湘南学園小学校が2日、持続可能な開発のための教育(ESD)に取り組む「ユネスコスクール」に認定された。すでに認定済みの幼稚園、中学、高校を合わせ、15年一貫して加盟校となったのは県内で唯一。「受ノ心」を合言葉に、児童が五感を通して学びを深める体験学習を取り入れる姿勢などが評価された。
ユネスコスクールは国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の理念に基づき、ESDを推進する学校のネットワーク。県内では幼小中高などを含む21校、国内970校、世界には180カ国に約1万校以上ある(2025年3月時点)。
気候変動や貧困など地球規模の課題を解決する担い手を育むESDへの取り組みが求められ、「知る」「為す」「人間として生きる」「共に生きる」ことを学ぶユネスコが提唱する教育理念「学びの4本柱」を重視し、「心の中に平和のとりでを築く」ことを目指す。国内外の学校間交流のほか、最新教材や情報の入手、研修会への参加などの加盟メリットがある。
体験を重視
同学園は1933(昭和8)年に創立した総合学園。「強い人間力」の育成を推進し、社会に貢献できるような力を育てている。これらの姿勢がユネスコスクールの目指すべき方向性と一致している部分が多いことから、13年に中学、高校を加盟することに。続けて幼稚園が今年2月に正式認定。そして6月、小学校も加わり、全国でも稀な幼小中高での加盟に至った。
このほど認定された小学校では昨年度、「受けとりあって豊かに学び、受けとりあって豊かに生きる」を教育目標に掲げ、「受ノ心」を教育活動に取り入れた。生物多様性や海洋、環境、世界遺産、無形文化遺産、地域の文化財、食育など活動分野はさまざま。今年度は教科横断的な総合学習を継続することに加え、「海」「水」「食」と発展させてきたテーマを6年生でどのように位置づけ、宿泊学習と結び付けていくかを、修学旅行の目的地やそれに伴う活動内容の変更も視野に検討を進めていくという。
学園全体では「平和」「共生」「持続可能性」をテーマに、地域や国際社会とのつながりに重きを置いた教育活動を行ってきた。住田昌治学園長は「文部科学省の学習指導要領に盛り込まれるなど今やESDの考え方は特別なことではない」とした上で、「平和の実現には人や自然など身近なモノ、コトに目を向け、子どもたちの気づきにつなげることが大切。今後の日本教育のリーダーとしてユネスコスクールの教育理念を共有し、地域を巻き込みながら皆の成長を支える体制を整えていきたい」とした。
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