さがみはら中央区版【8月28日(木)号】

ふるさと納税 流出超過30億円に迫る 寄付受入額増も差は拡大

 ふるさと納税制度による市税の流出が課題となる中、相模原市の寄付受け入れ額から流出額を差し引いた額が流出超過約29億円に上ることが総務省の調査でわかった。制度に伴う市の2025年度住民税控除額(流出額)は過去最多の約38億円。返礼品や寄付方法の充実で相模原市への「返礼品つき」の寄付額は前年度から約2億円増加したものの、流出額との差は広がっている。

 ふるさと納税は、選んだ自治体に寄付することで住民税の控除などが受けられる制度。市場規模は拡大を続けており、自治体間の返礼品競争が激化する一方、特に都市部の自治体で市税流出が課題となっている。

 相模原市の住民税控除額(流出額)は25年度、前年度比4億円以上増の38億3301万円で過去最多を記録した。

 一方で相模原市への24年度の寄付額は9億165万円。市財政課によると、企業からの寄付額も含めると10億5399万円(決算額)という。そのうち「返礼品つき」の寄付額は7億9850万円で、前年度から約2億円増えた。

 同課の担当者は「全国的に制度を利用する人が増えていることに加え、市の返礼品に魅力を感じていただけているのではないか」と話す。

 ただ、寄付受け入れ額と流出額の差額は前年度から約2億円増えて約29億円。その差は拡大を続けている。

返礼品目1・5倍

 相模原市への寄付額を増やすため、市は返礼品や寄付方法の充実、PRを強化している。8月22日時点での返礼品は昨年同月比約1・5倍の709品目。種類が増えたことに加え、既存の返礼品の定期便やセット販売などによって充実を図っている。

 市の担当者によると、キーボードやシャンプー、卵などが人気だという。手続きで使えるサイトは昨年の6種類から11種類に増えた。

現地決済型クラファン型も

 昨年9月には、手軽に寄付ができる現地決済型ふるさと納税サービス「ふるまちPay」を開始。スマートフォンから寄付を行い、その場で返礼品として市内の加盟店で使える電子クーポンを受け取ることができるというもので、市内への来訪者増加や地域経済活性化への効果が期待されている。市シティプロモーション戦略課の担当者によると、今年7月以降ホテルやレジャー施設が加盟し、利用者が増えてきているという。担当者は「加盟店、利用者数ともに増えてきているが、まだまだこれから。もっと増やしていけるよう周知に取り組んでいく」と話す。

 また昨年は返礼品や寄付自治体ではなく寄付の使い道から寄付先を選ぶ「クラウドファンディング型ふるさと納税」も実施。実施した3つのプロジェクトのいずれも目標金額には届かなかったが、動物愛護を目的としたプロジェクトでは約258万円の寄付を集めた。

 市は寄付額を増やすため、今後も返礼品や寄付方法の充実、ふるさと納税制度を活用したシティプロモーションに取り組んでいくとしている。

3MPFAS問題 発生源特定へ前進 敷地内の試験施設か

 スリーエム(3M)ジャパンイノベーション相模原事業所(南橋本)の敷地内から国の指針値を大きく超えるPFASが検出された問題を巡り、同社が7月に公開した調査結果によって、過去に泡消火剤を試験散布していた同所内の施設が発生源となっている可能性が高まった。8月8日には市民団体が3Mに健康診断の実施などを求める申し入れを行った。

地下水の流れに着目

 7月に情報公開された同所内の調査結果によると、敷地中央にある元泡消火剤性能試験場の土壌から最大で1キログラム当たり330万ナノグラムの高濃度PFOSが検出されていたことがわかった。市民団体「相模川さがみ地域協議会」の岡田一慶代表は調査結果を見て、「元泡消火剤性能試験場が発生源と考えている」と話す。

 調査では、敷地北の地下水からPFOSとPFOAの合計値で49ナノグラムが検出された一方、敷地南東の地下水からは国の暫定指針値の280倍に当たる1万4千ナノグラムが検出された。岡田代表は「地下水は北西から南東方向に流れているので、南東の地下水の濃度が高いのは敷地中央にある泡消火剤の元試験場が発生源と考えれば説明がつく」と言う。

 ただ、施設や調査地点の具体的な位置など調査方法に関する詳細な説明がなされていないため、今後説明の実施を求めていくという。

 同協議会は今回の情報公開を受け8月8日、同所を訪れ申し入れを実施。中央区の地下水を飲用したことがある住民、工場労働者のPFOS血中濃度を測定して健康診断を実施することや、浄化計画の作成、浄化の速やかな実行を求めた。

南橋本などで高濃度

 PFAS(有機フッ素化合物)は水や油をはじき、熱や薬品に強いといった独特な性質があるため、撥水剤や表面処理剤、消火剤、コーティング剤などに用いられる化学物質。環境中で分解されにくく、生物の体内に蓄積するため、現在では国内外で製造・使用が規制されている。

 相模原市内では道保川や中央区南橋本などでPFASの一種であるPFOSとPFOAの合計値が国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を大幅に超えており、問題になっている。

 地域の地下水が汚染されていることを問題視した「相模川さがみ地域協議会」は昨年、過去に泡消火剤などのPFOS、PFOA関連製品を製造していた同所に情報公開請求を実施。同所内で高濃度のPFASが検出されていたことを突き止めた。

 今年2月には同協議会を対象とした3Mジャパンによる説明会の実施にこぎ着け、相模原事業所で泡消火剤の消火テストを過去に行っていたことを把握した。

市は浄化実証試験

 市内で高濃度PFASの検出が問題となっている中、相模原市は8月19日、道保川公園での浄化実証試験を実施することを明らかにした。昨年包括連携協定を締結した株式会社奥村組からの呼び掛けにより実現した。

 試験は今年10月からおよそ3カ月間行われる予定。公園内に処理施設を設置し、活性炭などによって水質中のPFASを除去する。また、公園内の水等を活用して同社で研究・開発中の浄化技術に関する試験を行う。

9月にシンポジウム

 市民にPFAS問題への関心を持ってもらうため、桂川と相模川を守る活動を行う「桂川・相模川流域協議会」は9月27日(土)、シンポジウム「いのちの水大丈夫?〜公害の歴史から考えるPFAS問題〜」を杜のホールはしもとで開催する。午後1時から4時まで。参加費無料。9月18日(木)までに要事前申し込み。(問)同会神奈川県事務局【電話】045・210・4352

