今年の夏は、梅雨入りしてから暑い日が続き、梅雨明けしてから雨の日が続くという、なんとも天気予報士のいらない季節になりました。
知識なんて物は、あったって役に立たない事もある。そんな事を言いたくなる様な落語があります。今月の落語こらむ『お噺のお話』第十四席目は「やかん」。 知らない物は何も無いと広言する先生の所へやってきた八五郎。いつも愚者(ぐしゃ)なんと呼ばれ馬鹿にされる八五郎が先生に色いろと物を聞く。先生も大変な負けず嫌いで知らないとは口が避けても言いやしない。魚の名前の由来を聞けばアレコレとこじつけで煙に巻く。悔しい八五郎「薬缶はどうしてやかんと言うのか?」と聞くと先生少し考え「薬缶の講釈」を語り始めて…という噺。見せ場はやはり最後の薬缶の講釈でしょうね。オチへ向けてリズム良く語れると演者としても気持ちの良い噺。内容もお馴染みの根問い物なので、落語を見た事が無いお客様が多い時には私もよく演る噺です。
先日、反町駅前のバー5店舗で共同開催されたブロックパーティーに呼んで頂き、落語をご披露致しました。その時にもこの「やかん」を演りました。知識なんかなくて聞いていても、多少お酒が入っている状態で聞いていても、面白い落語は面白いのです。ようはウケたという事です!(笑)「お噺のお話」また次回。