一時間もすれば後片付けで慌ただしくなる。児童と直接交流する機会はないが、空っぽの食缶が何よりもの「おいしかった」のメッセージだ。

 安全な給食を提供する環境づくりのため、清掃も念入りに。すべての作業を終えたのは夕方。児童が下校した校舎は、静寂に包まれていた。

 一日三食のうちの一食を担う重責を感じ、「本物の味を届けたい」と毎日全力投球してきた32年間。最後の日も「いつもと同じ一日を終えただけ」と特別な感情が湧くことはなかった。

採用試験は競歩

 実家は逗子市のラーメン店。高校生の頃から店を手伝うなど、「食」は常に身近な存在だった。

 結婚し、子育てが落ち着いた頃、知人に紹介された横須賀市の給食調理員の募集。食べること、作ること、保育士にも憧れたほど子ども好きだったこと。すべてに関わりのある仕事で、応募に迷いはなかった。

 採用試験は意外にも包丁さばきなど調理に関するものではなく、主に反復横跳びなどの体力測定。当時は競歩まであった。それは、いかに体力勝負の仕事であるかを物語っていた。

 16・5kgもある食用油の缶を運搬したり、山のような焼きそばの麺を重いヘラで鍋の底からひっくり返したり。夏場は、調理室にこもる40度近い熱気も大敵だ。それでも、「嫌なことや悲しいことも、一瞬忘れさせてくれる力がある」と信じる料理で児童を笑顔にできると思えば、どんな苦労も楽しかった。

受け継がれた思い

 激務を終えて帰宅すれば、休む間もなく家族の夕食を作る日々。そんな背中を見て育った長女は今、母と同じ給食調理員の道を歩んでいる。「手間がかかる献立ほど嬉しい。腕の見せどころだから」と楽しんだ32年間の日々は、色あせることなく次世代へと繋がった。

 「この仕事が大好きだけれど、すべてやり切った。でも、半年くらいしたら寂しくなるのかな」。そう言って、晴れやかな笑顔を見せた。

観音崎にキャンプ場 3月28日、プレオープンイベント

 横須賀市観音崎エリアで民間事業者が開設準備している手づくりキャンプ場「Tarachine」(鴨居3の1077の7)。のドッグランエリアが3月28日(土)、プレオープンする。同日、お披露目イベントが開かれる。

 観音崎海岸近くのカフェ「TWOSTAR」を営む柴崎美奈子さんが手掛けているキャンプ場。約5300平方メートルの広大な山林を、約1年かけて整備を進めてきた。今回先行的にオープンするのは、ドッグランエリア。グランドオープンはゴールデンウィーク頃を見込んでいる。

 当日は、キッチンカーや物販のあるテントブースが出店。音楽ライブも予定されている。柴崎さんは「誰でも気軽に足を運び、自分の庭のように、ふらっと集える場所にできれば」と話している。時間は午前10時から午後4時。参加自由。少雨決行。キャンプ場至近に駐車場あり。

草木染めや蒸留体験を説明する藤原代表(左)

株式会社やとと 〝谷戸暮らし〟体感する民泊 不便さを価値に 6月末開業へ

 横須賀市汐入町の「谷戸」と呼ばれる、豊かな緑と家々が調和する独特の傾斜地。この地に新たな息吹を吹き込もうとする試みが進んでいる。地域活性化を担う(株)やととは、築105年の古民家=下写真=を再生した体験型民泊施設「泊まれる谷戸の実験室 minoma」を6月末に開業する。3月22日にはメディア向け先行体験会を開いた。

 プロジェクトを牽引するのは、藤原香奈代表、「大工仕事が趣味」と話す室井達哉さんら3人。大正時代から受け継がれた梁や、当時の主が施したであろう電気配線の跡をあえて露出させ、歴史の積層をデザインへと昇華させている。