バンド「ティンペッツ」のボーカルとして活動する 吉田 翔平さん 南区在住 35歳

「似たもののない」音楽を

 ○…来月結成8周年を迎える4人組バンドのフロントマン。結成当初から掲げているテーマは『踊れて・少し泣ける』。「長く活動を続ける中で、自分たちの音楽が『変というか結構変わってる』と気付いた。でも、刺さる人には刺さるみたい」。昨年から今年にかけては、全国主要都市と台湾を回る全13公演のツアーを完走。自由でポップでどこか懐かしい、「何にも似ていない音楽」が幅広い世代から支持されている。

 ○…相模原市で生まれ育つ。中学2年生の時に見た「ミスチル」のライブで「脳に電撃」が走り、家にあった父のギターを手に音楽の世界へ。「強いバンドを倒せるようになったら」正式にバンドを組もうと、長くソロプロジェクトという形で研鑽を積んだ。27歳の時、中学の同級生らと満を持して結成したのが「ティンペッツ」だ。

 ○…かつては「売れないもどかしさ」を感じたこともあったが、大ファンだったバンド「セカイイチ」の岩崎慧さんに言われた「君が同じステージに立つまで僕は音楽をやめないから」という言葉を胸に、ひたむきに音楽に向き合った。共演は22年、ティンペッツ結成の5年後に叶った。

 ○…「夢が叶って、今は人生のボーナスステージなんですよ。だから、他人を羨んだり無理な背伸びをしたりということが全くない。ピュアな気持ちで音楽ができている」。長く都内で活動を続けてきたが、今年行った「思い出の会場」町田ThePlayHouseでのライブをきっかけに、地元での活動をもっと楽しみたいと考えるように。新たな一歩として、9月からは地元ラジオの冠番組が始まる。「地元の人とファンをつなぐ場になれば」。ピュアで自由な音楽で、相模原を盛り上げる。

SC相模原の西谷義久社長

SC相模原 躍進と苦戦、クラブの未来 シーズン終盤へ 西谷社長インタビュー

 サッカーJ3・SC相模原は今シーズン、優勝とJ2昇格を目標に掲げて挑んだものの、14試合を残して20チーム中13位(8月25日時点)と苦境に立たされている。一方で天皇杯ではJ1、J2のクラブから次々に白星を挙げ、クラブ初の準々決勝進出(ベスト8)という快挙を達成(同日時点)。ピッチ外では、クラブが6月にJリーグに提出した海老名市内でのスタジアム整備計画が市内外で話題を呼んだ。ファン・サポーターや地元企業、各ホームタウン市民の間ではさまざまな見方があるが、クラブのトップはチームの現状をどう捉え、クラブの未来をどのように描いているのか。西谷義久社長に話を聞いた。(8月20日取材)

「本来は力がある」

――天皇杯での快挙

 「前々回のチャンピオンである川崎フロンターレに勝つなど、いわゆる格上に結果4連勝した。コロナ期間を除くとJ3クラブ史上初のベスト8。そういう意味では大きな躍進、クラブの価値を高めるようなチームとしてのパフォーマンスを発揮してくれた。それによって応援してくださっている人、ホームタウンにゆかりのある人たちが誇りに思ってくれたことは、我々が望んで目指してきた姿に近づいていると感じている」

――結果が出ている要因

 「本来はそれなりに力があるということかなと思っている。細かいところでは、先制されず拮抗した状態になればトーナメントはPKになる。そうなれば良いキーパーもいるので、なんとか勝てるかもしれないというのはあった。タフな守備、先手を取られず我慢して戦う、チャンスをものにする――そういうことが天皇杯で勝つことで着実にできてきている感じはある」

 ――それがリーグ戦ではできていない

 「本来天皇杯でできている展開をリーグでも徹底してやっていくことで欲しい結果が出てくるのだと思うが、それができず安定した戦いができていない。データを見ても、上位クラブと比較すると見劣りしている。シーズン開始当初に定めた『ここをクリアできれば昇格できる』という水準に対しても、大半の項目はクリアできていない。サッカーは戦術や相手があることで、わかっていてもできないというのが難しいところ。

 徹底してタフに守ってそこからスピード感を持って前に出ていけるチームが上位に来ている。それが今のJ3だということは当初からわかっていた。本来は天皇杯のような躍進をリーグ戦でも期待していたし、それができるチームだと思っているが、できていないのが事実。

 そうはいってもクラブは続いていく。ここから今年巻き返していく、という意味でも、その先を見据えてという意味でも、ジュニアユース出身の中山陸選手を獲得した。クラブとしてはこれからの顔として活躍を期待したい選手。彼がチームを引っ張っててくれるといいなと思っている」

「地域をよくするため」

――地域との関わりについて

 「地域の社会課題解決に向けた社会連携活動『ジモトアイプロジェクト』を始めて3年目。より一層活動の幅や深さ、関わっている人の数が増えて、クラブとして力を入れて取り組んでいることが形になってきている。プロジェクトをきっかけにパートナー企業になってくださる企業も増え、反響も大きい。地域をよくするために必要なことに、企業と一緒に取り組むことで、貢献できている実感、手応えはある。

 来年以降についても今協議しているところ。今ある活動をより良く見直す事だけでなく、新しい構想もある。SC相模原は地域の中でハブになれる存在だと思うので、いろいろなつながりを活用しながらできることを続けていきたい」

「『できてよかった』と思ってもらえるスタジアムを」

――J2ライセンスの交付申請にあたり海老名市内でのスタジアム整備を発表。大きな話題に

 「(当初スタジアム整備を目指していた相模原駅北口の相模総合補給廠一部返還地は)地元の人たちにとって、新しいまちのシンボルとなるようなまちづくり、アイデンティティを感じられるようなインパクトのあるものが期待されている場所だと思っていた。自分たちとしては、今はまだまだだが、スタジアムができる頃までにそれにふさわしい存在になりたいと思って、最初から最優先で何年も取り組んできた。そこでやりたかったのはみなさんと同じ気持ち。そこは残念だったが、相模原市が相模原市の未来を考えて決めたこと。それは尊重されるべきで、市民が選んだリーダーが決めたことだと受け止めている。

 一方で、ホームタウンは相模原市だけではない。大事なのは、より臨場感を持って非日常を味わいやすい観戦環境、アクセスの良さ、周辺のまちづくりの発展も含めて期待できる場所であること。そこには経済的な合理性も必要。

 クラブとしても、今のままで良いということではなかった。(現在ホームスタジアムとしている)相模原ギオンスタジアムのアクセスや駐車場の問題、陸上トラックがありピッチと観客席の距離があることや周辺環境といった状況からすると、変わっていくことを望んでいた。その中で、(ライセンス交付申請期限が迫っていて)本当にギリギリだったが、ありがたいことにホームタウンの中であまり離れずに計画できる場所があったということはありがたく、幸運なことだった。

