藤沢版【6月13日(金)号】
陳情一覧(藤沢市ホームページより)

公共施設予約 柔軟な運用求める陳情10件 新システム導入で混乱か

 藤沢市議会6月定例会に提出された陳情22件のうち10件が、同じ陳情名「公共施設予約システムの柔軟な運用を求める陳情」という異例の事態が起きている。新システムが導入されたばかりだが、市民の混乱がうかがえる。きょう開かれる市議会総務常任委員会で審査される。

 市は今年1月から公民館や体育館、会議室など公共施設の予約システムをリニューアルした。従来の予約システムの運用から約10年経過したことから、利用者の利便性向上などが目的。これまで市民が公共施設を利用する際には各施設に足を運び、紙の申請書に必要事項を記入して申し込んでいたが、オンライン予約が可能となった。一度登録すれば氏名や住所といった情報を何度も入力する手間が省けるほか、現金払いだった利用料金もクレジットカードや電子マネーなどでのキャッシュレス決済に変更。一連の手続きを全てオンライン上で完結できる全国の自治体で初の取り組みとして注目を浴びた。

問い合わせ1100件

 しかし、新システム導入直後から問い合わせは相次いだ。市デジタル戦略課によると、その多くは「操作方法が分からない」「予約ができない」「紙での申請に戻してほしい」という内容で、1月から5月にかけて約1100件の声が寄せられ、今も職員が都度対応しているという。

 また利用できる施設数は79施設、394カ所あるが、例えば秋葉台文化体育館を全て利用する場合にはコートの一部分や会議室、和室など1カ所ずつ予約しなければならない。

 こうした手間もあってか、旧システムに登録していた団体は約8850件、個人約7千件だったのに対し、新システムに移行した現在の団体は約6200件、個人約5千件と減った。

「市民サービスの低下」

 新システムに不満のある一人が、福永雪子さん(75・大鋸在住)。長年市民の家で幼児保育を行い、運営委員も務めてきたが、本人を含む多くの利用者がシステム変更については寝耳に水だったという。「私はパソコンもスマホも持っていない。マイナンバーカードなど個人情報が必要な登録の任を別のメンバーに負わせるのも抵抗がある。デジタル化を進めようとすれば、そこからもれる人は必ずいる。これは市民サービスの低下」と怒りを露わにする。

 福永さんは今、市民の家より利用料金の高い県の施設で活動している。

学園全体でのユネスコスクール認定を喜ぶ住田学園長

湘南学園幼小中高 ユネスコスクールに認定 15年一貫加盟校は県内唯一

 湘南学園小学校が2日、持続可能な開発のための教育(ESD)に取り組む「ユネスコスクール」に認定された。すでに認定済みの幼稚園、中学、高校を合わせ、15年一貫して加盟校となったのは県内で唯一。「受ノ心」を合言葉に、児童が五感を通して学びを深める体験学習を取り入れる姿勢などが評価された。

 ユネスコスクールは国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の理念に基づき、ESDを推進する学校のネットワーク。県内では幼小中高などを含む21校、国内970校、世界には180カ国に約1万校以上ある(2025年3月時点)。

 気候変動や貧困など地球規模の課題を解決する担い手を育むESDへの取り組みが求められ、「知る」「為す」「人間として生きる」「共に生きる」ことを学ぶユネスコが提唱する教育理念「学びの4本柱」を重視し、「心の中に平和のとりでを築く」ことを目指す。国内外の学校間交流のほか、最新教材や情報の入手、研修会への参加などの加盟メリットがある。

体験を重視

 同学園は1933(昭和8)年に創立した総合学園。「強い人間力」の育成を推進し、社会に貢献できるような力を育てている。これらの姿勢がユネスコスクールの目指すべき方向性と一致している部分が多いことから、13年に中学、高校を加盟することに。続けて幼稚園が今年2月に正式認定。そして6月、小学校も加わり、全国でも稀な幼小中高での加盟に至った。

 このほど認定された小学校では昨年度、「受けとりあって豊かに学び、受けとりあって豊かに生きる」を教育目標に掲げ、「受ノ心」を教育活動に取り入れた。生物多様性や海洋、環境、世界遺産、無形文化遺産、地域の文化財、食育など活動分野はさまざま。今年度は教科横断的な総合学習を継続することに加え、「海」「水」「食」と発展させてきたテーマを6年生でどのように位置づけ、宿泊学習と結び付けていくかを、修学旅行の目的地やそれに伴う活動内容の変更も視野に検討を進めていくという。

