逗子・葉山版【6月27日(金)号】
新ガイドをPRする高木会長(右)と高梨事務局長

葉山町観光協会 「責任ある観光」へ新ガイド 持ち運び重視で刷新

 葉山町観光協会は5月末に「はやまガイドマップ」を刷新し、観光協会事務所(葉山ステーション内)や町役場入口、図書館などで配布を始めた。冊子内でレスポンシブルツーリズム(責任ある観光)を呼び掛け、町民と観光客が一体となったまちづくりを目指す。

 新しいガイドはA4サイズを縦に二つ折りした縦長で36ページの仕立て。持ち運びやすさを重視した。これまでにはなかった葉山土産紹介のページを作り、掲載店舗数は70店以上と倍増。地域ごとに地図と店情報をまとめることで、より見やすくなっている。また初めての取り組みとしてクーポン特典をつけ、ガイドマップの活用を促す。掲載店は協会事務所前のデジタルサイネージや、観光協会ウェブサイトでも紹介する。

 一方で観光スポットは削除。1月に新たに作成したバスルート付きガイドマップ「はやまっぷ」に、公園や文化施設、季節ごとのイベント紹介、ハイキングコースなどを集約した。過去のガイドマップで分かりづらいとされていた、バスルート案内では海側コース、山側コースで色を分け、目的地までどのバスに乗ればよいか一目で分かるようになっている。

レスポンシブルツーリズム

 両マップに共通するのは「葉山レスポンシブルツーリズム」のアピール。有名観光地のオーバーツーリズムが問題視される中、葉山が同様にならないように観光客に向け、観光協会としての意思を示す。具体的には「海や山のいきものは持ち帰らない」「自己責任で自然を楽しむ」「ごみは持ち帰る」「公共交通機関の利用を奨励」「海岸以外の水着NG」を呼び掛ける。

 同協会の高木康之(こうじ)会長は「町民の生活と観光を両立させたい。レスポンシブルツーリズムという概念を知ってもらい、町民と観光客が一緒になってまちづくりをしていけたら」と熱を込めた。

説明会に臨んだ桐ケ谷市長

逗子市 医療方針具体案示せず 市民説明会で

 逗子市は1980年代から掲げてきた総合的病院誘致の方針を転換するにあたり、市民向け説明会を6月13、14日に開催した。今後目指す、地域医療の方針(案)が示されたが、具体的な取り組みは見えてこなかった。

 13日の説明会冒頭で桐ケ谷覚市長は「この40年で社会環境は大きく変化した。このまま誘致活動を続けても実現の可能性は高くない。また、三浦半島は急性期の医療環境が充足している。さらに逗子は人口1万人あたりの診療所数が12・6件で県平均の6・98件を大きく上回る。こうした特性を生かし、かかりつけ医制度を充実させたい。今ある環境を生かした上で安心を確保することが逗子にとって最適だと考える」と理解を求めた。

 市は総合的病院の代替案として昨年、一昨年に行った地域医療検討会で専門家や市民からあがった課題を整理した「地域医療の方針(案)」を発表。大きな絵を描いて一気に実現するのではなく、足りない部分一つ一つに対して手を打っていくとした。

 取り組むべき課題として、【1】小児医療【2】相談窓口・情報発信【3】災害時、新たな感染症など【4】在宅医療をあげた。小児医療については「診てほしい時に診てもらえない」要因や、小児科医が抱える問題の把握ができていないという。相談窓口については地域包括支援センター利用の周知や、医療の相談先についてなど、逗葉医師会などと連携し、情報発信に努めるとしている。災害時に備えては葉山町や関係機関との訓練や研修を実施。新たな感染症については新型コロナ感染症の総括を行い「成功」「失敗」の分析の必要性を指摘する。在宅医療の現状把握と情報発信、また医療と介護の連携についても言及する。

 市の担当者は地域医療の方針(案)を説明しながらも、「いつまでに何を実現するといったことや、数字としての目標もあげられない。課題一つ一つの現状を把握し、それに対し打てる策を講じながら具体的な行動に移していきたい」と言うにとどまった。