 発表の反響は想定よりも大きかった。今はいろいろな感情があるかもしれない。でも、実現できたらみんなが『ここにスタジアムができてよかった』と思えるものになると思う。そういう場所を作れる自信はあるし、そう思ってもらいたいなと思っている。実現しないとJリーグの中で生き残れないので、あとはそこに向けてやるしかない」

練習場整備「重要」

――より良い練習環境という点で、天然芝の練習場整備に向けて現状は

 「実現に向けたハードルはまだあるが、具体的に費用面や時期も含めて手を尽くしている段階。タフなトレーニングができる練習環境の整備はスタジアム以上に重要な、クラブを前に進めるために必要なこと。目先の結果は大事だが、その結果のためにも必要。しっかりと課題認識を持って取り組んでいる」

――市民に向けてメッセージを

 「まずはプレーオフ進出に辿り着けるように巻き返したい。そのためにホームタウンの皆さんからのスタジアムでの後押しが一番選手の力になることは間違いないので、ぜひ足を運んで力を貸していただきたい」

(仮称)南部学校給食センター建設予定地

中学校給食 「全員喫食」17校で遅れ センター建設地で廃棄物確認

 相模原市は8月15日、中学校給食の全員喫食に向けて整備する(仮称)南部学校給食センターについて、給食提供の開始予定日を見直すことを発表した。市は2026年12月の全員喫食開始を予定していたが、同センターから給食が配送される予定の中央区・南区の17校で遅れが生じる見通し。

6カ月以上延期か

 センターの整備に向けて解体を進めている旧東清掃事業所(南区古淵)の工事現場で地中構造物の中に焼却灰と思われる廃棄物が確認され、事業用地の引渡しや着工時期が遅れるため。調査によって廃棄物が焼却灰と判断された場合には用地の引き渡しに6カ月以上の延期が想定されるという。

 市清掃施設課によると、廃棄物の分析調査については8月末に速報値、9月に正式な結果がわかる見通し。市は調査結果を踏まえて解体工事の作業計画を作成し、整備を行うPFI事業者と提供開始予定日について協議するとしている。

「安心安全が重要」

 市内の公立中学校では現在30校で弁当持参との選択制であるデリバリー方式(ランチボックス)が採用されており、早期の全員喫食が課題となっている。市学校給食課の担当者は「延期は大変残念だが、安心安全な給食という点が重要。安心して食べてもらえるよう、丁寧に取り組んでいきたい」と話している。

 同センターと合わせて整備を進めている(仮称)北部学校給食センターから配送される中央区・緑区内の10校と、既存のセンターから新たに配送する3校については、当初の計画通り26年12月1日の提供開始が予定されている。

かき氷を頬張る作業員たちと大久保代表取締役(右)

作業員にかき氷を提供 南区の建設会社

 中央区内の公立小学校の工事現場で8月20日、作業員にかき氷が振る舞われた。工事を請け負う南区麻溝台の建設会社「株式会社カナコー」のグループ企業「アットホームプラス株式会社」のスタッフが用意したもので、飲食店で提供しているかき氷を現場で作り、約50人の作業員に配った。

 気温が30度を超える中、少しでも涼しさを感じてもらい、熱中症予防につなげようと企画された。イチゴ、ラムネ、抹茶の3種類の味が並び、休憩時間に入った作業員が列を作って受け取っていた。

 参加した作業員からは「励みになる」「冷たくて生き返る」と笑顔がこぼれた。同社の大久保貴章代表取締役は「これからも熱中症対策をしっかり講じていきたい」と話していた。

相模原芸術家協会 9日まで協会展 市民ギャラリーで

 相模原市内に暮らす40人ほどのプロ画家・彫刻家で構成される「相模原芸術家協会(成田禎介会長)の協会展が現在、相模原市民ギャラリー展示室で開かれている。9月9日(火)まで。午前10時から午後6時(最終日は3時)まで。観覧無料。水曜休館。ミニ展示コーナーでは元会員の故・上條明吉氏の作品も紹介されているほか、6日(土)にはギャラリートークも予定されている(午後2時〜/手話通訳対応可)。

 同協会は大人向けの絵画教室や子どもセンターでのワークショップなど、市の芸術文化振興にも寄与している。(問)同協会事務局・堤さん【電話】046・255・8304
アートが灯る仲尾歯科医院の入り口

商店街を彩るアート展示 多摩美「軒下プロジェクト」

 JR相模原駅周辺の商店街で現在、多摩美術大学(東京都八王子市)によるアート展示「軒下プロジェクト in 相模原」が開催されている。9月7日(日)午後3時まで。

 同大学が実施している、学科や学年を越えて横断的に研究や社会課題に取り組む授業「PBL(Project Based Learning)」の一環。同大学で講師を務める作家の開発好明さん主宰で以前から各地で行われている。相模原市内での開催は今回が初めて。9人の学生がさがみ夢大通り、氷川通り、さんはぜ通りの商店と学内外の作家をつなぎ、展示企画の立案から運営までを担っている。花屋「Hanahide」の軒先には岩石を模したオブジェ、「相模原土地開発(株)」の軒先にはマスコットキャラクターであるカバなど、各店舗に合わせた個性的な作品が展示されている。

 プロジェクトをまとめるのは同大学3年の渡邉真帆さん。渡邉さんは「ぜひ作品と一緒に街を味わってほしい」と話し、展示が街の新たな一面に気づくきっかけになればと期待を寄せる。

 展示場所の一つである仲尾歯科医院の院長・仲尾博史さんは「アートによって殺風景な外観が親しみやすくなった」と笑顔を見せた。

 展示場所や各作品については同展示のInstagramアカウント(@nokishita2025_)から確認できる。

市職員採用 秋試験を実施

 相模原市は8月18日、2025年度市職員採用試験(大学卒業程度・免許資格職)秋試験を実施することを発表した。試験区分は【1】大学卒業程度(行政、社会福祉、土木、建築、造園)【2】免許資格職(理学療法士)。

 受験案内は「行政(大学卒業程度)」が9月1日(月)、その他の試験および社会人経験者選考は12日(金)に市HPで公表される。詳細は市HP「職員採用案内」から。

川柳募集

 タウンニュース相模原支社では毎月月末号に掲載される「タケシの万能川柳」の川柳を募集しています。投句いただいた作品は毎日新聞「仲畑流万能川柳」などでおなじみの水野タケシさんが選句します。応募方法は右記枠内に。
ノジマステラ2025/26シーズンの前期ポスター

女子サッカー ノジマステラ 31日、「実質」ホーム開幕戦 ギオンスで午後5時開始

初戦中止に

 女子プロサッカー、ノジマステラ神奈川相模原が、8月31日(日)午後5時から相模原ギオンスタジアム(南区下溝)でサンフレッチェ広島レジーナを迎え、「2025/26 SOMPO WEリーグ」のシーズン第4節に臨む。