 学園全体では「平和」「共生」「持続可能性」をテーマに、地域や国際社会とのつながりに重きを置いた教育活動を行ってきた。住田昌治学園長は「文部科学省の学習指導要領に盛り込まれるなど今やESDの考え方は特別なことではない」とした上で、「平和の実現には人や自然など身近なモノ、コトに目を向け、子どもたちの気づきにつなげることが大切。今後の日本教育のリーダーとしてユネスコスクールの教育理念を共有し、地域を巻き込みながら皆の成長を支える体制を整えていきたい」とした。

「江の島フィッシャーマンズマルシェ」の実行委員長を務める 矢口 雅己さん 藤沢在住 50歳

自分を好きになれる場所に

 ○…片瀬漁港で地産地消のマルシェを開催する。「誰もが来れる居場所になれば」。新鮮な魚介類や野菜の売り場、キッチンカー、ダンスや地元シンガーのステージを展開。今後は芝生広場が子どもの遊び場になる企画も考えている。「子どもが自由に遊べる場所が少なくなり、家でゲームか習い事に行くことが多い。だけど全員がそれをできるわけじゃない」

 ○…「藤沢をこよなく愛している」と自負する。知人を通じて立ち上げから関わるマルシェのみならず、神社の祭りや田植え、凧揚げ、消防団などにも積極的に参加する。その幼少期は「ヤンチャしていた」と振り返る。鵠沼小に通っていたが、小学校高学年にあがる頃には、家庭環境の不和や周りの大人との摩擦が度重なった。第一中に進学した後も悪いイメージが定着し、家には居場所がなかった。それでも「人情味あふれる友達や先輩に精神面で救われた」。地元への愛が深まっていった。

 ○…中学卒業後は、19歳まで飲食業などで働き、その後は運送会社に勤務。藤沢を離れることはなかった。10代の頃にたこ焼き屋で働いたことを生かし、17年前に「たこ焼き 風天」を開業した。旧東海道に面した店に地元学生や住民が集い、通りすがる人も笑顔で手を振る。

 ○…「昔の自分のようなヤンチャしている中学生も店に来る」。その子らの悩みを親身になって聞きながら、自身の経験を元に話すのは「自分を好きになること」だ。「自分を好きになれば、一見敷居の高そうな地域の取り組みにも積極的に関わることができる」。その中学生は数年後、社会人となって再び来店した。「うれしかった。マルシェもさまざまな人が『自分を好きになれる場』にしたい」

外国人材など事例紹介 東南アジア経済セミナー

 外国人材や海外進出に興味のある藤沢、茅ヶ崎、寒川の2市1町の中小企業を対象とした「東南アジア経済セミナー」が7月25日(金)、ロボリンクセミナールーム(藤沢559角若松ビル6階)で開催される。主催は湘南産業振興財団。参加費無料。午後3時から5時。

 当日は注目のインドネシアの最新情報の提供や、外国人材活用に向けて、在留資格についてのポイントや県の採用支援施策が学べる。

 加えて事例紹介も実施。現地進出事例としてジャカルタでスクールを開校している湘南ベルマーレ、外国人材採用事例として県内の福祉施設で外国人材の活躍を実現している(社福)いきいき福祉会ラポールグループらが登壇する。

 セミナー終了後は名刺交換会も予定されている。定員25人程度、先着順。

 問い合わせ、申し込みは同財団のホームページか【電話】0466・21・3811。

泥vs子ども 稲荷で田植え

 稲荷の水田で6日、市内8小中学校の児童生徒とその保護者ら約300人が田植えを行った。地域住民らと学校で構成する「こめこめクラブ」(竹内伸介会長)の主催で、32年目の活動となる。

 今年参加したのは、秋葉台中、湘南台中、大清水中、藤沢一中、羽鳥中、大庭中、藤沢小、本町小。いずれも子どもたちの授業の一環として、PTA協力の下、もち米や黒米の「朝紫」を植える体験をした。同クラブから抜き足差し足のテクニックを教わった子どもたちは、ふくらはぎほどまで浸かるぬかるみの重たさに「抜けない...」と苦戦しながら、横一列に並び、苗を植えていった=写真。