逗子の市民団体「歩行者と自転車のまちを考える会」の会長を務める 谷 守弘さん 鎌倉市在住 70歳

まちづくりに熱中

 ○…逗子市のまちづくりの一環で立ち上げた会の活動が認められ、国土交通省から表彰された。「17年やってきて、少しマンネリ化しているところもあったが、改めてスイッチが入った。これからの活動の励みになる」。メンバーの入れ替わりもある中、立ち上げから携わるだけに実感がこもる。

 ○…「ツール・ド・逗子」「逗子カーフリーデー」など、啓発的な活動を続けてきたが、車中心の社会は変わらず、せいぜい車道に自転車通行の矢羽根が表示された程度。同時期に始まったヨーロッパの交通計画からも遅れを取り、もどかしさを感じている。震災やコロナを経験し、交通環境も変わった。「あと15年。自転車と歩行者中心のまちにしたい。できないことはない」と力を込める。

 ○…大学・大学院で建築や都市計画を学び、20代半ばにローマ時代の建築に触れようとヨーロッパに7カ月放浪の旅に出た。自由に生きてきたが結婚をしたことで人生観も変わった。「子どもたちが今後どんな世界に生きるのか。へんな荷物は背負わせられない」という責任感が、いま取り組むまちづくりに通じる。「人生は都市計画のようにはいかない。予想外のことが多いのは楽しいですけどね」と笑う。

 ○…逗子との縁は親の転勤で18歳の時に越してきてから。50歳からは披露山庭園住宅団地の管理などに携わってきた。最近の趣味はオーディオで、学生時代の友人が市民交流センターなどで主催する「逗子で昔のロックを聴く」イベントの手伝いもしている。先祖は西南戦争で西郷隆盛から熊本城を死守したという、軍人であり政治家の谷干城。「いずれはゆかりの地を歩いて回りたい」。若い頃のバックパッカーの血が騒ぐ。

神楽を見守る漁協の組合員

海上の安全と豊漁祈願 森戸神社で潮神楽

 葉山の海の安全と豊漁を祈願する神事「潮神楽」が6月16日、森戸神社で行われた。湘南漁業協同組合葉山支所(角田正美支所運営委員長)が主催。

 約800年前に京都の石清水八幡宮から鎌倉の鶴岡八幡宮に伝わった「鎌倉神楽」を起源とし、葉山町は昔から漁業が盛んだったことから「潮神楽」という名称で江戸中期頃から、海の安全、大漁満足を祈念してきた。

 神楽は八座で構成。「羽能(はのう)」「御祓(おはらい)」「御幣招(ごへいまねき)」「湯上(ゆあげ)」の前段4座は清め、祓い、神招き、供えの神事を意味する。後段4座は神と人がともに楽しむための神楽。「掻湯(かきゆ)」は御幣で湯をかき回し、湯玉が大きく上がるとその1年は良い年になるという。「笹舞(ささまい)」は笹の束を使い、湯を参列者にふりかけ、「射祓(いはらい)」は弓と矢で邪気を祓う。八座目の「剣舞(けんまい)・毛止幾(もどき)」は赤い面の天狗が天下泰平を祈り、黒い面の山の神が滑稽な所作で参列者の緊張をほどいていくのだという。

 角田さんは「潮神楽をやらないと時化にあうと言われているので、無事に終わり、気持ちが楽になった」と、安堵の表情を見せた。

着衣のままの救助で重さを実感

葉山警察署 着衣で水難救助体験 ライフセーバーが協力

 葉山警察署(河野朗署長)は6月17日、海水浴シーズンを前に一色海岸で水難救助訓練を行った。昨年からNPO法人葉山ライフセービングクラブ(加藤智美理事長)に協力を仰ぎ、「海のプロ」の指導を受けている。

