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藤沢 経済

公開日:2025.06.13

シラス不漁、藤沢でも
漁協「泣きの年」

 今年のシラス漁が解禁された3月11日以降、市内でも深刻な不漁が続いている。多くの観光客が訪れる江の島でも「本日生シラスありません」という張り紙が目立ち、夏の書き入れ時を前に、名産品の提供に不安が広がっている。

 県水産技術センター(三浦市)が県下3地点でのデータをまとめて算出している相模湾での今年のシラス推定漁獲量は、4月時点で過去5年間の平均のおおむね半分、前年の4分の1程度にとどまるという。

 湘南シラスの直売を行っている藤沢市漁業協同組合では、ここ数年間シラスの漁獲状況は減少傾向にあったが、今年は特に深刻で、「思うような販売が全くできていない状況」と組合関係者は話す。例年、3月の解禁後、不調の年でもゴールデンウィークが明ける5月中旬頃にはまとまった漁獲量が見込めたものの、今年は6月に入っても満足に販売できたのは数えるほどしかないという。また、まとまった漁獲量がなければ加工作業を行うことも難しいため、販売できる日でも10パック程度の数量限定での提供となっている。「今年は泣きの年。一日も早く安定して獲れるようになるのを祈るしかない」と関係者は肩を落とす。

 こうした状況について同センターは詳しい原因は不明とした上で、黒潮大蛇行が影響しているのではと話す。黒潮大蛇行は、黒潮が紀伊半島から東海沖で大きく離岸して流れる現象。潮の流れが大きく変わることで沿岸にシラスが流れ込みにくくなっている可能性がある。黒潮の大蛇行については、気象庁が先月9日、「7年9か月続いた黒潮大蛇行が終息する兆しがある」と発表している。同センターによると、現在時点では漁獲量に大きな改善はないという。

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