 参加した女子児童は体験後、「最初は泥だらけになるのが嫌だったけれど、やってみると楽しかった。秋が楽しみ」と話した。

 稲刈りは10月2日(木)を予定。収穫された米は、藤沢市民センターまつりなどで販売される予定だ。

シラス不漁、藤沢でも 漁協「泣きの年」

 今年のシラス漁が解禁された3月11日以降、市内でも深刻な不漁が続いている。多くの観光客が訪れる江の島でも「本日生シラスありません」という張り紙が目立ち、夏の書き入れ時を前に、名産品の提供に不安が広がっている。

 県水産技術センター(三浦市)が県下3地点でのデータをまとめて算出している相模湾での今年のシラス推定漁獲量は、4月時点で過去5年間の平均のおおむね半分、前年の4分の1程度にとどまるという。

 湘南シラスの直売を行っている藤沢市漁業協同組合では、ここ数年間シラスの漁獲状況は減少傾向にあったが、今年は特に深刻で、「思うような販売が全くできていない状況」と組合関係者は話す。例年、3月の解禁後、不調の年でもゴールデンウィークが明ける5月中旬頃にはまとまった漁獲量が見込めたものの、今年は6月に入っても満足に販売できたのは数えるほどしかないという。また、まとまった漁獲量がなければ加工作業を行うことも難しいため、販売できる日でも10パック程度の数量限定での提供となっている。「今年は泣きの年。一日も早く安定して獲れるようになるのを祈るしかない」と関係者は肩を落とす。

 こうした状況について同センターは詳しい原因は不明とした上で、黒潮大蛇行が影響しているのではと話す。黒潮大蛇行は、黒潮が紀伊半島から東海沖で大きく離岸して流れる現象。潮の流れが大きく変わることで沿岸にシラスが流れ込みにくくなっている可能性がある。黒潮の大蛇行については、気象庁が先月9日、「7年9か月続いた黒潮大蛇行が終息する兆しがある」と発表している。同センターによると、現在時点では漁獲量に大きな改善はないという。

湘南ビジコン参加受付中 大賞には50万円 個別説明会を実施中

 (公財)湘南産業振興財団では、藤沢、茅ヶ崎、寒川の2市1町にある中小企業を対象に新規事業のプランを募り、優れた内容を表彰する湘南ビジネスコンテストの参加者を募集している。

 同コンテストは、「日本一手厚い支援」を掲げ、創業や新事業創出、拡大を目指して行われており、今年で26回目。大賞で50万円、準大賞に10万円など各種表彰も用意されている。

 今年も9月の書類審査で選ばれた6組のファイナリストが11月の公開審査に臨む。参加締切は7月22日(火)。

 なお、コンテストの申請書の作成ポイントや、評価項目がわかる個別説明会を7月4日(金)まで実施中。会場は同財団(藤沢商工会館2階)。オンライン参加も可能。

 参加者は中小企業診断士による申請の助言、指導が受けられる。

 詳細、申込は同財団ホームページから。

優先整備路線の1つ、藤沢652号線(藤沢石川線)

無電柱化、県と市がタッグ 新たに重点箇所抽出

 県内の無電柱化を連携して進めようと、藤沢市を含む県内33市町村と神奈川県は先月20日、「無電柱化推進会議」の初会合を開いた。今年度中に優先的に整備を進める箇所を抽出するなどの方向をまとめた。市はこれまで独自の推進計画に基づき無電柱化を進めてきたが、県とタッグを組むことで県道と市道が交わる箇所などの整備の推進に期待が寄せられる。



 市は2023年3月に「藤沢市無電柱化推進計画」を策定。26年度までの5年計画で、災害時の電柱倒壊を防ぐ「都市防災機能の向上」、高齢者や障害者を含む誰もが安全で移動しやすい道路を目指す「歩行空間の安全性・快適性の確保」、市景観計画に基づく「良好な景観形成」の3つの選定指標を設定し、優先的に整備を進める路線を選出している。

 優先整備路線は藤沢652号線、すばな通り、高倉下長後線、村岡新駅南口通り線、区画道路(村岡東)、藤沢村岡線、遠藤葛原線、区画道路(遠藤)、辻堂駅遠藤線、高倉遠藤線、遠藤宮原線の11路線、計5670m。いずれの路線も現在は計画に基づき、地中調査などを進めている段階だという。

 市道路整備課によると、今後も県と市による協議が予定されているとし、「連携して整備を進めることができれば、県道と市道がつながっている箇所の整備も円滑に進められるのでは」と話した。

警察官を志す人へ 北署でオープンカンパニー

 あなたの正義が誰かの力になる――。藤沢北警察署(笠原健司署長)は7月30日(水)、警察官を志す人に向けて実際に署内の見学や警察官の話が聞ける「オープンカンパニー」を開催。現在、参加者を受け付けている。

