「江の島フィッシャーマンズマルシェ」の実行委員長を務める 矢口 雅己さん 藤沢在住 50歳
自分を好きになれる場所に
○…片瀬漁港で地産地消のマルシェを開催する。「誰もが来れる居場所になれば」。新鮮な魚介類や野菜の売り場、キッチンカー、ダンスや地元シンガーのステージを展開。今後は芝生広場が子どもの遊び場になる企画も考えている。「子どもが自由に遊べる場所が少なくなり、家でゲームか習い事に行くことが多い。だけど全員がそれをできるわけじゃない」
○…「藤沢をこよなく愛している」と自負する。知人を通じて立ち上げから関わるマルシェのみならず、神社の祭りや田植え、凧揚げ、消防団などにも積極的に参加する。その幼少期は「ヤンチャしていた」と振り返る。鵠沼小に通っていたが、小学校高学年にあがる頃には、家庭環境の不和や周りの大人との摩擦が度重なった。第一中に進学した後も悪いイメージが定着し、家には居場所がなかった。それでも「人情味あふれる友達や先輩に精神面で救われた」。地元への愛が深まっていった。
○…中学卒業後は、19歳まで飲食業などで働き、その後は運送会社に勤務。藤沢を離れることはなかった。10代の頃にたこ焼き屋で働いたことを生かし、17年前に「たこ焼き 風天」を開業した。旧東海道に面した店に地元学生や住民が集い、通りすがる人も笑顔で手を振る。
○…「昔の自分のようなヤンチャしている中学生も店に来る」。その子らの悩みを親身になって聞きながら、自身の経験を元に話すのは「自分を好きになること」だ。「自分を好きになれば、一見敷居の高そうな地域の取り組みにも積極的に関わることができる」。その中学生は数年後、社会人となって再び来店した。「うれしかった。マルシェもさまざまな人が『自分を好きになれる場』にしたい」
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