 当日は署員15人とライフセーバー3人が参加した。署員はまず防刃服を身につけたまま入水。体のどこまで水につかると動きづらくなるのかを確認しながら前に進んでいった。

 その後、動きやすい服装になり、バディを組んだ相手を背に担ぎ、浜まで運ぶ練習を行った。

 またレスキューチューブと呼ばれる浮き具の使い方、ゴムボートでのパドルの漕ぎ方の指導を受け、実際に沖まで出て救助の仕方を学んだ。

 加藤理事長からは「一人では海に入らない。現場では浮いて待っていることが大事。消波ブロックに近いところは沖に出た方が安全なこともある」などのアドバイスがされた。

 参加した署員の一人は「着衣のままだと体にまとわりついて、腕を動かすだけでも水の重さに引っ張られてしまった。ボートは左右の声掛けのタイミングが合わないと真っすぐ進まず難しかった。浜まで人を運ぶときにはうまく波の力を使うことができた」など訓練の感想を語った。

 河野署長は「夏のシーズン、油断せずに海水浴環境の安全を確保しながら対応していきたい」と気を引き締めた。

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宮本教授(奥)の講義を聞く児童たち

上山口小 微生物の働きに児童驚き 慶大 宮本教授が特別講義

 葉山町立上山口小学校(田中基校長)で6月17日、4・5・6年生を対象に慶應義塾大学理工学部の宮本憲二教授による「微生物」をテーマにした特別講義が行われた。

 身近な細菌の話では口の中や手には細菌がたくさんいるが悪いものばかりではない。腸内には子どもだと約1キログラムの細菌がいて、体調が良い時は乳酸菌やビフィズス菌のような善玉菌が元気で、調子のよくない時は大腸菌やブドウ球菌のような悪玉菌が活発になっているという説明がされた。

 次にマイクロプラスチックによる生物濃縮で人に影響が出る話がされ、1人当たり1週間でカード1枚分ほどのプラスチックを食べていることになると聞かされると子どもたちからは「えーっ」と驚きの声が上がった。

 そのプラスチックを食べる微生物はいるのかという話題になり、同大は葉山町内の学校が給食で使っている生分解性プラスチックのストローを食べる微生物を発見したことを紹介。約2週間で分解されることを知ると児童らは驚嘆していた。

 講義を終えた宮本教授は「子どもの時からこうした話を聞くのは大切な事。家に帰って家族にも話してくれたらまち全体の意識も変わっていくことにつながると思う」と語った。

 同大理工学部は6月10日に葉山町教育委員会と児童・生徒に対する環境教育の充実に関する連携協定を締結した。

デモンストレーションの画面

逗子市 教育・災害対応でデジタル化 Zoom日本法人と協定

 逗子市は6月13日、ビデオ会議ツールZoomの日本法人、ZVC JAPAN株式会社(下垣典弘会長兼社長)と包括的連携に関する協定を結んだ。同社の地方自治体との協定締結は17都市目で、神奈川県内では初となる。

 同社のシステムを利用し、学習環境の充実、災害対応の効率化・高度化を図る。

 当日はデモンストレーションも実施。同システムのカメラは室内にいる複数人の人物を認識。画面を分割し一人一人をアップにすることで、細かい表情も読み取ることができ、発言内容がその場でAIにより文字起こしされた。

 こうした技術は、例えば災害対策本部に寄せられた通報がその場で文字起こしされることで、効率よく情報共有ができる。また教育現場ではクラウド電話システムを使うことで、教員が電話を受ける際に職員室に行く必要がなくなるという。

 桐ケ谷覚市長は「防災にどう活用できるか、教員の抱える課題をどう改善できるか検証し、職員の仕事軽減、市民サービスの向上につなげていきたい」と期待を寄せた。

市民有志が落書き消し 逗子海岸 渚橋横で

 逗子海岸の渚橋横にされた落書きを消す作業が6月21日、市民有志約20人によって行われた=写真。

 午前10時過ぎにペンキとローラーで落書き消しに取り掛かり、1時間弱で壁は塗り替えられた。通りかかった外国人の親子連れが飛び入りで参加するひと幕も見られた。

 この場所は一昨年にも落書きされ、今回と同様に市民有志によって消されたが、1週間もたたないうちに再度落書きされたという経緯がある。

 作業に参加した比野百々花さん(11)は「落書きされてしまったらペンキを塗った方が良いと思う。ぼこぼこしたところは塗るのが大変だった」と話した。

車両の前に立つ志原署長、森川さん、尾前社長、熊坂消防長(左から)