 8月に始まった今季は10日に同スタジアムで開幕戦を実施する予定だったが、天候不良で中止となった。そのため31日の試合は実質的な「ホーム開幕試合」となる。

12チームで競う

 今季のWEリーグは12チームによるホーム&アウェイ方式の2回戦総当たりで、来年5月まで年間全132試合が開催される。ステラは8月25日時点で0勝2敗で最下位。

 当日は午後3時からスタジアム場外に「ステラパーク」が開園。グッズや飲食売店が並ぶほか、サイン会や子ども向けアトラクションが行われる。家族で楽しめる「遊び」も充実しており、フットダーツやスーパーボールすくい、夏限定の水鉄砲的当てなどが用意される。さらに、相模原や近隣から集まった6台のキッチンカーが出店し、ロングポテトや相模チキンを使った焼きそばなど、多彩なグルメが並ぶ。

うちわ配布

 来場者プレゼントとして、先着1000人に今季のポスターデザインを元にした「うちわ」が配布される=画像。

 未就学児・小中学生は「ドリームPASS」を申し込むと、シーズンを通してステラのホームゲームを無料で観戦できる。対象席はメインスタンドA自由席、ホームゴール裏芝生席のいずれか。

 チケットの詳細はチーム公式ホームページで確認できる。当日券も発売予定。

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けん玉で遊べる駄菓子屋「もしかめや」で行われた販売会

熊本への支援呼びかけ 市内2団体が販売会

 記録的な豪雨によって大規模な浸水被害が発生した熊本県を支援しようと、福祉と環境を考えるボランティアグループ・青い鳥(前川好子代表)とNPO法人けやきの会(小笠原志穂理事長)が8月18日から23日までの6日間、淵野辺でチャリティー販売会を実施した。

現地につながり

 8月10日からの大雨で住宅が浸水するなど大きな被害が出た熊本県。青い鳥の前川代表は、同県玉名市に拠点を置く「認定NPO法人れんげ国際ボランティア会」と交流があることからすぐに支援を考えたという。

 前川代表の呼びかけにけやきの会が賛同し、同会が運営する「けん玉で遊べる駄菓子屋『もしかめや』」を会場として迅速な支援が実現。もしかめや施設長の山田龍さんは「これまで被災地への支援を直接行うことは少なかったが、青い鳥さんとの縁で協力することができた」と話す。

 会場では青い鳥が作成した布ぞうりやアクセサリーなどの手作り小物が並んだほか、けやきの会が駄菓子を用意し、子どもたちからの支援もあった。6日間で集まった約2万8千円はれんげ会に全額寄付される。

「継続して支援を」

 前川代表は「本当は災害が起こらない、支援が必要な状況にならないことが一番良いが、過去に災害のあった地域も含めて今後も支援を続けていきたい」と話していた。

 青い鳥は使わなくなった衣類などをアップサイクルして販売し、収益を福祉団体や被災地に寄付している。9月28日(日)にはエコパークさがみはらで被災地支援のチャリティー販売会を出店する予定。

チラシを持つ市健康増進課の高橋さん

歩いて健康と景品ゲット 健活チャレンジ 9月から

 市の健康づくり事業「健活!チャレンジ」が9月1日(月)にスタートする。開催期間中にウォーキングなどの健康づくりに取り組むと抽選で400人以上に景品が当たるというもの。対象は市内在住・在学・在勤の18歳以上の人。

 健康のための取り組みを市民に習慣づけてもらうことを目的に、2019年から実施している事業。今年で7回目の開催となる。個人部門に加え、23年からは5人以上のグループ部門も設けられ、昨年は28チームが参加した。参加者の平均歩数やグループの人数で競うグループ部門は、グループ内での声掛けなどでモチベーションを維持しながら取り組めるという。

スマホ・レポートで

 参加者はスマートフォンのアプリを活用して登録を行う。期間中に1日平均6000歩以上のウォーキングを10日以上続けると景品の応募資格が付与される。グループ部門は参加事業所・団体の代表者による登録が必要。スマートフォンを持っていない人や歩くのが困難な人は、専用用紙に健康づくりの目標を自身で設定しレポートを市健康増進課に提出することで参加できる。

 同課の高橋紀人さんは「誰でも気軽に参加できる取り組み。景品も充実しているので多くの市民に健活チャレンジをしてもらいたい」と話す。景品には家庭用ゲーム機をはじめ、健康器具やホームタウンチームのユニフォームなどが用意されている。

 開催期間は個人部門が9月1日(月)から26年2月28日(土)まで、グループ部門が10月1日(水)から12月31日(水)まで。問い合わせは市コールセンター【電話】042・770・7777へ。

本村市長(写真左)に報告する各団体の代表者

自由な発想で地域貢献 大学生5団体 補助受け活動

 地域資源を活用し大学生が主体となって活動する団体に対し、市が最大30万円の補助金を交付し支援する「さがみはら大学生チャレンジ応援事業(さがチャレ)」において、今年度は5団体の採択が決まった。8月20日には各団体の代表者が本村賢太郎市長を表敬訪問。これからの取り組みや現在抱える課題などを報告した。

 学生ならではの発想で、地域の子どもや企業と連携して行うさまざまな取り組みを支援する事業。市は2022年度から16歳〜30歳の人で構成される青少年団体を対象に支援をしていたが、これまでの事業で大学生による活動に大きな成果を見出したことから今年度より大学生を主体とした団体に限定しての実施となった。

 今年度補助金の採択を受けたのは▽ヒヤクLABO(「学生と企業の協働・交流」の仕組みづくり)▽教探地域交流サークル-PFC祭実行委員-(地域の推しを見つけるPFC祭の実施)▽たまぼら・佐野川プロジェクト(佐野川地域の耕作放棄地である茶畑の再生と茶の販売)▽学生団体ゆめどこ(子ども向け段ボール工作イベントの実施)▽ヒヤクキチ(学生と地域の協働で創る地域交流、学生祭の実施)--の5団体。

意欲と課題を報告

 市役所を訪れた、ヒヤクLABOの山口花南さんは「今年立ち上がったばかりの団体。学生と企業がつながることのハードルを下げられる取り組みをしていきたい」と話した。

 緑区佐野川地区に広がる茶畑でとれる「佐野川茶」の栽培から販売まで行う、たまぼら・佐野川プロジェクトの荻野依那さんは「コロナなどの制限もなくなり活動も盛んになってきている。ただ、販売に関してイベントも不定期なので収穫も思うようにできないのが現状」と課題を報告した。

 学生らの声に対し本村市長は「要望があれば何でも相談してほしい。若い力で一緒にワクワクする相模原を作っていきましょう」と話した。

メイクを受けるステラ選手(写真は岡本オーナー提供)