 「休暇制度など働きやすくなった環境を含め実際に警察の仕事を見てもらい理解を深めてほしい。気軽にご参加を」と担当者は呼び掛ける。

 会場は同署。対象は18歳から35歳。午後2時から午後4時30分を予定している。

 当日は、警察の業務紹介や体験談、採用試験の説明が聞けるほか、災害救助を専門とする「即対チーム」の訓練展示、警察車両の展示、鑑識作業や対刃防護衣などの装備資機材の体験が予定されている。

 定員は20人。予約制の先着順となる。

 予約、問い合わせは同署警務係【電話】0466・45・0110(受付時間午前9時〜午後5時)。

藤沢マイスター募集中 自薦他薦問わず

 藤沢市は現在、優れた技能で産業の発展を支える「藤沢マイスター」の募集を受け付けている。7月11日(金)まで。

 応募資格は市内在住・在勤の技能者・技術者。建設関係や窯業・土石、食料品、衣服・繊維製品関係など、12の部門で応募できる。文化芸術分野は対象外となる。

 選定は、今年8月から専門機関や学識経験者などで構成される選考委員が行い、12月から来年1月にマイスターが認定される。人数は3人以内。

 主な認定要件としては、技術の高さに加え、後進の目標となり、後継育成と産業発展に資する活動を行ってきた人。

 マイスター認定後に市が実施する講演会や実演、体験教室などに協力することも条件に挙げられる。認定者には賞状、記念品、奨励金が授与される。

 応募方法は市産業労働課、各市民センター、市ホームページなどに記載の応募条件を確認の上、推薦書に職種の名称、従事年数、業務内容など必要事項を記入して同課労政担当(〒251-8601藤沢市朝日町1の1本庁舎8階)まで、郵送またはメールで申し込む。他薦の場合は本人の同意が必要となる。

 藤沢マイスターは、市内で技能及び技術を尊重する風土を醸成することなどを目的に、2013年から始まった。これまでに建築大工、造園師、フラワーデザイナー、ワイン醸造など18人の技能者たちを認定した。

 問い合わせは同課【電話】0466・50・8222。

幼い頃の記憶を辿る和田さん

戦後80年 語り継ぐ記憶 「製鋼所目掛け、空は真っ暗」 和田篤泰さん

 辻堂で100年以上に渡り、葬送などに関わる事業を営んできた(株)和田の3代目・和田篤泰さん(84)。生粋の辻堂育ちの記憶に深く刻まれているのが、2度にわたる艦載機の来襲だ――。

 太平洋戦争が勃発する1年前の1940年に辻堂に生まれた和田さん。物心がついた頃は戦時下の真っ只中だった。「辻堂は厚木基地への通り道。度々、米軍の戦闘機が通過していた」。空襲警報が発令される度に防空壕に入り、幼かった妹は毎回、「トイレに行きたい」と泣き出したという。「恐怖心によるストレスが妹を苦しめていた。母が『おまえのために殺される』と、叱りつける姿を覚えている」

 当時、辻堂駅北口にあった関東特殊製鋼(現在のテラスモール湘南などを含めた一帯)は、国家総動員法により海軍の管理工場の指定がされていた。そして、住民が最も恐れていた事態が起こる。45年7月30日に艦載機315機、8月13日には200機が関東特殊製鋼目掛けて来襲した。「空が真っ黒になった。私たちは防空壕に潜り、ことなきを得た」。しかし、近所の住民が避難した防空壕に爆弾が直撃した。「一家全員が亡くなった。葬儀屋だった父は、バラバラになった家族の遺体を木箱に集めて本立寺(辻堂神台)で埋葬した」。住職によってつけられた戒名は「全身不散之霊」。痛ましい戦争で散り散りとなってしまった家族の霊が一つであるよう、思いが込められた。

「竹やりで戦車撃退せよ」

 日本の降伏を目的に米軍は千葉県・九十九里と神奈川県・湘南の2カ所を起点に、Uの字型に首都大本営を攻め落とす挟撃作戦を計画していた。「国はこの作戦に備え、住民たちに軍艦が海岸についたら、戦車がおりてくる。浜辺に穴を掘って竹やりで突いて撃退しろと通達していた」と父から聞かされたという。決行前に終戦を迎えたが、8月28日には200隻を超える大艦隊が相模湾に現れたことも記録されている。