逗子警察・逗子消防 県内初、車両広報で連携 湘南ビーチFMが協力

 逗子警察署(志原光徳署長)と逗子市消防本部(熊坂篤範消防長)は6月17日、車両広報連携団結式を行った。

 この共同広報は、警察車両が火災予防や救急についての呼びかけをしたり、消防車両で交通安全や特殊詐欺についての注意喚起のアナウンスをしたりするもの。警察と消防の車両での広報連携は県内初。

 使用する車両は警察はパトカー2台、ミニパトカー2台、アクティブ交番の車両1台をメインに、覆面パトカーが赤灯をつけて行うこともある。消防は救急車出動後、病院への搬送を終え市内に戻ってくる際にアナウンスを流す。消防車も同様に活動する。救急車が走りながらアナウンスを行うことは初めてのことだという。

 同取り組みは逗子警察の志原署長の提案から始まった。団結式で志原署長は「逗子消防と逗子警察はうまく連携が取れている中、お互いの広報活動を一緒にすることで効率化が図れる」とその意図を強調した。逗子消防の熊坂消防長は「はじめは市民の方も戸惑うかもしれないが、警察と消防が協力していることを理解してくれたら安心感が向上すると思う」と期待を語った。

 広報文のアナウンスは地元放送局の湘南ビーチFM(尾前芳樹社長)のチーフパーソナリティ・森川いつみさんが務めている。

紙芝居を披露する安井さん(左)

フリースクールここだね 山の根で「サバイディー」 ラオスと交流

 逗子市のフリースクールここだね(山の根/深沢武代表)は6月20日、ラオスでこども図書館活動に関わり文化研究を続ける絵本作家・安井清子さんの親子劇団を招き交流会を開催した。

 きっかけは2年前の同スクール夏祭りの屋台の売上の4分の1で、ラオス語の翻訳シートを貼った絵本を送るボランティア活動に参加したことだった。

 この間、ここだねでは、差別や貧困に苦しむアジアの人たちが「あたりまえの生活」を送れるよう、「共に生きる社会」を作ることを目的に活動するNPO法人地球の木とつながり、自分たちにできる国際協力について体験をしてきた。

紙芝居と劇で交流

 当日は児童約10人と保護者が参加。安井さんがラオス語で「サバイディー(こんにちは)」とあいさつすると児童も「サバイディー」と返事をした。安井さんはラオスの場所など、簡単な紹介をしたうえで、モン族に伝わる民話を紙芝居と劇で披露した。

 劇を見た5年生児童は「少し怖かったけど、なかなか見られない劇で、面白かった」と感想を話した。

 安井さんは「昔話の時代は、人と目に見えないものが共存していたと思う。そういう世界感を大切にしてもらえたらと思う」と語った。

芸術祭の顔をデザイン

 逗子アートフェスティバル実行委員会(ZAF実行委員会)は、2026年から使用する新しいロゴデザインを公募している。採用作品は主に公式パンフレット、公式SNS、ウェブサイト、チラシ、駅貼りポスターや横断幕、市役所お知らせモニターなどで広報に活用される。

 応募期間は8月25日(月)午後5時まで(必着)。郵送の場合は締切日消印有効。応募作品は正方形とし、2026年数入りと年数なしの2種類。また、デザインには必ず「ZAF」の文字を組み込む。

 過去を含めて逗子に在住・在勤・在学などのゆかりのある人、逗子が好きな人であれば、プロアマ、年齢を問わず誰でも応募可。最優秀賞には賞金10万円が贈られ、優秀賞も選出される。応募は1人何点でも可能で、所定の用紙に必要事項を記入し、メール、郵送、または直接提出。

 応募に関する問い合わせはZAF実行委員会事務局【電話】046・873・1111(278)か【メール】bunkasports@city.zushi.lg.jp。

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賞状を手に笑顔の谷会長(中央)

