藤沢版【5月8日(金)号】
終活相談窓口で情報登録証を手にする職員

藤沢市 「終活」の支援強化へ  万一に備え、相談窓口開設と情報登録

 藤沢市は独り暮らしの高齢者の孤独死や無縁遺体の増加といった社会課題に対応するため、終活支援事業を強化する。今年4月から「終活相談窓口」の開設に加え、5月からは本人の意思を事前に市へ登録する「情報登録事業」も本格始動する。登録者には登録証を配布し、携帯を依頼。万一の際に、医療機関や消防、警察、福祉事務所と指定した人などに情報を開示する仕組み。県内では、横須賀市や横浜市、鎌倉市などで同様の取り組みが先行実施されている。

無縁遺体が増加

 市によると昨年度、市内の身寄りのない遺体の取扱件数は48件に上り、そのうち38件は引き取り手が見つからずに市が火葬を実施した。多死社会を迎え、独り暮らしの高齢者は2016年に13・8%、23年に19%、26年4月1日時点で22・9%(約2万人)に達するという中で、葬儀や遺品整理、身元保証などに対する市民の不安は深刻化している。

孤立防ぎ見守りも

 こうした背景を受け、市は本庁舎2階の地域福祉推進課に終活相談窓口を設けた。市民が安心して自分らしい終末を迎えられるよう支援。専門的な相続や成年後見制度といった個別相談に応じる他、必要に応じて専門機関への橋渡しも行う。

 情報登録事業は、個人の尊厳と意思決定の保持などを目的に実施。本人の緊急連絡先やかかりつけ医、遺言書、希望する葬儀社が記載されたエンディングノートの保管場所などを事前に市に登録する。"もしも"の時には市が関係機関などの照会に対し、情報を開示。本人の意思に沿った最期を実現する。

 同様の取り組みは他の自治体でも導入されているが、藤沢市では登録者への定期的な「見守り」をパッケージ化した点が特徴だ。市職員や地域担当者が電話や訪問を通じて継続的に接触することで、健康状態の変化や認知症の兆候を早期に察知。社会参加や支援につながる情報も提供し、孤立を未然に防ぐ狙いだ。

 同課の担当者は「情報登録にとどまらず、地域包括支援センターの専門職や民生委員、CSW(コミュニティーソーシャルワーカー)とつながりをもつことで、日常生活の不安軽減につなげたい」と強調する。

 登録対象は、市内に住民登録がある65歳以上の独り暮らし世帯が中心だが、将来的に身寄りがなくなる不安がある夫婦なども「市長が認める者」として柔軟に対応する方針だ。

関連イベント

 今月18日(月)からの情報登録事業の開始を市民らへ普及啓発するため、市は前日の17日(日)に終活にまつわる関連イベントを開く。市役所本庁舎1階で午前10時〜午後3時。

 「笑顔咲く!ここから始める 春の終活フェスティバル」と銘打ち、葬儀や終活の相談ができる(1人30分制)。「豊かな老後のために知っておきたいお金の話」をテーマにした講座もある(本庁舎5階、午前10時30分〜11時30分)。講師はJ―FLEC(金融経済教育推進機構)の川路泰照氏。定員60人で、対象は市内在住、在勤、在学者。いずれも参加無料。

 参加希望者は、市ホームページ内にある専用フォームから申し込む。

 問い合わせは同課【電話】0466・50・3533。

業務前にグリーンの車両の前に立つ遠藤さん

「パッカー車」のヒロイン誕生 市内初の女性運転手、遠藤さんが活躍

 資源回収現場に爽やかな新風が吹き抜けた。パッカー車(ごみ収集車)のドライバーとしてハンドルを握るのが、遠藤清香さん(34)。藤沢市の委託業務に従事するスタッフとしては、初の女性だ。体力的な負担や労働環境のイメージから「男の職場」という印象が強かった業界で、多様な働き方を象徴することで人手不足の解消に寄与するだけでなく、市民らへの対応も柔らか。入社から半年ほど経とうとする中で、あらゆる化学反応を起こし始めている。

 前職では派遣のコールセンターに勤務し、電話越しに顧客の対応に追われる日々を送っていた遠藤さん。朝から晩までデスクワーク。「私が本当にしたい仕事は、これなのか」。いつしか自身の心に疑念が湧き、再び職探しを始めた。