 「不便な場所だが、ここには圧倒的な自然と景色がある。それをむしろ価値として伝えたい」。藤原代表らの想いが結実。2025年度の横須賀市の「谷戸地域コミュニティ再生提案事業」の採択を受けた。

谷戸の植物生かす

 建物は、延べ床面積70〜80平方メートルほどの2階建て洋館。元々はシェアハウスとして利用されていた。1階の「実験室」と名付けたスペースでは宿泊者が、家庭用蒸留器を使って地域で採れた夏みかんやハーブから芳香水を作る「蒸留」や近隣に自生するヨモギを用いた「草木染め」を体験できる。キッチンは染物や実験がしやすい機能的な設計となっており、谷戸の資源を日常に取り入れる知恵を学ぶ場となる。宿泊予約がない場合は、ワークショップを開くという。

 2階は宿泊者専用となる約10・5帖の空間。東西南北の四方向に窓が配され、谷戸の風景を見渡すことができる。

 藤原代表が運営する近隣のコミュニティ拠点「問室(といしつ)」とも密接に連携。宿泊者は滞在中に同拠点を無料で利用できる仕組みを整え、地域住民との交流を促す予定だ。「谷戸の暮らしの豊かさを再定義できれば」と藤原代表。料金は未定。今後、修繕費用などを調達するクラウドファンディングも予定している。

船上から望む東京湾の魅力 「黒船」で行く特別クルーズ

 横須賀市久里浜港と千葉県金谷港を結ぶ東京湾フェリーは、5月17日(日)に「黒船で行く東京湾周遊特別クルーズ」を開催する。

 当日は久里浜港を午前10時に出港。通常航路とは異なり、明治時代に建設された「第一・第二海堡」や、羽田空港D滑走路、大迫力の「風の塔」「海ほたるパーキングエリア」などを船上から間近に見学できる約4時間の特別コース。展望デッキからは、潮風を感じながら三浦半島の美しい海岸線を一望できる。

 船内では、船上ライブやフラダンスショーも楽しめる。昼食には同フェリー名物の「黒船ペルリ弁当」が提供される。

 料金は大人8800円、小学生5000円。定員は500人(最少催行300人)。

 申し込みは同社HPの専用フォームから。定員に達し次第終了となる。詳細は同社【電話】046・830・5622へ。

「花まつり」と能楽鑑賞 実相寺で4月8日

 三浦市初声町の実相寺で4月8日(水)、釈迦の誕生を祝う法要「花まつり」が執り行われる。

 当日は本堂で午後2時から約20分間の法要が営まれ、2時20分からは能楽鑑賞の集いが催される。

 能楽鑑賞では、神奈川県を本拠地に活動する観世流の同好会「白謡会」=写真=が登壇する。

 演目には、能のサビの部分を紋服・袴姿で舞う「仕舞」や、日本古来の声楽芸能であり能の台詞にあたる「謡(うたい)(謡曲)」が披露され、静謐な本堂に伝統の響きが広がる。

 また本堂内では、同町在住の山田清一郎さん(86)が手掛けた爪楊枝細工の展示も行われている。数千から数万本の爪楊枝を用いて築き上げた城郭や寺院の緻密な造形は必見。伝統芸能の舞いと、職人の執念が宿る工芸作品が、「聖なる日」をより一層鮮やかに演出する。

 本堂には甘茶も用意される。参加自由。入場無料で誰でも気軽に足を運ぶことができる。

 詳細や問い合わせは同寺【電話】046・888・1820。

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熱中症防ぐ秘訣は 横須賀市医師会が公開講座

 (一社)横須賀市医師会(高宮光会長)は4月5日(日)、市民公開講座を開く。会場は横須賀市新港町の横須賀市医師会館2階大会議室。参加無料。

 今回のテーマは「これだけは知っといて!熱中症」。あきやま医院の院長で、東海大学体育会ラグビー部のチームドクターも務める暁山昌幸氏が特別講演を行う。スポーツ現場の最前線を知る専門家の視点から、健康維持に不可欠な熱中症対策を分かりやすく解説する。また、後半には大塚製薬株式会社による横須賀市内での取り組みについての情報提供も予定されている。