地域襲う戦争の遺痕

 地域住民を襲ったのは、空襲や艦隊だけではない。終戦後も戦争の遺恨はさまざまなところで人々を苦しめた。「兄の同級生は拾った手榴弾でキャッチボールをして大けがした」。また、駅には身寄りをなくした浮浪児の兄弟もいたという。「葬儀代を食料でもらうことも多く、幸いうちは食べ物には恵まれていて、父は浮浪児の兄弟にも食べ物を分け与えていた」。それでも、戦後に生まれた2人の兄弟は栄養失調で亡くしている。「農家にヤギのミルクを買いに行ったけれど、助からなくてね」

 「忘れた頃に災難は繰り返される。幼い頃の記憶だが、今後の平和に役立てば」と思いを語る。

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市民病院 24年度 医療事故など2184件

 藤沢市民病院は5日、2024年度の医療事故などの件数が2184件で、前年比で107件減少したことを公表した。

 同病院が05年9月に策定した「医療事故公表基準」に基づき、患者に大きな影響を与えなかった「インシデント」と有害な事象「アクシデント」(医療事故)をレベル0〜5に分類し、毎年公表している。

 24年度のインシデントでは、患者への実害はなかったレベル1が最多の1066件(前年比121件減)、アクシデントでは、濃厚な処置や治療を要したレベル3bは12件(同4件減)あった。

 レベル3bの事例として、重症肺炎で人工呼吸治療中の患者が気管チューブ抜去防止のため両腕を抑制していたが、本人が気管チューブを抜いてしまった(80代)、低栄養、歩行困難で点滴治療中の患者がベットの横に立つと検知するセンサーマットに反応があったため訪室した際に転倒を発見し、CT検査を実施したところ頭蓋内に血腫を認め、急変リスクもあるため集中治療室管理とした(50代)ケースなどがあった。

 そのほか永続的な障害が残り、有為な機能障害などを伴うレベル4bは1件あった。レベル5の死亡は0件だった。

功労者表彰の受賞者たち

環境保全・工業保安功労者を表彰 藤沢から2団体5人受賞

 多年にわたり環境の保全や高圧ガス・火薬類の保安などの各分野で功績をあげた個人や団体を表彰する「令和7年度神奈川県環境保全功労者・工業保安功労者湘南地域県政総合センター所長表彰」の受賞者がこのほど決定し、10日に平塚合同庁舎(平塚市)で表彰式が行われた。

 受賞したのは各分野での業績が広く県民の模範となると市町や関係団体から推薦された個人13人、4団体の17者。

 藤沢市からは環境保全の区分で大気・水・土壌環境保全功労として「株式会社テクノステート」、美化運動功労として本間正宏さん、鈴木孝俊さん、宮崎政良さん、飯島富士男さん、鈴木篤子さん、工業保安の区分で高圧ガス保安功労として「藤沢市ガス事業協同組合」の7者が選出された。

社会参加で健康に 27日、いきいきシニア応援フェア

 Fプレイス(本町1の12の17)で27日(金)、「第1回いきいきシニア応援フェア」が開かれる。午前10時から午後3時(会場は午前9時45分)。

 シニア世代の社会参加を促そうとNPO法人湘南ふじさわシニアネットが主催。地域団体が活動説明や各種相談、体験ブースが出展する他、藤沢マイスターの和菓子職人宮崎曻さんによる和菓子作り実演も行われる。

 また、午前10時からの講演会では、東京都健康長寿医療センター研究所の野中久美子さんが登場。高齢者が孤立状態に陥る要因や心身の健康維持・向上に効果的な社会参加などについて解説する。

 詳細はHPから。問い合わせは湘南ふじさわシニアネット【電話】0466・52・5577または、市高齢者支援課【電話】0466・50・3571。

藤沢市展が開催 17日から市民ギャラリー

 第75回「藤沢市展」が6月17日(火)から藤沢市民ギャラリー(ODAKYU湘南GATE6階)で開催される。入場無料。

 市内の芸術文化の振興を図り、美術・書道・写真・華道の作品が並ぶ。今年は、市美術協会、書道協会、華道協会の会員の作品155点と、中学生以上の市内在住・在勤・在学の人からの公募作品が389点並ぶ予定だ。

 展示期間は、写真展が17日から22日(日)。華道展は公募展が17日から19日(木)、入賞作品および会員作品が20日(金)から22日(日)まで。美術展が24日(火)から29日(日)まで。書道展が7月1日(火)から6日(日)まで開催される。