 「事務職は急に興味がなくなった」。その迷路から抜け出すための答えは、冷暖房の効いたオフィスではなく、太陽の下で汗を流す「現場」にあった。安定した収入が得られ、土日休みで退勤後の予定も立てやすい。外に出て体を動かすパッカー車のドライバーが遠藤さんの目には魅力的に映り、昨年12月に株式会社山崎商店(善行)の門を叩いた。

達成感と誇り

 清涼な空気が頬を撫でる午前7時すぎ。立石の現場に遠藤さんが出勤する。主な業務は午前中に雑誌・雑がみ、午後には空き缶の回収にあたること。緑の車に乗り込み、市内を走行。村岡出身の遠藤さんにとって今の仕事は、青春を過ごした道や知人宅をきれいにするという、まちへの誇り高き恩返しだ。「きょうも終わった」。そう叫びたくなる午後4時40分の終業時、遠藤さんは清々しい達成感で満たされる。

 はじめはルートや車両の操作に戸惑い、同僚に頼り切ってしまうことにもどかしさを感じる時もあったというが、現在では"阿吽の呼吸"で作業を進められるまでに。

 「きょうは一度もネットから缶をこぼさなかった」「夏は大変と聞くけれど、痩せたいから10kg減を目指す」。ストイックかつチャーミングな小さな目標の積み重ねが、原動力となっている。

 走行途中に幼稚園児から「あ、女の人だ」と手を振られると、遠藤さんもまた満面の笑みで手を振って応える。まちが新たな輝きを放ち出した。小学5年と中学1年の娘の母親でもある。近所の道を歩きながら「ここもきれいにしているんだよ」というと、2人の子どもは「へー」と返す。

上司驚愕の根性

 男性主体の職場だが、「男女という概念があまりない」とさらりと語る遠藤さん。迷いの色は一切なさそうだ。

 「すごく気が利く」。同社の山崎俊輔専務は、遠藤さんの仕事ぶりを高く評価し、また適応能力の高さにも驚きを隠せない。これまで業界の環境などを理由に去っていった人もいたことを振り返った上で、遠藤さんには「そこらの男には負けない気概がある。根性のベースが違う」と賛辞を贈る。女性ならではの視点と細やかな配慮を武器に、真剣に仕事と向き合っている証拠だ。

多様性の光

 「ノルマはある。でも翌日に持ち越すような仕事はない。もっと女の人が入ってきてくれたらうれしいな」。遠藤さん自らが業界の先駆者となることで、後に続く女性が「私にもできる」と思える道を切り拓こうとしている。目標は「いろいろな人を受け入れ、中和できる存在になること」。

 そう語る遠藤さんを見て、市内の委託業者を取りまとめる市資源循環協同組合の阿部英一参与は「従業員の高齢化など人材不足が続く業界だが、市民と接する際にはソフトな対応でイメージアップにつながっている。遠藤さんを第一弾のモデルケースとして、今後も積極的に女性を採用したい」と声を弾ませた。

 5月30日は「ごみゼロの日」。ごみを減らす意識の向上やリサイクルの推進など、地域や企業、学校といった全国各地で清掃活動や環境イベントが行われる。

鵠沼小学校で校内サポートを行うPTAサークル「くげさぽ」を立ち上げた 内藤 香奈さん 本鵠沼在住 44歳


その子だけの輝き見つめて

 ○…校舎の窓越しに教師の張り切った声や子どもたちの笑い声がかすかに響く。穏やかな静寂が流れる渡り廊下を、季節感あふれる装飾で彩る。教職員と連携しながら学校生活を見守る「くげさぽ」の活動の一幕だ。「次はこんな飾りつけをして、と話しかけに来てくれる子もいるんです」。活動開始から約1年、子どもたちにとって親でも教師でもない、地域の頼れる大人として親しまれている。

 ○…小学生の娘をもつ2児の母。次女は特定の場面で緊張から言葉が出づらくなる「場面緘黙(かんもく)」の特性がある。活動の原点は「特性のある子が安心して過ごせる温かい居場所を作りたい」という思い。くげさぽに加え、昨秋には夫婦で児童発達支援施設を開所した。教室に並ぶ絵本やおもちゃは、ママ友たちから寄せられたもの。「周りの協力があるから『もう少しやってみよう』と何事も前向きに取り組める」