自転車活用の功績表彰 「目指すまち道半ば」

 逗子市の市民団体「歩行者と自転車のまちを考える会」(谷守弘会長=人物風土記で紹介)がこのほど自転車活用の功績を認められ、国土交通省から表彰された。同会は6月12日に逗子市役所を訪れ、桐ケ谷覚市長に受賞を報告。

 桐ケ谷市長は受賞に敬意を示すとともに「自転車教室など、これからも交通安全教育に努めてほしい」と期待を寄せた。

 同会は2008年10月、30年後の逗子市を描いた「まちづくり基本計画」に掲げられた「歩行者と自転車を優先するまち」の実現を目指し発足。現在は3月に「トモイクフェスティバル」での自転車教室、5月に実施している徒歩と自転車で地域の魅力を感じるエコツーリズムイベント「ツール・ド・逗子」、自動車利用による都市の安全や環境への影響について考える社会啓発活動「逗子カーフリーデー」を9月に行うなどの活動を行っている。

 谷会長は「活動を始めて17年。当時描いた理想にはまだ道半ば」と気を引き締めた。

海をバックに逗子の「Z」ポーズをとる大森さん

逗子SLSC 「海水浴客、笑顔で帰す」 大森監視長が意気込み

 逗子海岸海水浴場がきょう27日に海開きする。開設期間、海水浴客でにぎわう海の安全安心を守るのが逗子サーフライフセービングクラブ(SLSC)。大学生をメインに約130人が活動する。

 2025年の監視長を務める大森海依さん(20)が意気込みを語った。

 「ライフセーバーは無事故を目指し、悲しい思いをさせないことが一番。でも今年はそれだけでなく、楽しい思いをして笑顔で帰ってほしい。そのために全力を注ぎ、クラブ一丸となって取り組む」と熱く語った。また、「メンバー全員が主体的に動けるクラブ」を目指すと強調。そのために若いメンバーにも仕事をふり、誰かに頼るのではなく、全員が責任感をもてるように働きかけているという。

 同海水浴場は逗子SLSCが監視をするようになって12年間、無事故が続く。しかし、昨年は集団泥酔者が出るなどトラブルも少なくない。「酒を飲んで海に入る人もいたが絶対にやめて。ルールの中で楽しんでほしい」と語気を強めた。

昨年のレース=日本RSクラス協会提供

日本RSクラス協会 森戸海岸で国際レース 7月5・6日

 一般社団法人日本RSクラス協会(高村徳明会長)は7月5日(土)・6日(日)、葉山町の森戸海岸で第1回RSエアロアジア選手権、第3回RSエアロ全日本選手権を開催する。同大会はRSセーリング社のエアロという船種によるレース。

 同船は船体重量30キログラムという軽さで、カーボンマストでセールの調整も手元でできるため、体力だけではない、スピードコントロールが可能だ。RSエアロのレースは加速と減速が激しいのが特徴で、相手をカバーリング(邪魔)した際の効果が大きい。相手をカバーする、カバーから逃れるといったスピード感溢れる駆け引きが多くなり、白熱した高速の接近戦が見どころ。

 レースは5日は午前10時20分、6日は午前9時40分にスタートする。海上で観戦できる「観覧艇(クルーザー)」に乗船希望の人は同協会に問い合わせを。

 同協会は森戸海岸でセーリング・ディンギー(ヨット)のRSクラス各艇種の愛好家を組織し、活動を広め、同クラスの健全な発展普及を図る活動をしている。

 高村会長は「レースを見てヨットの楽しさを感じてもらえれば」と観戦を呼びかける。

 (問)同協会(葉山セーリングカレッジ内)【電話】046・877・5399

お天気キャスター・木原 実さんに聞く 「無理せず、ゴールを目指す」

――SDGsをどのように評価されていますか。また、達成目標年2030年まであと、5年に迫っている状況です。

 「大前提として私はSDGsの理念は大賛成。しかしゴールまで5年は時間的に厳しいですね」

――その理由は。

 「国は環境・エネルギー問題に一時期は『車に乗るのをやめよう。公共交通機関を使おう』と呼びかけましたが、多くの人は不便だから応じません。でも自家用車をエコカーに変える人は増えました。無理や我慢をしない手法でゴールを目指す方が現実的です」

