さがみはら中央区版【7月24日(木)号】
今号の表紙(左)、白鳥さんが過去に開催した里山活動(右)

アゴラ夏号 自然との関係再考 中村書店などで販売

 相模原の総合雑誌「季刊アゴラ」の夏号がこのほど発売された。季刊アゴラは、自分たちのまち、ひいては自分たちの国のことは自分たちで考えようという理念のもと1997年から市民の手で編集されている。

 夏号の巻頭記事は市内外で里山活動を展開している白鳥淳子さんによる「里山再生でみんなが幸せになる共同体社会を」。市内のPFAS汚染問題などをきっかけに「人間は自然との関係性を見直さなければならない」と思った白鳥さんの活動内容や考えなどが綴られている。

 白鳥さんは記事の中で「(日本は)『機械化・効率化・お金を稼ぐこと』が人を幸せにするという虚構を追い求めるようになり、本来、自然の中にいた人間が自然から離れ、自然を物として扱い、破壊してきた」と警鐘を鳴らす。

 このほか、開校から3年が経った夜間中学、相模原市立大野南中学校分校夜間学級(南区・県立神奈川総合産業高等学校内)の成果や課題を述べる記事や、日米地位協定に関する記事などが収録されている。

 定価500円(税込)。中村書店などで取り扱い。問い合わせは山田さん【携帯電話】090・7908・6978へ。

スマホの撮影映像が指令センターと共有される(写真はイメージ/相模原市消防局提供)

相模原市消防局 映像通報システム導入へ 運用開始は今秋の見通し

 119番の通報者がスマートフォンで撮影した現場映像を通信指令員が同時に確認できる「映像通報システム」の運用開始へ向けて、相模原市消防局が準備を進めている。現場状況の映像を指令センターと共有することで災害活動などの効率化を図る。順調に進めば9月からスタートする。

6割がスマホ利用

 映像通報システムは、交通事故や急病などの際、現場の状況をスムーズに把握しようと全国的に導入が進められている。同局には昨年1年の間に約6万2千件の119番通報が寄せられた。そのうち6割ほどがスマートフォンなどからの通報で、その割合は年々増加していることから、同システムを導入することで効果的な災害活動につながると判断した。

 システムを使うと、通報者は言葉で伝えることが難しい現場の状況を映像で伝えることができる。通信指令員は傷病者などの様子を映像で確認し、心肺蘇生や止血などの救急措置の方法を指導したり、火事の場合であれば煙の色などから状況を見極めたり、隊の増強を今までよりも早い段階で判断できるようになるという。さらにスマートフォンの位置情報から現場が特定できる点なども有用だ。

まずは119番に通報

 同局指令課の小久保和良総括主幹は「事前登録やアプリのダウンロードは必要ありません。119番に通報するところまでは今までと変わりません」とシステムの操作が難しくないことを強調する。

 指令員は音声通話だけでは状況把握が難しい場合などに、必要に応じて映像撮影の協力を通報者に依頼する。その後、映像通報システムを起動するリンクアドレスを指令員から通報者にショートメッセージ(SMS)で送信。通報者がこのアドレスにアクセスするとカメラが起動し、現場の映像がリアルタイムで指令室に送られる仕組みだ(通信料金は通報者の負担)。

 懸念されるのが、システムの認知が進むまで、通報者が災害現場を撮影していることによるトラブル。小久保さんは「災害現場救命率の向上のためにも理解と協力をお願いしたいです」と話す。また、映像送信時の安全確保、他人の敷地に勝手に踏み込まないなどの配慮が求められる。

警察は23年から

 神奈川県警では同様の仕組みの「110番映像通報システム」を23年から運用している。

5月28日付けで相模原市建設業協会の会長に就任した 入江 功さん 淵野辺在住 51歳

意思受け継ぎ役目果たす

 ○…「相模原市の仕事をできるだけ地元の会員に発注していただけるよう、継続して訴えていく」。相模原市は他の政令指定都市と比べて予算に占める建設事業費の割合が少ない。同協会はこれまでも、建設事業費の増額を市に訴え続けてきた。「地元の建設業者は災害時の復旧作業で大きな力になる。ゲリラ豪雨や地震がいつあるかわからない中、我々が人材や体力を蓄えられるよう、仕事を増やすのが会長としての役目」

 ○…会長として意気込む背景には、19年間同協会をリードしてきた篠崎栄治前会長への並々ならない感謝の思いがある。「自分の仕事もある中、会のために動いてくれた。他のベテラン会員も含め、会を支えるために理事に残ってくれる。頭が下がる思い。意思を受け継ぎ、貢献していきたい」

 ○…父が裸一貫で立ち上げた建設会社を30歳で継いだ。幼い頃から見てきた姿に強く影響を受けている。夏休みの思い出は父の仕事場で一日遊び、サウナに行き、焼き肉を食べたこと。「なぜかそのときのことを鮮明に覚えているんです」。父から受け継ぎ大切にしている言葉がある。「建設業は人がいないとできない商売だから『人を大事に』とずっと言われてきた。そのためにも仕事量を確保しないと」

 ○…ずっと父の背中を追ってきたが、あるとき「自分は自分」とも思うようになった。今、一番大切にしたいことは社員を守ること。苦しい局面を共に乗り越えてきた社員たちに「感謝しかない」。生まれ育ち、これまで営業を続けてこれた地元・相模原への思いも年々強くなっている。「綺麗ごとでなく、会社として地域に貢献したいし、それが社員の喜びやモチベーションになると思う」

坂井選手(左)と小堀選手(右)

相模原から世界水泳へ 壮行会で代表選手を応援

 相模原市は7月15日、世界水泳選手権2025シンガポール大会に出場する日本代表選手3人の壮行会を市役所本庁舎で開催した。

 壮行会に出席したのは市のホームタウンアスリートである飛込の坂井丞(しょう)選手(ミキハウス)、競泳の小堀倭加(こぼりわか)選手(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社/相模原市水泳協会)。同じく競泳の小方颯(おがたそう)選手(イトマンスイミングスクール港北校/日本大学)はスケジュールの都合により欠席し、ビデオでメッセージを寄せた。会場には石井賢之副市長のほか市議会代表として西家克己副議長、相模原スポーツを応援する議員連盟会長の古内明議員らも応援に駆け付けた。