 開館時間は午前10時から午後7時まで。月曜休館。日曜日は5時閉館。

 大賞や市長賞などの表彰式は7月13日(日)午前10時半から藤沢市民会館第1展示集会ホールで開催予定。

 (問)(公財)藤沢市みらい創造財団【電話】0466・28・1135。

あいさつする小澤会長

「和の精神」次世代へ 西RCが60周年記念式典

 藤沢西ロータリークラブ(RC)創立60周年記念式典が7日、南藤沢の湘南鎌倉クリスタルホテルで開かれた。クラブ会員や来賓ら含め約100人が節目を祝った。

 同クラブは藤沢ロータリークラブを親クラブとし、1965年に創立。互いを尊重し、調和を重んじ、共に歩む姿勢を意味する「和の精神」を掲げ、大庭の引地川親水公園に河津桜を100本植樹するなど地元の奉仕活動に取り組んできた。

 式典では、今後3年間の方向性を示すクラブビジョンを発表。青少年育成や地域文化の創出、ポリオ撲滅といった国際的奉仕活動への積極的な参加など持続可能なクラブ運営の道筋を明確にした。小澤一成会長は「思いやりと支え合いの心こそが、これからの奉仕のあり方を照らす光だと確信している。私たちは藤沢のまちと共に歩みながら、和の精神を次世代に力強く引き継いでいく」と決意を新たにした。

ビーチサッカーを楽しむ園児

ビーチスポーツ園児楽しむ 民間保育園の「運動会」

 市内で3つの施設を持つ民間保育園ちびっこ保育園(島田博之理事長)は先月24日、鵠沼海岸でビーチスポーツを楽しむ「運動会」を実施した。園児や保護者ら100人がビーチサッカーや、ビーチフラッグス、ビーチテニスなどに挑戦した。

 このイベントは「保育園でも運動会がしたい」と島田理事長発案。3年前からサッカー指導を担当し、個人でビーチスポーツの普及活動をしている原口翔太郎さんの協力を得て実現。新しい体験に親子ともども笑顔が咲くイベントとなった。

 「海のある藤沢ならではの運動会になった」と島田理事長。これからも「藤沢という立地を生かした保育園ならではのイベントに育てていきたい」と語った。

当時の状況を語る黒岩知事、阿南さん、堀岡さん(左から)

コロナの「最前線」描く 横浜港舞台の映画公開

 映画「フロントライン」が6月13日(金)に全国公開される。物語の舞台は2020年2月3日に横浜港に入港し、その後日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船・ダイヤモンド・プリンセス号。未知のウイルスに最前線で挑んだ人々の姿を事実に基づき描く。

 後援する神奈川県医師会は5月29日、キノシネマ横浜みなとみらいで試写会と座談会を行った。神奈川県立病院機構の理事長で映画製作の総監修を務めた阿南英明さんや黒岩祐治神奈川県知事らが登壇した。

 集団感染の発生時、阿南さんは災害派遣医療チーム「DMAT」の統括として対策本部で指揮を執った。映画では小栗旬さんが演じる。「その後の3、4年にわたるコロナの幕開けのストーリー。当時はとんでもない状況で、どんなに苦しくても乗員乗客約3700人全員が下船すれば終わりだと考えるしかなかった」と振り返った。

 また、当時は厚生労働省医政局の立場で阿南さんらと対応にあたった堀岡伸彦さんは「映画でフィーチャーされている人以外にも、逃げなかった多くの人がいたと知ってほしい」と話した。

 県はその後、ダイヤモンド・プリンセス号での医療的経験を生かし、全国に先駆けて医療提供体制「神奈川モデル」を作成した。黒岩知事は「人のネットワークとコミュニケーションが危機を乗り越えるパワーになった。次に同じようなことがあってもみんなで立ち向かっていくという思い」と語った。

 企画・脚本・プロデュースの増本淳さんから阿南さんに取材の依頼があったのは20年の春。そこから取材を進め、メモは300枚にも及んだという。阿南さんは「5年経った今だからこそ表現できることも。次世代へのメッセージを残していけたら」と話す。

ブルーサンタの格好をした参加者ら

海さくら ブルーサンタ きれいな海へ意気込み

 NPO法人海さくら(古澤純一郎理事長)が主催するごみ拾いイベント「ブルーサンタ」の開催を前に、同団体と今年の参加者らは3日、藤沢市役所で会見を行い、抱負を述べた。