POLA並木店 地域のつながりから ステラ選手を美容で応援

 ノジマステラ神奈川相模原のその年の顔となるポスタービジュアル。撮影時のメイクやケアを担当しているのが「POLA 相模原並木店」のスタッフだ。

 同店が2021年に「さがみはらSDGsパートナー」に登録したことがきっかけとなり、チームとの接点が生まれた。株式会社POLAが目指す「地域に根差した活動」を模索し「私たちにもできることは何かないか」と考えていたところ、チームからメイクを担当してほしいと声がかかった。「選手もモチベーションにしてくれている」と岡本雅美オーナー。「応援する気持ちは年々大きくなっている。今年も頑張って」

販売される一例。市の木、ケヤキがデザインされた直径600mmのふた=市提供=

数量限定 市がマンホールふた販売 9月1日から申込受付

 相模原市は規格が変更になり使われなくなった下水道マンホールのふたを初めて販売する。

 サイズは2規格あり、直径600mm(デザイン6種)が3300円、直径300mm(同2種)が2200円(ともに税込)。それぞれ10枚の数量限定。購入は各規格1枚までで、希望者多数の場合は抽選となる。

 今回の販売は下水道について身近に感じてもらうことを目的とするもの。市下水道保全課の担当者は「下水道や環境について普段はあまり注目していない人にも、これを機に興味を持ってもらい、下水道や水を大切にするきっかけになったら嬉しい」と話している。

 担当者によると、愛知県豊橋市・一宮市、埼玉県寄居町、茨城県水戸市など他の自治体でも同様の取り組みが行われており、「茨城県龍ケ崎市で6枚のマンホールふたを販売した際には39人の応募があり、倍率は6・5倍に達した」という。

 申し込み期間は9月1日(月)から30日(火)まで(必着)。申し込みは市ホームページ(相模原市 マンホールふた販売で検索)に掲載されている申込用紙に必要事項を記載し、下水道保全課へ郵送または直接持参する。申し込み条件、ふたの写真や詳細も同ページから確認できる。

 販売されるふたのうち2枚は申し込み期間中、市役所本庁舎本館1階のインフォメーションコーナーで展示される予定。問い合わせは同課【電話】042・707・1908。

あじさいメイツのパンフレットと高橋統括部長

あじさいメイツ 「最大の良さは共済」 医療法人社団相和会に聞く

 市内事業所の福利厚生の一翼を担っている(公財)相模原市勤労者福祉サービスセンターのあじさいメイツ。健康診断、地元商店のクーポン券、慶弔見舞金など、さまざまな形で福利厚生をサポートしており、8月1日現在で、1439事業所、約2万人が加入している。サービスに加入して40年超の医療法人社団相和会(中央区淵野辺)の高橋治彦統括部長にその魅力を聞いた。

恩恵行きわたる

 相和会は昨年開院70周年を迎えた渕野辺総合病院や、健診ステーションさがみはら、介護老人保健施設青葉の郷、横浜ソーワクリニックなど相模原や横浜で12の施設を運営している医療法人社団。およそ1200人の職員が「医療・保険・福祉」の3つの事業に取り組んでいる。

 加入条件の関係で現在は730人ほどがあじさいメイツに加入し、サービスを利用。高橋統括部長は「最大のメリットの一つは共済給付金」と話す。施設の利用割引だけでなく、永年勤続や冠婚葬祭などでの幅広い給付があるため、福利厚生の恩恵が行きわたるようになっている。「『会費を払ったけど使いませんでした』ではなく、共済がある」

 サービスの中には横浜での体験メニューなども含まれており、同法人のように相模原以外のエリアに拠点がある場合も利用可能なサービスが展開されている。健診などへの助成があり、健康面のケアができる点も特徴だ。

キャンペーン中

 あじさいメイツでは現在、加入キャンペーンを実施している。対象は相模原市内の勤労者とその事業主。11月30日(日)までに加入すると加入人数に応じて最大8万円分の商品券がもらえる。さらに紹介者がいる場合は紹介者にも最大4万円分の商品券の特典がある。

 担当者は「雇用の確保、従業員への健康サポート、職場の活性化などで福利厚生を重視する事業所が増えています。あじさいメイツは、市の外郭団体として地域密着の運営に取り組んでいます。福利厚生をあじさいメイツに委託することで業務の効率化を図ることが出来ますので、福利厚生の見直しや拡充の際はぜひご検討ください」と呼び掛ける。

 キャンペーンの問い合わせはあじさいメイツ(公益財団法人相模原市勤労者福祉サービスセンター)【電話】042・775・5505へ。

号令係などの1日の係を決める子どもたち

減る異年齢遊び、その意義 違い理解し関わる力育む

 道端や公園など、まちなかで子どもたちが年齢関係なく遊んでいる光景をあまり見なくなったと感じる人は多いのではないだろうか。一方、市内には年齢の異なる子ども同士の交流を意図的に作り出す試みもある。現場を取材し、異年齢遊びの意義を考える。

 「Aさんの好きな色は何ですか?」「Bさんの好きな曲は何ですか?」--。これは0〜12歳の子どもの保育施設OHANA(上溝)での一場面。一人が周りの子どもに自由にインタビューをする時間で、質問の難易度を年中から小学5年生までの相手に合わせて変えている様子がうかがえる。

 昨今、きょうだいの数の減少や塾などの習い事、子どもだけで外で遊ばせることへの不安、地域関係の希薄化などのさまざまな要因によって、学校・保育園以外で子どもたちが年齢関係なく遊ぶ機会が減少しているとの指摘がある。

 年齢が異なる子ども同士の遊びには、さまざまな立場の他者を理解し関わる能力を高めるなどの効果があると言われており、相模原市内でも小学校や幼稚園などで異年齢遊びの時間を設けている事例がある。

子育て支援施設OHANA

 OHANAでは夏休みの間、幼児から小学生までの子どもたちが一緒に過ごしていた。取材した8月18日は「朝の会」から始まった。午前8時頃、最年長の児童が「みんな時間見てね」と周囲に呼びかけると、それぞれおもちゃを片づけて部屋を移動。全員が椅子を机にしっかり収めるところまで年長児が注意を払っていた。一般に、異年齢遊びでは年上の子どものリーダーシップが育まれると言われている。

 朝の会では一人の児童が一緒に過ごす子ども一人ひとりにインタビューをした。年中児には「好きな色」を、小学生には「好きな曲」を質問。曲名を問う質問の方が、音楽を楽しむ習慣や好きな曲の名前を意識して記憶することが必要になるため、多少高度な問いだ。聞く内容を相手に合わせて自然と変えている。