 坂井選手はオリンピック3大会連続出場、小堀選手はオリンピック2大会連続出場と、国際舞台での豊富な経験を持つ。小方選手は世界水泳選手権2023の200m個人メドレーで8位入賞を果たすなど、今後の活躍が期待される若手選手。

 坂井選手にとって世界水泳は9回目の出場となり、「自分が得意なのはノースプラッシュ(水面への入水時に水しぶきをほぼ立てない技術)。空中での技もですが、水しぶきにも注目して見てほしい」と話し、小堀選手は「決勝の舞台で結果を残したい。相模原の子どもたちにその姿を見てもらいたい」と語った。

 飛込は7月26日(土)〜8月3日(日)、競泳は7月27日(日)〜8月3日(日)に行われる。
2種類の迷路カード(上)、「alles liebe」(淵野辺)ではコワーキングスペース受付時に申告するともらえる(下、写真は市提供)

楽しく涼んで脱炭素 市が迷路カード配布中

 猛烈な暑さが続く中、公共施設などで涼しさを共有しエアコンによる電力消費を抑える「クールシェア」に相模原市が力を入れている。今年はクールシェアをした人に、迷路クリエイター・吉川めいろさんが制作した「MEICAご当地迷路カード」を配布するイベントを企画し、楽しみながら熱中症対策と脱炭素ができるようにした。

 「MEICAご当地迷路カード」は、広告デザイン国際賞「ニューヨークADC賞」を受賞した吉川さんが考案したコレクションカード。今回は東洋羽毛工業株式会社とダイキン工業株式会社フーハ東京の協賛によって2種類の絵柄のカードが作られた。

 中央区内ではエコパークさがみはらの「夏休み環境学校」や市立図書館の「子ども読書スタンプラリー」への参加などでもらうことができる。

黄色のバンダナが「ながら見守り活動」の目印(2024年撮影)

通学路見守り 登録者増 気軽に児童の安全確保

 児童の登下校の安全確保を目的に相模原市が2024年春に導入した「ながら見守り活動」と「スクールガード・リーダーの配置」。実施2年目を迎え、市内で活動する登録者数は増加傾向にある。通学路における旗振りなどを行う学童通学安全指導員が不足する中、児童見守りの新たな形となっている。

 「ながら見守り活動」は、市民が通勤や庭の手入れなどの日常生活を送りながら、児童の安全を見守るというもの。目印となる黄色いバンダナを身に付けた登録者は25年7月時点で172人。市教育委員会学務課の担当者によると「気軽に取り組める」、「児童とあいさつを交わすことが日常的になっている」といった声があるという。また、同活動をきっかけに通学路で旗振り誘導を行う学童通学安全指導員の登録者数も増加。昨年8月から20人ほど増え、現在195人が活動している。

 一方で、児童への声掛けが「不審がられる」といった声もあり、児童への周知が課題となっている。同課の担当者は「市内で個別登校を選択する学校も増え、見守り活動がより重要になる。地域と学校で協力しながら見守り活動の児童への認知を広げていきたい」と話す。

危険箇所マップも活用

 通学路の危険箇所の調査を行う「スクールガード・リーダー」によるマップ作成も進行している。市内小学校72校のうち14校の危険個所を示したマップが市ホームページに公開され、見守り時の活用を推奨している。

 市は「ながら見守り活動」の登録者を募集している。対象は市内在住・在勤・在学中の18歳以上の人。市ホームページの専用フォームから申請し、本人確認などの審査を経て登録される。
10ポーズで祝う同局スタッフら

アプリ登録者10万人達成 FM HOT 839

 地元FM放送局「FM HOT 839」の公式アプリ「FM++(エフエムプラプラ)」のダウンロード数が7月4日、10万人を突破した。同局を運営する(株)エフエムさがみの平岩夏木社長は「イベントで登録してくれた最初の一人から始まったアプリ。リスナーの皆様のおかげで達成することができた」と喜ぶ。

 同局がアプリの配信を開始したのは2019年の秋。23年2月に当初の目標だった相模原市民72万人の10%、7万2千人を達成。「10万人が見えてきた頃から番組で登録を呼びかけたところ、1カ月で200人くらい増え、応援の気持ちを感じた」。来年の開局30周年を前に、大台に乗った。

聞き方変化も変わらない役割

 関東大震災が契機となって1925年に始まった日本のラジオ放送は、今年で100年を迎えた。当時は情報伝達に加え、混乱時におけるデマなどを防ぐことも大きな役割だった。家庭用に普及した真空管ラジオ、小型のトランジスタラジオを経て、現在はアプリでの配信も広がっている。

 アプリ「FM++」では、ラジオ番組の放送だけでなく、災害時などに広く迅速に情報を伝えられるよう、「文字」でも情報を発信している。

 平岩社長は「聞き方はどんどん変わっているが、災害とラジオは切り離せない。緊急時の役割に加えて、今はフェイクニュースなどもある。人の声で責任を持って伝え続けることが、次の100年につながると思う」と話している。

8月13日 遺言や相続の講演会

 横浜地方法務局相模原支局(富士見6の10の10)は8月13日(水)、司法書士・法務局職員による遺言や相続に関する講演会を行う。参加無料。

 全3部制で第1部「遺言書制度」は司法書士(元公証人)の田中進さんが講演。第2部「自筆証書遺言書保管制度」、第3部「相続登記の申請義務化」はそれぞれ法務局職員が講師を担当する。

 午後2時から4時まで。公共交通機関の利用推奨。定員は先着順25人(要事前予約)。予約は8月4日(月)午前9時から電話と窓口で受け付ける。(問)同局総務課【電話】042・753・2110(ガイダンス3番)