 ○…大の犬好きで、現役のトリマーでもある。20代のころは保護犬の譲渡会ボランティアに没頭した。会社員として働きながら、専門学校に通い資格を取得。現在も後進の指導にあたる。愛情を注ぐ対象こそ違えど、悩みながら向き合う親や飼い主の思いは共通だ。「大切なのはひとくくりにせず、その子自身を見つめること」。経験に裏打ちされた確信は今の活動にも生きている。

 ○…「応えられないかもしれないけれど、話しかけてもらえるのはうれしい。どんどんきてほしい」。クラスの保護者に緊張しながら娘の特性について伝えると、自然と子どもたちからも理解を得られた。今後は活動を通じ、特性を持つ子への温かな理解の輪を広げていくのが目標だ。誰もが自分らしく過ごせる環境を目指し、今日も廊下に彩りを添える。

「やってみたい」子ども後押し 市ファンド事業で20万補助

 藤沢市はこのほど、子どもが主体となって企画、運営する事業を公的資金で支援する「子どもファンド事業」をスタートさせた。市内在住、在勤、在学の18歳以下の子ども3人以上を含むグループなどを対象とし、採択事業には1件あたり最大20万円を補助。市は今年度を試行期間と位置づけ、5団体ほどの採択を予定している。

政策提言から実現へ

 2023年4月に「こども基本法」の施行、同年12月には「こども大綱」が閣議決定されたことを受け、市は25年3月に「子ども・若者共育計画」を策定。基本目標の一つに「子ども・若者の意見表明・意見反映」を掲げ、地域の課題を学び、自ら考え解決策を話し合う高校生や大学生を中心とした「ふじさわ子ども・若者委員会」(愛称・かわせみボイス隊)を立ち上げた。

 事業化は、委員会からの政策提言がきっかけだった。行政施策に子どもの意見を反映させることが義務化される中、「子どもが自ら社会を動かす経験を提供すること」などを目的に、市が事業の試行を決定した。

 観光PRや経済活性、環境保全、防災、多文化共生の推進といった藤沢の魅力を高めるあらゆる活動が対象。補助金の使い道を決定する公開審査会にも、10人程度の「子ども審査員」が参加する。大人の審査員(7人以内)よりも子ども審査員の人数を多く設定することで、子どもの視点を色濃く反映させる狙い。ただし公金を扱う性質上、最終的な責任は大人が負う。団体は子どもに加え、大人2人以上の参加などが必須とされ、予算管理や安全性の確保、契約など事務手続きをサポートする役割を担う。

伴走型の支援体制

 企画から報告まで約半年というタイトなスケジュールを考慮し、市は専門事業者による相談窓口を設置。伴走型の支援を行う方針だ。

 先月27日の記者会見で鈴木恒夫市長は「子どもの自由なアイデアを形にすることを応援したい」と語り、既存団体だけでなく、事業をきっかけとした新規グループの参加にも期待を寄せた。

 募集は5月から。7月5日(日)に公開審査会、同月中旬以降から来年1月下旬まで活動し、3月に報告会を実施予定。

多文化共生 シリーズ①県内外国人数初の30万人台に 多言語化で暮らし支える

 神奈川県内に住む外国人数が、今年1月1日時点で初めて30万人台となった。県民のおよそ30人に1人が外国人となる計算で「隣人」としての存在感が増している。多様なルーツを持つ人々とどのように共生するのか――。行政や企業、民間団体の取り組みをシリーズで紹介する。

東南・南アジアが増加

 県は、毎年1月1日時点で住民基本台帳に登録された外国人数を明らかにしており、最新のデータ(3月30日発表)によれば今年1月1日時点で30万9814人となった。昨年同時期比で2万4925人が増加し、4年連続で過去最多を更新した。

 製造業や医療・福祉、宿泊業・飲食サービス業、建設業、小売業などで人手不足を背景に外国人労働者が増加しており、その家族の定住も進む。出身国・地域別ではインドネシアやミャンマー、ネパールなど東南アジアや南アジア出身者の増加が目立つ。