 朝の会の後は外遊び。橋本を拠点にする社会人サッカーチーム「サルティスタ橋本FC」の選手らと一緒に遊んだ。保護者や保育の先生とは異なる立場の「お兄さん・お姉さん」と水鉄砲で戦ったり、遊びの中で巧妙に欺かれる経験をしたりしていた。

 チームの有山蒔恩代表はOHANAとの交流を定期化していくと話す。「子どもたちと長期的な関係を築いて第三の頼る先になれたらいい」。こうした時間は子どもたちにとって、地域のさまざまな立場の人と関わる貴重な時間になっている。

立場の差異が刺激に

 OHANAの村田加奈恵代表は、異年齢遊びを通して「例えば一人っ子の子で自己中心的な性格だった子が、目上の子から優しく接してもらう経験を通して幼い子たちにどう関わればいいのかを学び、自分の思いを一旦置いて、幼い子に『どうしたい?』と聞いてあげられるようになった」と話す。

 小学生からOHANAに入り、なかなか自我を出せずにいた子が、0歳からいる子がスタッフに遠慮なく甘えたり思いをぶつけたりする姿を見て、徐々に「自我を出しても良い場所」と気づき、自身の良いところ・悪いところを遠慮なく出せるようになったこともあるという。

和泉短大・松山教授

 子どもの異年齢遊びの現状や意義について、保育者を育てる教育機関・和泉短期大学(青葉)で保育学や幼児教育学を研究している松山洋平教授に話を聞いた。

 「少子化が進行しているので、同学年であっても子ども同士が遊ぶこと自体難しくなっている。少子化進行前、ベビーブームのときの構造であれば、まちで放課後に遊ぶことが普通にあった。小さい子は鬼ごっこで鬼にタッチされても鬼にならないなど、異年齢で遊ぶコツを自分たちで生み出していた」

 異年齢で遊ぶ意義については「違うモデルを見ること」と話す。「『できること、考えていること、使う言葉がちょっと違う』は異年齢のほうが起こりやすい。憧れを抱くこともあるし、自分とは違う存在として他者を見ていく機会になることが多い」

「広がろう、つながろう」

 今、地域社会で危惧されているのは子どもたちの異年齢遊びの機会の減少だけではないという。松山教授は「親も孤立している。今までは地域にドラえもんやサザエさんの社会があったが、今はそれぞれが閉じていく方向にある。家庭、学校、保育園などのコミュニティを他に開き、もう一度広がり、つながることが豊かさになる。こういうまちづくりの一つが子育て支援施設OHANA」と話す。

ティンペッツのメンバーたち

ティンペッツ 新曲配信リリース 相模原ゆかりのバンド

 相模原市出身・在住の吉田翔平さん=人物風土記で紹介=がボーカルを務めるバンド「ティンペッツ」が9月3日(水)、新曲『ガラスのビート』を配信リリースする。曲は各ストリーミングサイトで聞くことができる。

 ティンペッツは吉田さんを中心に中学校の同級生らで2017年の秋に結成した4人組バンド。コンセプトは「似た音楽はないが たしかに生活のそばに在る」「踊れて・少し泣ける」。東京を拠点に精力的に活動を続けており、9月2日に結成8周年を迎える。

 約1年ぶりとなる新曲は、ティンペッツらしい独創性とポップさが光る楽曲。吉田さんは「曲ができた後に自分が就職したので、『就職 決めちゃって からの持ち場についちゃって』という歌詞(作詞はギターのNamaeさん)に説得力のある生き方ができています(笑)。刺さる人には刺さるはず」と話している。

FMHOTで冠番組開始

 結成8周年にあたり、地域のリスナーとバンドをつなぐ新たな発信拠点として9月2日(火)から地元FM放送局「FMHOT839(エフエムさがみ/83・9MHz)」で初の冠番組「ラジオティンペッツ 翔平HEY!」をスタート。吉田さんがパーソナリティを務め、毎回ゲストを迎えて生放送でさまざまなトークを繰り広げる。放送は毎週火曜日午後9時〜9時30分。

教員の指導のもと実験を行う参加者

高校生活を疑似体験 麻布大附属が学校公開

 淵野辺の麻布大学附属高等学校で8月22・23日に恒例のオープンスクールが開かれた。2日間で市内外から中学生約5千人が訪れ、毎年好評の個性的な体験授業や部活動見学、食堂開放などを通して高校生活のイメージを膨らませた。

高3の実験に挑戦

 今年の体験授業は「ちいかわを『読む』(国語)」、「小学生からきざむ 脳ミソのシワ(総合講座)」など教科別に全7講座が行われた。

 「フルーツ香料ラボ 〜実験で化学の秘密を探る〜(理科)」では、高3の内容という人工香料づくりを実施。参加者は同校の教員と生徒のサポートのもと、ガスバーナーで水を加熱したり液体を試験管に入れたりする作業を行い、最後は出来上がった強い香りに驚きの声を上げていた。

 川崎市から訪れたという中学3年生の生徒は「身近にある匂いの作り方を知ることができて楽しかったし、その中でさらに気になったこともあった。先生や高校生もみんな優しくいい人たちだった」と話していた。

 授業を担当した教師は「身近な内容で、結果や手順がわかりやすい実験を選んだ。コミュニケーションを取りながら進められることが実験の醍醐味の一つ。最初は慣れない環境で緊張している様子だったが、打ち解けて楽しんでくれていたのでよかった」と振り返った。

自身の経験を語る沼田さん

麻布大学 「出る杭」伸ばす プログラムの成果を報告

 麻布大学は8月20日、ヒト・動物・環境の持続的健康社会の構築のために世界をリードできる人材の育成を目指す「麻布出る杭プログラム」の総括シンポジウムを開催した。同大学副学長の菊水健史さん、高大接続・社会連携プログラム開発センター長の前田高志さん、学生3人が登壇して成果を報告したほか、大学教員、学生、高校教員によるパネルディスカッションが実施された。

 登壇した同大学大学院獣医学研究科1年の沼田菜雪さんは、同プログラムを活用して大学院科目を早期履修し、学部時代から複数回学会発表を経験できたという自身の体験談などを発表。「早くから専門的な知識に触れられたことで、大学院進学後もより充実した研究ができるようになった」と話した。

発災の前に対策を 市HPでは各種情報を発信

 2019年の10月12日から13日にかけて関東地方を通過した令和元年東日本台風。市内では特に中山間地域を中心に多数の土砂災害が発生した。

 相模原市が22年にまとめた災害記録誌によると、長時間の記録的な豪雨により、城山ダムで運用開始以来初となる緊急放流(異常洪水時防災操作)が行われた。これにより洪水の危険性が高まり、過去最多となる6000人以上が風水害時避難場所に避難した。市内は200カ所以上の土砂崩れが起き、300件以上の家屋の倒壊、浸水が発生。停電・断水は約4000件で起き、400カ所以上で道路などが損壊した。