 今年は今月28日(土)に東京都渋谷区、7月12日(土)に藤沢市役所周辺、海の日の21日(月)に片瀬東浜海岸でごみ拾いを行う。

 この日は海の日にごみ拾いを行うお笑い芸人・川村エミコさん、元プロサッカー選手の柿谷曜一朗さん、スヌーピーらが、古澤理事長や鈴木恒夫市長とともに青いサンタクロースの格好で登場。また、ふじさわ観光親善大使を務めるつるの剛士さんのビデオメッセージも放映された。

 古澤理事長は20年目を迎える団体の活動を振り返りながら、「自分たちの生きている間に海をきれいにするという気持ちを皆さんと分かち合いたい」と語った。全国のプロスポーツリーグによる清掃活動プロジェクト「LEADS TO THE OCEAN」のプレイングアンバサダーでもある柿谷さんは「先頭に立って海をきれいにしていきたい」と話した。

 イベントは参加無料。申し込みは同団体ホームページの専用フォームから。締め切りは全日程前日まで。また、希望者にはブルーサンタの衣装も進呈される。

遠藤あじさいまつり中止に 担い手不足が原因

 遠藤地区で25年間開催された「遠藤あじさいまつり」が、今年は中止となった。

 小出川沿い約500メートルを彩る「花とせせらぎの道」で毎年梅雨頃に行われ、地元野菜の販売や子どもたちの太鼓演奏などでにぎわう風物詩となっていた。

 中止の理由について「遠藤あじさいの会」は、担い手の高齢化や不足を挙げる。「70歳以上の地元住民によるボランティアで運営されてきたが、お祭りをするには数が足りない」。また、「河川の護岸工事の長期化も影響し、苗が小さくなっていることも理由」と話している。

 来年以降については未定。今年も草刈りが行われ、大黒橋や諸之木橋付近ではアジサイが花開いている。

(上から)女子の部優勝の羽鳥、混合の部優勝の湘南台ジュニア、男子の部優勝の藤沢クラブ

小学生バレーボール 藤沢勢3組が県進出

 全日本バレーボール小学生大会神奈川県大会藤沢地域予選が先月25日に小出小学校と湘南台小学校、31日に秋葉台文化体育館で行われ、藤沢を拠点にする3チームが各部門を制し、県大会進出を決めた。

 全日本バレーボール小学生大会神奈川県大会の予選として県下8地域で開催された同大会には、近隣地域の16チームが出場。5チームが出場した女子の部では羽鳥、3チームが出場した男子の部では藤沢クラブが優勝した。最多8チームが出場した混合の部では湘南台ジュニアが頂点に立った。3チームはそれぞれ1セットも落とすことなく勝利を収めた。

 市バレーボール協会の荒井勝男会長は結果を受けて「藤沢のバレーボールを支える小学生たちの頑張りをたたえたい」とエールを送った。

 県大会は22日(日)から行われる。

素早く札を取る吉本主将(右)

西高かるた部 7年ぶりの全国大会へ 悲願の近江 目指すはベスト16

 藤沢西高校の競技かるた部がこのほど、第47回全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会予選で団体戦県準優勝を収め、7年ぶり19回目の全国大会出場の切符を手にした。大舞台での活躍を誓う部員たち。日々の練習にも熱がこもる。

 競技かるたの団体戦は最大8人編成で、試合に出るのは5人。1人ずつ対戦相手と戦い、先に3勝を獲得したチームが勝利となる。

 県予選ではリーグ戦を行った後、上位16チームでトーナメント戦を開催。迎えた準決勝では4勝を収め、全国出場を果たした。3勝目を挙げた野上星(あかり)さん(2年)は「先制していたが、後半相手も粘っていて緊張した。勝ててよかった」と振り返る。その後の決勝では惜しくも優勝を逃したが、悔しさをバネに高みを目指す。

 チームの要となるのが吉本勇真主将(3年)。「全国なので厳しい戦いになると思う。でも、1勝は僕がしてくるから、あと2勝はよろしく」とメンバーに声をかけ、絶対的エースとしての貫禄を見せる。

 指導をする永吉寛行さんは「静かだけれど、したたかさがあるチーム。試合を安心して見ていられるし、運も味方している」と話す。また「ベスト16位と言わず、西高史上初のベスト4以上を目指してほしい」と期待を込めた。