自治体も多様な支援

 増え続ける外国人を支援するため、各自治体では情報発信や生活支援の多言語化を進めてきた。

 県が2016年度に開設し、生活上の困り事を電話などで相談できる多言語支援センターかながわは、11言語(やさしい日本語を含む)に対応しており、24年度には約1万6千件の利用があった。県国際課は「言葉の壁や生活習慣、文化の違い等で不安を抱えている外国人県民が安心して暮らせるよう、引き続き支援したい」とする。

 県内外国人の4割以上(13万7800人)が住む横浜市では、全区役所にタブレット端末を使った電話通訳のサービスを導入しており、24年度は年間1200件以上の利用があった。

 同市内で3番目に外国人の比率が高い南区は今年3月、日本で暮らす親子のために必要な手続きや制度をまとめた「妊娠・出産・子育て・進学ガイド」を作成し、切れ目のない支援を目指す。

 また観光地の箱根町では、ホテルや飲食店のスタッフとして採用される人が増えた結果、町民のおよそ8人に1人が外国人となった。それに伴い町は、ごみ出しのルールや収集日を英語でまとめたガイドを23年度に発行したほか、24年度から防災行政無線の多言語発信を行っている。

 町民や職員向けには、外国人に伝わりやすい「やさしい日本語」のセミナーを定期的に開催するなど、言葉の壁を低くして、円滑なコミュニケーションを図る取り組みが続いている。

同組合事務所前に立つ滝上さん(右)と理事で「誠鮨」の阿出川道子さん

商店街が大好きだ Vol.11 「笑顔あっての商売繁盛」 湘南台東口商店街協同組合 滝上航太理事長

 3路線が乗り入れる湘南台駅。その立地の良さから新しい住宅は増え、人通りも多い。藤沢市北部の活気を支える街だ。碁盤の目状に美しく整備された街並みにはさまざまな業種の店舗や企業が並ぶ。「昔ながらのアナログな温かさ、あいさつができる環境がここの良さなんです」。そう語るのは、同駅東口で活動する湘南台東口商店街協同組合の理事長、滝上航太さん(44)だ。自身の店「さかな屋 魚太」を営みながら、街の舵取りを担うこと10年になる。

 発足は1989年のクリスマス。かつては120店以上が軒を連ねたが、今は95店舗に減少。店主の高齢化やコロナ禍による閉店など、時代の波はこの地にも押し寄せている。しかし、地域のイベントに対する反響は大きい。夏に行う納涼祭では、「会場がキャパオーバー」になるほど多くの人が集まる。

 活力となるのが、地域や学生との深い絆だ。夏の納涼祭やハロウィーンのスタンプラリー、歳末の抽選会など。地元団体や行政と協力した昼飲みイベント、そして一大イベントである「湘南台ファンタジア」など取り組みや協働は多岐にわたる。慶應義塾大学などの近隣の学生ボランティアの存在も大きく、斬新な発想を柔軟に取り入れてきた。学生が飲食店を紹介するSNS発信は現在休止しているが、滝上さんは「復活させたい」と意気込む。

 滝上さんが描くビジョンは顔の見える関係が生む安心感だ。店主たちが守り続けてきた義理人情の種は次世代に受け継がれ、湘南台の街に新たな笑顔の花を咲かせていく。温かなあいさつが響く限り、街の灯が消えることはない。

 「住んでいて楽しい街にしたい。みんなの笑顔があってこその商売繁盛」

あいさつに立つ山田社長

レディオ湘南30周年の節目 山田社長が決意新たに

 藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町で放送するコミュニティーFM局「レディオ湘南」の開局30周年記念祝賀パーティーが先月28日、藤沢商工会館ミナパークで開かれた。鈴木恒夫市長や地元の議員、企業、団体の関係者ら約100人が出席し、節目を祝った。

 冒頭、同局を運営する藤沢エフエム放送株式会社の山田秀幸社長が登壇した。1995年1月に発生した阪神・淡路大震災でのコミュニティーFMの活躍をきっかけに、藤沢青年会議所の有志らが準備に奔走。翌96年のこの日に開局したことを紹介した上で、「我々が立ち上げた一番の目的は有事の時に役立つ放送局。皆さんの支えで30年続けてこられた。これからも40年、50年に向けて努力をしていきたい」とあいさつした。