 午後1時30分から2時50分まで。定員先着100人。希望者は4月2日(木)午後5時までに同医師会【電話】046・822・0542へ申し込む。

花はなくとも大盛況 北久里浜桜まつりが開催

 約50本のソメイヨシノが園内をぐるりと囲む根岸公園(横須賀市根岸町3の17)で3月21日、第28回北久里浜桜まつりが開催された。主催は同実行委員会。

 横浜地方気象台による桜の開花宣言前とあり、園内でも数輪ほころぶ程度。それでも、朝から雲ひとつない晴天に恵まれ、午前10時の開始前から会場は多くの人でにぎわった=写真。

 まつりに先立って行われた式典で、実行委員長の松本幸三氏は「世界情勢は不安定だが、こんな時代だからこそ同じ場所で一緒に笑い合える喜びを痛感する。みんなで楽しんでほしい」とあいさつした。

 市内から夫婦で訪れた50代の男性は、「桜はまだつぼみだけれど、春の開放的な雰囲気だけでも十分に楽しい。来週またお花見に来ます」と話していた。

千代ヶ崎砲台跡 レンガに舞うサクラ

 明治から大正期にかけて首都防備のために建造された東京湾要塞跡のひとつ、「千代ヶ崎砲台跡」(横須賀市西浦賀6の5の1)で、横須賀市の木に指定されているオオシマザクラを愛でる「さくらまつり」が開催されている。3月29日(日)まで。

 ソメイヨシノは花が先に咲くのに対し、オオシマザクラは白い花と緑の若葉が同時に開くのが特徴。同地には36本の樹が植えられており、今週末に見ごろのピークを迎えそうだ。花と一緒に、レンガ積みで堅牢なつくりの戦跡見学も楽しめる。

 入場は無料で、時間は午前9時30分から午後4時30分(最終入場4時)。28日(土)と29日(日)は、キッチンカーによるグルメ販売や子ども向け工作ワークショップも行われる。

エース・主将として仲間を鼓舞しながらコートを躍動したマクアリスターさん(左・同校提供)

田浦出身・マクアリスターさん バレーで米大学へ挑戦 「トップクラスの舞台、楽しみしかない」

 横須賀市立田浦中学校出身で、今春まで横浜隼人高校女子バレー部で活躍したマクアリスター・アイリーン心寧(ことね)さん(18)が、米国ニューヨーク州のシラキュース大学に進学する。強豪がひしめくリーグで「さらなる高みに挑戦したい」と意気込みはばっちり。6月頃の渡米を見据えている。

全米最高峰リーグで技術に磨き

 マクアリスターさんの心を動かしたのは、高校2年時に選抜選手として出場した世界選手権だった。そこで目にしたのは、日本のコートでは決して体感することのできない圧倒的な高さとパワーの奔流。「海外選手のすごさに、自分の思うようなプレーができなくなってしまった」。その悔しさは、諦めではなく渇望へと変わった。今のままでは届かない。ならば、その高い壁の中に自ら飛び込み、「対等に渡り合える選手になりたい」。2年の秋、周囲が驚くほどの速さで海外挑戦への舵を切った。

 その年の冬にハワイでトライアウトに参加し選んだシラキュース大学は、全米屈指の強豪がひしめく最高峰のリーグに所属する。そこに身を置き、戦えることに魅力を感じた。「日本では(身体の)大きい選手と言われるけれど、アメリカに行けば私は小さい選手になる。だからこそ、高さだけでなく何でもこなせる『万能型』を極めたい」。初の海外生活だが、学業面や施設が充実していることも同大を選んだ決め手だったという。