 全国大会は7月20日(日)、滋賀県の近江神宮で開かれる。

SFC学生ら 辻堂で野菜朝市 29日から毎週日曜

 辻堂駅北口の神台公園で6月29日から9月までの3カ月間、毎週日曜日に藤沢産野菜のマルシェ「辻堂朝ごはん朝市」が開かれる。朝市の毎週開催は市内初の試み。時間は午前7時から9時。主催は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の学生らが主導する実行委員会。藤沢市が後援する。

 当日は地元農家による採れたての有機野菜が、藤沢産の藍に彩られたテントで提供されるほか、それらの食材を使った朝ごはんも販売。また、芝生広場を用いたヨガ体験も開催予定だ。

 「有機野菜の魅力を伝えたい」と委員会の中心となった同大総合政策学部4年の杉優之介さんは話す。日曜朝の開催は「農作業の負担にならず、家で子どもがまだ寝ている時間なら買い物しやすいのでは」と考えた結果だという。

 このプロジェクトは、同大の玉村雅敏研究室での研究テーマ「ソーシャルマーケティング」の一環。テーマを地元野菜の訴求にしたきっかけは、杉さんの辻堂でのアルバイト経験からだ。「利益を求めると他の小売店と価格競争をしなければならない。農家の希望する売り方ができていないのではないか」。客と売り手の交流を深めながら野菜の魅力を伝えることを目的に、朝市の開催を決定した。

 藤沢市や市内の関係業者の協力を得て、産学公の連携を作った。近隣で開催されている他のマルシェに取材をしながら、売り手・買い手が求めていることを研究したという。

 「来場者が朝から元気になれるマルシェしたいぜひお越しいただければ」と杉さん。問い合わせは同実行委公式インスタグラムから。
ボートから投げ入れられたひも付きのペットボトルをつかんで救助される団員ら

もし海に落ちたら

 海のボーイスカウト「藤沢海洋少年団」(森清隆団長)は8日、江の島・湘南港内で落水訓練を実施した。日ごろ海上で行う活動中に海に落ちた事態を想定。28人の子どもたちが真剣な表情で取り組んだ。

 「もし海に落ちてしまったとして、ライフジャケットを着ている人が助かる可能性は80%以上。ちゃんと着ていなければ30%にまで下がる」など、岸壁で海上保安庁湘南海上保安署の職員から落水時の注意を受けた団員たち。その後、2隻のボートで湘南港を出港した。保安署職員が見守る中、溺水者役の団員がボートから海へと飛び込み、「助けて」と大きな声を上げながら救助を求めた。ボートから投げ入れられたひも付きのペットボトルやクーラーボックスを抱きかかえ、無事に引き上げられた。

 団員の一人、水津千尋さん(六会小2年)は「これで友達が海に落ちても、すぐに助けられる」と誇らしげに語った。

「キャンプ」で防災学ぶ 15日、藤沢駅前広場

 「防災とキャンプ」を切り口に防災意識を向上させ、災害に強い人とまちをつくるためのイベント「駅前防災CAMPふじさわ」が15日(日)、サンパール広場・サンパレット広場(藤沢駅北口駅前広場)で開かれる。午前10時から午後4時。参加無料。

 当日は、親子で楽しみながら学べる催しが盛りだくさん。避難姿勢を保ちながら出口を目指す段ボール迷路や水で作る非常食「アルファ米」の試食、起震車による地震体験といった体験のほか、防災・備蓄用品や災害時での活躍も期待されるキャンピングカーの展示、防犯・防災サービスの案内などが行われる。また、子どもたちに人気の白バイ隊員や消防士になって撮影ができるブース、大人も注目の”カエル顔”が懐かしいポルシェ912パトカーも登場する。

 芝生ステージでは、藤沢市消防音楽隊のコンサートや「キャンプサイコーおじさん」として知られる柳井隆宏さんによる防災のトークショーも開かれる(10時〜)。

 雨天の場合は22日(日)に順延。詳細は駅前防災キャンプふじさわ実行委員会のホームページから。問い合わせは(一社)藤沢駅周辺地区エリアマネジメント【電話】0466・23・1680。

市民交響楽団 「こうもり」や「春」披露 15日、市民会館

 藤沢市民交響楽団が6月15日(日)、定期演奏会を行う。曲目はJ・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」序曲、ブラームスのピアノ協奏曲第2番、シューマンの交響曲第1番「春」。ピアノは三原未紗子さん、指揮は平野桂子さんが務める。

 会場は藤沢市民会館大ホール(藤沢駅から徒歩10分)。時間は午後2時開演(午後1時20分開場)。

 問い合わせは片岡さん(【電話】0466・81・3279)または、fso.concert@gmail.comまで。