 来賓の鈴木恒夫市長は2市1町と防災協定を締結していることに触れ、「災害時に災害情報を発信してもらえることは大きい。また『ハミングふじさわ』(市広報番組)で市の魅力アップにも貢献してもらっている」と公共性の高さを称賛しながら感謝を述べた。

 その後、歌手で同局で番組をもつ麻倉未稀さんのライブなどもあり、会場に花を添えた。

藤の花咲く下を歩く宮崎さん(左)

石川在住・宮崎さん 暗闇の中歩いて10年

 暗闇の中、毎日約1万歩--。石川在住の宮崎武志さん(85)は視覚障害を抱えながら、自宅から大庭の引地川親水公園までを歩き、先月で丸10年を迎えた。総歩数は同月7日時点で3700万歩以上に達した。「継続は力なり」との言葉を体現している。

 「うちの中にいたってしょうがない」。春の陽気麗らかな親水公園でそう語る。市内事業所のヘルパーによる介助もあり、日課の中で負ったけがなどは一つもない。その足腰の強さについて「以前住んでいた、日本でも有数の坂のまちである熱海市で培ったもの」と自負する。

 藤沢市内で生まれ育った。生後父は太平洋戦争に召集され、マリアナ諸島方面で亡くなった。一代で身を起こした宮崎さんは、ガソリンスタンド経営や車の販売を行う会社を経営。だが、50代で視力に異変が生じた。進行性視覚障害の「網膜色素変性症」だった。希望を失いかけたが、家に閉じこもる生活に嫌気が差し外でのウォーキングを開始。藤沢に戻った後も次第に範囲を広げていき、1日1万歩が習慣となっていった。

 夏の炎天下でも雨の多い季節でも歩き、季節の移り変わりを匂いや音で確かめる。「休みを提案しても『歩く』という」とヘルパーも話す。宮崎さんは「ヘルパーさんやボランティアのおかげで歩いてこられた」と感謝を述べた。

 また、10日(日)に行われる神奈川県戦没者追悼式に初めて参加する宮崎さん。「10年歩けたことを父に報告したい。『見守ってくれてありがとう』と言いたい」

仮の表紙と企画書を手にするメンバーたち

NPO法人ことりのおうち 子どもが「藤沢ドリル」制作へ

 藤沢市内を中心に子ども食堂を運営するNPO法人「ことりのおうち」(高見広海理事長)が、藤沢の歴史やトリビアを楽しみながら学べる「藤沢ドリル」の制作に乗り出した。同法人に関わる5歳から18歳までの子どもたちが構成の考案や資金集めに奔走。今年度内の発行、販売に向けて準備を進めている。

 目指すのは問題集ではなく、イラストや図をふんだんに使い、視覚的にも楽しめるドリルだ。地域ごとに問題を収録する形式で、「『秋葉台』の読み方、あきばだい・あきはだいの違いは?」といった長年住んでいる人も思わず「へぇー」と唸るような疑問を盛り込む。問題を解きながら地元愛を深め、地域活性につなげるのが狙いだ。

 発行に向けた資金集めも子どもたちが中心となって担う。目標額150万円を掲げ、地域の店舗や企業を回って募金協力を呼びかけている。

 先月16日には、地元の経営者らを前に企画をプレゼンテーション。登壇した荒井理玖さん(中2)は「緊張したけれど、大勢の大人の前で説明できて自信がついた」と笑みを浮かべ、「私自身、勉強が嫌いなので、面白く、ワクワクしながら解けるドリルにしたい」と意気込みを語る。

 同法人では現在、ドリルに掲載する問題を広く募っている。応募は同法人のメール(aqua_hirou.mi.kuto@softbank.ne.jp)へ。可能であれば答えも併記する。5月31日(日)締め切り。また子どもたちが企画説明に訪問できる企業も募集中だ。