 進学を決意してからは言葉の壁を乗り越えるための準備にも奔走。英語の勉強を重ね、オンライン面接などを通過し、合格を勝ち取った。

  * * * *

 競技を始めたのは小学2年生の時。バレー好きの母に連れられ、地元の学童チーム「横須賀ミニーズ」に参加した。エースナンバーを背負った田浦中時代には全日本中学生選抜選手に抜擢されるなど、めきめきと力をつけ、名門・横浜隼人高へ進学。179cmの長身から織りなす強烈なスパイクを武器にコートを躍動し、3年時には、攻守の要であるアウトサイドヒッター、そして主将としてチームをけん引してきた。最後の春高バレーでは、3回戦で惜敗し、頂点には届かなかった。

 持ち味は技術面だけにとどまらない。同部の佐藤喜一郎監督(62)も太鼓判を押す"ポジティブさ"だ。「一つのプレーにミスが出ても、決して引きずらない。『次、頑張ればいい』と瞬時に切り替え、常に前を向く。そんなタフネスさがある」。

異国の地でも「不動の要」

 「アメリカへ行くこと自体に怖さはない」と言い切る。米海軍横須賀基地で働く父を持ち、アメリカの大学を経験している兄弟を持つマクアリスターさんにとって、海を渡ることは特別な冒険ではなく、ごく自然な選択肢だった。

 現在はケガの治療を優先しながら、4月からは母校での練習と調整に時間を当てる。6月頃に父と共に渡米し、そこからは1人での生活が始まる。「主将として培った広い視野を武器に、チームに欠かせない存在を目指したい。今は新しい環境でバレーができることが、ただただ楽しみです」

 佐藤監督は「のびのびとプレーができる環境で、自信とプライドを持って4年間チャレンジをしてほしい」とエールを送った。

漫画風、写実風とリクエストに応じて描き分けた作品

ラテアート写真展 消えゆく1杯に愛おしさ

 コーヒーにミルクを注いで、表面にできた白い泡の上に絵を描く「ラテアート」の作品を集めた写真展が横須賀市東逸見町の「谷戸のギャラリー按針」で開かれている。

 作者は、同市坂本町で「スーパーみねを」を営む峯尾真実さん。今から7年前、店舗の一角に小さなカフェスペースを設けた際、趣味で楽しんでいたラテアートを実演したところ、利用客から大きな反響を得た。作品を介して、客同士が作品の出来栄えを語り合うコミュニケーションツールとしての役割を担っていることにも気づき、メニューに加えるようになったという。

 展示されている作品は、似顔絵や人気アニメのキャラクター、愛らしい動物など多岐にわたる。「『飲んだら終わり』という、その場限りの儚さも作品の魅力の一つ」と峯尾さん。今回は、これまで撮りためた約2千杯の記録の中から、300杯を選んで会場に飾っている。

 開館日は3月28日(土)・29日(日)で、時間は正午から午後5時。来館自由。本人の在廊時間は、作品が完成するまでの過程を収めた動画も上映している。

市指定重要文化財「三浦按針念持仏観音像」

按針が祈り捧げた念持仏 浄土寺で年に一度の公開

 徳川家康の外交顧問として活躍した英国人、三浦按針(ウィリアム・アダムス)の没後407回忌にあたる「按針忌法要」が4月5日(日)、横須賀市西逸見町の按針菩提寺である浄土寺で営まれる。

 法要後には、年に一度だけ一般公開される市指定重要文化財「三浦按針念持仏(ねんじぶつ)観音像」の拝観が可能だ。

 ”青い目のサムライ”の異名を取る按針が肌身離さず持っていたとされる念持仏は、高さ数センチほどの小ぶりな観音像。波乱に満ちた航海の末に日本へたどり着き、武士として生きた彼の精神的な支えであったと伝えられている。保存上の理由から、普段は厳重に保管されており、その姿を間近で見られる機会は毎年この日だけに限られている。