――具体的に何をすべきでしょうか。

 「気候変動対策でいえば、再生可能エネルギーの技術革新でしょう。太陽光発電や風力発電は使い始めたばかりの技術でノウハウが蓄積されていませんが、今後強力な研究開発をのぞみます。SDGsを提唱した国連が世界の科学技術を結集し、前進させていくことも一案です。残念ながら、ガザやウクライナの戦争もあり、それどころではない状況。しかし、 SDGsを本気で達成させるなら、世界のありようを考え直すべきです」

日常生活見直しを

――私たちの日常生活でできることは。

 「まずはごみ削減です。ご家庭の冷蔵庫の中で賞味期限が切れてるものありますよね。すぐに捨てませんか?お金と手間をかけて作った野菜、海で採ってきた魚が捨てられていく。消費期限を見て必要以上に買わないだけで済む。みなさん室内の消灯には熱心ですけど、食料を捨てることに罪悪感がないように感じます。僕は食いしん坊でケチん坊。少しくらい賞味期限が過ぎているものでも食べますよ(笑)」

――気象予報士として現在の地球環境は。

 「人間の力では気候変動を止められないだろうと思っています。コンピューターの計算ではじりじりと温暖化していくはずなんですが、実際は急上昇。一方、この冬の西日本の気温は低かった。自然は予測不能な変動を大きく起こします。温暖化で海水温も上がり強い台風が来ると言われており、実際、日本付近の海水温は過去にないくらい高くなりました。 けれども未だに1934年の室戸台風や1959年の伊勢湾台風を超える台風は来ていない。では異常気象とどう向き合うか。僕は対処療法だと思います。その環境に人が適応していくこと。SDGs的な対策を進めつつ、寒波や大雪、熱波や洪水に備える。天気予報は効果があります」

――最後に読者にメッセージを。

 「私は防災士でもあります。皆さん、災害が起きても喉元過ぎるとすぐ忘れる。だから繰り返し伝えていかなきゃいけない。準備できるのは災害の発生前、地震なら揺れる前。命を守るため、今やれること全部やってください。ひとりひとりのできることは限られています。しかし、知恵とお金を戦争や軍拡でなく、科学に投入すれば、安全で素敵な地球になります。みんなで実現させましょう」

参院選神奈川選挙区 16人が立候補の意向 アンケート ウェブで公開

 7月3日公示、20日投開票の参議院議員選挙(改選定数4)で、本紙調べで6月20日現在、神奈川県選挙区には16人が立候補の意向を表明している。現職2人に、新人は14人。現時点で激しい選挙戦になることが予想される。

 本紙では立候補予定者を対象に全14問の独自アンケートを実施。回答を当社政治情報サイト「政治の村」で公開している(二次元コードから)。

 県内の6月2日時点の選挙人名簿登録者数は769万7043人。22年の前回選挙は補欠1を含む定数5で行われ22人が立候補。投票率は54・51%だった。

(6月20日起稿)

星座にまつわるエトセトラ 「星たちの競演」

 夏至を過ぎて、春を代表する星座「しし座」も宵空の西に傾いています。6月29日、しし座の一等星レグルスと月が接近して見えます。これは月の通り道「白道」がレグルスに近いためです。太陽の通り道「黄道」と「白道」は5度くらいしか違いません。特にレグルスの近くで交差します。白道や黄道に近いと言うことは、惑星とも接近して見えるということ。6月30日には月と火星が接近して見えます。そしてこれだけ近いと時に月が星を隠したり、惑星が恒星を隠したりします。このような現象を「掩蔽(えんぺい)」と言います。惑星が月に隠れる現象(惑星食)、恒星が月に隠される現象(星食)などがそうです。2044年日本時間の10月2日6時57分ごろ、レグルスが金星に隠される現象がありますが、朝のため日本で見るのは難しいです。シンガポールやバンコクなら晴れていれば見られます。