 問い合わせは高見さん【携帯電話】080・3428・8792。

富士山をバックに両手を上げて笑みを浮かべながら鵠沼海岸を走り抜ける参加者=4月24日午前7時すぎ撮影

朝にダッシュ

 晴れも雨も雪の日も、裸足で砂浜爆走――。毎週日曜の午前6時50分から、鵠沼海岸を駆け抜ける人たちがいる。

 「江の島砂浜ダッシュ」の代表を務める坂本智史さん(鎌倉市在住)はかつて、プレス工業(株)からニューイヤー駅伝に6度出場した過去をもつ。コロナ禍で相次いでレースがなくなった時、陸上部OBの一人が砂浜を走っていることを知った。試しに自身も走ってみると、足への負担が少なく、体幹が鍛えられるだけでなく、小石や貝殻を瞬時に避けなければならないため、脳も鍛えられるとやみつきになった。「でも家族との休日も大切にしたい」と2020年7月から朝方にダッシュ。参加者の輪も広がっていった。

 先月26日には約30人のメンバーが集い、200m×20本の後に新江ノ島水族館を折り返し、5〜6Kmほど走った。愛犬(10)と一緒にダッシュした横浜から来た男性(54)は「継続が大切。皆と追い込むのが楽しい」と爽快そう。坂本さんは「心と体の健康につながれば」と展望を語った。

新規認定商品の一部(上から時計回りに)KUGENUMA SHIMIZU「鵠沼どらやき」、光友会「ワインHikari」、たか亭「湘南小町®ギフトセット」、ルポデパティスリー「湘南ケーク バニーユサレ」、WakuWakuGarden江ノ島「藤沢クロッシェ物語」

どら焼きにワインに 観光名産品、3年ぶり認定

 「ふじさわ観光名産品」の認定式が先月22日、藤沢商工会館ミナパークであり、個性豊かな商品がお披露目された。市内の事業所が参加する協議会(会長・増田隆之藤沢商工会議所名誉会頭)による審査会を経て、32事業者の新規9品を含む54品が決定した。

 藤沢の名産品を市内外にPRし、販路拡大と地場産業の振興を図ることを目的に、2004年11月に設立した同協議会。名産品は3年に一度見直され、認定は8回目を迎えた。

 認定品の内訳は、和菓子27品、酒類2品、肉類・水産加工品9品、その他食品13品、衣類・土産品3品。認定品には「ふじさわ名産・特産品」と書かれたシールが貼られる他、同協議会がパンフレットを2万部発行し、「ふじさわ産業フェスタ」や「藤沢市民まつり」といったイベントなどで周知される。今月末には専用HPを更新。同協議会担当者は「藤沢を彩る名産品がそろった。地元から広くアピールしていきたい」と話した。

 審査会で高評価だった上位5品(特別賞)は次の通り。▽同協議会会長賞「江の島名物 手造り いかの塩辛」(海産物 丸だい)▽藤沢市長賞「御所見塚チーズケーキ」(四季菓庵いわかめ)▽藤沢市議会議長賞「江ノ電ようかん」(玉屋本店)▽藤沢商工会議所会頭賞「江の島名物元祖海苔羊羹」(中村屋羊羹店)▽「大庭城最中」(御菓子処 丸寿)

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70人で生み出す圧巻 16日 グランドシップが公演

 藤沢市を拠点に活動する市民吹奏楽団「湘南交響吹奏楽団グランドシップ(宮澤信也団長)」の定期演奏会が16日(土)、ひらしん平塚文化芸術ホール(平塚市見附町16の1)で開催する。

 当日、指揮を務めるのは県西地区の交響楽団で指導する他、高校吹奏楽部等で指揮・指導にあたる岩下光樹さん。特撮『ジャイアントロボ』のアニメ版で新たに作曲された『「GR」よりシンフォニック・セレクション』(天野正道)など数曲を団員ら70人以上で披露する。また、平塚市出身の笹尾淳一さんによるアルトサクソフォーン独奏も。

 午後3時30分開演(3時開場)。入場料500円で全席自由。小中高は無料。当日券あり。親子優先席エリア用意。

 (問)同団のメール(gs_concert_dept@grandship.com)。

社会福祉チャリティー 「新日」が八王子で大会 16日、読者20人を招待

 「新日本プロレス 八王子市スポーツ振興社会福祉チャリティー」が5月16日(土)午後6時から、エスフォルタアリーナ八王子で開かれる。主催は(株)創で、7月に引退するタイガーマスク選手の八王子ラストマッチとなる。