 公開時間は法要(午後1時)終了から4時。事前申し込み不要。問い合わせは浄土寺 【電話】046・822・1033。

マイ容器持参のフェス  マシンガンズ滝沢さんトーク

 環境保護やエコ活動の実践をテーマにしたイベント「エコルシェフェス2026」が4月18日(土)、横須賀市平成町のうみかぜ公園で初開催される。主催は「地球もわたしも元気になる合同会社」を中心とするエコルシェフェス実行委員会。

 ステージでは、お笑い芸人でごみ清掃員のマシンガンズ・滝沢秀一氏や元環境大臣の浅尾慶一郎参議院議員、子ども食堂支援機構で代表理事を務める秋山宏次郎氏によるトークセッションが行われる。音大生カップル「しゅんまり歌います。」ほかのアーティストによる音楽ライブもある。

 会場には、食器・ボトル・バッグなどの「マイ容器」を持参してグルメや買い物を楽しむマルシェが登場。電気自動車(EV)から給電して運営するキッチンカーなど、環境に配慮した取り組みも多数予定されている。

 開催時間は午前10時から午後4時で入場は無料。タイムスケジュールは公式ホームページ(https://ecorchefes.com/)で確認できる。

横須賀安協の市川会長(左)と横須賀RCの山下会長

横須賀安協と横須賀RC 新1年生へ安全の贈り物

 交通安全の啓発に努める横須賀交通安全協会(市川壽一会長)と奉仕団体の横須賀ロータリークラブ(山下和男会長)が協力して、4月に入学する横須賀警察署管内の新1年生に交通事故防止のためのランドセルカバー約1100枚を贈った。

 視認性の高い蛍光色のランドセルカバーには、横浜F・マリノス公式キャラクターの「マリノスケ」が手を挙げて横断歩道を渡るイラストが描かれている。横須賀安協の市川会長は「子どもたちの交通安全意識の向上と事故防止を願っている」と話していた。

いちご よこすかポートマーケット ㈱京急百貨店 京急百貨店が施設運営

 (株)京急百貨店(本社=横浜市港南区)が、3月から三浦半島の農水産物や食文化を発信する観光拠点「いちご よこすかポートマーケット」(横須賀市新港町6)=写真=の運営・管理業務をいちご(株)(東京都)から受託し、業務を開始している。

 京急百貨店では、百貨店やショッピングセンター「ウィング」の運営で培った商品編集力や集客企画力、地域連携のノウハウを自社店舗以外の活性化にも役立てる考え。同施設が掲げる「三浦半島フードエクスペリエンス」の強化を軸に、百貨店ならではのテナントネットワークを活用した誘致や催事企画を展開する方針だ。京急グループの鉄道・バス網と連動した市内外の集客モデルを導入し、施設満足度の向上とエリア全体の回遊性強化も目指すとしている。

 同社の広報担当者は「百貨店らしさはこれからゆくゆく展開していく予定」と話している。

自費出版の一例

先着6人限定 自費出版春の相談会を横浜で開催 ベテランスタッフが丁寧に応えます

 タウンニュース営業推進部は「自費出版・無料相談会」を4月25日(土)、タウンニュース横浜本社(青葉区荏田西2の1の3 田園都市線「江田」駅徒歩3分)で行う。完全予約制の個別相談。

 「自分史の原稿を書き溜めているが、どのように本にするのかわからない」「費用の目安は」「依頼してから完成までの時間」「本屋で流通させたい」など、自費出版に関わる疑問や質問に当社のスタッフが応える。時間は一人40分程度。

 相談会では、自分史や家族史、写真集、句集など多くの事例をもとに出版の制作過程を説明。【1】原稿作成【2】本の仕様(ハードまたはソフトカバー、サイズなど)【3】表紙デザイン【4】スケジュールの確認【5】入稿【6】校正【7】校了〜印刷【8】納品までの工程、と注意すべき点などを案内する。