商議所景気観測調査 製造業は大幅悪化 インバウンド需要・輸出拡大で好況

 相模原商工会議所はこのほど、4―6月期の景気観測調査の結果を発表した。昨年不調だった小売業・卸売業は改善に向かい、前期振るわなかった建設業も回復傾向だという。製造業と飲食業・サービス業は景況の減退傾向が続いているが、全体としては前期並み。次期は若干の改善が見込まれるとしている。

 景気観測調査は前年度同時期との景況を比較したもの。業況が「良い」の回答数の割合から「悪い」の回答数の割合を引いて算出する業況判断指数(DI値)を用いる。

全業種で物価高・コスト高つづく

 4―6月期の総合業況DI値はマイナス23で前期(25年1―3月)のマイナス24からほとんど動きはなかった。円安の影響で一部の業界でインバウンド需要や輸出の拡大による好況が見られる。依然として物価高・コスト高は全業種で続いており、金利上昇による悪影響を懸念する声も上がってきている。

 業種別に見ると、建設業のDI値が前期から6ポイント改善しマイナス12、飲食業・サービス業は4ポイント改善しマイナス22、小売業・卸売業も2ポイント改善しマイナス22だった。一方で悪化が見られたのが製造業。7ポイント減少しマイナス31だった。

建設業 次期は足踏み

 次期(7―9月)の総合DI値は今期から4ポイント改善を見込む。飲食業・サービス業は引き続き改善が進み、今期から7ポイント回復する見通し。今期落ち込んだ製造業は前期並みへの回復が見込まれる。建設業は今期が山となり足踏みが続くと見通す。小売業・卸売業はDI値のかなりの下落が予想されている。

 調査は同会議所会員3692事業所に対して4月1日から6月30日にかけて実施され、720件の回答を得た。回答率は20・9%だった。

社員や子ども食堂のスタッフが見守る中、防災食を調理する児童たち

富士見小5年1組 防災食調理を体験 大東建託が協力

 富士見小学校5年1組の児童たちが7月11日、中央公民館で開かれた「子ども食堂 ちゃお!」を訪れ、防災備蓄食の調理を体験した。まちの防災活動や子ども食堂の支援に取り組んでいる建設・不動産会社、大東建託(株)相模原支店が防災食を提供した。

子ども食堂の縁

 1組の児童たちは今年度、「ちゃお!」の坂本真理子代表を招いての講和や調べ学習などを通して地域の子ども食堂について学んでいる。この日は同社の担当者から子ども食堂への食材提供の取り組みや災害に強いまちづくりについて学び、水を入れるだけで食べられる災害時用の餅の調理を体験した。参加した児童は「焼かなくていいから簡単」「災害の時にも作れる」などと話していた。

イベントのポスター

犬と猿のサーカス 8月、相模白ゆり幼稚園

 相模白ゆり幼稚園(矢部4の1の20)で8月21日(木)、「犬猿の仲」と言われる犬と猿が同じステージで仲良くパフォーマンスするエンタメショーが開催される。未就園児とその保護者が対象で、観覧無料。午前10時から(9時45分受付開始)。

 同園の創立70周年を記念したイベントで、種も大きさも異なる動物たちが「絆」をテーマに力を合わせるショーが予定されている。

 園公式LINEまたは電話(042・752・2328)で要申し込み。

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相手をかわし前進するライズメンバー(チーム提供写真)

フラッグフットボール ライズJr. 低学年日本一に 7年ぶり3回目

 アメリカンフットボールXリーグのノジマ相模原ライズのジュニアチーム「ノジマ相模原ライズJr.チームS」が「小学生フラッグフットボール東西チャンピオンシップ大会」低学年部門で優勝した。日本一は2015年、18年に続き7年ぶり3回目。

 フラッグフットボールでは、アメリカンフットボールのルールをベースに、タックルなどの接触プレーの代わりに腰に付けたフラッグを奪い合う。チャンピオンシップ大会には東西の予選を勝ち抜いた4チームが出場。7月13日に東京都内で準決勝・決勝戦が行われた。

 準決勝を制し決勝戦に駒を進めたライズ。大一番で対したのは大東トマホークスだった。開始早々3分に司令塔の選手が相手をフェイントでかわしながらランで先制すると、その後も多彩なパスを織り交ぜながらタッチダウンを連発。68対18で圧勝し日本一を手中に収めた。

 谷口大翔キャプテン(3年)は「みんなで練習を頑張って、優勝することができて嬉しかった。秋も優勝できるように頑張って練習して上手くなりたい」と話した。

 フラッグフットボールは28年ロサンゼルスオリンピックの競技に採用されることが決まっている。20年から新学習指導要領の本編に掲載され、すでに全国の小学校の3分の1にあたる6700校で授業が実践されているという。

季節の便り 提灯揺れる夏の夜 境内で盆踊り

 矢部の村富神社境内で7月19日、地元の自治会協議会が主催する盆踊り大会が催され、多くの人が思い思いに夏の夜を楽しんだ。

 参拝路には、焼きそばや焼き鳥、綿菓子、焼きトウモロコシなどの屋台も出店。浴衣や甚平を着た子どもたちも小銭を握りしめて列に並び、「屋台グルメ」を楽しんでいた。

 夜6時過ぎからは提灯で照らされた境内で、相模原音頭や東京音頭などが踊られ=写真=、地域に本格的な夏の訪れを告げていた。

更生見守る明るい社会に 市がギオンスで啓発活動

 7月の「社会を明るくする運動」強調月間に合わせ、相模原市は7月12日、サッカーJ3・SC相模原の試合が開催された相模原ギオンスタジアムで啓発活動を行った。

 この運動は、犯罪や非行の防止と、罪を犯した人たちの更生について理解を深め、犯罪や非行のない社会をつくろうとする全国的な取り組み。市内では70以上の団体が参加しており、犯罪予防や非行防止活動、地域の祭りやイベントなどでの啓発活動を続けている。