 本紙では読者20人に招待券をプレゼント。チケットは1人1枚。希望者はハガキに八王子大会観覧希望・住所・名前・年齢・職業を明記し、〒250-0034神奈川県小田原市板橋881の26(株)創 TN八王子大会読者プレゼント係へ。5月12日(火)必着。

 問い合せは(株)創【電話】0465・23・0905。

弁護士、税理士が無料でアドバイス くらしの相談会を開催 〜ひとりで悩んでいませんか?〜

 茅ヶ崎市勤労市民会館(新栄町13の32)で5月24日(日)、「くらしの相談会」が開催される。主催は湘南地域労働者福祉協議会。藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町の労働組合(50団体)で構成されている。主な活動として、湘南地域に根ざしたボランティア活動を中心に、さまざまな社会貢献活動に参加している。

 「くらしの相談会」は毎年2市1町が協力、地域の勤労者、居住者の福祉推進を図ることを目的に行っているもの。当日は法律や税務など日常生活に関わる悩みや相談について弁護士、税理士などの専門家から明快で的確なアドバイスを受けることができる。時間は午前9時30分から午後2時30分まで。相談時間は1人30分程度。参加無料で予約申込制。(マスク持参)。5月12日(火)から20日(水)。人気の相談会なので申込みはお早めに。

■申込みは【電話】0466(27)1671・湘南労福協

善行雑学大学 産業技術の継承を考える 24日 市民センターで講座

 善行雑学大学(片岡信弘代表)が24日(日)、善行市民センター3階バイオクロマトホールで324回目となる講座を開催する。午後2時〜4時。

 今回のテーマは「今こそ、産業技術博物館を造ろう〜人と技術と情報を次の世代へ〜」。産業技術立国を自認する近代以降の日本で、機械・設備やアイデア、デザインなどが文化として承継されているかを知る。産業技術に関する国立博物館がなく個別企業の博物館での公開が主となっている現状や、1970年代にあった「国立産業技術史博物館構想」などの歴史を振り返りながら、昨年の大阪万博開催を機に期待される博物館設置のこれからを考える。

 講師は、ガーマスマネジメント研究所を主宰する松田順氏。会場の定員は100人。非会員は要事前申し込み。参加費は一般500円。会員無料。申し込みは講座参加受付サイト、またはメール(kataoka9@gmail.com)に氏名・電話・郵便番号を送付する。

 問い合わせは片岡代表【携帯電話】090・7251・3232。

玉城デニー氏(あべともこ事務所提供)

平和で豊かな沖縄と日本へ 玉城氏が講演

 憲法フォーラム「平和で豊かな沖縄と日本の実現へ」が6月7日(日)、藤沢商工会館ミナパーク(藤沢607の1/藤沢駅北口徒歩4分)で開かれる。一般社団法人勁草塾(代表理事・斎藤勁氏)とあべともこと共に歩む会の共催。

 沖縄県知事の玉城デニー氏が講演。基地の島を平和で豊かな島として再生しようとする玉城氏が、沖縄の現況と未来へ向けた取り組みを語る。

 また、参議院議員の伊勢崎賢治氏は「日米地位協定の改定について」、辻元清美氏は「国会情勢等」をテーマに、それぞれ報告する。

 午後1時30分〜3時30分(開場は1時)。定員240人。参加費は当日1200円、事前申込1千円、大学生500円、中高生は無料。

 参加希望者は、あべともこ事務所【電話】0466・52・2680、【FAX】0466・52・2681、メール(inochi@shonanfujisawa.com)のいずれかで申し込む。

 問い合わせも先に同じ。

下土棚でイベント 16日 パークフェス

 さまざまなスポーツが楽しめる「Parkフェスティバル」が16日(土)、下土棚遊水地公園で開催される。

 当日はスポーツダーツやストラックアウト、モルックなど多彩なスポーツが楽しめる他、巨大なふじキュン♡のエアドームの中で遊べるなど子どもが楽しめる体験が多数用意されている。キッチンカーや駄菓子、ポップコーンの販売も。

 午前10時から午後3時。雨天時は17日(日)に延期。

 問い合わせは市まちづくり協会【電話】0466・46・7788へ。

サガミウツボ(同館提供)