 東日本台風の被害を受けて、市では風水害時避難場所を拡充。さらに、「さがみはら防災ガイドブック」の全戸配布を実施した。小学校などでマイ・タイムラインの作成促進を行うなど、一層の防災知識の普及啓発に努めている。

台風シーズンへ

 これからは秋の台風シーズンに突入する。「大雨が一番強く降ってから1時間以内、あるいは3〜4時間を中心としてがけ崩れが起きやすい」ということが統計的に知られており、この時間帯は特に注意が必要となる。

 市では前述の防災ガイドブックやホームページなどで洪水や土砂災害から身を守る方法などを紹介している。風水害の大きな特徴は発災前に避難することができること。突然起こる地震に対して、台風や大雨などは気象庁などからさまざまな防災情報が発表され、情報をキャッチすることで対策することができる。

 台風や集中豪雨に対する家の備えとしては「瓦など、屋根材の点検(風で飛ばされないか)」「アンテナポール、支線の補強」「雨戸などの補強」「雨どいのつまりの除去」「納屋や物置の危険性などの確認」などを挙げる。さらに、大雨などで道路から雨水が流入することを防ぐ土のうの準備(各土木事務所で状況に応じ支給)、停電に備えて懐中電灯や携帯ラジオの用意もポイントに挙げている。

 市ホームページでは防災ガイドブックを閲覧できるほか、さまざまな災害対策を紹介している。

いざの時、慌てない 「マイ・タイムライン」のススメ

 「マイ・タイムライン」とは、家族構成や地域環境に合わせて避難行動を時系列で整理する防災行動計画。災害の警戒レベルや避難情報に合わせて、避難手段やタイミング、備蓄品の持ち出しなど行動の目安を確認しながら自身の行動計画が立てられる。

 相模原市は進行型災害(風水害)用と突発型災害(地震)用の2種類のタイムラインシートを用意している。ともに市のWEBサイトからダウンロードが可能だ。

「防災さんぽ」で避難経路の確認

 地域を歩きながら避難場所や避難経路、災害時の危険箇所、防災施設などを確認する活動「防災さんぽ」。これも大きな備えのひとつだ。

 確認するのは【1】自宅から避難場所まで移動ができるか【2】準備した避難グッズを持っての移動ができるか【3】夜間や地震等で壁などが壊れていた場合、遠回りの経路や夜間経路でも移動できるか【4】避難所まで移動ができない場合、代わりとなる場所があるかどうか。

 散歩をする際は事前にハザードマップで避難経路、危険箇所を確認しておき、増水など災害時を想像しながら避難所までのルートを歩く。ハザードマップは印刷するかスマホで確認し、危険箇所をメモできるよう準備する。崖、マンホール、橋、低地など危険箇所に注意し地図上にメモをとりながら、地域をめぐり歩く。

(右から)丸山さん、歌さん、賛助会員として30年にわたり活動を支える近藤恵子さん

80年が経ったという現実 相模原原爆被災者の会

 広島、長崎への原爆投下から今年で80年。生存する被爆者の数が10万人を下回り、平均年齢は86歳を超える中、「相模原原爆被災者の会(相友会)」は設立から50年を迎えた。会長の丸山進さん(85/南区相模台在住)は、「80年が経ち、関心が薄れてきている、忘れられてきているということは痛切に感じる」と話す。

風化、軍拡―募る不安

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が昨年ノーベル平和賞を受賞したことで被爆者たちの長年にわたる活動が認められたものの、以前に増して世界では核兵器使用の危機感が高まっている。「ノーベル賞や80年の節目で今は少し関心が高まっていると思うが、これが続くかどうかはわからない。状況は厳しい」。神奈川県原爆被災者の会でも会長を務める丸山さんは、参院選で当選した候補者が選挙期間中に発言した「核武装が最も安上がり」との内容にも触れながら、顔を曇らせる。

 丸山さんと被爆伝承者の歌玲子さん(東大沼在住)は8月13日、「平和のつどい」(相模原市主催)で講話を行うため市立図書館を訪れた。この日は小学生から高齢者まで多くの人が集まり、座席が足りなくなるほど。丸山さんは「たくさんの人が来てくれると張り合いがあるね」と喜んだ。

「軍事に頼らずに」

 丸山さんは神戸市で生まれ、5歳の時に広島で被爆した。講話では原爆ドームから2キロほどの所にあった自宅の場所を地図で説明し、8月6日の家族の状況や、勤労奉仕の作業中に被爆して亡くなった姉についてゆっくりと語った。最後には「日本で80年続いている平和をこれからも続けてほしい。戦争は人を変える。二度と被爆者をつくってはいけない。話し合い、外交で解決することは難しいことだが、絶対に戦争はしないという思いで、日本には世界の状況に歯止めをかける、軍事に頼らない行動をしてほしい」と訴えた。

「自分に何ができるか」

 広島県出身の歌さんは、2023年から伝承者として活動。15歳で被爆し、現在も証言を続けている切明千枝子さんの体験を語り継いでいる。「広島でも風化は進んでいる。日本が戦争をしていたことを知らない子どもたちもいると聞いた。どう次世代に引き継いでいけばいいのか、もっと考えていかないと」と危機感を募らせる。

 講話では「今も戦争は世界のあちこちで続いている。この80年で世界はどう変わったか」と参加者に問いかけ、切明さんの「平和はすわっていたのではむこうからやっては来ません だまってすわっているうちにどんどん戦争の方へいってしまいます」という言葉を紹介。切明さんの凄惨な体験と平和への強い願いを感情を込めて伝えた。「無関心でいては大事な命を守ることはできない。今日を『自分に何ができるか考える』スタートの一日にしてほしい」

5冊目の証言集

 1975年に設立された相友会は、日本被団協および県原爆被災者の会の一員として、二度と核兵器が使われないことを強く訴えてきた。

 創立から今年で50年が経ち、現在は被爆者2人、被爆伝承者2人を含む5人と賛助会員で構成されている。被爆者の話を聞くことが困難な時代が近づく中、8月1日に5冊目の被爆証言集『水をください』第五集を発行した。証言集には被爆者の生々しい体験とともに、幼い時の被爆体験や二世の親の体験と願い、支援者の思いなどが綴られており、相友会メンバーたちの被爆の実相を次世代へ伝えたいという思いが込められている。

 丸山さんは「自分に残された時間はあまりないが、伝承者の方や賛助会員の方もいて大変心強い。自分ができる間は活動を続けたいと思っている。証言集は最後になると思う。ぜひ多くの人に被爆者たちの声を聞いてほしい」と話している。