 この日は市職員に加え、保護司会、更生保護女性連盟、BBS会のボランティアらも参加した。ブースを出店し、試合観戦に訪れた観客らにうちわなどの啓発グッズを配布。運動のマスコットキャラクター「更生ペンギンのホゴちゃん」とともに取り組みへの理解を呼びかけた=写真。

 市生活福祉課の担当者は「家族連れや若い方など幅広い年代の人に関心を持っていただくことができた。各団体とともに今後も引き続き活動の理解促進に取り組んでいく」と話した。

中央区誕生15周年記念ロゴマーク

市内3区、15年間の軌跡 公文書館で記念展示

 区制15周年を祝い、各区の魅力と個性豊かなまちづくりの歩みを伝えるロビー展示が現在、相模原市立公文書館 (緑区久保沢1の3の1)で開催されている。各区役所や公文書館が保有する資料、収集したグッズなどを通して、15年間の軌跡を振り返ることができる。来年3月13日(金)まで。

 市内の3区(緑区、中央区、南区)は2010年4月に市の政令指定都市移行に伴って誕生。今年で15周年を迎えた。

 同館の開館時間は午前8時45分から午後5時まで。休館日は土・日・祝日(原則)と年末年始。

 問い合わせは同館【電話】042・783・8053へ。

くじを楽しむ佐藤さん

駄菓子もくじも鯛焼きも きっかけは「母の夢」

 上溝にある地域住民の憩いの場「ラビット」は、昔ながらの駄菓子やくじ引きから鯛焼き、流行の「映え」スイーツなど、幅広いラインナップが並ぶ店。7月19日で5周年を迎えた同店は、連日世代を問わず多くの来店客で賑わっている。

 経営は店が入るビルを所有する根岸さん一家。ビルの空きテナントの借り手がつかなくなったことを機に、美大で空間デザインを学んだ根岸さんを中心に、家族で「母の夢だった」店舗をオープンした。「母の望みとお客様のニーズの両方に応える形で、ドライブインみたいな何でもあるお店を作った」と根岸さんは振り返る。流行の韓国スイーツやレトロな装飾を取り入れた店内は来店客のSNSを通じて話題を集め、現在では市外から足を運ぶ人も多いという。

 根岸さんは「母を見習って、これからも好きなことをしていきたい」と話す。「きっかけは母だけど、それでみんなが楽しめれば、上溝に住んでいて良かったと思えるのでは」

 週に2、3回訪れるという佐藤旭飛さんは、「くじがたくさんあって面白い。駄菓子や鯛焼きを買って友達と食べるのが好き」と笑顔を見せた。開店から5年。「母の夢」は今や地域のシンボルとなっている。

お気に入りの一枚を持つ笠原店長(写真上)と取材日17日の一枚(写真下)

今日の1枚 11年続く 美容院の看板

 上溝本町交差点のほど近くに、毎日変わる看板がある。美容院Fourna DESIGN(上溝6の20の1)の笠原貴史店長が毎朝、思いついた言葉を筆で半紙にしたため看板に張り付ける。11年続く日課だという。

 オープン当初は駐車場や休店日などのお知らせを書いていたが、数カ月後には現在のスタイルになっていた。季節に関することや時事ネタ、絵との組み合わせなど工夫を凝らし、同じことを繰り返し書くことはほとんどない。ただ、「込められた思いとか意味はないから詳細に問われると少し困る」と笠原店長は話す。

 地域の人たちにも親しまれているようで、通りがかりに写真を撮っていたり、声をかけられたりもあるという。

 上溝小学校の通学路ということもあり、児童から「見ていて元気が出る」という嬉しい声も届く。「一度書き始めたらやめられなくなってしまった。閉業までは書き続けると思う」

神輿と山車が行き交う祭り会場(写真は昨年)

26日(土)27日(日) 江戸から続く「神輿もみ」 夏の風物詩「上溝夏祭り」

 江戸末期から続く「上溝夏祭り」が今年も7月26日(土)、27日(日)に開かれる。各地区の神輿と山車が一堂に会して威勢のいい掛け声が響き渡り、相模原に本格的な夏の訪れを告げる。

県北最大規模

 これまで200年以上にわたり地域住民によって受け継がれてきた「上溝夏祭り」。京都・八坂神社の行疫神「牛頭天王」を勧請したことにちなんで古くは「天王祭り」として毎年7月27日と28日に行われていた。かつては「てんのうさま」と呼び、牛頭天王の御霊を宿した神輿を渡御することで厄病神退散や五穀豊穣、家内安全を祈願したという。「かながわのまつり50選」にも選ばれており、昨年は36万5千人の人出で賑わった。

 主催する「上溝夏祭り実行委員会」の小林充明会長は「今年は中央区誕生15周年記念を共に祝う祭りとして開催される。216年前に創建した神輿をはじめとした大人神輿が11基、子供神輿が5基、山車が8基出場する県北最大の祭り。熱中症に気をつけながら多くの人に楽しんでいただきたい」と話す。

 会場は例年と同様、てるて通りの上溝駅近くの交差点から上溝本町交差点までの区間と、まつり通りの上溝交差点からちとせ橋交差点までの区間。開催中は通行が規制され、歩行者天国となる。「宵宮」の26日は午後6時〜8時30分。「本宮」の27日は午後2時30分〜8時30分。

神輿渡御は27日夜

 祭りのメインを飾る神輿の渡御は27日(午後5時15分〜8時30分)。山車の巡行は26日(午後6時〜8時30分)と27日(午後5時15分〜8時30分)にある。

 そのほか、演芸ステージ(ミスタードーナツ上溝ショップ駐車場/26日は午後6時頃〜8時30分頃・27日は午後2時30分頃〜8時30分頃)、文化展(上溝公民館/両日とも午前8時30分〜午後10時)、パレード(27日午後2時40分〜)もある。