 希望者は4月22日(水)までに、タウンニュース営業推進部【電話】045・913・4141へ申し込み。先着6人。受付は月曜〜金曜、9時〜18時。

音楽情報 ゴダイゴ秦野公演 チケット好評発売中

 世代を超え幅広いファンを持つ日本を代表する音楽グループ「ゴダイゴ」=写真。デビュー50周年の記念ツアーが神奈川県秦野市から始まる。

 公演日は5月10日(日)。開演は午後3時(開場2時)。会場はクアーズテック秦野カルチャーホール(秦野市平沢82 最寄り駅/小田急小田原線秦野駅、渋沢駅)。全席指定8800円(当日券9300円)。チケットはホール窓口のほか、チケットぴあ(Pコード318―041)でも購入可。詳細は【電話】0463・81・1211(同ホールゴダイゴ公演事務局)へ。毎週火曜休館。

旧軍港4市のキャラに祝福された300万人目の乗船者

「軍港めぐり」乗船者300万人  ご当地キャラが祝福 横須賀観光のエンジン

 米海軍や海上自衛隊の艦船を間近で眺められるクルーズで、横須賀観光のエンジンとなっている「YOKOSUKA軍港めぐり」の累計乗船客数が3月20日、300万人達成を記録した。

 300万人目は、横浜市磯子区在住の上田次郎さん一家。島根から訪れた義母に「海軍カレー」と「軍港めぐり」の両名物を楽しんでもらうために連れてきたという。記念セレモニーでは、運営会社である(株)トライアングルの鈴木隆裕社長から記念品が手渡されたほか、旧軍港4市でつながる横須賀市、佐世保市、舞鶴市、呉市などのご当地キャラクターから祝福を受けた。

 軍港めぐりは、2008年に現在の汐入桟橋を発着所に定期航路化。観光を地域産業の主軸とする市の施策や「艦船ブーム」の影響もあり、年間20万人以上が訪れる人気スポットとなっている。

 現在、三浦半島在住者を対象に乗船料が半額となる「三浦半島市民割」を3月31日(火)まで実施している。

長崎港

三郎助を追う ~もうひとりのラストサムライ~ 第21回 文・写真 藤野浩章

「オランダの焦りの現れじゃろう」

     ◇

 安政2(1855)年8月、江戸から大きな知らせが浦賀に飛び込んできた。幕府が長崎に「海軍伝習所」を創設し、その第1期伝習生が浦賀奉行所からも選ばれることになったのだ。

 伝習の元は、オランダ。ついに開国に至る決断をした幕府はいよいよ本格的な海防に着手せざるを得なくなったが、大型船建造の解禁に続いて老中・阿部正弘はオランダに蒸気艦の購入を打診する。するとオランダは"軍艦を購入するだけでは宝の持ち腐れだ"と、軍艦を活かすための人と組織が必要だと言ってきたのだ。それで、長崎に海軍創設のための教育施設をつくり、オランダから教師団を招くことになった。異例の早さでの決定だったが、それだけ幕府は追い詰められていたのだろう。

 しかし、焦っていたのは幕府だけではなかった。冒頭のセリフは、話を聞いた時に清司が発したもの。アメリカが電撃的に日本に開国をさせ和親条約締結まで至ったことで、江戸初期から続く独占交易が崩れることを恐れたオランダによる起死回生の策だろうという。

 とにもかくにも、将来的に日本海軍となる組織に、浦賀奉行所が果たした役割はとても大きかった。士官候補生に三郎助と、同じく与力の佐々倉桐太郎(とうたろう)、下士官候補には同心の7人、さらに船大工や水主(かこ)なども選ばれている。「中島組」とも言える浦賀の勢力が、後の海軍創設の基礎となったのだ。三郎助34歳、新たなステージへの旅立ちだった。

 そして、ついに艦長候補生として"あの男"がやって来る。