 「被爆証言集『水をください』第五集」の購入希望者は丸山さん(メールmaruyama0339@gmail.com)または近藤さん(メールkondou-saori@jcom.home.ne.jp)へ。1冊500円。
和泉短大生が作成した防災マップ

淵野辺公園に防災展示 9月11日まで

 淵野辺公園内にある銀河アリーナ旧レストランスペースで現在、さまざまな視点から防災について学ぶことができる無人のパネル展示イベントが開催されている。9月11日(木)まで。午前9時〜午後5時。入場無料。

 相模原・町田地域教育連携プラットフォームと相模原市まち・みどり公社の共催。企画の責任校である和泉短期大学(青葉)が日頃から防災に関する授業を展開していることに加え、東日本大震災を現地で体験した教員がいることもあって今回の企画開催に至った。

 同短大は保育者を養成する機関ならではの視点で、子どもたちが遊びながら学習できる防災すごろくや、淵野辺公園内の災害時に危険な場所・助けになる場所をまとめた地図を展示している。

 イベントにはこの他、地元の大学や自治会、企業が作成したポスターが並んでいる。東日本大震災の被災地の現状や防災井戸などについて学ぶことができる。

 同短大の担当者は「保育と防災を結び付けて考える場にしたい。地域を巻き込み、色んな形で考えるきっかけにしたい」と話している。

 問い合わせは同短大【電話】042・754・1133へ。

在宅避難に備え ポイントは最低3日分

 大きな災害が発生すると電気やガス、水道などのライフラインが止まり、復旧するまで日数を要することもある。災害発生後の「在宅避難」に備え備蓄は欠かせない。

 内閣府が行った「防災に関する世論調査」では、大地震あるいは台風、大雨に備えて食料・飲料水、日用品、医薬品などを準備している人は4割と半数に満たない。きっかけがなくてついつい先延ばしになりがち。ポイントは「最低3日分」だ。

 家庭備蓄の実践的ノウハウを紹介する農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」では「最低3日分、できれば7日分」が望ましいとしている。災害支援物資が3日以上到着しないことや、物流機能の停止でスーパーやコンビニで1週間は食品が手に入らなくなることが想定されるためだ。

使いながら備えるローリングストック

 推奨されているのが、食べ慣れている物・使い慣れている物を多めに備蓄し、消費した分を補充する「ローリングストック」という方法。ティッシュやトイレットペーパー、乾電池、ガスボンベなど日用品にも有効な備蓄方法だ。

表敬訪問の様子。左から3人目が本村市長、右から3人目が久野実行委員長

花火大会 市長「私も楽しみ」

主催者が報告

 9月6日(土)に相模川高田橋上流(中央区水郷田名)で開催される第52回相模原納涼花⽕⼤会=関連記事あり=の実行委員会が8月20日、相模原市役所を訪れ本村賢太郎市長らに大会開催の報告をした。

 例年8月末の開催だったが今年は「9月上旬」となることについて本村市長は「これまで(子どもたちにとって)夏休みの思い出だったが、今年は夏休みが終わってもまだ楽しみがあるといった感じ。私も楽しみにしています」と話した。また、LIL LEAGUE(リル リーグ)の出演が決定したことについて「私の周辺でも話題になった」と反響ぶりに驚いていた。

 花火大会を巡っては8月、横浜市内での開催で事故があった。観客の安全対策が求められる中、久野新一実行委員長は「皆さんが安心して鑑賞できるよう準備しています」と説明した。

店頭チケットあり

 チケットは南区相模大野のサガミックス(ボーノ相模大野内)、中央区横山の中村書店で一般来場者協賛チケットに限り、枚数限定で店頭販売されている。公式HPからも購入可能。なお荒天時、相模川増水時は翌日7日(日)に順延。翌日も開催できない場合は中止。

さくら通りを日々整備 美化活動団体 展示29日まで

 市役所さくら通りで清掃や花の植え替えなどを行っている街美化アダプト団体を紹介する展示が現在、市役所本庁舎ロビーで開かれている=写真。各団体が思いを込めた手作りのパネルを見ることができる。8月29日(金)まで。

 美化清掃をする5人以上の団体を市が支援する「街美化アダプト制度」を活用し、自治会や老人会など8団体が市役所さくら通りの美化清掃を行っている。

 21日には本村賢太郎市長が展示を見学に訪れ、各団体の人と言葉を交わした。団体からは酷暑による活動の制限やベンチ設置の要望など率直な意見が伝えられた。本村市長は「さくら通りの元気につながっている。これからも街のきれいに貢献してもらえたら」と話した。

 市役所前からグリーンプラザさがみはらまでの範囲の清掃を担当するF・Cボランティアの伊藤紀子代表は「桜まつりの会場ともなるメインストリート。高齢化の問題もあるけど横のつながりで長く続けられたら」と意欲を口にした。

販売される一例。市の木、ケヤキがデザインされた直径600mmのふた=市提供=

数量限定 相模原市が下水道のマンホールふたを販売 9月1日から30日申込受付

 相模原市は規格が変更になり使われなくなった下水道マンホールのふたを市として初めて限定販売する。

 サイズは2規格あり、直径600mm(デザイン6種)が3300円、直径300mm(同2種)が2200円(ともに税込)。それぞれ10枚の数量限定。購入は各規格1枚までで、希望者多数の場合は抽選により購入者を決定する。

 今回の販売は下水道について身近に感じてもらうことを目的とするもの。市下水道保全課の担当者は「下水道や環境について普段はあまり注目していない人にも、これを機に興味を持ってもらいたい。下水道や水を大切にするきっかけになったら嬉しい」と話している。

 担当者によると、愛知県豊橋市・一宮市、埼玉県寄居町、茨城県水戸市など他の自治体でも同様の取り組みが行われており、「茨城県龍ケ崎市で6枚のマンホールふたを販売した際には39人の応募があり、倍率は6.5倍に達した」という。

 申し込み期間は9月1日(月)から9月30日(火)まで(必着)。申し込みは市ホームページ(下記にリンクあり)に掲載されている申込用紙に必要事項を記載し、下水道保全課へ郵送または直接持参する 。申し込み条件、ふたの写真や詳細も同ページから確認できる。

 販売されるふたのうち2枚は、9月1日から30日の期間、市役所本庁舎本館1階のインフォメーションコーナーで展示される予定。問い合わせは同課【電話】042-707-1908。

スクラムハーフの中森選手(左)とフッカーの宮里選手(右)

三菱重工相模原ダイナボアーズの夏Vol. 3 第42回田名ふるさとまつり

中森隆太選手と宮里侑樹選手が8月2日、第42回田名ふるさとまつり=写真下=に参加した。ブースで「魚釣りゲーム」やうちわの配布を実施。うちわの配布には田名中学校の生徒もボランティアとして協力した。