ラジオもお祭り気分 FMHOTで特別番組

 地元FM放送局・FMHOT839(エフエムさがみ/83・9MHz)は7月27日(日)、上溝夏祭り開催に合わせた特別番組「セイヤ!上溝夏祭り 2025」を放送する。午後6時〜8時30分。スタジオからの生放送と会場突撃リポートで祭りの魅力と熱気を届ける。

玄関アプローチの屋根に設置された神輿バルーンが祭りの開催を告げている

神輿バルーン登場 お祭りムード盛り上げ

 夏祭りの開催を週末に控えた上溝のまちに神輿型のバルーンが登場し、お祭りムードを盛り上げている--。鳳凰などが掲げられる大鳥部分に社名が記された一点もののバルーン。上溝小学校入口交差点にあるリフォーム会社「リフォームキャッチャー」(北畠直輝代表取締役)に設置されている。

 同社は種類の異なるバルーンを玄関の屋根に掲出している。社名の「キャッチャー」を表す野球の「グローブ」や、正月にはおめでたい「鯛」、梅雨時期には同社のマスコットキャラクター「カエルの『ハタケロ』」、冬場には「雪だるま」など、季節に合わせたものばかり。「上溝を象徴するひとつでもある夏祭りを盛り上げよう」と毎年、神輿バルーンを設置している。

花火が始まると子どもたちが歓声を上げた

けやきの子幼稚園 恒例の「ナイアガラ」 うまく着火せずも歓声

 けやきの子幼稚園(上溝/佐藤政樹理事長)で7月17日、恒例の花火「ナイアガラの滝」が披露された。園児や卒園児とその保護者、地域の人々が集まり、特別な夏のひとときを過ごした。

 強風の影響で今年は綺麗に着火しなかったものの、夜空に流れ落ちる光の滝を見上げた子どもたちは大きな歓声を上げた。佐藤理事長は「微妙でしたね」と苦笑しつつも「今年も喜んでもらえてよかった」と話した。

幼稚園・保育園・認定こども園 8月3日 合同就活フェス

 「相模原 幼稚園・保育園・認定こども園就活フェス」が8月3日(日)、相模女子大学で開かれる。教職・保育に興味のある高校生、幼稚園教諭や保育士として働きたい学生・既卒者など誰でも参加できる。入場無料。事前申し込み不要。

 主催は相模原市幼稚園・認定こども園協会と相模原市私立保育園・認定こども園園長会。合同で開くことで職員の話を直接聞ける場を設け、学生や就活中の人の利便性を高めてミスマッチを防ぐ狙いがある。

 午前10時〜午後4時。会場は同大学内の「夢をかなえるセンター」2階学食・カフェテリアと4階ガーデンホール(相模大野駅から徒歩10分)。詳細は同協会HPやインスタグラムから。各園の情報や職員募集状況などが定期的に発信される公式LINEもある。

相模原市 マイクラ大会 小中参加者募集

 相模原市とアリオ橋本(緑区大山町)が主催して8月17日(日)、同施設でブロックゲーム「マインクラフト」(マイクラ)を使ったイベントを開催する。

 マイクラで月の世界を再現した「ルナクラフト」を特別仕様にしたもので、タイムアタックに挑戦する。対象は小3から中3でキーボードとマウスでマイクラの操作ができる人。優勝者には豪華景品がある。

 定員30人。開催時間は午後2時20分から4時。当日の見学は自由。(問)市シティプロモーション戦略課【電話】042・707・7045

ロングセラー絵本がバレエ作品に

朗読とバレエのコラボ 9月14日 相模湖交流センター

 世代を超えて愛される佐野洋子さんのロングセラー絵本『100万回生きたねこ』を題材とした朗読と創作バレエのコラボレーション公演が9月14日(日)、相模湖交流センター(与瀬259の1)のラックスマンホールで開催される。主催は神奈川県、後援は相模原市。

 今回の公演は、舞台朗読と創作バレエを融合させた新しい形の舞台芸術。演出・振付・構成は、バレエダンサーの比嘉環さんが手掛ける。生と死、そして愛という普遍的なテーマを、言葉の力と身体表現で紡ぎ出す。

 2回公演で開演は正午と4時から(開場は45分前から)。チケットは全席指定で、一般1000円、小学生以下500円(3歳未満は入場不可)。チケットぴあ、キャピタルヴィレッジなどで販売中。

 公演についての問い合わせはアトリエヨシノ文化事業部【電話】042・682・6055(平日・午後1時30分〜4時30分)、チケットの問い合わせはキャピタルヴィレッジ【電話】03・3478・9999(平日・正午〜5時)。

取材に応じる鈴木さん

神奈川県医師会 「あって当たり前」守る 鈴木新会長にインタビュー

 県下9800余りの医師が加盟する神奈川県医師会の新会長に6月21日、藤沢湘南台病院の理事長・鈴木紳一郎さん(67)が就任した。抱負や医療の課題を聞いた。

 ――役割は。

 「市民に一番身近な郡市医師会と日本医師会の間で、地域の医療を守るために必要なことを吸い上げて国に提案したり、行政や医療福祉団体と連携し、県の医療方針をまとめる役割を担います。県民に正確な情報を発信することも使命です」

 ――就任後の抱負は。

 「医療の現実を県民に伝えて、共に考えていきたい。物価高でも価格が決まっている診療報酬や医療従事者の人手不足で、多くの医療機関が危機的な状況にあります。『あって当たり前』の医療は決して盤石ではありません。社会インフラとしての医療の在り方を県民と考え、守っていきたいです」

 ――未来の医療を守っていくための取組は。

 「生産年齢人口が急減し、医療従事者が不足するといわれる『2040年問題』に向けて、未来の担い手を育てていきます。今年、神奈川でドクターを目指す人に向けて情報を発信するウェブサイト『かなドク』を立ち上げました。今後も医師会の役割や医療に従事する魅力ややりがいを発信していきます。働き、考え、県民にも医療従事者にも公平な医師会を目指します」

 ――県民にメッセージをお願いします。

 「『医者の友達を作る』という気持ちで地域で信頼できるかかりつけ医を見つけてほしいですね。ネットの情報だけではなく、自身の身体をよく知る医師に相談することで、適切な医療を受けることにつながります」