40年越し、謎のウツボ命名 えのすいで生体展示も

 新江ノ島水族館(片瀬海岸)は先月24日、1980年代から相模湾で目撃されながらも正体不明とされてきたウツボ科魚類2種について、精査の結果、新種であることが判明したと発表した。生命の星・地球博物館(小田原市)などと共同で論文を発表し、2種を命名した。

 新種として記載されたのは、顎に白い斑紋を持ち、江の島沖で採集された「アワウツボ」と、茶色の身体と目の周りの黒い縁取りが特徴の「サガミウツボ」の2種。いずれもアラシウツボ属として記載され、同属の新種記載は73年ぶり。

 解明の転機となったのは2021年、アナゴ筒漁を操業する漁師から同館に寄せられた一本の連絡。混獲された個体が、80年代から相模湾で存在が知られながらも、名前の付いていなかった未記載種の特徴と一致した。これを機に、別の未記載種とともに、本格的な調査を開始。約40年越しに新種として定義された。

 同館では先月25日から、ウェルカムラウンジで2種の標本展示に加え、館内相模湾ゾーンではアワウツボの生体展示も開始した。

 同館の担当者は「研究報告と生体展示を同時に取り組むことで、多くの人に海の環境を知るきっかけにしてもらえたら。これからも海の状況に目を光らせ続け飼育や調査に取り組む」と話している。

ランニングポーズをとる未麻さん(中央左)と尚輝さん(中央右)ら

市民ランナーが姉妹都市・保寧市へ 市長を表敬訪問

 藤沢市の姉妹都市・保寧(ポリョン)市(大韓民国)で開催される「保寧マッド臨海マラソン」に派遣出場する市民ランナー2人が先月27日、鈴木恒夫市長を表敬訪問した。

 派遣されるのは、満極尚輝さん(28)と未麻さん(33)の夫婦。市内在住で、今年1月に開催された「第16回湘南藤沢市民マラソン」に出場し、両者とも上位成績を収めたため、派遣ランナーに選出された。2人の出会いはマラソンで、今も朝一緒に走るという。

 保寧マラソンの出場については、両者とも「楽しみ。市民マラソンのタイムを超え、自己ベストを目指す」と同じ気持ちで意気込む。同月26日にはフルマラソン公認レースで人類初となる2時間切りが達成されたこともあり、尚輝さんは「まさか達成されるとは思わなかった。刺激を受けた」と感嘆の様子。未麻さんも「震えた」と話し、世界の快挙を自身の走りの糧にする構えを見せた。

 鈴木市長は保寧市のコースの特徴について触れながら「楽しみながら走ってほしい」と激励の言葉を送った。

登場キャラクター4人が描かれたポスター

神奈川県藤沢市江の島周辺 TVアニメ『氷の城壁』×小田急電鉄 コラボスタンプラリー開催中

 現在放送中のTVアニメ『氷の城壁』と小田急電鉄(株)のコラボデジタルスタンプラリーが、江の島・鎌倉周辺で行われている。7月12日(日)まで。

 小田急電鉄が販売する「デジタル江の島・鎌倉フリーパス(氷の城壁スタンプラリー付き)」を購入し、小田急藤沢駅から片瀬江ノ島駅、江ノ島電鉄全線を対象とした乗り降り自由区間に点在する、各キャラクターのオリジナルパネルにある二次元コードを読み取ることでスタンプを獲得できる。パネル設置場所は、小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅と江ノ電の鵠沼駅・江ノ島駅、2線が乗り入れる藤沢駅の4カ所。藤沢駅直結のODAKYU湘南GATEではキャラクター4人がそろったパネルが用意されており、記念撮影などが楽しめる。コンプリート達成者にはオリジナルチャームや、抽選で100人にオリジナルアクリルスタンドの配布もある。

 チケットは同社が運営するアプリ「EMot」などで販売され、1カ月先分までの購入が可能となっている。

 『氷の城壁』は2020年1月に連載が始まった阿賀沢紅茶さんによる漫画作品で、今年4月からアニメ放送が開始されている。人と接することが苦手な主人公の女子高生と周囲の仲間たちが繰り広げる高校生活を描くストーリーで、「大人がハマる青春漫画」として人気を博している。

 申し込み、詳細は専用サイトから。