「ナガサキ」より『谷口稜曄』2008年

写真で振り返る戦争 8月2日〜24日 江成常夫展

 戦後80年の節目に合わせ、相模原市民ギャラリー(中央区相模原1の1の3 セレオ相模原4階)で8月2日(土)〜24日(日)まで、自主企画展「戦後80年 江成常夫写真展 沈黙の伝言」が開催される。主催は相模原市。

 江成氏は1936年相模原市生まれの写真家で、現在も市内在住。本展では沖縄のガマ(自然洞窟)とそこに残された遺品の写真、広島・長崎の被爆者たちのポートレートを中心に展示。主催者は「戦後80年の今、本展が平和を祈念する機会となれば」と話す。

 会期中の9日(土)午後2時〜3時は江成氏が作品を語るギャラリー・トーク、24日(日)午前10時30分〜正午は東京藝術大学名誉教授の伊藤俊治氏との対談も開催される。

 開館時間は午前10時〜午後6時(最終入場午後5時50分)まで。水曜休館。観覧無料。問い合わせは同ギャラリー【電話】042・776・1262。

4選を果たした牧山氏(20日、横浜市中区)

参院選 立民・牧山氏トップで4選 国民・籠島氏、自民・脇氏、参政・初鹿野氏が初議席

 第27回参議院選挙は7月20日に投開票が行われた。改選議席4に対して16人が立候補した神奈川県選挙区では、立憲民主党の現職・牧山弘惠氏(60)が73万1605票を獲得し、4選を果たした。国民民主党新人・籠島彰宏氏(36)、自民党新人・脇雅昭氏(43)、参政党新人・初鹿野裕樹氏(48)が初当選を決めた。3選を目指した公明党現職・佐々木さやか氏(44)は議席を失った。

立民・牧山氏 食料品消費税0%を

 トップ当選した牧山氏は「多くの方が物価高に苦しんでいることをまちを歩いて実感した。食料品の消費税を0%へ引き下げ、ガソリンコストの25円値下げを実現したい。生活に寄り添える政治を全うしたい」とあいさつ。選挙戦を通じ、排外主義的な主張が大きくなってきたことに対しては憂慮を示し、「世界情勢を鑑みると自由を重んじるあらゆる国と手を携えなければならないこの時期に間違ったメッセージを与えてしまってはいないか危機を感じている」と語った。

国民・籠島氏 手取り増への期待感じる

 籠島氏は元農水官僚。選挙戦では玉木雄一郎代表が何度も応援に入っていた。国民民主党は参院神奈川では初の当選。籠島氏は「『手取りを増やす』と訴え、多くの有権者からの期待を感じた。若い世代や年配者からの政治を変えてもらいたいとの思いが票になったのだと思う」と述べ、「海外にいた経験から日本と海外の賃金格差を感じる。これを埋めていくための持続的な賃上げを実行していかなければならない。農水省出身の経験を生かし、コメ政策の改革にも取り組みたい」と意欲を示した。

自民・脇氏 党への信頼取り戻す

 脇氏は神奈川県の元局長。選挙戦では小泉進次郎農水相や菅義偉元首相らが精力的に応援。18日には石破茂首相が横浜市緑区へ応援に駆け付けた。脇氏は「県庁を辞めてからの11カ月間、多くの人と話をして、この国を動かしているのは、それぞれの方の力と思いなのだと実感した」と感想を語り、「私に信頼を託していただいた県民に感謝したい。政治への信頼、自民党への信頼を取り戻せるよう、私にできることは成果で、結果で返す。それしかない」と決意を述べた。

参政・初鹿野氏 薄かった反応、次第に大きく

 初鹿野氏は元警察官。参政党への注目が集まる中、最終日の19日は、公示日に続いて神谷宗幣代表が2度目の応援に入り、横浜市港北区での応援演説に多くの支援者らが集まった。大接戦となった4議席目の当確が報じられたのは午前4時ごろ。関係者と抱き合って喜んだ初鹿野氏は「最初は街頭で話していても反応は薄かったが、次第に数十人、数百人と集まるようになった。(有権者は)減税などの経済政策や外国人政策に共感したのでは」と述べ、「愚直にやるべきことを一生懸命やっていきたい」と抱負を語った。

公明・佐々木氏 逆風で接戦に敗れる

 佐々木氏は初鹿野氏との接戦に敗れて議席を失った。落選の報を受け、「大変厳しい、逆風の中の戦いだった。私の力不足でこの接戦を制することができなかったことを心からお詫び申し上げたい」と支援者に陳謝。「国内外の課題、主に物価高を中心とした多くの国民が感じている不安を公明党はしっかりと受け止めて、もう一度原点に立ち返って、寄り添っていく必要がある」と前を向いた。

共産・浅賀氏 4度目挑戦も届かず

 共産党新人の浅賀由香氏(45)は4度目の参院選挑戦となったが、今回も及ばなかった。浅賀氏は選挙戦を振り返り、「消費税減税の財源を明確に示したり、外国籍の人のせいで生活が苦しくなっているわけではないことを、根拠を示しながら戦うことができた唯一の候補者だったと思う」とし、「自民党の裏金問題への反省のなさや物価高対策の遅れを指摘し、自公が議席を減らすことに貢献できた」と述べた。

 神奈川県選挙管理委員会によると、選挙区の投票率は60・30%で前回の2022年を5・79ポイント上回った。

7月5日の試合(上・ボールを持っているのがウルイヴァイティ選手)、ウルイヴァイティ選手(下)写真提供=JRFU

ラグビー日本代表 相模原DB選手が先発 ウェールズに1勝1敗

 7月5日と12日に行われたウェールズ代表とのラグビー・テストマッチで、三菱重工相模原ダイナボアーズのエピネリ・ウルイヴァイティ選手が2試合連続先発出場した。日本代表キャップを8まで積み上げた。

 日本代表は5日、過去1勝13敗と負け越していたウェールズ相手に1勝。12日は22-31で敗れ、2連勝とはならなかった。ワールドカップが2年後に控える中、今後も予定されているテストマッチでの動向が注目される。

 ウルイヴァイティ選手は「良い結果もあれば、思うようにいかない結果もありました。相模原のみなさんのサポートに感謝しています」とコメントした。

 相模原DBからは李承爀選手も昨年、日本代表として試合に出場した。

坂井選手(左)と小堀選手(右)

相模原市出身の日本代表選手を激励 世界水泳選手権2025シンガポール大会壮行会

 相模原市は7月15日、世界水泳選手権2025シンガポール大会に出場する日本代表選手3人の壮行会を市役所本庁舎で開催した。

 壮行会に出席したのは市のホームタウンアスリートである飛込の坂井丞(しょう)選手(ミキハウス)、競泳の小堀(こぼり)倭加(わか)選手(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社/相模原市水泳協会)。同じく競泳の小方(おがた)颯(そう)選手(イトマンスイミングスクール港北校/日本大学)はスケジュールの都合により欠席し、ビデオでメッセージを寄せた。会場には石井賢之副市長のほか市議会代表として西家克己副議長、相模原スポーツを応援する議員連盟会長の古内明議員らも応援に駆け付けた。

 坂井選手はオリンピック3大会連続出場、小堀選手はオリンピック2大会連続出場と、国際舞台での豊富な経験を持つ。小方選手は世界水泳選手権2023の200m個人メドレーで8位入賞を果たすなど、今後の活躍が期待される若手選手。

 坂井選手にとって世界水泳は9回目の出場となり、「自分が得意なのはノースプラッシュ(水面への入水時に水しぶきをほぼ立てない技術)。空中での技もですが、水しぶきにも注目して見てほしい」と話し、小堀選手は「決勝の舞台で結果を残したい。相模原の子どもたちにその姿を見てもらいたい」と語った。

 飛込は7月26日(土)〜8月3日(日)、競泳は7月27日(日)〜8月3日(日)に行われる。

リチウムイオン電池からの出火、過去5年で倍増 相模原市消防局が注意を呼び掛け

 全国的にリチウムイオン電池からの出火が増える中、相模原市内でもリチウムイオン電池に起因する火災が急増している。市消防局が7月に発表した2024年中の火災概要によると、市内の火災件数は153件。出火原因としては「こんろ」が19件で最も多く、次いで「電気機器」が15件と続く。

 発表によると、リチウムイオン電池が出火原因となった火災件数は20年には6件だったが、24年には2倍の12件に増加した。

 市消防局はリチウムイオン電池からの出火原因を「管理の不適」(落下、高温放置、誤った廃棄方法など)と「構造の不適」(初期不良品など)、「不明」に分けて発表しており、「市内の傾向としては管理の不適から構造の不適に原因が推移している」と分析している。

身近な電気製品に使用されている

 リチウムイオン電池は高いエネルギー密度、軽量性、長寿命といった特徴から昨今、様々な製品に広く使用されるようになっている。スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、モバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホン、ハンディファン、電子タバコ、携帯ゲーム機、電気自動車(EV)、電動アシスト自転車、コードレス掃除機、電動ドリルなど、リチウムイオン電池の使用製品は多岐にわたる。

安すぎる製品には要注意。PSEマークの確認を

 担当者は「著しく安価な製品では安全装置が不十分な場合があり、注意が必要」と話し、購入する際は、電気用品安全法に基づいて安全基準を満たしていることを示すPSEマークが付いているものを選ぶよう推奨している。

暑さや衝撃が異常の原因にも

 担当者は使用上の注意として、密閉した車内やダッシュボード、直射日光の当たる場所に置かない、熱がこもりやすい場所(布団やカバンの中など)での使用・充電を避ける、衝撃・圧力・変形に注意する、推奨されている充電器を使用する、水濡れを避けるなどを挙げている。

 「リチウムイオン電池は高熱や膨張といった異常な症状が出てから実際に出火するまで時間差があり、タイミングが読みづらい」ため、異常を発見した際は、速やかに使用を中止し消防局に相談してほしいとしている。

 詳しくは同局予防課【電話】042・751・9117。

地産の野菜並ぶ 27日 淵野辺で

 淵野辺にあるシェアスペース「フチノベース(淵野辺4の18の11)」で7月27日(日)、環境に負荷の少ない方法で育てられた野菜が並ぶ「相模原の野菜マルシェ」が開催される。午前10時〜午後1時。主催は相模原市。

 相模原市は2023年、環境に負荷の少ない農業の充実を目指す「オーガニックビレッジ宣言」を行った。これまでは土づくり勉強会や有機栽培の実証圃場の運営など生産者に向けた取り組みを行ってきたが、市民にも環境負荷低減に取り組む農業の魅力を発信しようとマルシェが企画された。7月6日に開催された第1回には7組が出店し、市民約150人が来場したという。市農政課の担当者は「生産者だけでなく市民にも地元野菜の魅力の魅力を知ってもらいたい。イベントを通じて新たなつながりができれば」と話す。

 雨天決行。(問)同課【電話】042・769・8239

SC相模原 天皇杯でJ1川崎を撃破 激闘制し初のベスト16

 サッカーJ3・SC相模原は7月16日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(川崎市)で天皇杯3回戦に挑み、J1の川崎フロンターレを下した。過去天皇杯で2度優勝し、今年のACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート2024―25)で準優勝を果たした強豪相手に、PK戦にもつれ込む死闘を制しての大金星。海老名市内でのスタジアム整備計画を巡り複雑な状況にある中、応援に駆けつけた「サガミスタ」は歓喜に沸いた。

堅守光る

 1回戦で水戸、2回戦で磐田と2つのJ2クラブを破った勢いそのまま、クラブ初の3回戦に挑んだ。週末のリーグ戦から中3日、スタメンは6人を入れ替えた。序盤から川崎にボールを保持される展開が続いたが、高い集中力で得点を許さず、ボール奪取時には速い攻撃で相手ゴールに迫った。0―0のまま迎えた延長戦でも最後まで執念を見せ、川崎の猛攻をしのぎ切った。

 PK戦では、GKバウマン選手の高い技術と、キッカーを指名したシュタルフ悠紀リヒャルト監督の采配が光った。川崎は2人連続で失敗。3人目はバウマン選手が見事ストップした。相模原はFW武藤雄樹選手、MF竹内崇人選手、DF高野遼選手の3人が決めた。最終スコアは0-0(PK3-1)。試合開始前から勝利の瞬間まで、水色に染まるスタジアムの一角から緑の旗を振り声援を送り続けていたサガミスタに、初の「天皇杯ベスト16」という結果で応えた。

「みんなの勝利」

 試合後、シュタルフ監督は「前半からPKで勝つところまで、選手たちが『フロンターレに勝つんだ』というミッションに徹してくれた。フルタイムで一刺しできればよかったが、シナリオ通りの前後半を戦ってくれた。誇りに思っている。フロンターレは素晴らしいチームで、クオリティも含めて学ぶべきことがたくさん詰まったゲームだった。そんなチームでも、みんなで走って戦って助け合えば勝てるのがフットボール。PK戦の1ゲームだが、達成できてよかった。リーグ戦で苦しい戦いが続いているので、少しでもサガミスタが喜んでくれる結果が出せてよかった。フロンターレのサポーターはさすがで、水色の景色、応援は『いつか我々のホームスタジアムがこうなればいいな』と思うものだった。これを励みにリーグ戦につなげていけたらと思っている」と総括。集まったサガミスタに向けては、「応援にはもちろんいつも感謝している。我々が勝った時に歌う『ファミリア』は家族という意味。今日は大切な家族と勝利の喜びを分かち合えて本当に最高だった。リーグ戦では期待に応えられず、苦しい悔しい思いをたくさんさせている。でも、苦しい時にどれだけ結束できるかが家族だと思う。今日みたいな喜びをまた分かち合うために、苦しいリーグ戦も一緒に戦ってほしい。こんなに大きいスタジアムでこんなにフロンターレサポーターが多くても、我々のチャントは耳に入るし選手にも届いている。今日はみんなの力がうまく組み合わさっての勝利。試合は続くので、また週末みんなで勝利を目指しましょう」と呼び掛けた。

「守り抜いた」

 キャプテンのMF島川俊郎選手は、「内容は褒められたもんじゃない。けど、勝ったことがすべて」と安堵した表情を見せた。「先制されると苦しくなる。みんなが絶対に失点しないという気持ちで、狙い通りのゲームプランにはなった。アウェイでも焦れずに120分よく守り抜いたと思う」と振り返り、PKについては「キーパーたちに対しての信頼はすごくある。(蹴る選手に)『自信持って』と声はかけたが、何より外しても止めてくれるっていう信頼があった」と語った。

 

リーグ戦は苦戦16位に低迷

 現在、SC相模原はJ3リーグで16位。優勝、J2昇格を目標に掲げてシーズンをスタートしたものの、勝ち点を思うように積み重ねられていない。相模原市ホームタウンデーとして開催された直近のホーム福島戦でも、無得点で敗れた。

 川崎戦後、島川選手は「(リーグ戦では)結果を出せていないので難しい」としながらも、「誰も諦めていない。カップ戦の勝利は自信につながる。最後まで諦めずに戦い続ける」と話した。

 次のリーグ戦は7月20日(日)、アウェイの栃木SC戦。自信を力に変え、ホームへ勝利を持ち帰ることができるか。

 

 

6月に催された合同カラオケ大会も40人ほどが集まり盛り上がりを見せた

上溝地区老人クラブ 活性化の鍵は「合同」 会員減歯止めへ

 会員減少が続く老人クラブを活気付け輪を広げようと、上溝の9つのクラブから成る上溝地区老人クラブ連合会(新田恭一郎会長)がレング会の下部組織となる地域クラブの枠組みを超えた交流に力を注いでいる。

 「みんな同じ上溝の人」。そう話す新田会長が「合同」という言葉をキーワードに活性化を主導する。同連合会の会員数はピーク時の2007年には1033人だったが、今年6月時点では468人にまで減った。

 こうした状況に歯止めをかけようと始まった取り組みが「合同企画」。単位クラブの垣根を取り払い、カラオケ大会やグラウンドゴルフ大会を催してきた。6月末に企画されたカラオケ大会には5つのクラブから40人ほどが参加。朝からマイクを握り、演歌を中心に1人2曲ずつ自慢の歌声を響かせた。歌詞を上溝の地名に変えて歌うなど会場は大盛り上がり。地区の異なる参加者同士の会話も進み、親睦を深めた。

 新田会長は「地域の枠組みを取り払うことで、同じ企画でもマンネリを打破できる。新たな交流も生まれる機会になる。地域に老人会がない所もある。そうした地域の人にも声をかけていきたい」と話す。クラブの活動に興味がある人は新田会長【電話】042・733・4417へ。

市立図書館 子ども向け4作品上映 8月5日に2階視聴覚室で

 夏休み中に子どもたち向けの作品を上映する映画会が8月5日(火)、鹿沼台の相模原市立図書館2階の視聴覚室で開かれる。幼児向け作品の上映は午前11時から11時45分まで(保護者同伴)、小学生向けの作品上映は午後2時から2時45分まで。

 当日は幼児向けの作品として【1】「げんきげんきノンタンがんばるもん」【2】「14ひきのせんたく」の2作品が、小学生向けの作品として【1】「なかよしおばけ おばけのキャンプ旅行」【2】「日本のおばけ話 絵からとびだしたねこ」が上映される予定。

 申し込みは不要(当日直接会場へ)で定員は各回先着40人(それぞれ開演15分前に開場)。問い合わせは相模原市視聴覚ライブラリー【電話】042・753・2401へ。